シリーズ「小さな政府」2 /株式会社「保健医療ビジネス」

「小さな政府」「官から民へ」、無駄な道路を作らないために道路公団を民営化したというが、やっぱり計画通り無駄な道路は作られる。高級官僚の天下り先は社名を変えただけ、中身は何も変わらず、税金のつまみ食いはなすがママ、キュウリはパパ。出物と悪知恵はところかまわず。公共医療機関でも手口は同じ。
梅は咲いたか、さくらはまだかいな、元禄小唄の季節というに、帯状疱疹とは情けない。高い薬の割には直りが遅い、脇腹の痛みは続いている。腎臓、肝臓に副作用もある。いろいろ検査されて、悪い所を見つけては、このままだと明日にも死にそうなことを医者は言う。悪徳リホーム会社のセールスマンを連想してしまう。頑固者の友人が、「医者はタバコと酒を止めろと云うが、俺は止めない。それで直るなら医者はいらない」と怒っていた。患者が素直になれないのは医者の態度からきていると思う。病院の経営が苦しいのは「小さな政府」のせいで、患者がわるいわけではない。生活が切り詰められて病院にかかるゆとりがないのだ。病院の待合室ではいつも長時間待たされるので、退屈しのぎに医療機関について話そう。ここは民間の病院だが、この国には国公立病院はいくつあるだろう。
手元に平成7年のデーターしかないが、国立病院は388、全病院数の4%である。細かいことはさておいて、これらの病院は年間約3000億円(運営費2200億、設備費150億)の財政支援を受けている。
公立病院は914施設、ここの国(税金)からの助成金はなんと年間1兆円(運営費5000億、設備費1800億)を超えている。
国は特殊疾患診療・不採算医療などを担当していることを理由に挙げているが、この財政支援は本当に患者のためだろうか。市場原理主義者たちの公正だとされる競争原理によって、民間医療機関はこの軍団と競争させられるのだからひとたまりもない。
「小さな政府」の理屈ではこれを民営化すれば無駄がなくなるということになるのだが。民営化すれば直ぐにこれらの病院が赤字倒産することは疑いもない。コイズミ総統が厚生大臣だったころ、厚生省の高級官僚が厚生共済事業団?という独立法人を作って、天下ったことがあった。なんと22名の役員中、22名が天下りだった。国会で追及されたコイズミ厚生大臣の鶴の一声でこの財団は廃止となった。だが、ほとぼりがさめたころ、この機関は民営化され平成9年、資本金3125万円で「株式会社保健医療ビジネス」という会社となった。平成10年には「厚生共済会ビジネスセンター」とまた名前をかえた。マネーロンダリングのようだ。名前をかえても中身は変わらず、取締役12名中、9名が天下り官僚なのだ。この会社は年間140億円の利益を上げている。独立法人ではないから予算委員会で追及されることもない。これだけのアリがたかっているこの優良会社は何をするところなのか、ネットで検索してみる。 Not found、ホームページはしっかり消えている。
頭隠して尻隠さず、残っているキャッシュを開けてみると、この会社の事業概要は病院の駐車場管理、売店、清掃など設備の管理運営をすることになっている。国立病院の設備費の助成金は年間500億円、病院はこの会社と委託契約して助成金の大部分を垂れ流す仕組みだ。独立法人にしようが、民間企業にしようが、かけた看板を変えただけで高級官僚が甘い汁を吸う仕組みはかわらない。これがコイズミの「小さな政府」官から民への実体だ。これで簡素化効率化とは空いた口の塞ぎようがない。国会と納税者の眼をかすめれば何でもありの世界なのだ。コイズミ総統がこの仕組みを知らない訳はない。共犯者なのだ。コイズミ総統に官僚批判ができるわけがない。
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by daisukepro | 2006-03-09 22:42 | 政治


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