マスコミ操作と介入


朝日新聞の報道によれば、2001年1月30日に放送されたNHKの番組「戦争をどう裁くかー問われる戦時性暴力」が為政者の圧力を受けて、番組内容の3カ所が変更され、改ざんと削除されていたことが番組担当プロデューサーの告発で明らかになった。証言は圧力を受けて番組を改ざんするまでの経過を生々しく物語っている。さらに、放送当日、放送総局長が3分間のカットを指示したという。
経過はーーーーー
1月下旬、安倍官房副長官(当時)と中川衆議院議員(現閣僚)らが国会政治家担当局長と放送総局長を呼び、番組の放送中止を要求する。放送総局長は「番組の内容を変更するので放送させて欲しい」とのべて、NHKにもどる。その日の夕方、放送総局長、担当局長、番組制作局長と担当プロデューサーの4人で試写が行われた。
ここで、1)女性国際戦犯法廷が国と天皇に戦争責任があるとした部分、2)米山準教授の話を数カ所 3)国際法廷に反対の立場をとる日大教授のインタビューの追加を命じられる。
さらに、放送当日(1月30日)になって放送総局長は1)中国人被害者の証言、
2)東ティモールの慰安所の紹介、3)加害兵士の証言の3カ所をカットを指示した。
制作現場の全員がこれに反対したが、業務命令が強行された。この結果、番組の企画意図は損なわれ、カットや改ざんによって1分間縮小された。
NHKは昨年9月、内部通報窓口、コンプライアンス推進委員会が設置されたので、昨年12月9日、担当プロデュサーはこの窓口に調査を求めた。しかし、今にたるもNHKはなんの調査も聴取もしなかったので記者会見を開いてこの事実を公表した。
表現報道の自由への重大な侵害行為の事実経過は以上である。

世界中のドキュメンタリーや報道番組に権力の支配介入は絶えない。だから、テレビ局には報道の自由の権利が与えられている。テレビは権力の支配介入に公正、中立であり、独立した権利を視聴者から与えられているのだ。
イギリスBBCは優れたドキュメント番組を世界中に発信しているが、このような管理者の支配介入に対しては職場が直ちに対応し、場合によっては一斉にストライキに入り阻止する。
さらに、大きな政治介入には局をあげて抵抗することがあった。
BBCは職場の抵抗力によって優れた番組が発信できているのだ。NHKはどうだろう。日放労は海老沢会長の退陣要求はしているが、かくも明白な報道の侵害にたいしてストライキに入り、抵抗の姿勢をなぜ示さないのだろうか、不思議である。
報道統制で最も効果があるのは自主規制である。放送労働者が自らの内面に権力者の思惑を寄生させ、権力者が介入するまでもなく意向に添った番組をつくるようになることである。NHKの労働者がかくも堕落しているとは思えない。勇気ある内部告発者を見殺しにするな。
日本に表現報道の自由はない、市民と放送労働者がたたわない限りーーーーー
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by daisukepro | 2005-01-14 08:38 | マスコミ


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