自民党の大勝とマスコミ操作(4)

自民党の大勝とマスコミ操作(4)

さて、各局の情報番組を「チャンネルカチャカチャ」で見比べた方はお気づきと思います。多少の違いはあってもどの局も内容は大同小異です。
取材した画像を流し、司会者にうながされてコメンテーターが出来事の感想や解説を加えるという手法まで同じです。あらかじめ下請け会社に作らせた特番を用意しておいて、穴埋めなどに使う。朝一番に取材した画像は昼、夕、夜と繰り返し流される。視聴者はそれぞれ好みの司会者を選んで選局する。これがやがて視聴習慣になるというパターンになっている。
これはFNNが開拓した番組製作手法である。
「ニュースを音楽や声優によるナレーションで脚色し、ニュースを細切れにしてワイドショーを中心にするなど視聴者の関心を引く」しかし、この手法は、専門家の短くまとめられたコメントに頼り、具体的に問題の真相を掘り下げる事がなくなり、各番組の独自性が失われ、画一的なニュース番組になるという弊害を生み出していることは事実が証明している。
しかも、記者クラブ制度、イラク自衛隊報道からワイドショーまで、報道の過熱を防ぎ、人権の擁護などを口実に報道規制が行われる。取材は一斉に好奇心の集まる事件に集中され、細切れにされ、真実を掘り下げた報道、スクープ報道は影を潜める。
取材するスタッフは下請け会社の契約者まかせで、何が取材の目的かも知らされないまま現場に派遣され、画像と音声を収録してくる。いまや、これを素材と呼ぶ連中もいる。素材に適当にコメントと音楽を付け、ゲストの鼎談でお茶を濁そうという訳だ。フランスからきたある女性特派員は「不思議ね、日本って、何でニュースに音楽流すの。要らないんじゃナーイ」と肩をすくめてみせた。
この退廃の沼に自民党戦略チームは釣り糸をたらすだけでやすやすと思い通りになった。
朝9時に自民党本部に集合した戦略チームの中には広告会社の社員がいて、前日報道された各局の番組の発言内容、傾向などをモニタリングしてきて報告する、それに対応して自民党チームは出演者の変更、発言内容のレクチャー、CMの差し替えなどを指示したという。


自民党が番組審議会などで露骨に介入していたころは図星で体制批判をするゲストは次々と抹殺されて姿を消した。久米宏の追放劇がその典型的な例だ。久米は過激な発言をするのでもなく、もっぱら常識的な市民感覚で司会をこなし視聴者には好感が持たれていたが、特に政財界人は忌み嫌っていた。久米の降板が決まると露骨にバンザイと叫んだ一部上場会社の社長がいた程だ。いまや、久米に変わって古館、モンタの全盛期に総選挙が行われることになった。終盤戦になると「郵政民営化は日米の金融資本の要求であり、アメリカの金融、保険資本を喜ばせるだけだ」というゲスト発言に声のトーンを高めて「郵政民営化は日米の金融資本の要求であり、アメリカの金融、保険資本を喜ばせるだけだ」というゲスト発言に司会者が興奮して「そんなことあるわけない!」となじるなど、なりふり構わぬ様相を呈するまでに至り、酒場の論争のような画面が流された。「あるわけない」どころか、英フィナンシャルタイムズに「国際金融が日本の郵貯350兆円を手に入れるのは、もうちょっとの辛抱」という署名入り記事がでていたぐらいなので、コイズミチルドレンや刺客連を除いて、郵政民営化を叫んでいる連中の8割は日米金融資本が喜ぶことを知っている。ただ,都合が悪いからいわないだけのこと。アメリカ金融資本の手先、竹中が郵政民営化担当大臣であることが何よりの証拠ではないか。アメリカ大使館の公式ホームページにもアメリカの要求項目が詳細に列記されていて、日本政府が要求実現を約束したと書いてある。これぞ、パートナーシップとほめ讃える言葉までのっている。いくらアメリカに要求されたのではなく、郵政民営化は日本の自主的判断だと強弁しても、内政干渉の匂いはぷんぷんしている。気のせいか選挙が近づくと急にアメリカ系保険会社のテレビCMが目につくようになった。コイズミがアメリカとの公約を守ったので、アメリカ金融資本は選挙結果におおいに満足、通商関係の役人とワインを飲んでいることだろう。

さて、参院で否決された郵政民営化を達成するためには、自民党が総選挙で多数を獲得することが必要条件である。そのためにコミュニケーション戦略を立案したのが有限会社スリードと株式会社オフィスサンサーラであるといわれている。両社は企業PRコミュニケーション戦略の企画、コンサルタント会社であるが、かれらが提出した企画書は「コイズミ内閣の支持層(商品ならば購買層)は主婦と子供、シルバー層であり、具体的なことは分からないがコイズミのキャラクターを支持、閣僚を支持する層である、これをB層と規定して、このB層にターゲットをしぼり、徹底したランニングプロモーションが必要」と述べている。最も重要な点は、「郵政の現状サービスへの満足度が極めて高いことである」などと指摘している。まあ、ごくありきたりの企画書である。
そして、フォーカスのポイントは「彼らが需用しやすい媒体に徹底フォーカスする。波状的かつ累積的にランニングを行う。従来型の新聞広告では期待値が低いので新聞折り込みチラシを提案したい」という。企画書はテレビやラジオについて政府広報番組の活用程度しか取り上げていない。つまり、政府機関などからチラシ広告を獲得するための企画書だったのである。しかし、この企画書の現状認識が自民党のメディア戦略チームの認識と一致したため、ウワさがひとりで歩き出したといえる。
しかし、この企画書が指摘した通りに、選挙後の調査結果は「コイズミ自民党の支持率(宣伝に踊らされて、コイズミ自民党を購入した人々)が最も高いのはテレビ平均視聴時間が3時間半を超える層」であることが分かった。
さすがは自由競争社会、この企画書の目的は政治ではなかったが、商品を売るエネルギーが政治を動かしたことになる。

次回は怪奇世論調査
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by daisukepro | 2005-10-01 19:57 | マスコミ


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