コイズミの靖国参拝


10月17日、コイズミの靖国参拝が強行された。
生中継を見ていると、公安警察が念入りに配備され、アリの隙間もない。
待機している中継カメラがその光景を映し出していたが、異様な空気が伝わってくる。事前に計算された演出意図が見え隠れする。
小雨降る中、公用車が到着する。背広を着たコイズミが緊張した顔で公用車から降りる。周囲をボディガードに守られ、神殿まで足早に直進、右のポケットから賽銭を取り出し賽銭箱に投げ入れるとコイズミは両手をあわせ頭を垂れた。一分ほどで踵を返し公用車にもどり姿を消した。これがコイズミパホーマンス、愚行のすべてである。
マスコミはミニチュアまで事前に用意して、これが公式参拝と違う流儀であることを丁寧に解説する。選挙のときと姿勢はまったく変わらない。コイズミは出演慣れした三流役者のごとくカメラを意識しながら歩く。
「他人がどう思うが、おれはやりたいことをやる男だ。どうだ、凛々しいだろう」と書いて鼻の先にぶら下げて歩いて見せた、あっという間の数分間、
「Gメン75」のテーマが聞こえてきた。一人で歩いているから「太陽に吠えろ」かな。それとも、駄洒落が古すぎて通じないかな。
数日後、党首討論が中継された。コイズミが外交と経済音痴であることは周知の事実。外交は外務省に丸投げ、経済は竹中に下請け。当人はさっぱりワカリマセ〜ンですませきた。弱点をつくのはいいが丸投げさんと九条改憲派では紙相撲にもならない。交渉中はヤクルトの古田でさえも握手を拒むのに、パホーマンスが終わればにこやかに握手となるのも加山雄三、「僕は幸せだなー」(これも古い)。まともな政策論争にはならない。しかし、靖国参拝問題だけは違う。波紋は世界中に広がり、日本の恥をさらけ出すことになる。
党首討論では最後の数分間靖国問題が質疑された。ここで浮かび上がったことが二つある。
なぜ、内外の批判があるのに靖国参拝をするのかという問いにコイズミは憲法19条を取り上げ、参拝は個人の自由だ。それを憲法が保障していると弁明した。これが詭弁中の詭弁であること。さすがペテン師のディベート、理論のすり替えもいい加減にしてもらいたい。人にはいろいろ顔がある訳ではない。あるときは公人、あるときは私人ということにはならない。鼻が私人で、口が公人ということは出来ない。国民が任命した内閣総理大臣は一人なのである。
これほど公私の区別を知らない総理大臣は世界にいない。これを許す国民もいない。浮気がばれれば辞任するのが権力者の立場というもの。これを許すとルールがなくなり無政府状態になるからだ。
知っての通り、憲法は政権担当者と国民の間で取り交わした社会的ルールです。
中学生の頃先生から教わった。憲法は99条で権力者は憲法を守ることを義務付けている。19条のいう内心の自由を保障するということはいかなる権力者といえども国民一人一人の思想や信念、内心の自由を犯してはならないというルールであり、基本的人権がここで保障されているのだ。権力者の内心の自由を保障しているのではない。憲法のルールを勝手な解釈で権力者が改憲したら憲法はただの紙切れになる。権力者に内心の自由はない。権力者が内心の自由を主張してルールを無視して勝手なことをやってもいいとはどこにも書いてない。憲法をこれほど知らない総理大臣は世界にまれだろう。権力者としての資質が疑われる。世界のルールも各国の憲法ルールを尊重することを基礎にルールが決まっている。だから、おたがいに内政干渉はしないことがルールになっている。もっとも、コイズミのパートナー、ブッシュは平気でルール無視をする。彼は神なのだから無理もない。神のお告げに従って行動しているのだから神のみぞ知る内心なのだ。ブッシュ一人のルール違反のために世界が混乱していることは周知のこと。
だから、党首討論で明らかになったことの一つはコイズミが憲法を知らないという事実だ。日本国民はこんな危険な内心を持つ男を日本の権力者として世界に送り出していることになる。こんなルール無視が二人揃ってジャンガジャンガを踊ると世界はどうなるか。想像をこえる。
もう一つ、コイズミは靖国参拝の理由を「戦犯を顕彰するためだけでなく、不戦の誓いをするためだ」と弁明した。これが彼の内心だとすると憲法九条がかれの内心ということになる。本当だろうか。
そこで、コイズミの頭をたたいてみた。どんな音がしたか。「ゴーシ、ゴーシ」と音がする。
かれは選挙に大勝して靖国参拝が内外の注目されていることを知った上で、いつ参拝するか考えた。適切に考えた。賢くもその日が10月17日だったのである。まさに10月17日はA級戦犯が密やかに国民の目を盗むように合祀された日なのである。
つまり、彼の内心は「不戦の誓い」とは反対に「A級戦犯の名誉が回復され,憲法を改正して彼らの復活する日が来ることを誓った」のだ。映画「オーメン」じゃあるまいし、南無阿弥陀仏、ここは仏教の国ですよ。東條英機の遺骨は熱海の丘に眠っているが、御霊はここ靖国に住んでいる。コイズミさんA級戦犯の墓参なら熱海に行けばいい。
コイズミの頭をたたいてみれば「合祀、合祀」の音がする。東條英機のお孫さんもさぞ感謝していることだろう。
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by daisukepro | 2005-10-20 13:51 | 憲法


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