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ミサイル防衛という名の先制攻撃

ミサイル防衛という名の先制攻撃
詩人ビナードの話、(アメリカンフットボールの詩)
つかのまであったとしても、宗教、スポーツ、音楽などは日々の苦しみから、人々のこころを解放してくれる。
メジャーリーグはNHKBSで放送され、イチロー、マツイ、マツザカ、日本人の選手の活躍が毎日のように生中継される。ナショナリズムは親の敵だが、ワールドカップ、メジャーリーグだけは別格、日本選手をこころから応援する。テレビで見る限り、アメリカでは野球が最も盛んなスポーツかと思えるが、実はそうではない。
ビナードの話ではダントツなのがアメリカンフットボール、野球とバスケットボールはその次らしい。バリーボンズがホームランの大リーグ記録を塗り替えようとしているが、人種差別主義者たちは黒人が記録を出すのを面白く思っていないらしい。
「メジャーリーグの記録更新が話題になってるけど、優秀な黒人選手を追い出してからの白人だけの記録なんだ。(19世紀末は白人と黒人選手がまじって野球をやっていたが、メジャーリーグの中に人種差別が表面化して1888年以降、黒人は仕方なく黒人だけでニガーリーグを結成して野球を続けた。ジャッキー ロビンソンがメジャーリーグ入りした1945年まで50年以上も人種差別が続いた歴史がある)」とビナード。そう思ってメジャーリーグ中継を見ると、人種差別の根が絶たれていないアメリカ社会で活躍するイチローやマツイの姿が違って見えてくる。
それから、ビナードさんは「アメリカンフットボール」という詩を日本語で読んだ。詩人の名は忘れたが、詩はフットボール試合の動きを実況さながらに描写しながら、最後のパスでボール受けたコーターバックがふとみると、そこにあったのはボールでなく靴だったという詩である。「コーターバックはその靴を誰に投げようかどうか迷った。」ベナードは部屋の空気が戸惑っているのを察した英語でその詩を読み返した。「面白いんだがな」と首を傾げた。「で、その人は次にボールをどこへなげたの」と誰かが訊ねた。「これはボールじゃない、革であることは同じだが、間違えなく靴だ。ボ−ルは空中を飛ぶが、靴は地面を歩くためにある。」とコーターバックは思案した。「人は最低限の選択を迫られることがある。これは靴だ。何でも投げるわけにはいかない」
「だからその選手は投げたのかい」「詩はそこで終わっている」「じゃ、ベナードはどう思うの」「僕は投げなかったと思うよ。コーターバックは靴をなげなかった」「それだけかい、どこへボールを投げたか気になるな、靴がどこへいったか、どうなったか、いつ誰がボールを靴に変えたか、夜も寝られなくなる」とジャーナリスト、続くベナードの説明に話題に盛り上がっていた部屋は一瞬シーンとなった。
「ミサイル防衛計画という言葉が新聞で伝えられているけど、ミサイルは先制攻撃のための武器です。でも、ミサイル先制攻撃計画では予算が議会を通過しない。先制攻撃を防衛と変えて(マスコミのフィールド)に投げた奴がいる。ミサイルには違いないが。使用目的が違う。これを受け取ったジャーナリストが違いに気がついていながらボールではない靴を投げたとすると、この人はウソをついたことになる。嘘つきになる。だから、コーターバックは靴をなげなかった」
沖縄に投げられたボール、PAC3はパトリオット短距離迎撃ミサイルと名を変えて日本全国の基地にやすやすと配備された。マスメディアは北朝鮮の脅威を繰り返し報道することで、北朝鮮が発射したミサイルを迎撃するための防衛措置というウソをだれも疑わない。予算も議会を通過する。
沖縄の若いジャーナリストは「つい書いてしまうんですよね」とうつむいて考え込んだ。
by daisukepro | 2007-07-21 08:07


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