郵政民営化と規制緩和

「日本人はちょっとした言葉のいいかえでいろいろなごまかしをやっている」と4月、文京区シビックセンター小ホールで開かれたマスコミ九条の会の集会で、劇作家のジェームス三木さんは次のように話した。


『極東委員会で戦勝国の中国の代表がこう言ったんですね。「日本人は戦争をしてもそれを戦争と言わないだろう」と、「軍隊を持ってもそれを軍隊とは言わないだろう」と。だから、日本が満州事変とかシナ事変とかいろいろな戦争を起こしておきながら、それを戦争と言わなかった。上海事変。事変は戦争ではないと思っている。軍隊を自衛隊と言っている。巡洋艦をイージス艦と言っている。腸チフスをO-157と言い換えている。私は旧満州からの引き上げですけれども、引き上げしたというのはきれいな言い方です。本当は「難民」です。ついでに言えば、安楽死というのは私は「安楽殺」と言ったほうがいいと思います。ちょっとした言い換えでいろいろなごまかしができる』

そいういえば、太平洋戦争を大東亜戦争、侵略戦争を自存自衛の戦争、敗戦を終戦、北朝鮮からの難民は脱北者という。言葉の言い換えは必ず権力者側の都合が隠されている。「ギョエテとはおれのことかとゲーテいい」(改革とはおれのことかと緩和いい)などと川柳のように笑ってばかりいられない。国民総生産GNPも外資も含むGDPにかわった。
戦時立法がいつの間にか有事立法になり、規制緩和が規制改革、さらに改革
に短縮され、郵政改革、郵政民営化に言い換えられて行き、ますますことの本質が見失われる。アメリカ化をグローバル化などともいう。日米安保条約体制は日米安保体制といい、いつの間にか日米同盟にされようとしている。
アメリカ社会制度のスタンダードから見ると、自由な競争が法規制されることは民主的でない、社会主義、共産主義にみえる。まず社会は自由競争が絶対的に保障されなければならない。その上で敗者は保護すればいいという考えである。あらかじめ弱者を保護するようなやり方は不公平で、民主的でないということになる。むしろそれは独占禁止法で取り締まればいい。アメリカから見ると日本は自由な企業活動を規制する社会主義国家なのである。日本はそこから汚職や談合などの悪がはびこる。大企業や金融資本を規制している法律をとりのぞかないと日本市場で自由に企業活動はできない。それが、日本の民主化につながると本気で考えている。ブッシュはアフリカ諸国に徹底した知的財産保護を要求し、その結果、製薬会社が莫大な利益をあげる。弱者は高価な薬が買えず病死していく。そのかわり、涙ばかりの経済援助を大国が共同出資して提供する。十字軍の時代からやり方は少しも変わっていない。
アメリカの要請に従って、規制緩和、郵政民営化を推進する竹中、小泉をアメリカ通商代表は民主化の英雄のごくほめ讃えている。民主主義ということばを言い換えなくても言葉の持つ概念はすっかり変質している。

郵政3事業民営化法案が否決されそうだという報道が流されるやいなや、アメリカの投資家は市場から逃げ出した。株式市場は正直である。当面、350兆円もの甘い汁が吸えないとわかったからだろう。総選挙が待っている。談合や汚職の摘発を大いにやり、腐敗した官をマスコミの力で正そう。大衆の力で小泉の改革路線に鉄槌を加えよう。マスコミが本来の足場と力を取り戻すために努力しよう。

季節がまぜこぜになったセミたちの鳴き声をききながら、まだブラウン管のテレビを眺める。想定外の出来事が起こって、周章狼狽するワイドショーコメンテイターたち、彼らは必死に小泉改革を擁護する。小悪魔だなー。植木鉢や庭石の下に住む虫のようだな。
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by daisukepro | 2005-08-06 13:56 | 政治


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