続々続NHKとBBC

c0013092_0443128.jpgBBCラジオ(2003年5月29日)に「TODAY」という早朝番組がある。ことのおこりはアンドリュ・ギリガン記者がこのラジオ番組に電話で出演して「ブレア政権はいわゆる“45分情報”が間違いだとしりながら、それを2002年9月の政府報告書に盛り込んだ」とスクープした。「45分情報」とは「イラクは45分以内に大量破壊兵器(生物、化学兵器)を実戦配備出来る」という内容で、イラク参戦に反対の強かった英国議会と世論を参戦へとリードする重要な情報であった。
このスクープで窮地に立ったブレア政権は「イラクの脅威をでっち上げて戦争を強行した」とのBBC報道の情報源は英国防省顧問のケリー博士だとあきらかにした。そのあと博士は自殺した。この自殺をめぐって独立調査委員会がもうけられた。2004年1月28日、同委員会が提出した最終報告書が通称「ハットン報告書」である。
同報告書 の要旨は「(1)アンドリュ・ギリガンBBC記者の「政府に対する極めて重大な批判」は根拠がない。 (2)BBCニュースの編集体制には欠陥がある。(3)BBCの経営委員会は適切な調査をおこなわなかった。(4)政府にはケリー博士名前を明らかにする裏工作めいたことはなかった 。(5)ケリー博士の死は自殺と断定した上、BBC報道に非がある」と結論をくだした。そのため、首相の責任は否定され、ブレアは窮地をだっした。同月29日、BBCはデービス経営委員長が辞任、ダイク会長は罷免された。30日、ギリガン記者はBBCを辞職した。BBCは大きなダメージを受け、メディア史に残る大事件となった。ブレア首相の窮地を救ったのが他ならぬこの「ハットン報告書」であたった。しかし、英国民はこの報告書を疑問視して、世論の70%はBBCを支持した。
同じ頃(同月28日)アメリカでは米大量破壊兵器調査団前団長のデビッド・ケイ氏が上院軍事委員会公聴会で証言して、「開戦時に、イラクが大量破壊兵器を保有していた証拠はなかった」と断言した。「米国や英国の情報機関の分析は誤っていた」と明言、イラク戦争をめぐる正統性への疑問は、確定的になり、米英両政府の報告がずさんなものだったことがあきらかになった。
ギリガン記者の報道は結果的に正しかったのだ。今、英国民はBBCに深い信頼をよせている。(写真はハットン委員長)ーーニールレポートは次回
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by daisukepro | 2005-01-24 00:12 | マスコミ


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