「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案」

「新テロ特措法」
この法律の正式名称は内閣提出が「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案」、民主党提出は「国際的なテロリズムの防止及び根絶のためのアフガニスタン復興支援等に関する特別措置法案」どちらも「テロ」に関わる法案である。これはアフガン、イラクの戦争をアメリカがテロ戦争と定義していることからきている。これが自公政権と民主党間で事前の話合いが出来ていたらしい。議員たちの態度、口ぶりからわかる。防衛外交委員会はろくな審議もなく、鼻をくくった答弁からはテロを根絶する熱意も感じられない。参議院で政府案は否決され、その日のうちに衆議院の三分の一の賛成で瞬く間に可決された。審議の根本問題はアメリカの軍事活動を支援し続けることが、テロ根絶に効果があるのかどうかである。その議論の前提が、イラクやアフガンの軍事活動の実体、アフガンの人々はどうしているか、審議を通じて国民に明らかにすることにあるが、さっぱわからない。私たちは知らされていない。イラクやアフガンでいま何が起こっているか。
アメリカは軍事力を行使するものの、戦後をどう統治するか政策を持たない。政策があってもペーパー上でそれを実行する部隊がいない。壊すだけである。テロ戦争なるものが終わりなき戦争なのである。米軍の駐留は果てしなく続き、テロリストらしい集団がいるという情報が入るとその地域を空爆する、それが広域であれば掃討作戦を展開する。その結果,巻き添えになるのは住民、女、子ども、老人。何人犠牲にしたらアメリカはテロ戦争を止めるのか。9、11の死傷者の数は知っていても、テロ戦争の犠牲者数はわからない。米軍は「正規の軍人死傷者数しか公表しない」。民間の死者は数えないのが米軍のしきたりだ。一体何人殺せば戦争をやめるのか。陣地もない、兵士もいない、敵をせん滅する軍事作戦を実行するためには莫大な費用と油が必要である。戦車も、軍艦も、飛行機も燃料なしには動かない。その油と経費、軍事基地などを日本が提供している。日本がテロ戦争に参戦し続けるための法律が新テロ対策法なのである。だから、世論は反対する人が多数になる。当たり前だ。
福田首相は「アフガンは自由になったじゃない」と云うが、累々たる屍と荒野だけが残されて自由もなにもない。タリバンは民衆の中に消えた。治安を回復するためには、まず民兵から武装解除を始めなければならない。しかし、武装による力のバランスが崩れると再びタリバンが姿を現し始める。米軍を撤退させるためには武装解除と同時に警察力の早期回復が必要だ。しかし、カイザル政権はアメリカの傀儡政権であり、無能だ。何もやらない。治安は米軍とヨーロッパの軍隊に任せきりである。これ以上犠牲を出さないために、民衆を守ることにカイザルの政府機関は機能していない。そのため部族長が政治の表舞台に出てくる。また、民兵を組織する。麻薬の栽培がからむと、部族長はたちまちマフィアに変身する。いつまでも米軍が撤退せず、その米軍を日本が海上給油で支え、その空母から飛び立った飛行機で空爆が行われている。そのことをアフガンの民衆は知らされていない。それよりも、いまを必死に生きなければならないからだ。
この新テロ特措法が国際貢献、テロ根絶のための法律とは到底思えない。
中東からアジアにまたがる「不安定の弧」からアメリカ軍を撤退させなければならない。そのために貢献することこそが日本の国際貢献だと思うのだがーー。衆議院議の3分の1の議員がこの法律に賛成し、拍手している姿に理性のかけらもない、見るに堪えない。
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by daisukepro | 2008-01-13 22:29 | イラク戦争


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