続々続々「マスコミ操作と介入」


1月24日、第2回目の部長試写が行われた。通達した削除が実行されたか確認するためである。部長はもう一人別の人物をともなって現れ、性暴力の加害者の証言の信憑性に疑いをなげかけ
「証言はいらないんじゃないの」と削除をうながした。反論するとにわかに部長は感情的になり、「このままだしたらみなさんとはお別れだ。二度と仕事はしない」と言い放った。NEP21と教養番組部の職員にたいしても「お前らともだ」と叱責した。
この時点で番組の編集権はDJからNHKの手にうつされることになった。1月27日には右翼団体がNHK教養部に抗議に押しかけた。1月28日、昨年収録された高橋助教授のシーンをあらたにとり直し、シリーズ第2回番組は満身創痍ながら完成にこぎつけた。
放送前日の29日、野島担当局長は松尾放送総局長(当時)を伴って安倍官房副長官(当時)と中川議員両氏に面会して、この番組について釈明した。しかし、同意が得られず「番組内容を変更するから放送させて欲しい」と述べ、NHKに戻った。この席でどのような会話が交わされたか当事者の告白か、録音テープでも残されていない限り知るよしもないが(1月18日朝日新聞に介入発言が詳細にのっている)、松尾放送総局長はスタジオへ取って返し、午後6時からすでにオフライン編集を終了していた番組の試写を伊東番組制作局長、野島担当局長も出席してさらに番組内容の変更を指示した。告発者、長井NHKチーフプロデューサーの証言によると「法廷」が日本軍に人道的罪、天皇に責任があるとした部分の全面的カットを指示し、米山カリフォルニヤ大準教授らの話を数カ所でカット「法廷」に反対の立場をとる秦日大教授のインタビューの大幅な追加が強要された。すでにオンライン編集を終えていたVTRの手直し作業を深夜におこなった。
放送当日、1月30日の夕方、すでにナレーション収録、テロップ入れなどの作業が終わり、完成間近となっていた番組内容をさらに3分カットするように命じた。そのために中国人被害者の証言、東チモールの慰安所の紹介と証言、もと日本軍兵士の証言が削除され44分の番組は40分に短縮され異例の形で放送になった。
ふくよかな表情の割には安倍副官房長官の介入がいかに厳しく徹底していたか伺える。
かくて、番組は犯罪者を追いつめるように徹底的に切り刻まれテーマの心臓部までえぐりとられたのである。痛ましい。番組の主張の善し悪しはさておくとして、このような言論にたいする政治的暴力が許されていいものだろうか。
視聴者の知る権利、見る権利は完全に足蹴にされたのである。
この間、シリーズ第3回にたいする局上層部の「介入」が始まったのは、28日の夜、第3回の完パケ(完全パッケージの略で、白素に音楽効果やナレーションを加え、そのまま放映出来る完成番組)作業が終了してからのことだった。突然、局長レベルの試写が局内で行われることになったという報告をうけた。DJ側が参加したいと申しでたが、拒否された。「改編」作業の命令が出されたのは、この直後だった。
「法廷」の一環として「公聴会」が開かれたというナレーションの削除、「女性国際戦犯法廷」というテロップの削除、元「慰安婦」が映っている場面と説明ナレーションの削除等。それらは全て、第2回とのつながり、すなわち「法廷」とのつながりを断つことが目的であることは、一目瞭然であった。
この暴挙を契機にこの制作会社のディレクターは低賃金劣悪な労働条件にも関わらず、誇りを持って長年働いてきた職場をさった。
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by daisukepro | 2005-01-18 07:58 | マスコミ


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