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オススメ美術展「こうして私はゴッホになった」

オススメ美術展「こうして私はゴッホになった」

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国立新美術館でゴッホ展が開かれている。東京では12月20日(月)まで。毎週火曜日が休館日。入場料金は当日1500円、学生割引あり、高齢者はありません。

アクセスは地下鉄東西線「乃木坂」下車、地下通路(6番口)から地上に出ると目の前がチケット売り場である。オススメ美術展「こうして私はゴッホになった」_c0013092_21371134.jpg

大江戸線、日比谷線「六本木」からは5分〜6分ほど歩くことになる。六本木ヒルズやミッドタウンの地下街には飲食店街があり、値段のお安い庶民的な店もあるから帰りに立ち寄ることが出来る。チケット半券サービスをやっている店もあって、コーヒーなどのドリンクが無料だったりする。六本木ヒルズマップなどがあれば散策するのに便利ですね。
 サブタイトルは「こうして私はゴッホになった」なのでゴッホが先駆者の画家から何を学ぼうとしたか、技法習得だけでなく何を学んだか、そして歴史に残る世界的な画家に、それだけでなく人びとに愛される画家になったか。その成長過程を探求する構成になっている。しかし、こうしたガイダンス的な試みは功罪半ばするものでもある。
平日の午前中にかかわらず展覧会場は混雑している。世界の国々で日本人ほどゴッホが好きな国民はいないように思える。映画や演劇では繰り返し上演され、ゴッホの生涯は伝説になった。人びとはゴッホの作品と直接対面して心をうたれ、このような絵を描く画家はどんな人なのか知りたい好奇心に駆られるのである。すでに、ゴッホに関する情報はあふれている。けれどもそれらの情報や解説よりもゴッホの画面から得た直接的情報の方が心の奥に残っている。ゴッホの「ヒマワリ」や「糸杉」に対面した時の感動はいまでも忘れない。それは画集と全然違う作品であった。目から脳幹に直接飛び込んでくるようなショックがあった。

 どのように作品を鑑賞するかは自由だが、極端に言えば、展示の順路に従って丁寧にみることだけはやめたほうがベターなようだ。皆が展示の順路にしたがって鑑賞する仕方をするとかならず渋滞がおこる。パンダの見物ではないのだから20秒ごとに行列を規制して流して行くわけにはいかない。だから、著名な作品の前では必ず人だかりがするものだ。このような障害に出くわしたときにはどう対処すればいいだろうか。簡単である。そこを回避して見たい作品から見ればいいのである。しかし、そのためには事前の準備がいる。会場に行く前に展示作品をインターネットでチェックしておくこと、そして、これまで画集でしか見ていない作品のリストを作る。かつて見たことがあるがまた見たい作品もチェックしておく。そして、他の作品には目もくれず、一直線にお目あての作品の前にたつのだ。そして、時間をかけてじっくり見るのである。あとは気の向くまま人垣に隙間が出来た所の絵をみたり、椅子で休んだり、絵に添えられてある説明書きを確かめに行ったりすればよいのだ。
 
 今回はクレラー・ミュラー美術館から多くの作品が出展されている。特にサン・レミの精神療養所で描かれた作品は胸打たれるだろう。ゴッホの遺作といわれている「麦の穂」も出展されている。余談だがフランスの画家「モンティセリ」(1824〜1886年)の2作品が展示されていたのもうれしい。(ゴッホの手紙の中に彼の名がたびたび出てきます)ゴッホがどのような人であったか知りたくなった人には評論や研究書ではなく「ゴッホの手紙」を読むことをオススメします。全3冊ですが岩波文庫に入っています。小林秀雄の「ゴッホの手紙」は角川文庫です。
by daisukepro | 2010-12-04 21:43 | 観光


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