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ユージンオニール作「日陰者に照る月」(A moon for the misbeforgotten)


ユージンオニール作「日陰者に照る月」(「A moon for the misbeforgotten」)
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文学座のアトリエ公演を吉祥寺シアターでみた。オニール晩年の長編戯曲である。(チャップリンの最後の妻はオニールの娘です)1923年9月、舞台はアメリカコネチカット州、月が農家の屋根を照らしている。娘ジョージは年老いた父親と貧しい農場を切り盛りしている。男兄弟は都会に出て行き、父娘二人で暮らしている。登場人物は5人だが、主な出演者は小作農の父娘とその恋人で地主の息子ジムティーロンの3人である。2場2時間半、対話の緊張感が絶えることは無い。ジムは母を亡くしたばかりで酒浸りの毎日である。母の死に目にも会わなかった自分を責めている。彼は小作農の娘を愛していた。二人は互いに愛し合っていたが、過去の苦しみから逃れることができないために、内心を率直に打ち明けることができない。
ジムは農園を売って、ニューヨークに出る決心をする。その日の夜
彼はジョージの家を訪ねた。二人は庭先でバーボンを飲み交わしながら夜通し語り合った。ジムとジョージを月が照らす。ジムは母に対する思い、心の苦しみを打ち明けた。夜が明ける。ジムは都会へ去っていった。そしてジョージと父親が残った。
翻訳は酒井洋子、演出西川信広、ホーガン(加藤武)  ジム(菅生隆之)
ジョージ(富沢亜古)いずれも好演。
去年の春、ブルックス アトキンソン劇場で上演されたが、そのときの主演はケビンスペーシーだった。(ユージンオニール劇場ではなかった)
ジムはオニールの兄がモデルだと云われている。原題の「A moon for the misbeforgotten」は私生児の意もある。

22日まで吉祥寺シアターで上演中
by daisukepro | 2008-12-18 18:26 | 演劇


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