イラン戦とイラン戦争

ブッシュ政権が悪の枢軸国と指定するイランと日本は今夜一戦を交える。
もちろんサッカーの話である。今夜はナショナリストになって、テレビの前でオンザロックを傾けながら観戦しよう。
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ところで、ブッシュ米大統領は3月16日のホワイトハウスでの会見で、イランの核開発問題に関し、経済的見返りを受け入れ核開発計画を放棄しなければ、問題を国連安全保障理事会に付託する考えを示し、イラン側が求めている米国による敵対的外交政策の転換は受け入れない姿勢を示した。イラン側の正式な反応を待っていると語った。(毎日新聞)

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知っての通り、ペルシャ湾岸地域は、アラビア半島諸国とイラクとイランに三分できる。アメリカのイラン政策の機軸が形成されたのは1979年のテヘランでのアメリカ大使館人質占拠事件やホメイニ氏のイラン革命が起きた時である。
 イランは冷戦時代には、ソ連や中国から軍事的な援助を受けたこともあるし、イスラム原理主義運動の過激さも、アメリカにとっては懸念の対象であった。やがて、イランは、欧米の価値や利害に対峙する、ソ連に変わる「新たな悪の帝国」とされるようになった。「アメリカは40年以上もソ連を封じ込めてきた。それと同じように今度はイランを封じこめようとしている」とマッキー女史は言う。
対イランの孤立化政策は、また対イラク政策の欠如を露呈するはめになった。1991年の湾岸戦争は、国際社会の秩序規範の違反に対し、国連の平和強制システムが断固たる態度をとり、冷戦崩壊後のアメリカの強さを見せつける機会を与えた。イランを封じ込めるため、アメリカはイラクの武器開発を黙認した。サダム・フセインはこうしたアメリカの態度から、自分がクウェートへ侵攻してもアメリカは介入しないと思い込んだ。アメリカの参戦はクウェートの主権を守るという大義名分が強調されたが、湾岸戦争はアメリカの対イラク政策の誤謬が開戦へ水をひいたともいえる。
そして、イラク戦争へと拡大して行った。
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イアン・ブレマー(世界政策研究所のユーラシア研究室上席研究員)はイランをめぐる情勢を以下のように語った。
「ブッシュ大統領は国内外での利権を守るために、議会工作活動を有効に進めたという確固たる経歴があり ます。大統領補佐官コンドリーザ・ライスは、スタンフォード大学で、私の同窓生でしたが、シェブロン社の元役員であり、同社の世界進出を助けました。たとえば、カザフスタ ンとの間で、同社にとって過去最大規模の契約締結に成功し、同社のカスピ海地域への進 出を助けたのです」

「アメリカはイランに対する強硬な政策を打ち出しました。イランを経済的に締 め付ける政策、いかなる国もイランへの投資をしないよう(特にエネルギー分野への投資 をしないよう)あらゆることをするという政策です。アメリカは再三にわたり時間をかけ て、この点について日本を説得しようとしてきました。ご存知のとおり、日本はイランの アザデガン油田への投資に深く関わってきたからです。たとえば、ワシントンで今年始め に開かれた日米エネルギーフォーラムでは、イラン問題が主要な議題でした。日本はアザ デガン油田への投資に関する決定をおそらく無期限に延期すべきだというのが、アメリカ 側の明白な主張でした。日本側が当然心配しているのは、日本ではなく中国またはヨーロ ッパの国が投資したらどうなるのか、ということです。もしもそうなったら、アメリカの 友である日本は、日本とアメリカのどちらにとっても何のメリットもない形で経済的な利 権を失うことになります。アメリカのイラン制裁措置について、アメリカの石油企業は、 何年も前から同じ主張をしてきました。もしもイラン制裁措置で国際的な足並みが揃わな いならば、損をするのはアメリカ企業だけであるという主張です 」

「核兵器開発プログラム とそれに関連した研究を放棄するという約束をイランが守るとは、ブッシュ政権はまった く信じていません。イラン国内には豊富な石油資源があるため、イランにおける民事用原 子力プログラムの必要性に関する大きな疑いが、ブッシュ政権に浸透しています。イスラ エル/パレスチナ情勢がますます険悪で不穏となっていくなか、イランに関する懸念、ヒ ズボラに対するイランの継続的な支援に関する懸念が深まっています。これらすべての背 景を考慮すると、ブッシュ政権は、今後もイランに対して非妥協的な政策を貫くと思われ ます」
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ライスが来日したのは牛肉の押し売りだけではありません。日本のメディアは論理だけでなく感性までも失っている。ライスの輝かしい学歴とスタイルの映像ばかりを送っているテレビは公共性を主張する資格は無い。ライスのハイフィールからイラン戦争への足音が聞こえてきませんか。

でも、今夜はしばしイラン戦を楽しむことにしよう。
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by daisukepro | 2005-03-25 10:28 | マスコミ


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