シリーズ「沖縄番外地」国を愛する心と護郷少年隊

シリーズ「沖縄番外地」国を愛する心と護郷少年隊
c0013092_9374023.jpg名護小学校正門の左側にある小道の階段を上る。鬱蒼と茂った樹木に囲まれて石碑が立っている。「護郷少年隊の碑」を建立した理由が横の石に刻まれている。
大意、「昭和19年10月、当時17歳から19歳の少年が防衛召集令により護郷少年隊を編成した。猛訓練の末、山原各地を転戦し郷土防衛の大任を果たし散華された英霊を慰霊顕彰せんと揺籃の地に碑を名護小学校に元隊員の総意でこの碑を建立した」と書かれ、末尾に大本営直轄第一護郷隊隊長名が記されている。もうひとつの碑文では少年隊の解散までの経緯が記され左側に戦没者として95名の名前が刻まれている。大本営直轄の護郷少年隊はここだけでなく、沖縄全土で第四隊まで編成された。
生まれ育った山河、海、自然の光景、隣人家族、故郷への愛着は誰もが抱く自然の感情だ。故郷を護るということを護郷という。戦争をする国の論理では故郷を何から護るかと云えば敵からである。愛郷心はストレートに愛国心となる。
ある日、隊長が少年に声をかける。「本土決戦の日が間もなく来るだろう」「君はこの美しい故郷が好きか。」「この地を護るために少年隊を結成する。君も来ないか。」「愛する故郷、国のため命を捧げる覚悟があるか」少年たちは遊撃隊として訓練を受け、敵陣への切り込みを命じられた。

沿革史は下記のように記載されている。
「第一戦の戦闘に各隊は夫々戦闘地域に侵入せる敵に対し果敢なる挺身遊撃戦を展開し軍主力の作戦に呼応せり。4月下旬多野岳等の基地を欠陥せるも屈せず神出鬼没或は夜間爆薬を抱いて敵陣深く侵入し或は白昼堂々と特殊秘密兵器を以て攻撃し敵の心胆を寒からしめ以て遊撃戦の本領を遺憾なく発揮せり」
地元のひとの説明によると少年隊の四分の一が戦死したと云う。イラク戦争の自爆テロまがいの特攻を少年たちに命じたのだ。この碑文を見る限り隊長に反省のかけらも、苦渋の後も見られない。もうひとつの靖国神社がここにあるだけである。
愛国心を説き、教育基本法を変えようとする人々よ、あなた方に問いたい。この残酷な少年碑をもういちど重ねたいのか。
過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目となる。(ヴァイツゼッカー元ドイツ首相)
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by daisukepro | 2006-06-14 09:32 | 憲法


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