不法滞在取り締まり

早朝、新聞を取りにでようとすると家の前に怪しげな男が二人立っている。
窓から様子を見ていると、男たちは合図を送って左右に別れ、一人は路地に潜んだ。2、3秒の間があって左方向から服装はまちまちだがいずれも屈強、人相はすこぶる悪い男たちの集団がフレームインしてきた。工具でもない武器のようなものを腰に付けている。路地に隠れた男も素早く集団の後を追った。
時間を見計らって表に出てみる。坂上の丁字路には警官が二人立っている。散歩するふりをして近づくと辻々に私服が立っていた。「人相悪いから暴力団かと思った」と話しかけると初々しい警官はにこりと笑った。
噂はたちまち地域に広がった。情報通のおばさんの話だとこの辺りには外国人が住む家賃の安いマンションが多い。一斉にガサ入れをしたらしい。やがて、なにやらバックのような押収物を手にして一団は去っていった。ここは豊島区、広報は英語、ハングル版もある。ひったくりも多発している。大塚駅前の雑居ビルで殺人事件が発生した。犯人は中国人らしいとかいう悪い噂が流れる。池袋西口周辺を大名視察しながら法務大臣が「この辺りは昔よく飲んだものだ、不法滞在の取り締まりを強化して市民の安全をはかりたい」とTVインタビューに答えていた。もし、憲法九条がなくなり、自衛軍になり、スパイ防止法と軍事法廷がある社会がやってくると、人間の絆と信頼が失われ、すべて敵と味方に分別される。そんな日常はどうなるだろうか、恐ろしい悪夢が脳裏をかすめる。



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by daisukepro | 2006-01-27 20:37 | 憲法


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