シリーズ沖縄番外地/「沖縄版アブグレーブ事件」

シリーズ沖縄番外地/「沖縄版アブグレーブ事件」

お待たせしました、本日より「沖縄番外地」を連載致します。

夕方、那覇空港は雨、JALは5分ほど遅れて羽田に向かって離陸した。
4日の滞在期間中、3日は悪天候、最終日にようやく晴れた。
ジュゴンの住む海は溶けるように青い。辺野古崎、キャンプハンセンとシュワブはここにある。

c0013092_1162616.jpg朝八時、有刺鉄線が隔てている浜辺の向こう側では米兵と自衛隊員が整列して儀式を行う。「星条旗よ永遠なれ」、続いて「君が代」が吹奏される。何かの記念日には空砲が轟くこともある。いつの間にかマスコミ報道では「日米同盟」と表示するようになった。この浜辺に立つと「日米同盟」の実体は日米軍事同盟であることがわかる。毎朝、憲法九条違反のトランペットが高らかに流れるからだ。150メートルはあるだろうか、螺旋状の有刺鉄線が海に向かって敷設され、その先端は海中に消える。色とりどりのリボンが鉄線に結ばれ、風にはためく。「ジュゴンと平和をまもれ」、「新基地建設反対」など手書きの文字が読み取れる。抗議する人々が残していったものだ。

沖縄版アブグレーブ事件はここで起こった。

沖縄のジャーナリスト森口さんはこの事件を次のように伝えた。「信じられないようなことが辺野古で起きた。本土(広島)から辺野古の浜を訪ねた一人の青年が、3人の米兵に小突き回されたり、四つん這いにされたうえ、浜を断ち切る有刺鉄線に結わえつけられた平和を願うメッセージを取り除くよう強要されたという。1月22日午後7時頃のことだ。」
被害者Hさんは次のようなメッセージを書いている。
「今回、私が被った事件は絶対に許せないものです。私は沖縄のことを知らずに旅をしていたものです。那覇に立ち寄った時に辺野古に関連するチラシをもらいました。そして、辺野古まで来ました。辺野古に着き、辺野古の浜辺に有刺鉄線が引かれ、砂浜が基地に奪われているのを見てとてもショックでした。そして、それを知らない多くの人達に知って欲しいと思いました。その有刺鉄線には「基地は要らない」というたくさんの人達のメッセージや思いがリボンに書かれてしばってありました。米兵は私に対してそのリボンを引きちぎるように命令し、強要しました。私は多くの願いが込められたリボンを引きちぎる行為を許すことは出来ません。そして私自身がその行為を強要されたことに強い怒りを感じています。 私は私が米兵にされたことを皆さんに訴えます。TVには写らない沖縄があるということを、沖縄の現状は60年続く戦争状態にあることを、日本中が戦争状態にあることを。このことを知らない多くの人達に知って欲しい。 沖縄は(日本に)返還されたと聞きました。しかし、私が見た沖縄はいまだに植民地状態にあります。こういう状態を多くの人々が知らなければとこのようなことが起こらないために」

米兵はリボンを引きちぎる行為を犬のように四つん這になってやれと青年に強要した後、砂地に「SORRY」と書かせてやっと解放した。私たちは「有刺鉄線に絶対にひとりで近づかないでください」と忠告を受けた。2+2合意に白紙委任状を与えた閣議決定後、キャンプシュワブ基地周辺では苦渋に満ちた緊張関係が走っている。日米軍事新体制に抗議して、名護市周辺の住民は24時間体制の座り込みを続けている。

浜辺は静かな波音だけが聞こえる。遠い雷鳴が徐々に大きくなり、突如、上空からヘリコプターが舞い降りてきた。海兵隊の軍事訓練が始まった。
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by daisukepro | 2006-06-08 11:07 | 憲法


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