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風雲ラピュタ城異変  その後

風雲ラピュタ城異変  その後

「天空の城ラピュタ」は宮崎アニメの代表作である。その名ラピュタを借用して阿佐ヶ谷で映画館(ラピュタ阿佐ヶ谷)を経営している男がいる。名前は才谷遼、本名川邊龍雄(57歳、大分県)、三里塚闘争を題材にした漫画を書いたこともあるらしい。映画館の他にフランス料理のレストラン(山猫軒)、アニメ出版社(フユージョンプロダクト)、アニメ学校、地下小劇場(ザムザ阿佐ヶ谷)などを経営している。若松孝二監督の映画「飛ぶは天国もぐるは地獄」のスタッフ(製作)に参加、配給がフユージョンプロダクトとなっているが、仕事ぶりは分からない。風雲ラピュタ城異変  その後_c0013092_22434819.jpg自称新左翼、父親がシベリヤ抑留者とかで左翼思想の影響を受けたという。昔は共産党に一票を入れてきたが、いまは支持していないそうだ。ジブリの高畑勳、映画評論家の山田和夫氏にアニメ学校の講師を依頼していることや共産党関係者を知っていることを自慢げに話す。
もっとも、山田和夫氏を共産党文化部長などと呼んでいるところから見るとかなりずさんな知合いかもしれない。自称が多いので正体はつかめない。(写真はラピュタ阿佐ヶ谷、風雪を感じる)

しかし、この男の行くところなぜか紛争が絶えない。労働審判、東京都労働委員会、東京地裁民事裁判など、まるで裁判のコンビニストアーである。なぜこの人物は人から訴訟を受けるのだろうか。

2007年の12月に次のような新聞記事が掲載された。「長時間労働と社長の叱責で出版社アルバイトの女性従業員が鬱病になり、自殺するという事件があったが、家族からの訴えで労働基準局は一審を逆転、過労死と認定した」この会社は才谷が経営するフユージョンプロダクトなのだ。
しかし、過労死と認定されても、この社長は反省するどころか、「本人と職場同僚がわるい」と遺族には素知らぬ態度を取り続けた。怒り心頭に達した遺族から損害賠償を訴えられ、現在、係争中である。2009年、つまり、明々後日の8月24日午後一時半、東京地裁で第2回目の審問が開かれる予定だ。才谷社長が出廷すればこの奇怪なる人物を生で見ることが出来るかもしれない。遺族支援のための傍聴歓迎。

労働災害が認定されたその年、ラピュタ従業員から才谷社長の女性従業員に対する暴言暴力行為が目に余るので暴力差し止め訴訟が起こされた。翌年2008年1月22日、裁判長から従業員に対して暴力、暴言を禁じる完璧な判決が下った。さすがにその時は謝罪したが、組合員や従業員に対する暴言はやまず、今度はラピュタ労働組合から不当労働行為で東京都労働委員会に提訴された。申立人らの審問が終わり、才谷社長の審問の番がやってきたが、経営困難を口実に出廷を拒んできた。しかし、ついに、7月13日、第2回の審問が開かれる運びとなった。
都庁舎34階にある審問室の傍聴席には10名程、支援者らしい人々が開廷を待っていたが、突然、20代の若い女性が15名ほど入ってきて後部席に陣取った。司法研修生ではなさそうだ。社長の噂がひろがっているのか、か弱い女性に暴力を振るう「女性の敵」だけのことがある。それとも近ごろ若い女性のブログで裁判傍聴記がはやっているが、その軍団かなと思った。
冒頭、弁護士の主尋問により才谷社長の陳述が始まった。
そのほとんどが、政治団体と労働組合の区別がつかず、共産党攻撃に終止する奇怪なものだった。そのはず、組合への組織介入は申立人らの陳述で立証済みであるばかりか、事実関係はご本人も認めているからだ。反対尋問に移る前に裁判長は休憩を宣言した。
傍聴人もほとんど退席したが、若き女性軍団の一人が私の肩を叩いた。
「おじさん、さっきからこの裁判を聞いているのですけど、何を争っているのかさっぱり分からないのですが教えて」と笑顔でいう。
話を聞くと女性たちは某有名私立大学生であり、法律の勉強をしているゼミの生徒で労働委員会の実習にきたのだ。申立人らが事件の争点とあらましの説明を終えた頃、委員会が再開された。申立人側弁護人の反対尋問だ。一問一答は長くなるので省略するが、背後の女子大生たちは事件のあらましを理解したらしく、社長が弁護士に追及されて答えに窮するとくすくす笑いが聞こえてきた。
弁護士は組合員に対するボーナスの支給差別、賃金カットの事実関係にしぼって追及する方針のようだった。社長は組合員だからではなく、アルバイトだから支給しなかったと弁明したが、組合結成以前に支給していたことは認めた。また、組合に対する暴力行為に話が及ぶと、「組合委員長が暴力をふるったことを前提なら認める」と声を荒げる始末で女子大生たちの失笑をかった。多くの陳述は弁護人がたずねてもいない支離滅裂な罵詈雑言、共産党攻撃に終始した。間もなく、こそ泥まがいの犯罪にに等しい時間外賃金不払いの地裁判決も下る。見学した女子大生は間違いなくラピュタやフユージョンを就職先に選ぶことはないだろう。
工場の門前から憲法は消え、職場で闘わない限り憲法がよみがえることはない。
「損害賠償請求裁判東京地裁526号法廷、8月24日13時半」はお忘れなく。次回都労委は9月10日14時が予定されています。
by daisukepro | 2009-08-21 22:48 | 映画


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