麻生太郎と吉田茂

麻生太郎と吉田茂

麻生内閣は世襲制内閣といわれる。閣僚のうち11人が世襲、4人が総理大臣の血筋だからむりもない。麻生氏は自民党の総裁就任の挨拶で「私も今ここに立ちます時に、少なくともこれは麻生太郎に与えられた天命だと思っております。思い返せば130年前の9月の22日、吉田茂が生まれております。c0013092_2337376.jpg68歳、おととい私も68歳になりました」と自分が吉田茂の直系であることを誇らしげに述べた。
組閣後、すぐに国連総会に行き、演説した。そのニュース報道は演説内容よりもハップニングの紹介が見せ場だった。麻生首相は日本語の草稿を読みながら、3分ほど演説していた。ところが、同時通訳が作動していなかったため、演説は中断、もう一度最初からやり直しになった。そのとき客席が映し出されたが、緊張感のない議場の空気が伝わってきた。そこで麻生は英語で「これは日本製の機械じゃないでしょうね」とやってようやく笑いをとったものの、世界の流れが読めない演説への拍手は淋しい雨音に聞こえた。
演説を終えた麻生氏は記者団に囲まれた。ニュース映像は編集されて断片的だったが、麻生氏は小泉引退報道の感想を聞かれていた。「あっそう、別に驚かないね。まえから彼はそう言ってたでしょう。言ってなかった?」と彼は答えた。その後でながら視聴の手が止まった。「集団的自衛権は見直します」「えっ、憲法は変えます」という言葉が飛込んできた。集団的自衛権についての質問があったのだろうか、正確にはどんなやりとりだったのか、毎日新聞の記事を読んでみた。

毎日新聞の記事によると集団的自衛権の行使を禁じた憲法解釈について麻生氏は「基本的に変えるべきものだ。ずっと同じことを言っている」と記者団に持論を述べ、行使を可能にするよう見直すべきだとの姿勢を表明した。
集団的自衛権をめぐる憲法解釈見直しは安倍晋三元首相が表明。首相官邸に設置された「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が行使を認める報告書をまとめており、首相は報告書を尊重する考えを示していた。
———と云うことらしい。つまり、麻生内閣は安倍短命内閣と同じ改憲政権であることが浮かび上がってきた。これが世襲制内閣の所以たるものだ。
しかし、同じおじいちゃんでも岸信介と吉田茂とではかなり違う。新聞記者はうまいことを言うものだ。早野透朝日新聞記者によると「吉田茂は天皇制ナショナリストで岸信介は戦犯ナショナリストだ」という。
いまや、戦犯ナショナリストと天皇制ナショナリストが孫の代で合体したことになる。日本国憲法に取っては極めて危険な状態になったといえる。
敗戦後、吉田茂は「よき敗者」になることに徹して、アメリカ軍の民主化政策を受け入れ、新憲法も受け入れた。国会では非武装こそが最大の安全保障だと国会で演説した。独立後も米軍の駐留を認める変わりに、アメリカから集団的自衛権を強いられない保障を確保したではないか。米軍の駐留が続き、原子力空母まで入港してくるこの頃、それを吉田茂の孫がいとも簡単に集団的自衛権を見直していいものか。吉田茂も草葉の影から、このできの悪い孫に「バカヤロー」と叫んで、コップの水をかけているに違いない。麻生太郎さん、コミックの見すぎで世相や世界が見えなくなってるのじゃないの。いまも、テレビから自民党のスポットコマーシャルが流れている。「私はやりぬく、自民党」。空しい言葉に未来はないね。国会が始まるまえから中山国交大臣の暴言、差別発言で大揺れだ。

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by daisukepro | 2008-09-28 00:01 | 政治


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