二大政党論の袋小路

二大政党論の袋小路

先日、仲間の会合で詩人ビナードさんの話を聞いた。
 彼は日本語でエッセイも詩も書く。けれども、生まれがミシガン州なので日本人と違う角度でものを見ることができる。
「アメリカのイラク研究グループが「THE IRAQ study group report」(インターネットでPDF版を読むことができます)という報告書を出したんですよ、父ブッシュ、ベーカーやハミルトンたちが作った研究所です。ところがホワイトハウスはこの本を徹底的に無視、マスコミからは葬り去られました。あまり、面白い本じゃありません。けれども、イラクの現状はよく見ている。イラクの現状を直視しないブッシュたちよりはましかもしれない。ブッシュ政府はイラクに1000人の文官スタッフを送り込んだ。これだけでも大変な数だが、その中でアラビア語を話せる人は33人しかいない。話せると云っても、お早う、トイレはどこですか程度の人が殆どで、イラクの文化を理解して会話ができる人は6人しかいない。
 これで2300万人のイラク国民と対話できますか。外国語を学ぶ目的は対話をして、同じ感情を分かち合い、お互いの文化を理解することじゃないですか。同じ人間として認め合うことじゃないですか。
で、研究グループは73番目に「言語能力の上達と文化的なトレーニングを最優先せよ。特にイラクに選任しようとしている米国の役員のために」と提言している。
 しかし、このような対話能力を持った人は支配して植民地にするする政策には同意できないので募集しても集まらないでしょうね。」とベナードさんは笑った。
 ある米書記官がイラク滞在中のプライベイト写真を見せてくれたことがある。「部屋はシングルベットがひとつあるだけの留学生時代の狭い部屋だが、我慢出来ないことはない。部屋の前には土嚢がつまれ、区域全体はコンクリートの壁で厳重に囲まれて安全だ。この中でスーパーもあれば食堂もあり、不自由なく安全に生活できる」という説明だった。
隔離されていては対話どころではない。生活するのにアラビア語は必要ないのだから、ワシントンにいて執務するのと変わりない。その数日後、安全なはずの食堂で爆発が起こった。
同じ基地内でもイラク兵と米兵は別々の区域に隔離されているという話を聞いたことがある。イラク人は「アメリカ人は俺たちを猛獣扱いしている」と思うだろう。接点がないのだから同じ感情を分かち合うなんて夢のよう話になるだろう。
 イラクの暫定政府はバクダット市内に突如できたコンクリートの壁に抗議して撤去を求めた。
 
 7月12日、米下院は「120日以内にイラク駐留米軍の削減に着手し、来年4月1日までに戦闘部隊を撤退させることを義務づける」案を223対201で可決、今回もブッシュは拒否権を発動するだろう。上院では明日の19日朝(日本時間)までの徹夜審議に入ったが、投票に持ち込むまでには60票が必要だ。多数派の民主党は52議席、共和党から賛同者は現在3なので成立の見通しはまだ立っていない。
 イラク駐留の米軍スポークスマンはテレビを通じて「イラク人だけで治安を担当できる部隊は7となり、3部隊減った」と米軍部隊の駐留の必要性をアッピールしていた。スノーホワイトハウス報道官は「徹夜審議は芝居がかっている」と茶化している。これがアメリカの政治状況のようだ。どこか日本の国会と似ている。
 ビナードさんの話に戻ろう。「日本のみなさんは何か二大政党に幻想を持っているようですね。アメリカ、イギリスもそうですが選挙にどっちが勝っても状態は同じ、民主主義の袋小路に入っています。ハンバーガーがいいか、チーズバーガーがいいかと云われて、選んでも結果はたいして違わない、二大政党論には第三の選択肢がないのだから」
 なるほど、考えなくっちゃ。いま日本列島は参議委員選挙のまっさかり。
 新潟地方で地震災害が発生すれば、古い住宅に住む高齢者ばかりが
犠牲になって行く。高齢者が災害で住宅を失えばもう再建する財力も気力もない。北朝鮮のミサイルの脅威を叫ぶくせに、自国の原子力発電所の安全性は覆い隠そうとするのが現政権の正体だ。嘘つきマスコミ報道に騙されず、一票投じる前に日本の現実を直視して、「この国、なんか変?」と疑ってみてはいかがかと思う。
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by daisukepro | 2007-07-18 20:56 | 政治


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