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自民党の大勝(2)マスコミ操作

自民党の大勝(2)

塩爺こと塩川正十郎は某テレビに出演、「自民党はマスコミに対する考えを変えたんやわな。マスコミは政権政党を批判ばかりすると思うとたんやが、仲良くやらにゃいけんとーーー」のような発言をしていた。

今回自民党のマスコミ戦略の特徴は3点ある。一つは自民党のCM、二つ目は刺客の擁立、三つ目は世論調査である。
どの政党もTVCM(スポンサーCMではないのでSPOTCMになる)を作る時、党のイメージ売るには党首を主役にするのが手っ取り早いので、どの政党も似たり寄ったりになる。TVCM向きのキャラクターであろうがなかろうが党首の顔がテレビ画面に登場する。そうすると党首は何かしゃべらないと行けない。各党の広報がキャッチコピーを考えて提案する。15秒から30秒の間で政策を丁寧に説明できないので端的なスローガンやキャッチコピーを叫び、なんとか政党を印象づけようと苦心惨憺する。たいてい場合、あらかじめ何種類かのパターンをつくり、映像の長さを露出単位(15、30.60秒など)に編集しておく。TVCMは内容より回数と時間帯がものをいう。視聴率の高い時間帯に何回露出したかで勝負が決まる。
TVCMには特別な規制があるとは聞いていないので、金があればいくらでもSPOTは打てる。しかし、どの番組の間でCMを流すかは簡単にはいかない。あらかじめ時間帯は番組スポンサーが買い占めているのでスポンサーとテレビ局の協力がなければ効果的に利用できない。
ゴールデンタイムはすべて広告代理店と大企業が独占している。この仕組みについては話が長くなるので割愛するが、自民党が野党より優位になるのは誰でも察しがつく。
自民党は今回の選挙で、コミュニケ−ション戦略チームを初めて設立した。中心になった世耕氏は元NTT広報課長。「これまでの選挙は、ポスターはポスター、マニフェストはマニフェスト。縦割りでバラバラ。テレビに出る政治家は勝手に話していた。チ−ムはこれらを有機的に結びつけた」と話す。チームは党職員を中心に約15人。宣伝、遊説、政務調査、幹事長室など選挙に関するあらゆる担当スタッフが選挙期間中、毎日午前10時に一堂に会し、選挙対策を検討した。遊説での主張内容をどう展開するか、テレビでのアッピールの仕方、党幹部の応援先の選定など内容は多岐にわたった。世耕氏は公募した候補者選考も担当し、
候補者選びからの一貫した体制がとられた。
チームの会議には、自民党が今年1月、広報改革のために初めて契約を結んだ、東京のPR会社の社員も出席した。社員は、新聞記事を切り分けて傾向を分析するほか、全テレビ局のワイドショーなどを丹念にモニターし、コメンテーターや野党議員が話した内容をまとめ、毎朝会議で報告した。「相手の動きを読んで即応するのに役立った」と世耕氏はいう。
一例を挙げると、投票日を前にした8日深夜、自民党本部4階の一室に竹中平蔵郵政民営化担当相、世耕広報部長代理、小林温参議院議員が集まり、9日の夕方の民放テレビのニュース番組の討論会に小林氏が出席するため,急きょ竹中氏が年金問題についてレクチャーすることになったのだ.民主党がこのところ討論会でつかっている年金問題のツッコミパターンを世耕氏が示し、竹中氏がパネルを用意して,それを論破する方法を伝授したと毎日新聞は述べている。
この様な戦略から、CMはテレビ局別に最も効果的な時間帯をセットできるばかりではなく、世論の動向をみて番組出演者を選ぶこと、最も有効な内容のCMに差し替えることも、テレビ局と共同すれば不可能ではない。
ニュース番組の編成内容は必ず各党の討論会を組む、そこで郵政民営化賛成か反対かが問われることになる。一週間も郵政論が繰り返されると次第に自民党のウソが明らかにされてくるのだが、その後のCMでは記者会見場の赤い垂れ幕の前に座ったコイズミが「郵政民営化は国民の皆さんとの約束です」とやり「27万人の郵政公務員の既得権を守って、一体どんな改革が出来るんですか」とウソをくりかえすのである。一方、民主党のCMはいかにもコマーシャルめいた党首映像を流していたが、これはコマーシャルスタジオを使用してアメリカの制作会社がつくったものと言われている。CMに戦略がない。
それに比べて自民党CMは番組内容と流れに違和感がない。あたかも番組と同時に記者会見が行われているように計算されて制作された。このCMの狙いが視聴者の脳裏にインプットされたことは疑う余地はない。視聴者は不十分な討論を聞かされ消化不良を起こしているうちに、コイズミCMでピリオドを打たれる。「コイズミは国民との約束を守ろうとしたのに、妨害しているのは民営化に反対する者たち、国民のために改革しようとするコイズミの敵である、だから、国民の敵である。国民の加害者である。みなさん、たった27万人の郵政公務員のために国民の皆さんが犠牲になっていいんですか」と問いかけてみせる。皆さん、この話し方はどこかで聞いたことありませんか。そうです、詐欺商法の手口、騙しのテクニックそのものではありませんか。

もう一つは刺客騒動である。
ーーーーーーーーーーーー次回
by daisukepro | 2005-09-17 22:35


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