カテゴリ:核廃絶( 10 )

主張 平和賞の授賞式 核兵器なき世界へ新たな前進(赤旗主張より転載)

核兵器禁止条約採択に尽力したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)へのノーベル平和賞の授賞式が、ノルウェーのオスロで行われました。被爆者や世界の市民、非核保有国政府からあらためて祝賀と歓迎の声が上がっています。

高まる市民社会の評価

 ICANのベアトリス・フィン事務局長とともに式典で演説した、カナダ在住の被爆者、サーロー節子さんは「がれきの中で聞いた言葉をいま皆さんに繰り返します。『あきらめるな、がんばれ、光の方にはっていくんだ』」と語り、核兵器廃絶への不屈の努力を訴えました。その筆舌に尽くしがたい被爆体験とともに、決してあきらめることなく、「核兵器のない世界」という「光」をめざす被爆者の生きざまが、世界の市民と外交官、政治家たちを突き動かしてきたことは明らかです。

 被爆者とともに市民社会は禁止条約実現に決定的役割を果たしました。ある政府代表は禁止条約を議論した国連会議でこう演説しました。「何年も、何十年も活動してきた市民社会の人々に感謝したい。あなた方の献身的な努力や専門的知識、忍耐力によって、今、われわれはここに集まっているのだ」。ノーベル平和賞は、被爆者をはじめ、草の根で献身的な努力をしてきた全ての人々に与えられたものと言っても過言ではありません。

 授賞式に核保有5大国は欠席しました。これらの国は、国際情勢は核抑止力を必要としていると主張、禁止条約への参加を拒否しています。

 しかし、こうした核兵器に固執する勢力に迫る運動は、さらに勢いを増していくでしょう。アントニオ・グテレス国連事務総長は今回の平和賞受賞について、「核兵器が使用された場合の人道的、環境的結末を世に知らしめてきた市民社会の努力が認められた」と述べました。市民社会の役割と能力に対する国際的な評価は一段と高まっています。

 原水爆禁止世界大会が追求してきた諸国政府と市民社会の共同は今後、さらに大きく、豊かに発展するでしょう。「核兵器のない世界」をめざす国際的な運動は、新たな前進をはじめようとしています。

 日本被団協の和田征子事務局次長が11月10日、フランシスコ・ローマ法王に謁見(えっけん)し、「ヒバクシャ国際署名」への協力を訴えました。12億人の信者をもつカトリック教会の最高司教と被爆者の会見は世界的にも注目されました。宗教、思想、政治的立場をこえた「ヒバクシャ国際署名」のダイナミックな発展が期待されます。今後の帰趨(きすう)を決する、諸国民の世論と運動の広がりがいよいよ重要になっています。

問われる被爆国の姿勢

 いま日本政府に求められているのは、「ヒロシマ・ナガサキの体験」にたって、核保有国に核兵器廃絶への決断と行動を訴えること、そして、アメリカの「核の傘」に頼らない道を真剣に探究することです。しかし、禁止条約に反対する安倍晋三政権は先の国連総会で、核兵器廃絶を未来に先送りする、核保有国寄りの決議案を提出して、各国から批判をうけました。

 日本政府に唯一の戦争被爆国としての国際的な責務を果たさせるためにも、「核兵器禁止条約に署名し、批准せよ」と迫る世論と運動の発展が強く求められます。



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by daisukepro | 2017-12-12 09:47 | 核廃絶

核兵器が使われるリスクは冷戦末期より高い

【オスロ共同】ノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のフィン事務局長は10日、ノルウェー・オスロでの授賞式演説で「核兵器が使われるリスクは冷戦末期より高い」と述べ、各国政府に核兵器禁止条約に加わるよう求めた。条約に反対する米ロなど核保有五大国や北朝鮮を名指しで非難。日本も該当する「核の傘」に入る国には「共犯者になるのか」と問い掛け、核廃絶を改めて訴えた。五大国の大使はいずれも授賞式を欠席した。

 核禁止条約は史上初めて核兵器を非合法化する条約で7月、国連で採択された。


 平和賞の授賞式会場で演説する(左から)ノーベル賞委員会のレイスアンデルセン委員長、サーロー節子さん、ICANのベアトリス・フィン事務局長=10日、オスロ(共同)


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by daisukepro | 2017-12-12 01:13 | 核廃絶

イシグロ氏の母親は長崎の原爆で被爆した。

【ストックホルム共同】今年のノーベル文学賞を受賞した長崎出身の英国人作家カズオ・イシグロ氏(63)は10日夜、スウェーデンの首都ストックホルムで共同通信の取材に応じ「すばらしい栄誉だ。日本の人々、特に私にとってかけがえのない思い出がある長崎の人々と賞を分かち合いたい」と喜びを語った。

 授賞式の直後に取材に応じた。記念の晩さん会でのスピーチでは、5歳の時に母親から日本語でノーベル賞が「ヘイワ(平和)」促進の賞だと教えられたことを紹介、それは「私たちの街、長崎が原爆により壊滅したわずか14年後だった」と語った。イシグロ氏の母親は長崎の原爆で被爆した。

 ノーベル賞授賞式後の晩さん会でスピーチするカズオ・イシグロ氏=10日、ストックホルム(共同)

 ノーベル賞授賞式後の晩さん会でスピーチするカズオ・イシグロ氏=10日、ストックホルム(共同)


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by daisukepro | 2017-12-11 11:36 | 核廃絶

米朝に「核兵器使うな」 サーローさん、日本も道義的責任

【オスロ共同】今年のノーベル平和賞に決まった非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のフィン事務局長やカナダ在住の被爆者サーロー節子さん(85)が9日、ノルウェー・オスロで10日の授賞式を前に記者会見した。サーローさんは対立が激化する米国と北朝鮮に「絶対に核兵器を使ってはならない」と訴え、核問題の外交解決を求めた。日本は核廃絶を目指す「道義的責任がある」と述べ、核兵器禁止条約に反対する日本政府を批判した。

 サーローさんは「被爆者は容認し難い苦しみを受けた」と強調。授賞式での演説で、原爆投下直後の広島の惨状について語ると明らかにした。

 ノーベル平和賞の授賞式を前に、記者会見するサーロー節子さん=9日、オスロ(共同)

 ノーベル平和賞の授賞式を前に、記者会見するサーロー節子さん=9日、オスロ(共同)


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by daisukepro | 2017-12-10 08:42 | 核廃絶

東海第2「20年」申請 老朽原発延長に怒りの声 福島第1と同型

 日本原子力発電(原電)は24日、来年11月に運転開始から40年となる老朽原発、東海第2原発(茨城県東海村)の運転期間を20年延長する申請を原子力規制委員会に提出しました。同原発の半径30キロ圏内には96万人が暮らしていますが、避難計画もありません。「命と安全を守るために撤回を」「老朽原発はただちに廃炉を」と地元や東京都内で抗議と怒りの声が上がりました。


写真

(写真)周囲に住宅地が広がる日本原子力発電の東海第2原発(左)と廃炉作業中の東海原発(右)=茨城県

 延長申請は4基目。事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型では初めてとなります。

 原子炉等規制法は、原発の運転期間を原則40年とし、規制委が認可した場合、1回に限り20年までの延長を認めています。再稼働には来年11月までに延長の認可や設備の詳細設計を記した工事計画の認可を得る必要があります。

 東海第2原発は、2011年3月の東日本大震災で緊急停止し、外部電源が喪失。敷地に津波が浸水したため非常用発電機1基が故障。残る2基で原子炉を冷やし、かろうじて炉心溶融を免れた被災原発です。

図

(写真)※東海第2原発から半径30キロ圏に含まれる各自治体の人数(原子力災害に備えた茨城県の計画から)

 原電は14年5月に新規制基準への審査を規制委に申請し、技術的審査はほぼ終了。日本原電は8日に申請の補正を提出し、現在、規制庁が審査書案のとりまとめ中です。

 福島第1原発事故後の原子炉等規制法の改定時、政府は原発の運転延長は“例外中の例外”などと説明していました。しかし、延長申請された関西電力の高浜原発1、2号機(福井県)、同美浜原発3号機(同)は、いずれも期限内に認可され、現在は再稼働に向け工事をしています。

 同原発の避難計画策定が義務付けられている30キロ圏内には14市町村が含まれ、全国で最多の96万人が暮らしており、避難計画の策定は非現実的と指摘されています。





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by daisukepro | 2017-11-25 16:20 | 核廃絶

原電、東海第二の延長申請 40年超原発、首都圏不安

首都圏で唯一の原発で、来年十一月で四十年の運転期限を迎える東海第二原発(茨城県東海村)について、運営する日本原子力発電(原電)は二十四日、原子力規制委員会に最長二十年の運転延長を求める申請書を提出した。東海第二は事故を起こした東京電力福島第一の原子炉と同じ「沸騰水型」で、同型の延長申請は初。申請は全国で四基目で、東日本では初となる。

 原電の石坂善弘常務執行役員がこの日、規制委を訪れ申請書類を手渡した。石坂氏は報道陣に「今回の申請はあくまで審査の一環。再稼働や廃炉の判断とは直接関係ない」と話した。防潮堤の建設など約千八百億円をかけて、二〇二一年三月までに対策工事を終えた上で、再稼働を目指す。

 東海第二が再稼働するためには、規制委が運転延長を認めるほかにも、新規制基準に基づいた審査で「適合」と判断される必要がある。規制委はこれまでに想定される津波の高さなど、新基準に適合するかどうかの審査をほぼ終えており、年明けにも「適合」の判断が示される見通し。

 原電は運転延長の申請のため、原子炉などの劣化状況を調べる点検を十月末までに終えていた。今月二十八日が期限だった。原発の運転期間を巡っては、福島第一の事故を受け、原子炉等規制法で原則四十年に制限された。ただし規制委が認めれば、一回に限り、最長二十年の運転延長が可能となる。これまでに、福井県の関西電力高浜1、2号機と美浜3号機の二原発三基が延長申請され、規制委は、いずれも認めている。

 ただ、東海第二原発の三十キロ圏には約九十六万人が生活し、十四市町村が避難計画を作ることになっているが、いまだにまとまっていない。また、原電は再稼働する際、立地する県と村のほか、三十キロ圏の水戸や日立など五市の同意を取ると表明しており、ハードルがある。原電の村松衛(まもる)社長は二十一日、茨城県の大井川和彦知事と面会し、二十四日に延長申請する方針を伝達していた。

◆30キロ圏96万人どう避難

<解説> 東海第二の運転延長が申請されたことで、再稼働にまた一歩近づいた。だが、原発三十キロ圏には全国最多の約九十六万人が生活し、大事故が起きた時に、無事に逃げ切れるのかという問題を残したままだ。住民の不安を拭うことが、最も大切になる。

 福島の事故では、放射性物質が広範囲に飛び散り、避難も大混乱した。その反省から、避難計画の策定対象が、原発三十キロ圏の市町村に、法で義務付けられた。

 どの原発でも、避難計画が「机上」にとどまり、実際の事故で使えるのかが問われている。

 茨城県が二〇一五年に作った案では、三十キロ圏の住民は、県内のほか、栃木、千葉、福島など周辺五県に避難する。だが、原発事故と、地震や津波が同時に起きる複合災害や、避難先が同時に被災するケースなどを想定していない。

 自治体による避難の説明会では、住民から「高齢者や障害者が一人で逃げられない」「長期避難の生活が心配だ」と不安が漏れた。

 避難計画は再稼働にかかわらず、原発がある限り必要で、今も住民は危険にさらされている。そもそも、百万人近い人を想定した避難計画を作るのは、無理ではないかとの疑問がある。

 原電は再稼働前に立地する県や東海村のほか、水戸など五市も新たに同意を取る方針を示した。自治体側が、再稼働の是非を判断することになる。住民の安全を確保する最善の選択は何か。自治体側にボールは預けられた。 (山下葉月)

(東京新聞)

運転期間延長を申請した東海第二原発(左)=茨城県東海村で、本社ヘリ「おおづる」から

運転期間延長を申請した東海第二原発(左)=茨城県東海村で、本社ヘリ「おおづる」から


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by daisukepro | 2017-11-24 23:32 | 核廃絶

核兵器禁止条約を考える

20171028ピースデポシンポジウム
7月7日国連で採択された核兵器禁止条約に日本政府は未加盟だ。
北朝鮮と米日政府が朝鮮半島の緊張を高めている中で、
私たちは核の傘に代わる安全保障政策を深め提起する。ピースデポとWCRP主催。
FmA自由メディア 撮影・編集:大場 広報:小林・はた

下の文字をクリック
https://www.youtube.com/watch?v=uWNTflObxCA&t=5456s
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by daisukepro | 2017-11-08 19:41 | 核廃絶

核なき世界 他に道なし(ゴルバチョフ)

【モスクワ=栗田晃】東西冷戦の終結に指導的な役割を果たした旧ソ連のミハイル・ゴルバチョフ元大統領(86)が、モスクワで本紙の単独インタビューに応じた。三十年前の一九八七年、当時のレーガン米大統領と中距離核戦力(INF)廃棄条約を結び、核保有大国が初めて核軍縮に踏み出した経験を踏まえ、「『核兵器なき世界』に代わる目標は存在しない。核兵器廃絶を成し遂げないといけない」と強く訴えた。 

 ゴルバチョフ氏は九一、九二年に長崎、広島の被爆地を訪問した。八六年のチェルノブイリ原発事故当時はソ連共産党書記長として事故対策を指揮。二〇一一年に東京電力福島第一原発事故を経験した日本との共通点も挙げ、「原爆投下や原発事故を経験した国は、核兵器廃絶との戦いの先頭に立つべきだ。それは日本と(旧ソ連を継承した)ロシアだ」と強調した。

 また、核兵器を非合法化する核兵器禁止条約の制定に貢献した非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))のノーベル平和賞受賞決定を「ノーベル賞委員会は極めて正しい判断をした」と祝福した。

 ゴルバチョフ氏は、核超大国の米ロによる核軍縮交渉が一向に進んでいない現状を懸念。一九八五年十一月、レーガン大統領との初の首脳会談後に発表した共同声明に盛り込まれた「核戦争は決して容認できず、勝者はいない」との一文を挙げ、「もう一度この意味を思い出してほしい」と訴えた。両氏は八六年にアイスランドのレイキャビクで再会談し、INF廃棄条約締結につながった。

 ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合から始まったウクライナ危機やシリア内戦を巡り、米ロ関係は冷え込み、「新冷戦」と呼ばれる緊張関係に陥っている。ゴルバチョフ氏は「深刻な危機からの出口を探すべきだ。三十年前の米ソ対話も簡単ではなかったが、両国の指導者の政治的な意志が決定的な役割を果たした」と指摘。

 トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領に「核軍縮に迅速な行動をとるべきだ。米ロ両国のみが、人類の最も重要な目標である核なき世界を達成できる」と重ねて求めた。

 ゴルバチョフ氏はインタビューに、一部を口頭、残りは書面で回答した。

<ミハイル・ゴルバチョフ> 1931年生まれ。85年にソ連共産党書記長に就任し、ペレストロイカ(改革)やグラスノスチ(情報公開)を推進。米国との間で核軍縮を進め、東西冷戦を終結させた。90年、大統領制導入とともにソ連最初で最後の大統領に就任し、ノーベル平和賞を受賞。91年末、ソ連崩壊とともに退任し、その後は「ゴルバチョフ基金」総裁として講演や執筆活動などに取り組む。今夏にも18作目の著作「楽天家のまま」を出版した。

(東京新聞)


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by daisukepro | 2017-11-01 22:02 | 核廃絶

長崎市長平和宣言〈全文〉 長崎原爆の日

長崎市長平和宣言〈全文〉 長崎原爆の日

平和宣言を読み上げる田上富久長崎市長=9日午前11時4分、長崎市の平和公園、池田良撮影
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 68年前の今日、このまちの上空にアメリカの爆撃機が一発の原子爆弾を投下しました。熱線、爆風、放射線の威力は凄(すさ)まじく、直後から起こった火災は一昼夜続きました。人々が暮らしていたまちは一瞬で廃虚となり、24万人の市民のうち15万人が傷つき、そのうち7万4千人の方々が命を奪われました。生き残った被爆者は、68年たった今もなお、放射線による白血病やがん発病への不安、そして深い心の傷を抱え続けています。

長崎原爆の日「原点に返れ」首相あいさつ〈全文〉
 このむごい兵器をつくったのは人間です。広島と長崎で、二度までも使ったのも人間です。核実験を繰り返し地球を汚染し続けているのも人間です。人間はこれまで数々の過ちを犯してきました。だからこそ忘れてはならない過去の誓いを、立ち返るべき原点を、折にふれ確かめなければなりません。

 日本政府に、被爆国としての原点に返ることを求めます。

 今年4月、ジュネーブで開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議準備委員会で提出された核兵器の非人道性を訴える共同声明に、80カ国が賛同しました。南アフリカなどの提案国は、わが国にも賛同の署名を求めました。

 しかし、日本政府は署名せず、世界の期待を裏切りました。人類はいかなる状況においても核兵器を使うべきではない、という文言が受け入れられないとすれば、核兵器の使用を状況によっては認めるという姿勢を日本政府は示したことになります。これは二度と、世界の誰にも被爆の経験をさせないという、被爆国としての原点に反します。

 インドとの原子力協定交渉の再開についても同じです。

 NPTに加盟せず核保有したインドへの原子力協力は、核兵器保有国をこれ以上増やさないためのルールを定めたNPTを形骸化することになります。NPTを脱退して核保有をめざす北朝鮮などの動きを正当化する口実を与え、朝鮮半島の非核化の妨げにもなります。

 日本政府には、被爆国としての原点に返ることを求めます。

 非核三原則の法制化への取り組み、北東アジア非核兵器地帯検討の呼びかけなど、被爆国としてのリーダーシップを具体的な行動に移すことを求めます。

 核兵器保有国には、NPTの中で核軍縮への誠実な努力義務が課されています。これは世界に対する約束です。

 2009年4月、アメリカのオバマ大統領はプラハで「核兵器のない世界」を目指す決意を示しました。今年6月にはベルリンで、「核兵器が存在する限り、私たちは真に安全ではない」と述べ、さらなる核軍縮に取り組むことを明らかにしました。被爆地はオバマ大統領の姿勢を支持します。

 しかし、世界には今も1万7千発以上の核弾頭が存在し、その90%以上がアメリカとロシアのものです。オバマ大統領、プーチン大統領、もっと早く、もっと大胆に核弾頭の削減に取り組んでください。「核兵器のない世界」を遠い夢とするのではなく、人間が早急に解決すべき課題として、核兵器の廃絶に取り組み、世界との約束を果たすべきです。

 核兵器のない世界の実現を、国のリーダーだけにまかせるのではなく、市民社会を構成する私たち一人ひとりにもできることがあります。

 「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起(おこ)ることのないやうにする」という日本国憲法前文には、平和を希求するという日本国民の固い決意がこめられています。かつて戦争が多くの人の命を奪い、心と体を深く傷つけた事実を、戦争がもたらした数々のむごい光景を、決して忘れない、決して繰り返さない、という平和希求の原点を忘れないためには、戦争体験、被爆体験を語り継ぐことが不可欠です。

 若い世代の皆さん、被爆者の声を聞いたことがありますか。「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウオー、ノーモア・ヒバクシャ」と叫ぶ声を。

 あなた方は被爆者の声を直接聞くことができる最後の世代です。68年前、原子雲の下で何があったのか。なぜ被爆者は未来のために身を削りながら核兵器廃絶を訴え続けるのか。被爆者の声に耳を傾けてみてください。そして、あなたが住む世界、あなたの子どもたちが生きる未来に核兵器が存在していいのか。考えてみてください。互いに話し合ってみてください。あなたたちこそが未来なのです。

 地域の市民としてできることもあります。わが国では自治体の90%近くが非核宣言をしています。非核宣言は、核兵器の犠牲者になることを拒み、平和を求める市民の決意を示すものです。宣言をした自治体でつくる日本非核宣言自治体協議会は今月、設立30周年を迎えました。皆さんが宣言を行動に移そうとするときは、協議会も、被爆地も、仲間として力をお貸しします。

 長崎では、今年11月、「第5回核兵器廃絶―地球市民集会ナガサキ」を開催します。市民の力で、核兵器廃絶を被爆地から世界へ発信します。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、未(いま)だ収束せず、放射能の被害は拡大しています。多くの方々が平穏な日々を突然奪われたうえ、将来の見通しが立たない暮らしを強いられています。長崎は、福島の一日も早い復興を願い、応援していきます。

 先月、核兵器廃絶を訴え、被爆者援護の充実に力を尽くしてきた山口仙二さんが亡くなられました。被爆者はいよいよ少なくなり、平均年齢は78歳を超えました。高齢化する被爆者の援護の充実をあらためて求めます。

 原子爆弾により亡くなられた方々に心から哀悼の意を捧げ、広島市と協力して核兵器のない世界の実現に努力し続けることをここに宣言します。

 2013年(平成25年)8月9日

長崎市長 田上富久
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by daisukepro | 2013-08-10 09:47 | 核廃絶

緊急メッセージ「米国の核政策見直を阻む日本の防衛省、外務省官僚


「オバマ大統領のめざす核政策の転換を阻もうとしているのは日本政府」――2009年7月、来日した米シンクタンク「憂慮する科 学者同盟」(UCS)のグレゴリー・カラキー氏が、日本の市民に強く警鐘を鳴らした。今秋にむけ、米国は新核戦略文書の策定をす すめている。残された時間はあとわずかだ。被爆国・日本の市民がとりくむべき課題とはなんだろうか。
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by daisukepro | 2009-07-29 15:14 | 核廃絶