シリーズ「沖縄番外地」嘉数高地のいま

シリーズ「沖縄番外地」嘉数高地のいま

本日はジーコジャパン(私はアントラーズバフなのです)の初戦、短く行こう。おばあがひとつずつ丁寧に手摘みしたシークアーサーで焼酎を割って呑みながらテレビ観戦だ。

宜野湾市の嘉数高地の石段を上ると、お椀を伏せたような青色の塔が立っている。更にその塔の螺旋階段をのぼる。そこから、普天間基地が一望できる。
c0013092_2016191.jpgひどいを通り越してびっくりたまげて、腰を抜かす。なんと、市街地のど真ん中を滑走路が切り裂いている。飛行機を誘導する進路塔が民家と隣り合わせに並んでいる。飛行機が進入するたびに頭を抱えて耳を塞ぎ、人はムンクのように叫ぶだろう。かすんで見えないが、基地の反対側には国際大学や市役所などの建物が並んでいる。国際大学は米軍ヘリが墜落したことで有名になった大学だ。防衛庁との交渉中のメンバーが役人の態度に腹を立てて「さっきから聞いているとヘリは落ちないから安全だなんて言っているけど、とんでもない。基地の移転を急がないと明日にでもヘリが落ちるぞ。そうなったらどうするんだ」と叫んだ。その言葉通りに翌日ヘリが国際大学に墜落したと云う。話ができすぎて笑えない。
なぜか、普天間基地にヘリは一機も姿を見せない。しばらくすると、どこからともなく双発の輸送機が旋回しながら飛来して、私たちの頭上越しに着陸態勢に入った。着陸するのかと思ったら、直ぐに機首を上げて離陸した。タッチ&ゴーだ。輸送機は宜野湾市の上空をゆっくりと旋回して、もどってきた。そして、同じ訓練を何度も、何度も繰り返した。
そのうち、修学旅行の高校生の一団が階段を上ってきた。引率の先生が基地の説明を始めた。が、彼女たちはおしゃべりに夢中、ほとんど聞いていない。国際大学の墜落現場の写真を見せながら基地の危険性を話す先生の声は、女子学生の笑い声にかき消される。先生は突然、「ねえ、見てよ、こっちをみてよ」と指差した。「今夜、あそこが君たちの泊まるホテルだ」。そのときだけ、彼女たちは先生の指先を見た。相変わらず着陸訓練は続いていたが、彼女らは見向きもせず、次の修学、いや観光場所に移動していった。先生って職業は大変だなあ。
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by daisukepro | 2006-06-12 20:17 | 憲法


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