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「君がその道をつくるんだよ」

きょうの潮流

 「君がその道をつくるんだよ」。朝ドラの主人公「なつ」が夫に背中を押され、子どもを産む決心をかためました。アニメーターの仕事を続けながら▼同じ職場の女性が妊娠し、会社から契約社員になることを迫られ退職していました。自分は辞めたくないと悩むなつ。夫は子育てしながら仕事を続け、それが認められれば、ほかの女性にとっても働きやすくなるんだ、と励まします▼事情を聞いた職場の仲間たちも立ち上がり経営者に直談判。なつは社員のままで作画監督という大役にも挑むことに―。じつはこれ、ドラマの舞台とされている当時の東映動画(現・東映アニメーション)で実際にあった話です▼入社時に女性は結婚して子どもができたら退職するとの誓約書を書かされました。しかし、労働組合の要求で撤廃。日本の女性アニメーターの草分けで、なつのモデルといわれる奥山玲子さんは出産後も仕事を続けた先駆けとなりました▼女性差別や出来高払い、組合員の大量解雇…。高畑勲さんや宮崎駿さんらがいた東映動画労組の仲間とともにたたかい続けた奥山さん。本紙日曜版(7月14日号)にもその様子が描かれています。3年前には契約者への労働基準法の完全適用や無期転換制度をかちとりました▼現在の労組を取材した記者は、良い作品づくりと人間らしい働き方を求めた奥山さんたちのたたかいが今に引き継がれているといいます。働きやすい環境をのぞむ声はこれからも。先人が切り開いてきた道をひろげるために。



# by daisukepro | 2019-08-19 10:46 | 潮流(赤旗)

主張 イージス・アショア 米国守る「盾」配備計画やめよ

主張

イージス・アショア

米国守る「盾」配備計画やめよ

 米国製の陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の導入をめぐり、配備候補地の秋田県では、先の参院選で選挙区の野党統一候補が勝利し、山口県でも町を挙げての反対運動が続くなど、「配備ノー」の地元の声は揺らぎがありません。防衛省は、候補地の適地調査の説明資料を事実と違うデータを用いて作成し、配備ありきの姿勢が批判を浴びてきました。それにもかかわらず、「できるだけ速やかに(導入を)実現する」(岩屋毅防衛相)とし、再調査の上、地元の説得に乗り出そうとしています。あまりにも無反省な態度です。

ハワイやグアムを防衛

 イージス・アショアの導入は、安倍晋三政権が2017年12月に閣議決定しました。当時の「中期防衛力整備計画」(14年度~18年度)には盛り込まれていなかったものの、トランプ米政権の再三にわたる要求の中で決めたものです。閣議決定に先立つ11月の日米首脳会談の際にも、トランプ大統領は「米国から多くの追加的な軍事装備品を買えば、日本は北朝鮮のミサイルを上空で簡単に撃ち落とせる」と強調していました。

 トランプ政権がイージス・アショアの導入を日本に強く求めているのはなぜか―。

 トランプ政権が今年1月に公表した新たなミサイル防衛戦略である「ミサイル防衛見直し」(MDR)は、今日の複雑なミサイルの脅威の環境下では、一刻も早くミサイル発射を探知し、できるだけ早期の段階で迎撃する必要があるとして、米国の対外有償軍事援助(FMS)を通じ、同盟国に米軍と相互運用が可能なミサイル防衛システムの導入を促す方針を明記しています。また、相互運用可能なシステムの構築が、米国の費用負担の軽減と同盟国の軍事分担の拡大につながることに触れています。

 昨年5月、米国のシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が発表した「太平洋の盾 巨大なイージス艦としての日本」と題する論文は、かつて中曽根康弘首相が日本を「不沈空母」にすると述べたことになぞらえ、日本へのイージス・アショア配備の有用性を次のように指摘しています。

 ▽より強力な日本のイージス・アショアのレーダーは米本国を脅かすミサイルを前方で追跡する目的を果たすことができ、それによって米国は国土防衛のために高額なレーダーを太平洋地域で建設・運用する必要が軽減される。レーダーを共有することで恐らく10億ドルもの巨額な節約ができる。

 ▽日本や北大西洋条約機構(NATO)のイージス・アショアはハワイやグアム、米東海岸といった死活的地域や戦略的な港湾・基地を防護するために使用できる。

 実際、イージス・アショアの配備候補地である陸上自衛隊の新屋演習場(秋田市)、むつみ演習場(山口県萩市、阿武町)は、北朝鮮からハワイ、グアムに向かうミサイルの軌道上に位置しています。

巡航ミサイルで攻撃も

 同論文は、イージス・アショアが迎撃ミサイルだけでなく長距離巡航ミサイルを搭載でき、発射前の北朝鮮のミサイルを地上で破壊できるとまで述べています。総額6000億円を超えるとされる巨費を投じ、米国のミサイル防衛戦略に加担する危険極まりない配備計画は撤回するしかありません。



# by daisukepro | 2019-08-18 13:57 | 赤旗

俳優ピーター・フォンダさん死去 米映画「イージー・ライダー」


2019年8月17日 10時23分

 【ロサンゼルス共同】米映画「イージー・ライダー」などで知られるベテラン俳優、ピーター・フォンダさんが16日、肺がんによる呼吸不全のため米西部ロサンゼルスの自宅で死去した。79歳だった。米メディアが報じた。

 1940年、東部ニューヨークで生まれた。父は名優ヘンリー・フォンダさん、姉にジェーン・フォンダさんを持つ芸能一家。10代から舞台演劇に関わり、63年に映画デビュー。若者たちの放浪の旅を描いた映画「イージー・ライダー」(69年)を製作、脚本も手掛け、デニス・ホッパーさん、ジャック・ニコルソンさんと出演、低予算ながら大ヒットを記録した。



# by daisukepro | 2019-08-17 15:05 | 映画

主張 「森友」不起訴 政治の解明責任いよいよ重大

主張

「森友」不起訴

政治の解明責任いよいよ重大

 大阪の学校法人「森友学園」への国有地の格安払い下げや、財務省の決裁文書の改ざん・廃棄などが行われていた問題で、大阪地検特捜部は先週、佐川宣寿・元財務省理財局長や職員らを再び不起訴処分にしました。特捜部が昨年5月不起訴処分にした後、くじで選ばれた市民で構成する大阪第1検察審査会が今年3月「不起訴不当」としたため、再捜査が行われましたが、結論は変わりませんでした。

 これで疑惑に幕引きすることは許されません。疑惑を解明し、政治責任を明確にするため、国政調査権を持つ国会が役割を果たすことがいよいよ必要です。

「森友」議論しない与党

 「森友」疑惑は一昨年2月に一部の報道などで、大阪府豊中市内の国有地が、同地に小学校の開設を計画した「森友学園」に、鑑定価格から9割近くも値引きした破格の安値で払い下げられたことが発覚したのが始まりです。開設予定の小学校の「名誉校長」が安倍晋三首相の妻の昭恵氏だったことも明らかになり、国政を揺るがす大問題に発展しました。

 発覚後の国会での野党の追及やマスメディアの調査で、昭恵氏といっしょに学校予定地を視察した際の写真を前理事長が財務省に見せたり、昭恵氏付きの政府職員が財務省に問い合わせをしたり、前理事長が「昭恵氏が棟上げ式に来る」と伝えたことなどが、国有地の不当な処分の背景になったことが浮き彫りになりました。

 疑惑発覚直後、安倍首相は「私や妻(昭恵氏)が関係していれば、首相も国会議員も辞める」と国会答弁し、それに合わせて佐川氏らは、国会で決裁文書は「廃棄した」などと主張し、安倍首相と妻の昭恵氏をかばい続けてきました。

 財務省自身の調査で昨年になって、一部の決裁文書などが出てきたことから、佐川氏らの国会での虚偽答弁や払い下げの決裁文書など公文書の隠ぺい・改ざん・廃棄は首相の答弁に合わせて実行されたことが裏付けられ、国民の怒りはさらに広がりました。

 言うまでもなく国有地は国民の共有財産であり、公文書は国民共有の知的資源です。その不当な安値での払い下げや、公文書の違法な隠ぺいや改ざんが、あいまいに済まされていいはずはありません。

 日本共産党などの野党が再三、国会の予算委員会などを開いて、「森友」疑惑を徹底審議するように求めても、安倍首相と与党は、それに背を向けています。安倍首相や与党は昭恵氏らの国会への証人喚問に応じようとしません。文字通り、「森友」疑惑を議論し、真相を解明する党か、議論しようとせず、疑惑の真相解明を妨げる党かの対比は鮮明です。

幕引きは許されない

 佐川氏らの監督責任がある麻生太郎財務相・副総理は、佐川氏(当時国税庁長官)を辞職させただけで自らは職にとどまり、麻生氏を任命した安倍首相も、麻生氏や昭恵氏をかばい、疑惑を明確にしないことは重大です。行政が正常に機能しないなら、国会がその責任を果たすしかありません。与党は速やかに、衆参予算委員会の開催や、昭恵氏らの証人喚問を認め、疑惑の解明に協力すべきです。

 司法の捜査が終結したからと言って、民主主義社会の根幹に関わる「森友」疑惑の解明を終わらせてはなりません。


# by daisukepro | 2019-08-17 14:55 | 赤旗

【社説】節制した光復節対日メッセージ…安倍政権が応える番だ

【社説】節制した光復節対日メッセージ…安倍政権が応える番だ

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が8・15演説で「日本が対話と協力の道に出てくるなら、我々は喜んで手を握る」と述べた。文大統領は日本の経済報復を意識したかのように「誰も揺るがすことのできない国」をつくるという意志を強調したが、刺激的な批判を避けるなど節制した対日メッセージを送った。強制徴用賠償判決と日本の経済報復で悪化の一途をたどる韓日葛藤を外交的に解決していこうというメッセージを込めたと分析される。


今年の光復節(解放記念日)は三一独立運動と臨時政府樹立から100年周年であるうえ、韓日葛藤がピークに達した時期であり、文大統領の演説に大きな関心が向けられた。両国の葛藤が無限の対決に増幅する状況で、対決と反目よりも対話と協力を強調したのは高く評価される。


文大統領は「先に成長した国が後に成長する国のはしごを蹴飛ばしてはいけない」と述べ、経済報復への反対と不服の意を繰り返し表明したが、政府・与党関係者のその間の言動とは対照的な認識を見せた。与党特別委からボイコットの主張まで出てきた2020年東京オリンピック(五輪)について「友好と協力の希望を抱くことになることを望む」と述べたが、「我々は過去にとどまらず、日本と安全保障・経済協力を続けてきた」と改めて言及した点がそうだ。安全保障協力に言及した点は、青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者までが提起した韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄に慎重な姿勢を見せるという意志と解釈される。


韓日外相会談が来週、中国・北京で予定されていて、次官級会談などの対話チャンネルの稼働も議論されている。9月の国連総会をはじめ多者首脳外交日程も年末まで続く予定だ。こうした機会をうまく生かせば、こじれるだけこじれた問題の解決策を見いだすことができる。逆にこれを逃せば韓日の衝突は抜け出すのが難しい状況に向かう。


今はもう日本の安倍政権が柔軟な姿勢で応え、ようやく生じた対話のモメンタムを生かすことを促す。こうした点で5月に即位した徳仁天皇が初めて迎えた8・15で「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願う」と述べた点は注目される。


8・15演説のもう一つのテーマは「平和経済」だった。文大統領は「2032年にソウル・平壌(ピョンヤン)共同オリンピック(五輪)を開催し、光復(解放)100周年の2045年にはワンコリア(One Korea)としてそびえ立てるようにする」と述べ、韓半島(朝鮮半島)の未来像をバラ色で描いた。8・15演説は未来に対するビジョンを提示するものだが、楽観論な未来のビジョンが昨今の厳しい現実とあまりにもかけ離れているのではという懸念を抱かざるを得ない。北朝鮮の非核化意志が疑われ、米中覇権戦争の余波が韓半島に及ぶなど、我々を取り囲む内外の環境はますます厳しくなっている。北朝鮮が韓国を狙ってミサイル挑発を続けているが、これに対する警告が演説になかったのは遺憾だ。


「誰も揺さぶることのできない国」はわが国民の誰もが望んでいることだ。その夢をかなえるためには、冷静な現実認識と緻密な戦略の樹立が前提にならなければいけない。文大統領が提示した日本を越える克日のためにも、韓半島の平和と繁栄のためにもそうだ。














# by daisukepro | 2019-08-16 22:21 | 中央日報

トランプ氏が行ったスピーチについて、ニューヨーク・ポスト紙が、“トランプ、資金調達イベントで、エクイノックス・スキャンダルや神風パイロットのジョークを飛ばす

トランプ氏の一挙一動に注目する世界の人々。特に、トランプ氏が自国のことについてどう言及しているかは気になるのではないだろうか? たとえ、その発言が、人々を笑わせるためのジョークであったとしてもだ。


 8月9日(米国時間)、トランプ氏はニューヨーク州ハンプトンズで選挙資金集めのための2つのイベントを行った。その際にトランプ氏が行ったスピーチについて、ニューヨーク・ポスト紙が、“トランプ、資金調達イベントで、エクイノックス・スキャンダルや神風パイロットのジョークを飛ばすという見出しで報じている。

 イベントの1つは、「エクイノックス」という高級フィットネス・クラブ・チェーンのオーナー、ステファン・ロス氏が主催したものだった。そのため、クラブの会員たちが自分たちの払う会員費がトランプ氏の選挙資金になると不満の声をあげてクラブのボイコットを訴えたり、著名人がクラブを退会したりするなどし、アメリカで大きなニュースになっていた。ボイコットされて困惑していたロス氏に、トランプ氏はジョークを放った。「政治の世界へようこそ」。

 しかし、トランプ氏がこの日行ったスピーチには、日本や韓国を愚弄するようなジョークも含まれていたのだ。

韓国から10億ドル得るのは簡単だった

 韓国については、トランプ氏は、同国に10億ドルの防衛費を負担させることに容易に成功したことを自慢する以下のジョークを放った。

「ブルックリンにあるレント・コントロールのアパートの住人から114ドル13セントの家賃を得るより、韓国から10億ドル得る方が簡単だったよ。本当だよ、その13セントはとても重要だったんだ」

 トランプ氏の父親はニューヨーク州ブルックリンにアパートなどの不動産を多数所有していた。そのため、トランプ氏は少年時代、父親と一緒にアパートを回って、家賃の小切手(アメリカは個人小切手で家賃を支払う人が多い)を集めていた。トランプ氏は家賃集めと韓国に防衛費を負担させることを比較、13セントも取りこぼさないように行う家賃交渉の方が韓国との防衛費交渉より大変だったと言ったのである。文政権も随分侮られてしまったものだ。

 トランプ氏はまた韓国について、「韓国は素晴らしいテレビを作っていて、経済が繁栄している。なぜ我々が彼らの防衛費を払ってるんだい? 彼らは(防衛費を)払わねばならないよ」と言及し、「文大統領は僕のタフな交渉に負けたんだ」と言いながら、文大統領の韓国なまりのある英語を真似してみせたという。

神風特攻隊をジョークに

 スピーチでは、日本もトランプ氏のジョークのネタにされた。

 神風特攻隊だった安倍首相の父親(安倍晋太郎氏)に魅了されたというトランプ氏は、安倍首相にこうきいたことがあった。「神風特攻隊のパイロットたちは酔っ払ったり、ドラッグをやったりしていたのか?」。それに対し、安倍首相はこう答えたという。「いいえ、彼らはただ国を愛していたんです」。

 この時の安倍首相の答えにトランプ氏は驚いたのだろう、イベントの参加者たちにこう言った。

「祖国愛のためだけに、タンク半分のガソリンしか入っていない(片道燃料しか入っていないということ)戦闘機に乗り込み、鋼鉄の戦艦に突っ込むことを想像してみてよ」

 想像できないよね?、信じられない!とでも言わんばかりの、神風特攻隊を揶揄するような発言ではないか。

 ちなみに、トランプ氏は2017年11月に訪日した際も、「米軍をみくびった国にろくなことはなかった」とまるで日本のことを示唆しているかような発言をし、イギリスのメディアに叩かれた。

 また、関税問題に関する安倍首相とのやりとりについて話した際は、日本語なまりの英語も真似してみせたという。

 もっとも、トランプ氏は、以前も、スピーチの際に、なまりのある英語を使ってアジアの指導者の真似をしたことがあったので、同盟国の指導者たちを笑い者にすることは彼の十八番になっているのかもしれない。

僕と会っている時しか笑わない

 その一方で、トランプ氏は、スピーチで、金正恩氏とのブロマンスを自慢した。

「今週、彼から美しい手紙をもらったんだ。僕らは友達だ。彼は僕に会っている時しか笑わないそうだよ」

 かねて、同盟国には厳しく、敵国には甘いことが批判されているトランプ氏だが、スピーチの端々にもそれが表れてしまったようだ。

 そんなスピーチが披露されたイベントのチケット代は最高25万ドル。トランプ氏は同日のイベントで1200万ドルもの資金調達に成功した。

 トランプ氏の選挙資金集めのためのジョークのネタにされたことを、安倍首相と文大統領はどう思うのか? 

 いくらでもジョークにして下さい。日韓の対立が激化する中、アメリカを味方につけたいと考えている両首脳は、そう言ってトランプ氏にかしずきたいところかもしれない。


# by daisukepro | 2019-08-16 07:38 | アメリカとトランプ大統領

戦後七十四年の終戦の日の特集は、映画作家の大林宣彦さん(81)のインタビューです

戦後七十四年の終戦の日の特集は、映画作家の大林宣彦さん(81)のインタビューです。三年前に末期の肺がんで余命半年の宣告を受けながら、戦争と平和をテーマにした新作を撮り続けています。「いつも遺作だと思っている」と大林さん。「ここまで来ると、『もうがんなんかじゃ殺されないぞ』という気概が、この身近な切迫感の中で起きてくる」と言います。 (聞き手=社会部長・杉谷剛)

■病を得て

 -新作の『LABYRINTH OF CINEMA=海辺の映画館 キネマの玉手箱』は原爆投下直前の広島が舞台です。監督の少年時代の記憶につながっているのですか。

 九人全員が原爆で亡くなった「桜隊」という移動演劇集団を軸にした映画なので、はっきり広島と向き合うべき時がきたと思った。七月に広島で講演したときも「僕は原爆の里生まれなんだ」と改めて強く感じた。

 今更ながら、僕は映画でずっと同じことをやってきたなと。全部後ろに戦争の影がある。『時をかける少女』はとても愛された映画だけど、僕の中で主役の彼女は、戦争で死んでしまった僕のよく知る少女。当時口にはしなかったけど、その子が敗戦後によみがえり、そこで時を超えても会えない悲恋を巡る、という演出の物語。現場では知世ちゃん(主演の原田知世さん)に「昔、戦争というものがあってね。君みたいな少女が随分殺されたんだよ」と話してました。

 僕の作品は全部自伝ですよ。僕は自分に切実な主題でしか撮らない。だから結局、僕自身の人生の映画日記になっちゃった。

 -『この空の花-長岡花火物語』から、戦争が前面に出た三部作を撮り始めましたね。

 これはね、東日本大震災。それまでは僕たちが何を言ってもむなしいと思っていた。マッカーサー主導の占領軍の意思で戦争が無かったかのように教育されていた。檀一雄さん原作の『花筐(はながたみ)』は四十年ほど前に脚本にしていて、ぜひ映画にしたいと思っていたが、誰も見向きもしなかった。

 震災で、今なら日本人に伝わる時期だなと考えて、はっきり戦争体験をエッセーの形で映画にしようと。それが共感を得たのは僕の手柄じゃなく、時代がより切羽詰まってきたから。原発事故を体験して「隣のまちでも起き得るぞ」というような。

 -三部作の最後『花筐/HANAGATAMI』の撮影開始直前に、ステージ4の肺がんで余命半年の宣告を受けましたね。

 なぜかほっとした。悲観的な感情は全く抱かなかった。「がんなんかじゃ殺されないぞ」「生きられるだけ生きて、映画を撮れるだけ撮ろう」と。そんな気概が、この切迫感の中で僕自身にも起きてきている。

 -作品で表現したかったことは。

 すぐに赤紙(召集令状)が来て、戦争に連れていかれて殺されることを覚悟して生きている青年たち。「青春が戦争の消耗品だなんてまっぴらだ」というせりふは、『花筐』の現場で考えた。原作にはない。映画のテーマだから、直接的に言葉にするのはどうなんだとも考えたが、これを言えるのは、あの時代を知っている僕たち老人世代しかいない。遺作になるかもしれないと思って撮った。

■軍医の息子

 -お父さんは軍医でしたね。

 父は私が一歳のときに従軍しているんですよ。数年前、父がワープロで書いた自分史が見つかった。そこに「宣彦よ。お父さんは自ら戦争にいきました」とあり、一瞬仰天した。「おやじ、自分で戦争行ったの?」「戦争好きだったの?」と。

 読み進むと、「普通に赤紙もらって行くと、私の青春は敵の弾の標的になるだけだ。そんなことで殺されたんじゃ、目指した医学の道を完遂できない。だから自ら志願して軍医として行く。そうしたら味方の命を救えるかもしれないし、ひょっとすると敵の命すら救えるかもしれない。それが医学を目指す人間の責務だ」と。そんなつらい選択肢の中で生きてきたのか、今ではとても軽々しく想像さえできない空気の中で過ごしてきたのかと思った。

 -どんなお父さんでしたか。

 当時の父は広島に赴任していて、母と二人で慰問したことがあります。軍医少尉だった父から三歩下がって従う母に、幼い僕は手をつながれて。通り掛かった兵隊が父に敬礼をする。立派だなと思っていたら、今度は僕の自慢の父さんが急に普通の兵隊みたいにしゃちほこばって上司に敬礼する。それを見て「組織は嫌なものだな」と。普通の人を普通でなくしてしまう。今から考えれば、それが戦争嫌いの最初だった。

 -いつごろですか。

 原爆が落ちる二週間ほど前。被爆後に原爆ドームになった産業奨励館前の石段で、川を眺めながら三人でサツマイモを食べた記憶もある。そのころ親しくなった憧れの少女や同年代の親戚がいましたが、原爆で何も言わず誰もいなくなりました。

 -八月十五日の記憶は。

 小川で水遊びしていたら、おばあちゃんが「これから天皇陛下さまのラジオ放送があるけえ、帰ってきなしゃー」と言われ。水浸しのまま聞きました。ずぶぬれの女友達のシュミーズ姿だけが記憶に残っている。つまり、戦争中も僕ら個人の日常はちゃんとあったってことですよ。

■だます大人

 -終戦時は七歳でした。

 母の実家で大家族で暮らしていたんですが、敗戦後間もないある日、突然、母が「きょうは母ちゃんとお風呂に入ろうか」と言い出しました。男尊女卑の時代で、いつもはお風呂も男が先、女が後から入っていたが、その日は違った。出ると母の長い髪がばっさり切られていて、父が残していった国民服みたいなものを着て、「きょうは母ちゃんと寝間(ベッドルーム)へ行こう」と。行ったら座布団が並んで置いてあって目の前に短刀が置いてある。「母ちゃんはきっと僕を、痛くなく優しく殺してくれるんだなあ」と思った。

 安心したのか、寝てしまいましてね。ふと気づくと、ニワトリが鳴いて、雨戸から漏れる外の光がカラーになって白い壁に映っている。「ああ、僕はまだ生きてる」と。

 -お母さんは、一度は息子を手にかけようと思ったわけですね。

 ご婦人は乱暴され、子どもは撲殺されるといううわさが流れ、その方がこの子のためになると思ったのでしょう。父は慰問直後に広島から九州の小倉に異動していました。

 敗戦まではお国のために死ぬのが一番勇ましく正しい男の子の姿だと考える「軍国少年」でした。実際には毎日、知っている人が一日に何人も戦死したよ、という情報が入ってくるんですよ。それでこの人たちは僕が覚えている限り存在していて、忘れるといなくなるように思えた。だからこの人たちを死なせないためには決して忘れないというのが、子どものころの自分との約束。そうすると亡くなった人の生前の日常の姿が無人の廊下に浮かんで見えたりする。そういう想像力はあったわけです。それが僕の映画の原点ね。

 -そんな子どもの時から映画をつくったそうですね。

 尾道の家の蔵の中に、35ミリフィルムのおもちゃの映写機がありましてね。『のらくろ』や『冒険ダン吉』のフィルムの切り貼りをしながら、映画の編集を覚えてしまった。フィルムの絵が消えてしまったら、うちのおじいちゃんをモデルにした『マヌケ先生』の絵を描きました。

 -戦後日本は急激に変化します。

 敗戦後の一番のショックは日本人の大人にだまされたこと。それまでは「仮に大日本帝国が滅びたら、おじさんがさっと殺してやるから安心しろ」と言われていたのに、誰も殺してくれない。闇米担いで「平和じゃ、平和じゃ」とスキップ踏んでる。「何だこの裏切り者は。こんな大人に付いていったらこれからの自分は生きるも死ぬもぐちゃぐちゃになる」と思った。僕らは戦中派でもないし、戦後派にもなれない、そんな「敗戦少年世代」なんです。

■じゃんけん

 -今は改憲の動きがあります。

 特定秘密保護法ができた日、僕は一日中、怖くて震えていました。戦争中の憲兵のことが鮮明に頭にあるので。わが家の大広間に、警察署長やあらゆる町の名士が集まって、裸になればみな同じ、と、ふんどし一本になって天下国家を語っていた。それがいつの間にか、そんな威風堂々とした人たちがみんな背中をこごめて、悪いことをしているかのように「あっちで負けた。こっちで負けた」とひそひそ話をしている。

 同居していた肺結核のおじさんの同級生に、僕のその年若いおじさんの肩や背中をさすってくれる優しい幼なじみの友人がいた。ところが、おじさんが何かの嫌疑でつかまると、その同級生が軍服を着てきて、一週間後に赤あざ青あざだらけで帰ってきたおじさんを監視するんです。「軍服を着る、着ないでこんなにも変わるのか。人間ってのは怖いもんだな」と思った。戦争はすべての人間を変えるんですね。

 -この国は今、どこに向かっているのでしょう。

 よもやこの国が、あんな愚かな戦争をもういっぺんやるわけがないと思い込んでいた。意識的にノンポリを装っていた。僕たちはあまりにもうかつだった。アメリカさんも、あの時代を知らない人が大統領になった。誰も知らないから怖い。この怖さ、愚かさだけは未来を生きる若者に伝えなきゃいけない。

 人間は戦争もするし、平和をつくる力もある。一人一人が「あんたはどうするの」と問われている。僕は是非は問わない。是と非の間にある、もう一つのものですよ。じゃんけんぽんのチョキだって、パーとグーだと是と非しかないけど、チョキが入ると勝負がつかず、永遠に勝ち負けなしの平和になる。平和を求める人間の賢さです。

 -かつて黒沢明監督に「映画には必ず世界を救う美しさと力がある」と言われたそうですね。

 ドキュメンタリーが「本当」で、劇映画が「うそ」だとすると、その間に「まこと」があると思う。人間の真実ですね。平和というのはいまだ実現しない大うそだけど、みんなが信じ続ければ「心のまこと」として実現するかもしれない。戦争という現実と平和という虚構を映画で描く。そこに観客の想像力が加わることで、未来の人間の歴史を変えられるかもしれない。でも、あれから三十年。僕も含めてどうして人間は賢くならなかったんでしょうね。


# by daisukepro | 2019-08-15 19:25 | 映画

文在寅の朝鮮半島平和…「時には一緒に、時には別に」戦略を


[ニュース分析]文在寅の朝鮮半島平和…「時には一緒に、時には別に」戦略を

登録:2019-08-14 22:48 修正:2019-08-15 12:19
光復節74周年記念 
北東アジアの地殻変動
 
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米中の狭間から朝鮮半島を救う…同盟依存より選別共助 
米国が中心軸・韓日が車輪のスポークのサンフランシスコ体制が動揺 
米日のインド太平洋戦略、韓国を下位パートナーに再編狙う 
韓国、北と情勢共有し戦略目標に応じて同盟を柔軟に
文在寅大統領が光復節を翌日に控えた14日午後、大統領府で開かれた国政課題委員長招請昼食懇談会に参加するため入場している//ハンギョレ新聞社

 韓国最高裁(大法院)の強制動員賠償判決に対する日本の報復的な輸出規制に触発された韓日の葛藤の根元には、文在寅(ムン・ジェイン)政府の朝鮮半島平和プロセスと日本の安倍政権の「普通の国家化」戦略の衝突がある。

 安倍政権は、2015年に安保法制を通過させ、グローバル次元で米日同盟を強化し朝鮮半島問題に積極的に関与する意図を明確にし、「軍隊を保有する普通の国」に向けた改憲を推進している。文在寅政府の朝鮮半島平和プロセスは、韓米関係を中心に南北関係を進展させ、北東アジアの安保地形を変化させるという構想であり、そこでの日本の役割は明確でない。

 国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル諮問研究委員は「米国と協力して北朝鮮の非核化と南北関係を進展させ、米中の本格的な覇権戦争に先立ち周辺列強にも揺らぐことのない朝鮮半島平和体制を作るという文在寅政府の戦略は正しい方向」としながらも「その過程で、日本の戦略と衝突が起きたことが現在の韓日危機として現れたのであり、北東アジア秩序全般にも変動が起きていて、韓国政府も戦略の点検と補完が必要な状況」と話した。

 韓日の葛藤のより大きな背景には、全世界的に既存の秩序が揺れており、新たな秩序を作らなければならない状況で、各国が“各自生き残り”で対応し、新たな戦略を立てている大転換の時代がある。韓国が「巨大なチェス版」の変化を敏感に読んで、戦略的目標により一貫した外交を繰り広げてこそ朝鮮半島の平和と繁栄という目標も進展させられる。原則を守って韓日の葛藤を解決していくことはその出発点だ。

■動揺する65年体制

 現在の韓日関係の基本枠組みである1965年の韓日請求権協定は、「日本の植民支配の不法性」に合意できなかった。日本は植民支配が合法だったという解釈を守っている。2018年、韓国最高裁は「日本の植民支配は不法」であることを明示し、これを根拠に日本企業らが植民地時代に不法に強制動員した被害者に賠償するよう判決した。日本に有利に締結された韓日請求権協定体制が、約50年ぶりに動揺する状況になり、日本の安倍政権は韓国を「安保上信じることのできない国家」に追い詰め、韓国産業の急所を狙った経済報復に出た。文在寅政府が推進する朝鮮半島平和プロセスで、南北関係、朝米関係が進展し、北東アジアの安保秩序において米国に続くNO.2の座を守ってきた日本の立場が狭まることを遮断しようとする戦略的考慮も作用した。韓国が65年体制の枠組みから抜け出し、植民支配問題と東アジア戦略で独自の声を上げることを遮るための圧迫戦略だ。

 日本の要求に屈服し急いで解決しようとするよりは、現在の葛藤の根元を明確に分析し、原則と長期的戦略に則り韓日関係の新たな枠組みを用意していくべきという提案が出ている。慶北大学法学専門大学院のキム・チャンロク教授は「最高裁判決のとおり、日本企業が強制動員被害者に賠償するよう原則を守り、長い目で日本に不法な植民支配の責任を問う課題を解いていかなければならない」と提案した。朝鮮半島平和プロセスで韓日の接点を作らなければならないという提案もある。ソウル大学のナム・ギジョン教授は「朝鮮半島平和プロセスを積極的に推進し、そこで日本が役割を果たせるようにしなければならない」と話した。

■インド太平洋戦略の“罠”

 米国と日本が主導するアジア戦略の中で、韓国の“地位”変化も注目を要する部分だ。連合国と日本が第2次大戦を終結するために1951年に結んだサンフランシスコ講和条約をベースに米国が設計した「サンフランシスコ体制」は、米国が中心軸となり韓国・日本が車輪のスポークとなり、米国に対し対等な関係を結ぶ構造だった。だが、21世紀に入り、中国の浮上を牽制するために米国と日本が推進するインド太平洋戦略では、米・日・インド・オーストラリアが核心4カ国となり、韓国・台湾・ASEAN国家は周辺部の下位パートナーに再編される構図が進行している。

 チョ・ソンニョル研究委員は「インド太平洋戦略を通じて、米国はサンフランシスコ体制を再強化しようとし、日本は水平的だった韓国との関係を垂直的に変えようとしている」として「韓国がこの戦略に軍事的に参加すれば、韓日関係が垂直的に再編される憂慮が大きいので、韓国は新南方政策とインド太平洋戦略の接点がある部分についてのみ、事案別に協調する“調和のとれた推進”という原則を守らなければならない」と強調した。統一研究院のイ・ギテ研究委員も「日本の構想では、韓国は相当に後順位にあるとみられる」として「インド太平洋戦略において、中国を封じ込める部分については慎重にアプローチし、環境・サイバーなど非伝統安保分野に選別的に参加する戦略が重要だ」と指摘した。

■南北関係、一貫した原則が必要

 朝鮮半島平和プロセスでは、南北関係の進展が核心要素だ。昨年から今年2月末まで、3回の南北首脳会談と2回の朝米首脳会談で順航してきた南北関係と非核化交渉が難航に転じたことが、現在の韓国外交の難題だ。朝米間に非核化ロードマップと制裁緩和・解除問題をめぐる見解の相違が大きく、北朝鮮は韓国に対して韓米軍事演習とF35などの先端兵器導入を非難し、荒々しい不満を表出している。

 チョ・ソンニョル研究委員は「北朝鮮が韓国に不当に対することには断固として対応するものの、関係を解決するための努力を放棄してはならない」として「今までは南北間で非核化と平和体制に限定して議論をしてきたが、国際秩序の地形が変わる状況では、南北の最高位層で朝鮮半島周辺情勢に対する認識を共有し、わが民族の将来を虚心坦壊に話す構造が作られなければならない」と提案した。

■同盟を再び問う

 根本的には「動揺する国際秩序の中で、韓国がどのように中心を捉え対応しなければならないか」という質問に収束される。第2次大戦直後に形成され70年以上経過した古い国際秩序が急変する現実に適応できなくなり、世界各地で混乱が起きている。今回の韓日関係の葛藤は韓日両国が自ら解決しろという米国トランプ行政府の態度から、サンフランシスコ体制がもはや以前のようには作動しない現実を見なければならない。

 国家安保戦略研究院のイ・スヒョン責任研究委員は「同盟にのみ依存する既存の外交安保から抜け出し、朝鮮半島の運命は韓国が責任を負うという点を確実にしなければならない」として「米国との同盟関係はうまく維持しなければならないが、同盟という理由で常に同じ道を行くのではなく、朝鮮半島の平和・繁栄という韓国の戦略目標に役立つか否かを中心に据え、時には一緒に、時には別に行く戦略が必要だ」と話した。

 長期戦に向かっている米中覇権競争で、韓国が米国と中国の間で一方を選択するのではなく、韓国が指向する「朝鮮半島の平和と繁栄」と長期的統一という目標を中心に据えて、南北・韓米・韓中・韓日関係などの駒をチェス版上で慎重に進めていく新しい時代の外交安保の長期戦略を構想する時だ。

パク・ミンヒ、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

# by daisukepro | 2019-08-15 14:37 | ハンギョレ

文氏が輸出規制で対話呼び掛け 韓国、通商面の対立解消を優先

 

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【ソウル共同】韓国の文在寅大統領は15日、中部の天安で開かれた日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の政府式典での演説で「日本が対話と協力の道へ向かうなら、われわれは喜んで手を結ぶ」と述べ、日本の輸出規制強化問題で対話を呼び掛けた。韓国人元徴用工や旧日本軍の従軍慰安婦の問題には直接言及せず、「日本の不当な輸出規制に立ち向かう」とも述べた。

 韓国は日本の輸出規制強化を元徴用工訴訟判決への報復と受け止めているが、歴史問題への言及を抑え通商面での対立解消を優先的に進めたい考えを示した。



# by daisukepro | 2019-08-15 14:30

裏庭の園芸12カ月 夏ー4 蝉と芙蓉 その2 そして満月

裏庭の園芸12カ月 夏ー4 蝉と芙蓉 その2 そして満月
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# by daisukepro | 2019-08-15 14:24 | 裏庭の園芸12ヶ月

向かい合って「強制動員問題解決」語った韓日の市民団体「安倍、国際社会相手に嘘」

向かい合って「強制動員問題解決」語った韓日の市民団体「安倍、国際社会相手に嘘」

登録:2019-08-14 22:44 修正:2019-08-15 07:56
韓日市民団体、安倍政権糾弾に声を合わせる 
「安倍政権、植民被害者を冒とく…歴史を消そうとしている」 
釜山でも韓国・日本連帯の声 
「ボイコットは嫌韓助長企業・団体に集中すべき」
14日、ソウル市鍾路区の曹渓寺で開かれた「強制動員問題解決のための国際会議」で、「強制動員問題の解決と過去清算のための共同行動」の矢野秀樹・日本事務局長が発言している//ハンギョレ新聞社

 光復節を翌日に控え、強制動員問題を解決するために共に努力してきた韓国と日本の市民団体活動家が一堂に集まった。歴史の真実を無視し経済報復を加える安倍政権に対する鋭い批判が日本の活動家の口から先に出てきた。

 14日午後、ソウル市鍾路区(チョンノグ)の曹渓寺(チョゲサ)国際会議場では「強制動員問題の解決と過去清算のための共同行動」が主催した「強制動員問題解決のための国際会議」が開かれた。「韓国最高裁(大法院)による(強制動員賠償)判決が下されてから9カ月が過ぎたが、被害者の人権は回復しておらず、安倍政権は居直る態度で出てきています」。この日の会議の最初の発言者である矢野秀樹・日本「強制動員問題の解決と過去清算のための共同行動」事務局長の話だ。矢野事務局長は、1995年から25年にわたり強制動員被害者の法廷闘争を支援するなど、植民支配に対する日本政府と企業の謝罪と賠償を求めてきた。日本で韓国人遺族を助け、遺骨返還問題で日本政府を圧迫し続けてきた「戦没者遺骨を家族の元へ」連絡会の活動家の上田慶司氏も「安倍政権は植民支配の被害者である当事者と遺族を冒とくし、加害の過去を日本国民が忘れるようにしむけ、加害者としての歴史を消そうとしている」と指摘した。

 韓日の市民団体活動家たちは、このような時ほど両国の市民が連帯しなければならないと口をそろえた。矢野事務局長は「20年以上闘ってきた裁判闘争が中心となった強制動員被害者の闘争は、(1965年)韓日(請求権)交渉の闇を暴露し、司法判断の壁を突き抜けて権利回復の道を開いてきた」として「(現在)韓日関係が1965年の国交正常化以降で最悪の関係だと言うが、強制動員被害者の権利回復のための韓日市民の25年以上にわたる連帯の力は揺らがない」と話した。民族問題研究所のキム・ミンチョル研究委員は「今、最も大きな問題は、安倍が国際社会を相手に『強制動員はなかったし、韓国政府が国際法を破っている』という嘘をついていること」としながら、韓日の法律家、歴史学者、市民団体活動家が共同で強制動員問題と請求権協定に対する意見書、昨年の韓国最高裁(大法院)判決文の解説書などを作り、英語に翻訳し国際労働機関(ILO)などの国際機関に提出する方法などを提案した。強制動員問題は普遍的人権の問題だという点を国際社会にさらに広く知らしめてこそ、賠償を拒否する安倍政権と日本企業を圧迫できるという指摘だ。

 韓日の市民団体活動家たちは、今回の韓日経済戦争と歴史戦争が長期的で全面的な様相を帯びる可能性が高いとしながらも、楽観的な展望も出した。特に矢野事務局長は、日本製鉄、不二越などの戦犯企業が過去に強制動員被害者らと和解した事例を挙げて「政治的環境と条件さえ成立すれば、企業らが和解し、韓国最高裁(大法院)判決を受け入れる意志を持っていると見られる」と話した。

 今回の強制動員賠償判決を韓日両国が新たな信頼関係を形成する契機にしなければならないとの助言も出てきた。日本近現代史の研究者である竹内康人氏は「韓国最高裁の判決は、韓日友好やその基盤を破壊するものではない。強制動員被害者の賠償請求権が認められたことは人類史の成果」と評価した。それと共に「強制動員被害者の尊厳回復と正義実現の地平で新たな韓日関係が形成されるだろう」とし「植民支配に対して責任を負おうとする真剣なアプローチのみが、両国間に信頼を作り、ひいては北東アジアの平和と人権を構築できる」と主張した。

 強制動員賠償が金銭的賠償のみで終わってはならないとの指摘も出た。民族問題研究所のチョ・シヒョン研究委員は「強制動員は明白に国際法上の重大な人権侵害に該当する」として「強制動員被害者が持つ権利は、不法行為に対する損害賠償請求権に限定されず、国際社会が保障する賠償と被害回復の権利を含む」と指摘した。チョ研究委員は具体的に、遺骨調査と発掘▽被害者の尊厳を回復するための公式宣言▽事実認定と責任の受諾を含む公的謝罪も賠償に含まれなければならないと付け加えた。

 昨年の強制動員に関する最高裁の全員合議体の判決の意味を振り返り、韓日市民の連帯方案を議論するために用意されたこの日の行事には、14歳で女性勤労挺身隊に連れていかれ富山県の不二越鋼材工業の工場で仕事をしなければならなかった強制動員被害者、キム・ジョンジュさん(88)と、かろうじて国民学校(小学校)のみ卒業して日本製鉄八幡製鉄所で強制労働をさせられたキム・ヨンファ氏(90)も参加した。

イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

# by daisukepro | 2019-08-15 13:48 | 市民運動

主張 74回目の終戦の日 強権・偽りの政治を許さぬ決意

主張

74回目の終戦の日

強権・偽りの政治を許さぬ決意

 アジアと日本の国民に甚大な犠牲をもたらしたアジア・太平洋戦争で日本が敗れた1945年8月15日の終戦から74年になります。

 先の参院選で国民は「改憲勢力3分の2割れ」の審判を下しました。それにもかかわらず、安倍晋三首相は改憲を議論する「審判は下った」と居直り、憲法9条に自衛隊を書き込む改憲への動きを加速させようとしています。世論を無視した強権政治、国民を欺く政治を許せば、民主主義は壊され、戦争とファシズムへの道につながることは、歴史が明らかにしています。暴走政治を終わらせるたたかいが重要になっています。

「東条独裁」が示すもの

 41年12月にアメリカのハワイ・真珠湾や当時イギリス領だったマレー半島のコタバルを奇襲し、アメリカやイギリスを相手にした戦争を始めた東条英機内閣は、絶対主義的な天皇制の下、首相が陸相や内相、参謀総長を兼任して強力な権力をふるう「東条独裁」と呼ばれる体制でした。改悪した治安維持法や国防保安法を使い、戦争や政府を批判する言論・政治活動を厳しく弾圧しました。陸相の地位を使い、憲兵を私兵にして、政敵を抑え込むことまでしました。「東条独裁」は戦争と国民抑圧の専制政治が一体不可分であることを示す一つの象徴です。

 15年にわたる侵略戦争の発端となった31年9月の「満州事変」は日本軍のでっち上げで始まりました。当時「満州」と呼ばれた中国東北部で日本軍が仕かけた鉄道爆破を中国側によると偽り、国内外を欺いて戦争につき進んだのです。その後の日中全面戦争への拡大(37年)や、41年の米英などとの開戦も、「自存自衛」などと主張し、盛んに繰り返した「大東亜新秩序」という言葉も、侵略と領土拡大の目的をごまかすためでした。日本の戦果を過大に宣伝した「大本営発表」は、ウソで固めた戦争の異常な姿を浮き彫りにしています。

 アジア・太平洋戦争の結果、310万人以上の日本国民と、2000万人を超すアジア諸国民が犠牲になりました。原爆投下や空襲で日本各地は焦土と化し、日本の侵略と植民地支配はアジア諸国などに大きな被害を与え、その深い傷あとは、いまも消えていません。日本軍「慰安婦」問題や、中国大陸からの「強制連行」、朝鮮半島からの「徴用工」問題は、日本の責任が問われ続けている大きな課題です。

 いま日韓間の焦点になっている「徴用工」問題は、被害者の名誉と尊厳が回復できるよう、日本と韓国の政府間で話し合って解決すべきなのに、貿易問題をからめて一方的な措置をとる安倍政権の姿勢は重大です。過去の歴史と真剣に向き合わなければ、国際社会での信頼・友好は築けません。

9条改憲を阻もう

 安倍首相は、改悪した憲法を2020年に施行したい思いはいまも変わらないと公言しています。戦後75年の節目に、そんな野望を許してはなりません。まさに日本は歴史的な岐路に立っています。

 侵略戦争への痛苦の反省のうえに制定された日本国憲法は、その前文で、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」とうたっています。この言葉を心に刻むときです。安倍政権が目指す「戦争する国」への道を必ず阻みましょう。



# by daisukepro | 2019-08-15 13:41 | 赤旗

安保法制下の陸自南スーダンPKO 駆け付け警護で「即応態勢」 殺傷能力強化へ 狙撃銃導入も 本紙請求で判明


安保法制下の陸自南スーダンPKO

駆け付け警護で「即応態勢」

殺傷能力強化へ 狙撃銃導入も

本紙請求で判明

 安保法制=戦争法に基づく新任務「駆け付け警護」と「宿営地共同防護」を付与され、戦後最も、海外で“殺し・殺される”危険が強かった陸上自衛隊の南スーダンPKO(国連平和維持活動)第11次派兵部隊(2016年12月~17年5月)の活動の一端が、本紙が防衛省への情報公開請求で入手した報告書から初めて明らかになりました。


写真

(写真)南スーダンでの「駆け付け警護」訓練を公開する陸上自衛隊=2016年10月24日、岩手県滝沢市の岩手山演習場

 「駆け付け警護」は、海外派兵での武器使用基準を「正当防衛」型から「任務遂行」型に拡大し、邦人や国連関係者などが襲撃を受けた際、武器を使用して敵対勢力を排除するもの。今回、開示された第11次隊の「成果報告」(17年5月23日付)は、「いつ(任務が)付与されても、即応し適格に対処し得るよう…トンピン(宿営地)外で活動する警備小隊には駆け付け警護のための資機材を携行…即応態勢を維持・確立した」と明記。16年7月に政府軍・反政府軍による大規模な戦闘が発生した首都ジュバの市街地で「即応態勢」が取られていました。任務遂行のため、ジュバ市内で「経路偵察」も行われていました。

 また、今後の教訓として「狙撃銃導入の必要性・可否を検討」するよう提言。安保法制のもと、今後の海外派兵部隊にスナイパー(狙撃手)を配置し、殺傷能力を高める危険があります。

 さらに、新任務に伴い、戦場で隊員同士が応急処置を行う「第一線救護」の強化を強調。モルヒネなど医療用麻薬が初めて携行されたことも記されていました。

 他国軍と共同している宿営地が襲撃された際、担当区域以外の防護も行う「宿営地共同防護」に関しては、陸自研究本部作成の『教訓要報』(17年11月2日付)に、政府軍と反政府軍との「衝突」のような事態で「いかに対応すべきか」をUNMISS(国連南スーダン派遣団)と調整していたと明記。政府軍・反政府軍の戦闘では、自衛隊を含むPKO部隊の宿営地をはさんで戦闘が行われ、国連施設が政府軍に襲撃されました。

 仮に自衛隊が政府軍・反政府軍のいずれかと交戦した場合、憲法9条違反の「海外での武力行使」に該当します。安倍晋三首相は16年12月7日の党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長に対し、「政府軍と自衛隊が干戈(かんか=戦火)を交えることにはならない」と明言しましたが、現場では、対処に苦慮していたとみられます。

 陸自の南スーダンPKO派兵は12年1月から開始され、首都ジュバを中心に施設建設や道路整備などを行いました。17年5月の第11次隊撤収まで継続。現在は司令部要員だけが残っています


# by daisukepro | 2019-08-15 13:38 | 赤旗

NY株急落、800ドル安 世界景気の後退懸念

 

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【ニューヨーク共同】14日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は急落し、前日比800・49ドル安の2万5479・42ドルで取引を終えた。6月4日以来約2カ月ぶりの安値水準で、下げ幅は今年最大だった。景気後退の予兆とされる長短金利の逆転が起こり、世界的な景気後退への懸念が強まった。英国やドイツなど欧州の主要市場も大幅に下落した。

 中国が14日発表した7月の工業生産の伸び率は17年5カ月ぶりの低水準だったほか、ドイツが3四半期ぶりのマイナス成長となった。米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題を背景に、世界経済に不透明感が高まった。



# by daisukepro | 2019-08-15 12:08 | 経済

東証、一時400円超安 景気不安で世界同時株安


 

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15日午前の東京株式市場は、世界的な景気先行き不安から売り注文が強まり、日経平均株価(225種)は大幅反落した。午前9時15分現在は前日終値比405円45銭安の2万0249円68銭。欧米市場に続く下げ相場で、世界同時株安の様相を呈した。

 14日の米債券市場で「景気後退の予兆」とされる「長短金利の逆転現象(逆イールド)」が発生し、米株式市場が急落した流れを引き継ぎ、平均株価は全面安の展開となった。

 東証株価指数(TOPIX)は29・09ポイント安の1470・41。

 世界同時株安を背景に、円相場は1ドル=105円台後半に上昇した。

(共同)


# by daisukepro | 2019-08-15 12:03 | 経済

オスプレイ 住宅地へ銃口 昨夏から頻発 住民不安

2019年8月14日 07時06分

 米軍横田基地(東京都福生市など)に配備されている垂直離着陸輸送機CV22オスプレイが、離陸時や周辺の住宅地上空を飛行中、機体後部のデッキを開け、機関銃の銃口を下に向けているケースが頻繁に起きている。地元の市民団体が確認した。米軍側は弾薬を装備しておらず安全に問題はないと強調するが、基地周辺は住宅密集地で、住民からは不安の声が上がる。 (萩原誠)

 横田基地を監視している市民団体「羽村平和委員会」によると、二〇一八年六月二十九日~今年七月十一日の計三十三日間、延べ四十機が基地周辺の住宅地の上空で、後部デッキから細長い機関銃の銃口を斜め下に向けて飛行していたという。銃口を出したままの飛行は、今月に入ってからも確認している。

 一日につき一機を確認したケースが多いが、二機確認したのが昨年十一月七日、今年六月五日、同月二十七日、七月八~十一日の七日間で、七月以降、増えているという。

 六月二十七日は、オスプレイ二機が夕方に二時間ほど横田基地で離着陸を繰り返したり、基地周辺を飛行したりした。二機とも後部デッキから機関銃の銃口が見えたという。

 米軍資料の分析を続け、オスプレイに詳しい地元の研究家小柴康男さん(73)は「間違いなく銃口」と指摘。オスプレイの後部デッキには機関銃一基が装備されており、銃口を出して基地から飛び立つのは、特殊部隊の通常訓練と指摘する。「敵地上空の飛行を想定している」とみている。

 市民団体「横田基地の撤去を求める西多摩の会」代表の高橋美枝子さん(77)=羽村市=は「住宅地に銃口を向けて、どこに狙いを定めているのか。とんでもないことが行われているのではないか」と憤る。

 横田基地の広報部は取材に対し、「安全に飛行を行う装備」と説明。「機材は機体に固定され、弾薬は入っていない」と答えた。さらに「実弾訓練区域外では、固定された機材の弾薬はすべて空(から)の状態で、安全で認められた位置にある。横田基地から飛行を行うすべての航空機は、日米政府間の合意に従って運用されている」とコメントした。

 この問題は五月二十日の参院決算委員会で野党議員が取り上げたが、岩屋毅防衛相は「CV22の飛行運用の詳細について把握していない」とし、「米国側に安全面への最大限の配慮を求めていきたい」と答弁していた。

◆対地攻撃想定の訓練

<軍事評論家の前田哲男さんの話> 特殊部隊を輸送するCV22は対地攻撃の能力を備えており、それを想定した訓練だろう。日本政府が異議も申し立てず、配備を認めたこと自体が問題。外務省と防衛省の責任は重大だ。

(東京新聞)

米軍横田基地周辺を飛行中のオスプレイ。後部デッキに装着された銃口のようなものが斜め下を向いている=1月4日撮影(羽村平和委員会提供)

米軍横田基地周辺を飛行中のオスプレイ。後部デッキに装着された銃口のようなものが斜め下を向いている=1月4日撮影(羽村平和委員会提供)



# by daisukepro | 2019-08-14 07:32 | 日米安保条約

徴用工問題の解決を求める日韓弁護士や支援団体声明(全文)

徴用工問題の解決を求める日韓弁護士や支援団体声明(全文)

 11日、徴用工問題の解決を求める日韓弁護士グループや支援団体が発表した声明(全文)は次の通り。


 日韓関係が悪化の一路をたどっている。

 日本政府は、本年6月19日、韓国政府の提案した徴用工・勤労挺身(ていしん)隊問題の解決構想案について直ちに拒否の意思を明らかにしたことに続き、7月1日には、半導体核心素材など3品目の韓国への輸出手続きを強化することを公表し、さらに韓国を「ホワイト国」から除外する閣議決定を行った。

 日本の外務省は、今回の輸出規制措置が徴用工・勤労挺身隊問題に関する韓国大法院判決問題とは無関係であると説明している。しかし、安倍首相自ら「1965年に請求権協定でお互いに請求権を放棄した。約束を守らない中では、今までの優遇措置はとれない」と語り(7月3日、日本記者クラブ党首討論)、日本のマスコミの多くも今回の措置が韓国大法院判決への対抗措置であると論じているように、輸出規制措置と徴用工・勤労挺身隊問題は関連性があるとの見方が有力である。

 日本政府は、韓国大法院が徴用工・勤労挺身隊被害者の日本企業に対する慰謝料請求を認めたことを取り上げて、韓国は「約束を守らない」国であると繰り返し非難している。

 しかし、韓国大法院は、日韓請求権協定を否定したわけではなく、日韓請求権協定が維持され守られていることを前提にその法解釈を行ったのであり、昨年11月14日、河野外務大臣も、衆議院外務委員会において、個人賠償請求権が消滅していないことを認めている。

 そもそも、原告らは、意に反して日本に動員され、被告企業の工場等で賃金も支払われず過酷な労働を強いられた人権侵害の被害者である。この被害者に対し、日本企業も日韓両国政府もこれまで救済の手を差し伸べてこなかった。そこで、被害者自らが人権回復のための最後の手段として韓国国内での裁判を提起したのである。

 法の支配と三権分立の国では、政治分野での救済が得られない少数者の個人の人権を守る役割を期待されているのが司法権の担い手である裁判所であり、最終的にはその司法判断が尊重されなければならないとされている。

 徴用工・勤労挺身隊問題に関する韓国大法院判決は、まさに人権保障の最後の砦(とりで)としての役割を果たしたものといえるのであり、評価されこそすれ非難されるべきものではない。

 それに加えて何よりも問題なのは、人権侵害を行った日本企業や、それに関与した日本政府が、自らの加害責任を棚に上げて韓国大法院判決を非難していることである。

 被害者である原告は、日本で最初に裁判を始めてから20年以上を経て自らの権利主張が認められたのである。被害者の権利主張を認めた韓国大法院判決を非難するということは、被害者の法的救済を妨害し、さらに被害者に新たな苦しみを与えるものと言わざるを得ない。日本国憲法により普遍性を有する個人の人権を尊重しなければならないと命じられている日本政府の取るべき態度ではない。

 私たちが望むものは、日韓両国政府の対決ではなく、対話を通じた問題解決である。被害者の被害実態に誠実に向き合うことなく、被害者を蚊帳の外に置いたまま、国家間の政治的対立に明け暮れる姿勢は、直ちに改めるべきである。

 今の悪化した日韓関係を改善するためには、徴用工・勤労挺身隊問題の解決は避けて通ることのできない課題である。被害者と日本企業との間で徴用工・勤労挺身隊問題の解決のための協議の場が設けられ、日韓両国政府がそれを尊重する姿勢をとることこそ、日韓関係改善に向けた確実な第一歩になると確信している。

 私たちは、改めて、訴訟の被告である日本企業に対して、徴用工・勤労挺身隊問題の解決について協議を開始することを求める。

 また、日韓両国政府に対して、当事者間での自主的な協議を尊重し、当事者間の協議を経て具体化されるであろう徴用工・勤労挺身隊問題の解決構想の実現に協力するよう求める。

 2019年8月11日

 強制動員問題の正しい解決を望む韓日関係者一同

 (韓国)

 金世恩(弁護士、日本製鉄、三菱、不二越訴訟代理人)

 林宰成(弁護士、日本製鉄、三菱、不二越訴訟代理人)

 李尚甲(弁護士、三菱勤労挺身隊訴訟代理人)

 金正熙(弁護士、三菱訴訟代理人)

 李国彦(勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会常任代表)

 李煕子(太平洋戦争被害者補償推進協議会共同代表)

 金敏喆(太平洋戦争被害者補償推進協議会執行委員長)

 金英丸(民族問題研究所対外協力室長)

 (日本)

 足立修一(弁護士)

 岩月浩二(弁護士)

 大森典子(弁護士)

 川上詩朗(弁護士)

 在間秀和(弁護士)

 張界満(弁護士)

 山本晴太(弁護士)

 高橋信(名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会共同代表)

 平野伸人(韓国の原爆被害者を救援する市民の会長崎支部長)

 矢野秀喜(朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動事務局長)

 北村めぐみ(広島の強制連行を調査する会)




# by daisukepro | 2019-08-13 22:55 | 徴用工問題

東電が第1原発で増え続ける放射能汚染水をためるタンクが3年後に満杯になると公表しました。

きょうの潮流

 ニイニイゼミに交じってミンミンゼミが鳴きだしました。小学校の夏休みの宿題だったか、画用紙にミンミンゼミの水彩画を描いたことを思い出します▼辞書で「宿題」を引くと、家に持ち帰る学習課題のほかに、「後日に解決の残されている問題」(『広辞苑』)とも。8年前に事故を起こした東京電力福島第1原発をめぐる宿題は多く、汚染水問題もその一つ。事故収束を困難にしています▼東電が第1原発で増え続ける放射能汚染水をためるタンクが3年後に満杯になると公表しました。タンクには、高濃度の放射性物質トリチウム(3重水素)などがたまっています。国の委員会は海洋放出などの処分方法を検討しています▼しかし、地元の漁業関係者などは風評被害で漁業が壊滅的な打撃を受けるからと、海洋放出に強く反対。昨夏の公聴会でも、タンクでの長期保管を求める声が上がっていました。東電のタンク計画は2020年末までしかありません。一方で汚染水は毎日170トン増えており、いずれ満杯になるのは誰の目にも明らかでした▼東電は今回、タンク「満杯」の時期明示と合わせ、タンクでの長期保管に難色を示しました。取り出しを計画している溶け落ちた核燃料(デブリ)の保管施設など廃炉作業に必要な施設を設置できないと▼“もう限界、なんとかして”と宿題を投げ出すかのよう。しかし、委員の一人は「地元の人の生活を犠牲にして廃炉をすすめるのは、論理が破たんしている」と。国民的な議論の場が必要な問題です。



# by daisukepro | 2019-08-12 21:18 | 潮流(赤旗)

国内景気が拡大していると答えた企業は23%にとどまり昨夏調査の78%から急減

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共同通信社は11日、主要企業112社に実施したアンケート結果をまとめた。国内景気が拡大していると答えた企業は23%にとどまり昨夏調査の78%から急減した。トランプ米大統領が対中追加関税を表明するなど米中貿易摩擦は長引くとの見方が強いほか、10月の消費税増税への懸念も残り、企業が景気に慎重な姿勢を強めている状況が浮き彫りとなった。

 韓国に対する輸出規制の評価については「分からない・言えない」の54%が最も多く、景気の現状については「緩やかに拡大」と答えた企業が23%(昨夏調査は77%)で、「拡大」と答えた企業はなかった(1%)。

(共同)

# by daisukepro | 2019-08-12 13:02 | 経済

国民年金 赤字 積立金運用収入8兆円減

国民年金 赤字

積立金運用収入8兆円減

 厚生労働省は11日までに、2018年度の厚生年金と国民年金の収支決算を発表しました。年金の積立金の運用収入が、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株運用の損失拡大などで前年度から8兆円近くも縮小したことから、会社員らが保険料を納める厚生年金は黒字幅が縮小し、自営業者らが保険料を納める国民年金は赤字となりました。

 厚生年金の18年度の決算は、短時間労働者への適用拡大などで保険料収入が約1兆円増加。保険料収入や積立金運用収入から給付を差し引いた額は時価ベースで2兆4094億円の黒字となりました。ただ、積立金運用収入が前年度より7兆2268億円減ったことなどから、黒字額は約8兆円減りました。

 一方、国民年金は、積立金運用収入が4563億円減ったことなどから、772億円の赤字となりました。

 安倍政権は、株価をつり上げてアベノミクスの実績を演出するため、14年にGPIFの運用資産の構成比率を見直し、国内株式と外国株式の割合を大幅に引き上げました。昨年末、株価下落で、わずか3カ月間で過去最悪の15兆円近い損失を出すなど投機的な運用の危険性が浮き彫りになりました。

 日本共産党は、GPIFによる積立金の投機的な運用をやめて計画的に取り崩し、年金水準を削減する「マクロ経済スライド」を廃止して“減らない年金”を実現するための財源に充てることを提案しています。




# by daisukepro | 2019-08-12 12:11 | 貧困なくすための政治

トラック・バス・タクシー職場 労働法令違反 83% 4年連続増 厚労省発表

トラック・バス・タクシー職場

労働法令違反 83%

4年連続増 厚労省発表

グラフ:自動車運転者が働く違反事業者数(厚生労働省調べ)

 トラック、バス、タクシーなど自動車運転者が働く事業場に対して、全国の労働局や労働基準監督署が2018年に監督指導した結果、6531カ所のうち5424カ所(83・1%)が労働基準関係法令に違反していたと、厚労省が11日までに発表しました。4006カ所(61・3%)は自動車運転者の労働時間の改善基準告示に違反していました。法令違反、告示違反ともに4年連続増加しました。

 重大・悪質な法令違反で送検したのは59件。16年68件、17年61件から減少しています。

 主な法令違反事項は、労働時間が3627件(55・5%)、割増賃金支払い1379件(21・1%)、休日290件(4・4%)という順でした。

 改善基準告示は、運転者の1日あたりの最大拘束時間を16時間(ただし原則13時間)、休息期間を原則継続8時間以上などと示したものです。

 主な告示違反事項は、1日の最大拘束時間3028件(46・4%)、1カ月などの総拘束時間2534件(38・8%)、休息期間2116件(32・4%)と続きました。

 監督指導・送検事例では▽トラック死亡事故を起こした職場で1カ月120時間の違法残業▽バス運転者が過労死した職場で20人超が最長150時間の違法残業▽タクシー会社で累進歩合給が低い運転者は最低賃金未満になっていた―などが紹介されています。




# by daisukepro | 2019-08-12 12:07 | 労働運動

主張 表現の不自由展中止 芸術・文化への介入を許す

主張

表現の不自由展中止

芸術・文化への介入を許すな

 あいちトリエンナーレは、2010年から3年ごとに開催されている国内最大規模の国際芸術祭です。1日に開幕した芸術祭の企画展の一つ「表現の不自由展・その後」が、わずか3日で中止に追い込まれました。憲法21条の保障する「表現の自由」が侵害された、きわめて深刻な事態です。

多様な表現の保障こそ

 「表現の不自由展・その後」は、過去に国内の美術館などで展示を拒否されたり、公開中止になったりした16組の作品を、その経緯とともに展示する企画です。15年に東京都内のギャラリーで開かれた「表現の不自由展」の続編として、愛知県美術館で10月14日まで開かれる予定でした。

 ところが、日本軍「慰安婦」を題材にした少女像や昭和天皇の写真を使った作品などの展示が公表されると、テロ予告や脅迫を含むファクスや電話が祭典実行委員会や愛知県庁などに殺到しました。実行委員会会長の大村秀章愛知県知事は、中止の理由を「芸術祭全体の安心安全、今後の円滑な運営のため」と説明しています。

 暴力や脅迫で自由な表現の場を奪うことは許されません。関係者や市民団体の間では展示再開を求める動きが広がっています。

 近年、公共施設で展示作品が撤去される事例が相次ぐ原因にも、ネット右翼などによる攻撃があります。その背景に安倍政権が「慰安婦」問題や「徴用工」問題をはじめ過去の侵略戦争と植民地支配への反省を欠き、それを正当化する歴史修正主義の立場をとっていることも指摘しないわけにはいきません。極右・タカ派政治家らの扇動的な言動も見逃せません。

 今回とりわけ重大なのは、政治家が展示の内容に介入していることです。河村たかし名古屋市長は2日、展示を視察した後、少女像の展示について「日本国民の心をふみにじるもの」などとのべ、大村知事に即時中止を求める公文書を送りつけました。これにたいし大村知事が「検閲ととられても仕方ない。憲法違反の疑いが濃厚だ」と批判したのは当然です。

 菅義偉官房長官が2日の記者会見で、芸術祭が文化庁の助成事業となっていることに言及し「補助金交付の決定にあたっては、事実関係を確認、精査して適切に対応したい」と、交付の差し止めを示唆したことは大問題です。

 民主主義社会において芸術・文化の「表現の自由」は広く認められなくてはなりません。多様な表現の機会を保障することこそ国と自治体の責務です。芸術・文化への公的助成にあたっても専門家の判断にゆだね、国や自治体は“金は出しても口は出さない”という原則が守られるべきです。時の政権の立場に批判的な内容なら金を出さないというのは、表現の自由を脅かす干渉にほかなりません。

「検閲国家」にさせない

 憲法21条は「表現の自由」を定めたうえに、2項で検閲の禁止を明記しています。それは、戦前の日本で政府が芸術・文化や学問・研究の内容を検閲したことが、多様な価値観を抑圧して民主主義を窒息させ、国民を戦争に動員したことへの反省にたったものです。

 今回の事態に日本ペンクラブや芸術団体などが次々と抗議の声を上げています。表現の自由を守り抜き、日本を「検閲国家」にしないために、力を合わせましょう。


# by daisukepro | 2019-08-12 12:04 | 赤旗

外国人技能実習生 7割の職場 違反 違法残業・未払い・労災隠

外国人技能実習生

7割の職場 違反

違法残業・未払い・労災隠し

図

 全国の労働基準監督署が2018年度に監督指導した外国人技能実習生の働く事業場7334カ所のうち、70・4%が労働基準関係法令に違反していたことが分かりました。違反事業場数は5160カ所で、5年連続増加しました。厚労省が10日までに発表しました。

 技能実習生自身の申告で是正されたのは、103件で前年89件から増加したものの、08年の331件から大きく減少しています。

 重大・悪質な事案として送検したのは19件で、15年の46件から3年連続減少しました。

 主な違反事項は、労働時間が1711件(23・3%)、使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準1670件(22・8%)、割増賃金の支払い1083件(14・8%)の順でした。

 もっとも多く監督指導に入った機械・金属業では、2830カ所中1937カ所(68・4%)の違反があり、労働時間707件(25%)、安全基準692件(24・5%)でした。

 違反率が高かったのは、食料品製造業73・6%(936件)、建設業71・9%(474件)でした。

 次のような具体例が紹介されました。

 ▽食料品加工業で、実習生12人に月100時間超(最長198時間)の違法残業をさせていた。

 ▽縫製工場で、実習生6人に10カ月平均178時間の違法残業をさせ、半年以上総額約1000万円の賃金を支払っていなかった。

 ▽きのこ栽培場で、無資格でフォークリフトを運転させ、右足負傷の労災を隠した。


# by daisukepro | 2019-08-11 16:14 | 人権

後期高齢者医療 保険料滞納処分 9年間で8倍に 田村参院議員への厚労省資料で判明

後期高齢者医療

保険料滞納処分 9年間で8倍に

田村参院議員への厚労省資料で判明

 75歳以上の人を対象とした後期高齢者医療制度で、保険料を滞納した人に対する差し押さえなどの滞納処分が、2017年度までの9年間で約8倍に増えていることがわかりました。厚生労働省が日本共産党の田村智子参院議員に提出した資料から判明したものです。


図

 後期高齢者医療制度が施行・実施された翌年の09年度に滞納処分を受けた件数は834件でしたが、17年度には6816件と約8倍になりました。

 一方で、保険料の滞納者数は31万3113人(10年度)から、22万2238人(17年度)へと減少。滞納額も80億803万円から77億804万円へと減少しています。

 17年度に滞納処分の割合が最も高かったのは、滞納者1582人に対して454件の滞納処分を行った宮崎県の28・7%で、滞納額は1人当たり1万9千円でした。次いで長崎県が15・2%で、同4万6千円。福島県は14・5%で、同3万4千円。滞納額が10万円未満の人に対しても処分が行われている状況がみられます。


解説

特例廃止でさらなる負担増狙う

 後期高齢者医療の保険料は、約8割の人が年金から天引きされる「特別徴収」です。年金が年額18万円未満の場合や、保険料と介護保険料の合計額が年金額の2分の1を超える場合は、被保険者が保険者に直接支払う「普通徴収」になります。

 保険料が払えず滞納になるのは、「普通徴収」の人です。月に1万5千円程度の年金か無年金などの低所得者が多く、後期高齢者医療だけでなく、介護保険料や消費税などで生活自体が厳しい実態があります。

 滞納者数・額ともに減っているのに、滞納処分が激増している背景には、これまで自公政権がおしすすめてきた徴収強化や、「負担の公平性」などを口実にして、減免や分割など個々の状況に応じた対応をせず、機械的な滞納処分を行っていることがあると考えられます。

 安倍晋三首相は「高齢者に負担を押し付けるものではない」と繰り返していますが、「全世代型社会保障の実現」の掛け声で、10月の消費税増税と合わせて後期高齢者の保険料を最大9割軽減している特例措置を廃止し、7割軽減にしようとしています。いまでも大変な高齢者の負担を増やすものにほかなりません。(北野ひろみ)

 後期高齢者医療制度 2006年の医療保険法改悪で創設。75歳以上の高齢者を「後期高齢者」として74歳以下の人と切り離し、都道府県などでつくる広域連合が運営する別枠の医療保険に強制的に加入させ、負担増と差別医療を押し付けるものです。08年の制度導入移行、5回の保険料値上げを実施しています。



# by daisukepro | 2019-08-11 16:09 | 貧困なくすための政治

裏庭の園芸12カ月 夏ー3



裏庭の園芸12カ月 夏ー3 タラの芽の花と懐かしき黒アゲハ蝶
蓼科桐蔭寮の裏庭から移植したタラの木、一本は立ち枯れ、生き残りの一本が花を咲かせた。
黒アゲハは毎年この季節に現われる。何処からともなく。この世にオサラバして行く同世代の友だち、東京大空襲の生き残り
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# by daisukepro | 2019-08-11 09:11 | 裏庭の園芸12ヶ月

日本共産党創立97周年記念講演会 共闘の4年間と野党連合政権への道 志位委員長の講演  日本共産党の志位和夫

日本共産党創立97周年記念講演会

共闘の4年間と野党連合政権への道

志位委員長の講演

 日本共産党の志位和夫委員長が8日の党創立97周年記念講演会で行った講演は次の通りです。


写真

(写真)記念講演する志位和夫委員長=8日、東京都中野区

 お集まりのみなさん、全国のみなさん、こんばんは(「こんばんは」の声)。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます(拍手)。今日は、私たちの記念講演会にようこそおこしくださいました。

 まず冒頭、7月21日に行われた参議院選挙において、日本共産党と野党統一候補にご支持をお寄せいただいた有権者のみなさん、ともに奮闘していただいたすべてのみなさんに、心からの感謝を申し上げます。(拍手)

 日本共産党が市民と野党の共闘の力で日本の政治を変えるという新しい道に踏み出してから、およそ4年がたちました。共闘のとりくみは、どういう成果をあげてきたのか。今後の課題と展望はどうか。今日は、私は、「共闘の4年間と野党連合政権への道」と題して、お話をさせていただきます。どうか最後までよろしくお願いいたします。(拍手)

参議院選挙の結果――二つの大目標にてらして

改憲勢力3分の2割れ、自民党単独過半数割れ――この民意を真摯に受け止めよ

 まずお話ししたいのは、参議院選挙の結果についてです。

 今回の参議院選挙の全体の結果で、何よりも重要なことは、自民・公明・維新などの改憲勢力が、改憲発議に必要な3分の2を割ったことであります(拍手)。自民党が「勝った」などと言っていますが、改選比で9議席を減らし、参議院での単独過半数を大きく割り込んだことも重要であります。

 3年前、2016年の参議院選挙で、改憲勢力は、衆議院に続いて参議院でも3分の2を獲得しました。自民党は、27年ぶりに参議院での単独過半数を獲得しました。安倍首相は、この数の力を背景に、その翌年、2017年の5月3日、憲法記念日の日に、「2020年の施行に向けて、9条に自衛隊を明記する憲法改定を行う」と宣言し、憲法9条改定への暴走を開始しました。今回の参院選での全国遊説でも、安倍首相が最も熱心に語ったのは憲法改定でした。しかし、国民は、安倍首相のこの野望に対して、明確な審判を下したのであります。

 「期限ありきの性急な改憲の動きには賛成できない」――これが参議院選挙で示された主権者・国民の民意であることは明らかではないでしょうか。(拍手)

 選挙後、安倍首相の側近中の側近――萩生田自民党幹事長代行が、「憲法改正シフト」が必要だと、事もあろうに衆議院議長の交代――“議長の首をかえろ”ということまで言及したことに、強い批判が集中しています。この発言が、憲法がさだめた三権分立を無視した言語道断の暴言であることは論をまちませんが、ここには国民の審判によって追い詰められたものの「焦り」があらわれているのではないでしょうか。

 日本共産党は、安倍首相に対して、国民の審判を真摯(しんし)に受け止め、9条改憲を断念することを、強く求めるものであります。(大きな拍手)

市民と野党の共闘の成長・発展――激しい野党攻撃をはね返して

 安倍・自公政権に痛打をあびせるこの結果をつくるうえで、決定的役割を発揮したのが、市民と野党の共闘でした。

 私たちは、全国32の1人区のすべてで野党統一候補を実現し、10の選挙区で大激戦を制して勝利をかちとりました。6年前の参議院選挙では、1人区で野党が獲得した議席は2議席でしたから、多くの自民党現職議員を打ち破っての10議席は、文字通りの躍進といっていいのではないでしょうか。(拍手)

 「1+1」が「2」でなく、それ以上になる「共闘効果」がアップしました。野党統一候補の得票が、4野党の比例票の合計を上回った選挙区は、3年前の28選挙区から29選挙区に拡大しました。得票数合計の比較では、32選挙区合計で、120・9%から127・4%に、これも前進しました。これらの数字は、この3年間、共闘が、さまざまな困難や曲折を乗り越えて、成長・発展していることを、物語っていると思います。

 重要なことは、10選挙区での野党の勝利が、安倍首相を先頭にした激しい野党攻撃をはね返してのものだったということです。私は、安倍首相の選挙応援の記録を分析してみました。公示後、安倍首相が応援に入った1人区は12選挙区ですが、そのうち8選挙区で野党が勝利、野党の勝率は67%であります(拍手)。さらに先があります(笑い)。安倍首相が2回、応援に入った1人区は8選挙区ですが、そのうち6選挙区で野党が勝利、勝率は75%になります(拍手)。もう一つ、先があります(笑い)。安倍首相が行った演説箇所数でみると、新潟県・8カ所、宮城県・6カ所、滋賀県・6カ所――この3県が「ベスト3」になりますが、3県のすべてで野党が勝利(拍手)、勝率は100%になります(拍手)。すなわち“安倍首相が入れば入るほど野党が勝つ”(笑い、拍手)――これが安倍首相の選挙応援の「法則」にほかなりません。

 日本共産党は、全国どこでも市民と野党の共闘の成功のために誠実に努力し、その発展に貢献することができました。これを深い確信にして、総選挙にむけ、共闘をさらに大きく発展させるために、トコトン頑張り抜く決意を申し上げるものです。(大きな拍手)

日本共産党の結果――選挙区選挙での成果、比例選挙では後退から押し返した

 日本共産党の結果は、選挙区選挙では、東京で吉良よし子さん、京都で倉林明子さんが、現有議席を大激戦をかちぬいて守り抜き、見事に再選を果たしました。埼玉で伊藤岳さんが激戦、接戦を制して勝利し、21年ぶりに議席を回復しました(拍手)。選挙区選挙で、全体として、現有の3議席を確保することができたことは重要な成果であり、ともに喜びたいと思います。(拍手)

 大阪で辰巳孝太郎さんの議席を失ったことは悔しい結果ですが、私は、大阪のたたかいは、安倍・自公政権とその最悪の別動隊――維新の会という「二重の逆流」に対して、多くの市民とともに堂々と立ち向かった立派なたたかいだったと思います(拍手)。次の機会に必ず巻きかえしをはかる決意を申し上げるとともに、大阪のたたかいへの全国の連帯を訴えるものであります。(大きな拍手)

 比例代表選挙で、日本共産党が改選5議席から4議席に後退したことは残念です。同時に、私たちは、選挙結果についての常任幹部会の声明のなかで、今回の参院選で獲得した得票数・得票率を、「この間の国政選挙の流れの中でとらえることが大切」だとのべ、直近の2017年の総選挙の比例代表と比較すれば、得票数を440万票から448万票に、得票率を7・90%から8・95%にそれぞれ前進させたことを強調しています。

 2017年の総選挙は、共闘を破壊する突然の逆流とのたたかいを通じて、政党配置と政党間の力関係に大きな変化が起こった選挙でした。わが党は、逆流と果敢にたたかい重要な役割を果たしましたが、党自身としては悔しい後退を喫した選挙となりました。

 ここから出発して、どこまで押し返したか。私たちは、このことを、今年の二つの全国選挙――統一地方選挙と参議院選挙の結果をはかる基準として一貫してすえてきましたが、それは生きた政治の流れのなかで私たちの到達をはかる最も合理的な基準だと考えます。

 この基準にてらして、全国のみなさんの大奮闘によって、比例代表で、得票数・得票率ともに押し返したことは、次の総選挙で躍進をかちとるうえでの重要な足掛かりをつくるものとなった――私はこのことを確信を持って言いたいと思います。(拍手)

成果を確信に、悔しさをバネに、強く大きな党をつくり、総選挙で必ず躍進を

 政治論戦については、年金、消費税、家計支援、憲法など、日本共産党が提起した問題が選挙戦の中心争点となり、論戦をリードしました。国民に「政治は変えられる」という希望を伝えるとともに、安倍・自公政権を追い詰めるうえでの大きな貢献になりました。公約実現のためにあらゆる力をつくすことをお約束するものです。(拍手)

 こうして、わが党は、今回の参議院選挙を市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進という二つの大目標を掲げてたたかったわけですが、この二つの大目標にてらして、共闘の力で、みんなの力で、全体として大健闘といえる結果をつくることができたと考えます。私たちに寄せられたご支持、ご支援に対して、重ねて心からのお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)

 参議院選挙をたたかって、私たちは党の自力を強めることの切実な意義を痛いほど感じています。この問題も含めて、参議院選挙の総括と教訓については、次の中央委員会総会で行うことにしたいと思います。

 全国のみなさん。成果を確信に、悔しさをバネに、教訓をひきだし、強く大きな党をつくり、次の総選挙では必ず躍進をかちとろうではありませんか。(大きな拍手)

共闘の4年間――どういう成果と到達を築いたか

共闘の力で3回の国政選挙――この積み重ねは国会の空気を大きく変えた

 次にお話ししたいのは、共闘の4年間によって、どういう成果と到達を築いたかということについてです。

 この4年間、私たちは、他の野党のみなさん、多くの市民のみなさんと手を携え、共闘の力で、3回の国政選挙――2016年の参院選、17年の総選挙、19年の参院選をたたかってきました。

 2回の参議院選挙で、野党統一候補としてともにたたかい、勝利をかちとった参議院議員は、あわせて21人となりました。2017年の総選挙では、わが党も共闘の一翼を担う形で小選挙区での勝利をかちとった衆議院議員が、32人生まれました。日本共産党の国会議員団は、現在、衆参で25人ですが、それにくわえて、わが党も共闘の一翼を担ってその勝利に貢献した国会議員――いうならば、“私たちの友人の国会議員”が、衆参で50人をこえた。これが到達点であります。(拍手)

 この積み重ねは、国会の空気を大きく変えています。以前の国会では、たとえば私が、衆院本会議の代表質問などに立ちましても、拍手が起こるのは共産党席だけ(笑い)という場合が、ほとんどでありました。衆議院での共産党の議席が8人だった時代には、質問に立つものは自分では拍手ができませんから(笑い)、拍手は7人だけということもしばしばでありました。ところがいまでは、野党席から盛大な拍手がたびたび起こります(拍手)。時にはかけ声も起こってまいります。私たちも他の野党の質疑に拍手を送ります。こういう光景が日常になりました。

 野党共闘は日本の政治を確実に変えつつある――これが国会で活動していても、この4年間の実感であるということを、まずみなさんにご報告したいと思います。(拍手)

15年9月「国民連合政府」の呼びかけ――「共闘の二つの源流」に背中を押されて

 こうした「共闘の時代」へと日本の政治を変えるうえで、大きな契機となったのが、安保法制反対運動の国民的高まりと、「野党は共闘」の声にこたえて、安保法制が強行された2015年9月19日にわが党が行った「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の呼びかけでした。

 憲法違反の戦争法(安保法制)ばかりは、政府・与党の「数の暴力」で成立させられたからといって、それを許したままにしておくことは絶対にできない。「戦争法廃止、安倍政権打倒のたたかいをさらに発展させよう」。「戦争法廃止で一致する政党・団体・個人が共同して国民連合政府をつくろう」。「そのために野党は国政選挙で選挙協力を行おう」。これが私たちの呼びかけでした。

 国政レベルでの選挙協力は、わが党にとって体験したことのない新しい取り組みでした。いったいこの呼びかけが実るのかどうか。あらかじめ成算があって始めたわけではありません。もちろん、イチかバチかの賭けのようなつもりでやったわけでもないのですが(笑い)、成算があったわけではないのです。しかしこれは、踏み切らないといけないと考えた。どうして私たちがこの歴史的踏み切りをすることができたのか。「共闘の二つの源流」ともよぶべき先駆的な流れに、私たちが学び、背中を押された結果でした。

 第一の源流は、国民一人ひとりが、主権者として、自覚的に声をあげ、立ち上がる、新しい市民運動であります。

 2012年3月から「原発ゼロ」をめざす毎週金曜日の官邸前行動が始まり、この運動は今日も続いています。「誰もが安心して参加できる空間をつくる」という思いで、始められた運動でした。戦後の平和運動、民主主義運動を担ってきた潮流が、過去のいきさつを乗り越えて、「総がかり行動実行委員会」という画期的な共闘組織をつくりました。そして、安保法制=戦争法案に反対する空前のたたかいがわきおこり、学生、「ママの会」、学者・研究者など、さまざまな新しい市民運動が豊かに広がりました。その中から「野党は共闘」のコールがわきおこりました。

 私は、こうした市民のたたかいにこそ、今日の共闘の源流があるし、未来にむけて、共闘を発展させる最大の原動力もまたここにこそあるということを、ともにたたかってきたすべての人々への敬意をこめて、強調したいと思うのであります。(拍手)

 第二の源流は、「オール沖縄」のたたかいであります。

 その画期となったのは、オスプレイ配備撤回、普天間基地閉鎖・撤去、県内移設断念を求め、沖縄県内全41市町村長と議会議長などが直筆で署名し、連名で提出した2013年1月の「沖縄建白書」でした。この歴史的文書の取りまとめにあたった当時の翁長雄志那覇市長を先頭に「オール沖縄」がつくられました。そして翌年、2014年の県知事選挙で翁長知事が誕生しました。

 私が忘れられないのは、当選後、知事公舎を訪ねたさい、翁長さんが、私に、こうおっしゃった。「これまで沖縄では基地をはさんで保守と革新が対立していました。そのことで一番喜んでいたのは日米両政府です。これからは保守は革新に敬意をもち、革新は保守に敬意をもち、お互いに尊敬する関係になっていきましょう」。こう笑顔で語りかけてこられたこの言葉を私は忘れません。今日(8月8日)は、翁長さんが急逝されてからちょうど1年の日です。この日にあたって、私は、翁長さんの遺志を継ぐ決意を新たにするものであります。(拍手)

 全国のみなさん。今日の共闘をつくりだしたもう一つの偉大な源流が、「オール沖縄」のたたかいにあることを、ともに深くかみしめ、沖縄への連帯のたたかいをさらに発展させようではありませんか。(大きな拍手)

16年7月参議院選挙――この選挙でのわが党の対応の歴史的意義について

 次の大きな節目となったのが、2016年7月の参議院選挙でした。この参院選で、私たちは、日本の政治史上で初めて、32の1人区のすべてで野党統一候補を実現し、11の選挙区で勝利をかちとるという、最初の大きな成果を得ました。

 それを可能にしたものは何だったか。もちろん野党各党の頑張りの成果でありますが、私は、二つの要素があわさっての最初の一歩が踏み出されたと考えます。

 一つは、ここでもまた野党の背中を押してくれたのは、市民の運動だったということです。私たちの「国民連合政府」の提案は、いろいろな方々から評価をいただきましたが、実際の共闘はなかなか進みませんでした。そうしたなか、2015年12月に、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」が結成されました。翌16年1月には、「市民連合」主催の初めての野党共同街宣が行われ、「ぐずぐずしていてどうする」というような叱咤(しった)激励が市民のなかから広がっていきました。

 そういう声に背中を押されて、16年2月19日、5野党党首会談が開催され、安保法制の廃止、安倍政権の打倒をめざし、国政選挙で最大限の協力を行うという画期的な合意がかわされました。これを契機に、全国各地の1人区で野党統一候補が次々に誕生し、最初の成果につながっていきました。

 いま一つ、このプロセスでわが党の決断も貢献したと思います。5野党党首会談の席で、画期的合意をうけ、私は、1人区の候補者調整については「思い切った対応」をするということを表明しました。わが党は、この表明にもとづき、1人区のほとんどで予定候補者を降ろし、野党統一候補を実現するという対応を行いました。

 私は、今回の参院選の結果を見まして、わが党が、3年前の2016年の参院選で一方的に候補者を降ろしてでも共闘を実現した歴史的意義をあらためて実感しました。

 たしかに16年の参院選で、自民党は、改選比では5議席を増やし、改憲勢力で3分の2を獲得しました。しかし前回比――すなわち3年前の2013年参院選比では10議席を減らしていました。野党が11の1人区で勝利したために、2013年のような圧勝はできなかったのであります。野党共闘が、ボクシングでいえばボディーブローのように効いて、自民党の体力を奪っていたのであります。2016年の参院選での、改憲勢力で3分の2の獲得という、一見すると“勝利”のように見えた結果のなかに、すでに“没落”は始まっていたのであります。

 3年前のわが党の対応は、今回の参議院選挙で、改憲勢力の3分の2割れ、自民党の単独過半数割れをつくりだすうえでの重要な貢献になったということを、私は強調してもいいのではないかと思うのであります。(拍手)

17年10月の総選挙――逆流から共闘を守ったことの意義ははかりしれない

 2017年10月の総選挙は、共闘を破壊する逆流を乗り越えて、次につながる重要な成果をつくったたたかいになりました。

 9月28日、衆院解散の日に、市民と野党の共闘は、突然の逆流と分断に襲われました。当時の民進党の前原代表が、突然、希望の党への「合流」を提案し、民進党の両院議員総会が満場一致でこの提案を受け入れるという事態が起こりました。私も、これを聞いて耳を疑いました。これは、2年間の共闘の原点、積み重ねを否定し、公党間の合意を一方的にほごにする、重大な背信行為でありました。

 共闘が崩壊の危機にひんした瞬間、9月28日のその日に、わが党は、「逆流とは断固としてたたかう」「共闘を決して諦めない」という二つの態度表明を行い、ただちに行動を開始しました。こうしたもと立憲民主党が結成されました。わが党は、この動きを歓迎し、共闘勢力一本化のために、全国67の小選挙区で予定候補者を降ろすことを決断し、多くのところで自主的支援を行いました。わが党が、候補者を擁立しなかった83選挙区のうち、32選挙区で共闘勢力が勝利しました。

 私は、わが党が、共闘が崩壊の危機にひんした非常事態のもと、一方的に候補者を降ろしてでも共闘を守りぬくという判断を行ったことは、日本の政治に民主主義を取り戻すという大局に立った対応であり、正しい判断だったと確信しております。(拍手)

 そして、この時も、共闘の再構築のために、強力に私たちの背中を押してくれたのは、全国の草の根での市民連合のみなさんの頑張りだったということを、感謝とともに強調しておきたいと思います。(拍手)

 この時に、逆流から共闘を守ったことの意義は、その後、目に見える形で明らかになりました。

 2018年の通常国会以降、野党の国会共闘が目覚ましい発展をとげています。さまざまな課題で野党合同ヒアリングが開催され、その数は1年半で234回にも及んでいます。野党の合同院内集会が1年半の節々で11回開催されました。こうした共闘の前進のなかで、憲法審査会における改憲策動を封じてきたのは、最大の成果といっていいと思います。(大きな拍手)

 もしも、17年総選挙で、共闘破壊の逆流の動きを成功させていたら、その後のこうした国会共闘もなかったでしょう。改憲への暴走を許していた危険も大いにあったでしょう。そのことを考えますと、逆流から共闘を守ったことの意義は、どんなに強調しても強調し過ぎるということはないのではないでしょうか。(拍手)

 日本共産党自身は、この総選挙で悔しい後退を喫しました。私たちは、その原因を「わが党の力不足」と総括し、巻き返しを誓いました。ただ、この時に、私たちが何よりもうれしかったのは、各界の多くの識者の方から、「共産党は、身を挺(てい)して逆流を止め、日本の民主主義を守った」との評価を寄せていただいたことであります。私たちは、つらい結果のもとでのこの激励を、決して忘れません。

 そしてこの時に、「共産党を見直した」という声は、全国各地で広がりました。さまざまな形で市民のみなさんとの信頼の絆が強まり、今回の参議院選挙での選挙区での健闘、比例での押し返し・前進につながっていきました。

 議席を減らしたが、市民のみなさんとの信頼の絆は強まった――私は、ここに17年総選挙で私たちが得た最大の財産があると考えるものです。

19年7月の参議院選挙――積み重ねのなかで共闘は豊かに成長・発展した

 今年の参議院選挙では、こうした4年間の積み重ねの上に、共闘が豊かに成長・発展しました。選挙をたたかって実感している五つの重要な点をのべたいと思います。

1人区の共闘――相互に支援しあう共闘への大きな前進

 第一は、1人区の共闘が、相互に支援しあう共闘へと大きく前進したことであります。

 わが党は、過去2回の国政選挙では、お話ししたように一方的に候補者を降ろすことで共闘を実現するという対応をとりましたが、今回の参議院選挙では「本気の共闘」をつくるうえでも、「お互いに譲るべきは譲り一方的対応を求めることはしない」、「みんなで応援して勝利を目指す」ことが大切だと率直に訴えて、野党各党との協議にのぞみました。

 その結果、日本共産党が擁立した候補者が野党統一候補となった選挙区が、3年前の香川1県から、徳島・高知(松本顕治候補)、鳥取・島根(中林佳子候補)、福井(山田和雄候補)の3選挙区5県に広がりました。実際の選挙戦も、野党各党の国会議員が、市民のみなさんと肩を並べ、相互に支援しあう、そういう共闘に大きく前進しました。

 野党統一候補の横沢高徳さんが勝利をおさめた岩手県からは、次のような報告が寄せられました。「サプライズは、最終日の日本共産党比例代表の街頭での打ち上げの場に、横沢高徳候補の宣伝カーが横付けし、達増知事、横沢候補、木戸口参議院議員の3人が降りてきた。あいさつをすすめると、3人が日本共産党の比例カーの前でマイクを握り、『野党共闘はいいですね』と演説したことでした。選挙をともにたたかった市民のみなさんは、『野党共闘のなかで、政策論戦でも組織戦でも重要な役割を果たした日本共産党への敬意を示す象徴的な場面だった』と異口同音に語っています」。心一つにたたかった選挙の様子が伝わってくる、うれしい報告ではないでしょうか。(拍手)

 滋賀県では野党統一候補の嘉田由紀子さんが大激戦を勝ち抜きました。嘉田さんは、先日、党本部にお礼のあいさつに来られました。見ると胸にバッジを二つつけている。聞きますと、立候補を取り下げたわが党の佐藤耕平さんと、立憲民主党の田島一成さんのものだということでした。嘉田さんは、「若い2人のエネルギーをもらって頑張る」と心のこもった決意を語っておられました。

 この滋賀県からは、次のような報告が寄せられました。「この勝利の力は野党の結束でした。昨年11月から4党協議をはじめ、選挙前まで13回行ってきました。協議の場は、各党が議長と会場を持ち回りにして行い、真摯に誠実に議論を重ねました。過去のいきがかりを超えて、全力をつくして応援する日本共産党の姿勢が党派を超えて伝わり、嘉田さんの支援者の方々から、『共産党の覚悟とすごさを目の当たりにしました。比例は共産党に入れます』と言ってくれる人も生まれました」。こういううれしい報告も寄せられていることをご紹介したいと思います。(拍手)

 日本共産党が擁立した候補者が野党統一候補となった3選挙区・5県の奮闘には、どれも素晴らしいドラマがありますが、とりわけ徳島・高知選挙区で、松本顕治候補が、20万1820票、得票率40%を獲得したことは、画期的なたたかいとなりました(大きな拍手)。松本候補は、無党派層の5割を超える支持を集め、野党比例票合計の123%の得票を獲得しました。

 選挙後、社会保障を立て直す国民会議・国対委員長の広田一衆議院議員(高知2区選出)が、野党国対委員長会談の場で次のように語ったとのことでした。「松本顕治候補にほれました。共産党候補でも勝てるということが証明されました。あと2カ月早く統一候補に決まっていれば勝てた」

 「共産党候補でも勝てる」、さらに進んで「共産党候補だから勝てる」というところにいきたいと思いますが、こういううれしい声が伝わってまいりました。(拍手)

 労働組合のナショナルセンターの違いを超えた個人加入の幅広い市民組織「高知・憲法アクション」で提出された参院選の総括にかかわる文書を拝見しましたら、このように述べております。紹介いたします。

 「今回、当初、『共産党の候補では勝てない』という声が強くあった。……当初懸念された状況は、選挙戦が進むにつれて克服されていった。……『共産党の候補では勝てない』という主張を高知・徳島合区で事実上崩したことは大きい。……今回の高知・徳島のたたかいで、候補者決定を早く行えば、候補者次第では『共産党の候補者』でも勝てるという展望を示した。これは、共闘自体は本来、どこかの政党の『一方的な犠牲』で成り立つというものではなく、相互の譲歩と協力で成り立つものであり、一方的譲歩(を求める)の『理由』として『勝てない』論があったことは事実で、これを一部でも克服したことは今後の野党共闘の発展に計り知れない貢献をしたと言えるのではないか」(大きな拍手)

 たいへんにうれしい総括であります。「共産党の候補者でも勝てる」――この可能性を示したこのたたかいは、私は、次の総選挙で、小選挙区でも全国各地で風穴をあけていくたたかいに、新たな展望を開く画期的な意義をもつものだと考えるものであります(大きな拍手)。ぜひやろうじゃないですか。(「オー」の声、大きな拍手)

複数定数区――市民との共闘でつくりだした前進と勝利

 第二に、共闘が発展したのは1人区だけではありません。複数定数区でも、市民との共闘が発展し、日本共産党の前進、勝利へと実をむすんだ経験がつくりだされました。

 北海道では、わが党が、共闘の成功のために一貫して誠実な努力を重ねてきたことが、新しい前進をつくりだしています。大きな転機となったのは2017年の総選挙でした。共闘を破壊する逆流に抗して、北海道では全12選挙区で共闘勢力で候補者を一本化し、5選挙区で勝利をかちとりました。わが党は、共闘を実現し、勝利をかちとるために、献身的に奮闘しました。同時に、畠山和也議員の比例の議席を失う痛恨の結果となりました。この結果をみて、共闘関係者のみなさんから、「共闘はすすんだが、共産党の議席を失ったことは痛恨だ。何とかしなければ」という声が強くあがりました。他の野党の幹部のみなさんからも、「たくさんの協力をいただいたが、畠山さんには申し訳ないことをした。議席回復にむけて必ず何とかしたい」との声が寄せられました。

 こうした体験を契機として、今回の選挙戦は、「市民の風」の幹部のみなさんのほとんどが、比例代表での共産党躍進、畠山候補の勝利を、それぞれ自分の言葉で語っていただく選挙となりました。共同代表の一人の方は、「比例では立憲野党。立憲野党といっても、よくわからないという人は、どうか日本共産党、あるいは紙智子と書いてください」と訴えました。こうしたもと、北海道では、比例代表で、17年の総選挙の得票数・得票率を大幅に超えるとともに、2016年――3年前の参院選の得票率をも超える前進を記録しました(拍手)。選挙区でも、畠山候補の当選にはとどかなかったものの、16年の参院選との比較で、得票数・得票率とも大きく前進しました。これらは次の総選挙での北海道での議席奪回の大きな展望を開くものであります。(拍手)

 京都でも、わが党が一貫して共闘を前進させるという立場を堅持したことが、倉林明子さんの勝利をかちとる重要な力になりました。私が、印象深いのは、選挙終盤の7月15日、岡野八代同志社大学教授が、私と並んで、日本共産党と倉林必勝を訴えてくれたときのことであります。岡野さんは、「私は、今日結党97周年を迎えた共産党が史上初めて、そして日本の政党として唯一掲げられたジェンダー平等政策が、いかに画期的で、日本社会にとって不可欠な提案なのかについて、30年間ジェンダー研究をしてきた者として力の限り訴えたい」と切り出して、熱烈な、素晴らしい応援をしてくださいました。倉林さんの勝利は、文字通り、京都のたくさんの市民のみなさんとともに勝ち取った勝利であり、京都府民が自ら立ち上がってつかみとった勝利だったのではないでしょうか。(拍手)

 京都府からの報告によりますと、京都で、こうした市民のみなさんとの共闘を大きく進める契機となったのは、これも2017年の総選挙で、共闘破壊の逆流に抗して、わが党が断固として共闘を守り抜く態度をとったことでした。このことが共同している市民の方々の共産党への評価を決定的に変える転機となりました。さらに翌18年春の府知事選挙で、市民のみなさんとの共闘が大きく広がり、福山和人弁護士が44%を獲得する大健闘の結果をつくりました。そして、今回の参院選にあたっても、京都の共産党は、「自民党と対決し、市民との共同を誠実に貫く」という姿勢を一貫して堅持して選挙戦をたたかいぬきました。そういうことが重なりまして、今回の参院選は、多くの市民のみなさんが、はじめて共産党の街頭演説や演説会でマイクをにぎり、「なぜ、私が日本共産党を支持するのか」を、それぞれの思いを込めて語っていただく選挙になりました。2017年、18年、そして19年、共闘に対する一貫した誠実な姿勢の積み重ねが、素晴らしい勝利へとつながっていったのが、京都のたたかいだったと、私は思います。(拍手)

共通政策――野党間の政策的な一致点が大きく広がった

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(写真)志位和夫委員長の講演を聞く人たち=8日、東京都中野区

 第三は、野党間の政策的な一致点が大きく広がったということです。

 5野党・会派は、「市民連合」のみなさんとの間で、13項目の「共通政策」を確認して、選挙をたたかいました。安保法制、憲法、消費税、沖縄、原発など、国政の基本問題で共通の旗印が立ちました。3年前に比べて、次の諸点などで内容上の大きな発展がつくられました。

 まず、これまで触れることができなかった消費税について、「10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること」と明記されました。これは、「所得、資産、法人」の公平化、すなわち所得税や法人税などでの不公平税制の是正という方向を打ち出したという点でも重要であります。

 沖縄問題についても、「辺野古における新基地建設をただちに中止」をズバリ打ち出しました。公示直前の7月1日、沖縄の高良鉄美候補の支援のために、国政5野党・会派の党首・代表らが那覇市に勢ぞろいして訴えましたが、これは歴史上初めての出来事であり、野党共闘の前進を象徴する出来事となりました。(拍手)

 原発問題についても、現状での原発再稼働を認めず、原発ゼロ実現を目指すことが明記されたことは、大きな前進であります。

 くわえて、選挙中の党首討論などを通じても、政策的な一致点を広げる可能性が生まれました。たとえば、わが党は、年金問題で、「マクロ経済スライド」を廃止して「減らない年金」にすることを大きな柱として訴えました。この提案に対して、立憲民主党の枝野幸男代表は、党首討論で、「マクロ経済スライドについては、われわれは前向きにすすめてきましたが、今般、共産党から新しい提案がありました。こうしたことも含めて年金のあり方については、抜本的な国民的な議論をもう一度しなければならない」と発言しました。今後、野党間で、「基礎年金をこのまま3割も減らしていいのか」という点で一致点をさぐることは可能だと、私は考えております。年金問題でも前向きの政策的一致をつくるための協議をすすめることを呼びかけたいと思います。(拍手)

 13項目の「共通政策」は、幅広い国民の共通の願いがギュッとつまった、たたかいの旗印であります。

 全国のみなさん、憲法、消費税、沖縄、原発など、共通の旗印を高く掲げて、安倍政権を追い詰め、国民の願いを実現する共同のたたかいに大いにとりくもうではありませんか。(大きな拍手)

共闘の根本姿勢――「多様性の中の統一」「互いに学びあう」ということについて

 第四に、お話ししたいのは、共闘をすすめる根本姿勢にかかわる問題についてです。

 安倍首相は、党首討論で、「共産党は自衛隊を憲法違反、立憲民主党は合憲と言っている。そんな大事な問題を横において統一候補を応援するのか」と野党共闘を攻撃しました。

 私は、「私たち野党は、自衛隊が違憲か合憲かという点では立場は違う。ただ、いま問われているのは違憲か合憲かじゃない。(安倍政権が)安保法制という立憲主義を壊して、憲法違反の法律をつくった。これは許せないということで一致している」と反論しました。立憲民主党の枝野代表も、「共産党も今すぐ自衛隊を廃止しろという主張はまったくされていない。当面はまず安保法制をやめろということで完全に一致しているので何ら問題はない」と反論しました(拍手)。党首討論をつうじても、野党共闘の前進を実感したしだいであります。

 安倍首相は、日本共産党公認の山田和雄候補が野党統一候補になっている福井選挙区について、「枝野さんは福井県に住んでいたら共産党候補者に入れるのか」と執拗(しつよう)に、何度も質問しました。これに対しても、枝野代表は、「私が、福井県民なら野党統一候補に投票します。当然です」ときっぱり答えました(拍手)。安倍首相の挑発もあってか、枝野代表が、実際に福井に応援にきていただいたことは、うれしい出来事となりました。(大きな拍手)

 こういう論戦も通じて、共闘を進める根本姿勢について、お互いに理解が深まったように思います。

 私は、開票日のインタビューで、「多様性の中の統一」という立場が大事ではないかとお話ししました。野党は、それぞれ個性があってもいい。多様性があっていい。違いがあったっていいじゃないですか。違いがあっても、違いをお互いに認め合い、リスペクト(尊敬)しあって、国民の切実な願いに即して一致点で協力する。「多様性の中の統一」=「ユニティー・イン・ダイバーシティー」こそが、一番の民主主義ではないでしょうか(大きな拍手)。それは、個人の尊厳、多様性を尊重する今日の社会の動きともマッチしているのではないでしょうか。だいたい、相手は「多様性ゼロ」じゃないですか(笑い)。安倍首相の言うことには何でも賛成、言う前から忖度(そんたく)する(笑い)。そんな「忖度政治」とくらべれば、「多様性の中の統一」をめざす野党共闘にこそ、未来はあるのではないでしょうか(大きな拍手)。こういう趣旨を質問に答えてお話ししたところ、発言をまとめてくれた動画が70万回以上再生されています。「この動画を見て共産党アレルギーがなくなった」とのコメントもたくさん寄せられていることは、たいへんにうれしいことであります。

 いま一つ、私が、大切だと実感しておりますのは、「互いに学びあう」ということです。わが党は、今回の参議院選挙で「ジェンダー平等」を政策の柱にすえ、街頭でも大いに訴えました。これは、この問題に先駆的に勇気をもってとりくんできた市民のみなさんの運動や、研究者の方々の成果に学んでのものでありました。日本共産党は、97年の歴史において、男女同権、女性差別撤廃のためにたたかってきたことに強い誇りをもっています。同時に、先駆的なとりくみから謙虚に学び、連帯し、私たち一人ひとりも、「正すべきは正す」という自己変革にとりくむという姿勢が大切ではないでしょうか。そういう姿勢でとりくんでこそ、社会を変える大きなうねりをつくることに貢献できますし、私たちに対する本当の信頼を得ることもできるのではないでしょうか。(拍手)

 「互いに学びあう」という点では、今日もたくさんおみえになっていますが、JCPサポーターのみなさんと双方向で意見交換をしながら選挙をたたかったことで、これまでにない方々に党の魅力が伝わったことも喜びであります。共産党が得意なこともありますが、得意でないこともあります。「政策がしっかりしていてブレない」――市民のみなさんから、こういう評価をいただいていることはうれしいことです。ただそれだけで有権者に伝わるわけではありません。共産党には、親しみやすさもある、人間らしさもある、情熱もある。自分では言いづらいことですが、あるんです(笑い)。昨年の「JCPサポーター祭り」から、選挙中のSNSを活用したさまざまな動画まで、私たちが普段あまり気づいていないことも含めて共産党の魅力を引き出してくれたのが、JCPサポーターのみなさんでした(拍手)。ガーベラの花をモチーフにした街宣用バックバナーは、サポーターのみなさんから「宣伝で統一したイメージを打ち出した方がいい」との提案をうけて、作成したものでした。

 私たちは、これからもJCPサポーターのみなさんと、双方向で、門戸を開いて、キャッチボールをしながら、私たちの活動をバージョンアップし、国民の心に伝わるメッセージを一緒に発信していきたいと考えています。(拍手)

 「多様性の中の統一」「互いに学びあう」――こういう姿勢に立って、市民と野党の共闘を強く、豊かなものにしていくために、さらに力をつくす決意を申し上げたいと思います。(大きな拍手)

れいわ新選組――共闘の発展のなかで新政党が誕生したことを歓迎する

 第五に、参議院選挙で新たに登場したれいわ新選組について、一言のべておきたいと思います。

 れいわの山本太郎代表には、選挙中、大阪、京都、神奈川で、わが党候補を応援していただきました。それぞれの応援演説は、候補者の特徴をよくとらえた心のこもったものでありました。心から感謝したいと思います。(大きな拍手)

 れいわの掲げている政策の内容はわが党と共通する方向です。山本代表は野党共闘で政権交代をはかりたいという立場を表明しています。これもわが党と共通する方向です。私たちは、市民と野党の共闘の発展のなかで、こうした政党が新たに誕生したことを、歓迎するものであります。(大きな拍手)

 今後、ともに手を携え、いまの政治を変え、よい日本をつくるための協力が発展することを、心から願うものであります。(拍手)

野党連合政権にむけた話し合いの開始を呼びかける

今後の大きな課題――政権問題での前向きの合意

 全国のみなさん。お話ししてきたように、市民と野党の共闘は、この4年間に豊かな成長・発展をとげてきました。それは容易に後戻りすることはない、日本の政治の確かな現実となっています。

 同時に、共闘には解決すべき大きな課題があります。

 それは政権問題での前向きの合意をつくることであります。安倍政権・自民党政治に代わる野党としての政権構想を、国民に提示することであります。

 わが党は、4年前に「国民連合政府」を提唱していらい、野党が政権問題で前向きの合意をつくることが大切だと主張しつづけてきましたが、政権問題での合意はまだつくられておりません。この間、私たちは、政権合意がないもとでも、この問題を横において、選挙協力をすすめるという態度をとってきました。しかし、市民と野党の共闘を本当に力あるものにするためには、この課題を避けて通ることは、いよいよできなくなっていると考えるものであります。

 それは私たちが直面する国政選挙が、政権を直接争う衆議院選挙であるという理由からだけではありません。野党が力強い政権構想を示すことを、日本国民と日本社会が求めているからであります。(拍手)

 そのことを、私は、二つの問題からお話ししたいと思います。

史上2番目の低投票率――政治を変えるという「本気度」が伝わってこそ

 第一は、今回の参議院選挙の投票率が48・80%と24年ぶりに50%を割り込み、過去2番目に低かったという問題です。

 これは日本の民主主義にとって、きわめて憂慮すべき事態です。

 いろいろな原因があると思いますが、私は、安倍首相の姿勢に最大の問題があったということをまず指摘しなければなりません。安倍首相は、参議院選挙にさいして、論戦から逃げ回るという姿勢を取り続けました。その最たるものが、通常国会の後半、野党が衆参で予算委員会を開き、参院選の争点を堂々と論じ合おうと要求したにもかかわらず、それを拒否し続けたことであります。

 選挙戦に入っても、党首討論の機会はありましたが、安倍首相には、全体として誠実に議論するという姿勢が見られませんでした。いつも見られませんが(笑い)、今回は、特別見られなかったと思います。たとえば、わが党が、年金問題の提案を行っても、その場しのぎのゴマカシの数字を出して、まともな議論から逃げ続けた。安倍政権・与党が、国民の前で争点を堂々と論じ合う姿勢を取らず、論戦から逃げ続けたことに対して、私は、強く猛省を求めたいと思います。(大きな拍手)

 そのうえで、野党の側にも努力すべき問題があると思います。日本経済新聞が選挙後行った世論調査によりますと、参院選の投票に「行かなかった」と答えている人に複数回答でその理由を聞いたところ、「政治や暮らしが変わると思えない」と答えた方が29%で1位となっています。そのなかでも重大なことは、「安倍内閣を支持しない」と答えている人々のなかで、「政治や暮らしが変わると思えない」という回答の比重が高く、トップとなっていることです。すなわち、安倍内閣に批判や不信をもっている人々のなかでも、一票を投じても「変わると思えない」という思いから、棄権にとどまった人々が多数いる。この事実は、私たち野党にも問題を突きつけているのではないでしょうか。

 こうした状況を前向きに打開するうえでも、私は、野党共闘がいま、「政治を変える」という「本気度」が、国民にビンビンと伝わるような共闘へと、大きく発展することが強く求められていると思います(拍手)。そしてそういう「本気度」が国民のみなさんに伝わるためには、安倍政権に代わる野党としての政権構想を国民に提示することが不可欠ではないでしょうか(大きな拍手)。そうした本気の、責任ある政権構想を打ち出すことができるならば、今回、棄権した多くの方々に「政治や暮らしが変わる」という「希望」を伝え、投票所に足を運んでもらうことができるのではないでしょうか。

 投票率が10%上がれば選挙結果の激変が起こります。20%、30%と上がれば政権を吹き飛ばすことができるでありましょう(拍手)。野党が政権を担う覚悟を示してこそ、そして国民のみなさんに、ともに新しい政権をつくろうと呼びかけてこそ、国民のみなさんの心を動かすことができる。投票所に足を運んでいただくことができる。そういうとりくみをやろうじゃないかということを、私は、強く呼びかけたいと思うのであります。(大きな拍手)

安倍首相による民主党政権をもちだした野党共闘攻撃への断固たる回答を

 もう一つ問題があります。

 第二の問題は、安倍首相が、かつての民主党政権をもちだして、自分の政権を美化するとともに、野党共闘への攻撃を行い、国民の支持をつなぎとめる――このことを一貫した「戦略」においているという問題です。

 今回の参議院選挙でも、安倍首相は、この「戦略」をとりつづけました。2月の自民党大会での演説で、首相は、「あの悪夢のような民主党政権」というののしりの言葉を使って、「あの時代に戻すわけにはいかない」と参議院選挙への決起を訴えました。

 選挙後、朝日新聞が行った分析によりますと、安倍首相は、参院選で行った全73カ所の応援演説のすべてで、「あの時代に逆戻りさせるわけにはいかない」と語った。かつての民主党政権をもちだして、野党共闘攻撃を行ったといいます。このフレーズを繰り返し、「安定か、混迷か」を叫び、野党共闘を攻撃する。これが安倍首相の行った選挙キャンペーンだったのであります。一国の内閣総理大臣が、こんなことしかできない(笑い)。情けないじゃないですか。(拍手)

 まず私は、安倍首相のこうした態度は、フェアな論争態度とは到底いえないということを指摘したいと思います。わが党は、当時の民主党政権に対して、野党として批判もしました。同時に、あの時期は、リーマン・ショックから立ち直る途上にあり、東日本大震災にみまわれた時期でした。そういう時期と比較して、自分に都合のいい数字を並べ立てて、自分の政権を美化することが、責任ある政治リーダーのやることでしょうか。こういう態度は、もういいかげんにやめるべきではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 そのうえで、さらに私は、安倍首相に言いたい。だいたい、民主党政権をもちだして野党共闘を攻撃するのは、筋違いの攻撃であり、いわれなき攻撃だということであります。いま市民と野党の共闘がめざしているのは、かつての民主党政権の復活ではありません(「そうだ」の声、拍手)。共闘がめざしている政治は、「市民連合」との13項目の「共通政策」が示している政治であります。そこには、すでにのべたように、憲法、消費税、沖縄、原発など国政の基本問題で、自民党政治を切り替えるとともに、かつての民主党政権の限界を乗り越える内容も含まれています。そういう「共通政策」を堂々と掲げてたたかっている野党共闘を、「民主党政権への逆戻り」というレッテルを貼って攻撃するのは、事実をねじまげた卑劣な態度というほかないではありませんか。(大きな拍手)

 もうこういう攻撃が通用しない状況をつくりましょう。こうしたいわれなき野党共闘攻撃との関係でも、いま野党が、安倍政権に代わる野党としての政権構想を打ち出すことは、安倍首相による攻撃への断固たる回答となり、攻撃を根底から打ち破る決定打になる。このことを、私は訴えたいのであります。(大きな拍手)

野党連合政権にむけた話し合いを開始しよう

 以上をふまえまして、私は、この場をかりて、心から呼びかけます。この参議院選挙をともにたたかった野党と市民が、安倍政権に代わる野党の政権構想――野党連合政権にむけた話し合いを開始しようではありませんか。(大きな拍手)

 野党連合政権の土台はすでに存在しています。5野党・会派が「市民連合」とかわした13項目の「共通政策」です。そこには、わが党が「国民連合政府」の提唱のさいに、共闘の「一丁目一番地」として重視した「安保法制の廃止」も明記されています。憲法、消費税、沖縄、原発など、国政の基本問題での共通の旗印も明記されています。野党連合政権をつくるうえでの政策的な土台はすでに存在している。そのことを私は強調したいと思うのであります。(拍手)

 同時に、これらの「共通政策」を本格的に実行するためには、それにとりくむ政権が必要です。総選挙にむけて、市民と野党の共闘を、国民に私たちの「本気度」が伝わるものへと大きく成長・発展・飛躍させ、総選挙で共闘勢力の勝利をかちとるうえでも、政権構想での合意は必要不可欠ではないでしょうか。

 この4年間、お話ししてきたように、市民と野党の共闘によって、私たちはたくさんの成果を積み重ねてきました。共通の政策的内容を広げてきました。多くの新しい信頼の絆をつくりあげてきました。問題は(政権をつくるという)意思です。意思さえあれば、野党連合政権への道をひらくことは可能だということを、私は訴えたいのであります。(拍手)

 市民と野党が一緒になって、安倍政権に代わる野党の政権構想――野党連合政権を正面からの主題にすえた話し合いを開始しましょう。

 ――そのさい、何よりも大切なのは、ともにたたかってきた野党と市民が、ともに力をあわせて連合政権をつくるという政治的合意をかちとることであります。

 ――そして、13項目の「共通政策」を土台に、連合政権で実行する共通の政策課題をより魅力あるものにしていくことが必要です。

 ――政治的な不一致点をどうするか。私たちは、たとえば日米安保条約の廃棄など、わが党の独自の政策を大いに訴えていきますが、それを共闘に持ち込むことはしないということをこれまでも言っておりますが、政治的な不一致点については互いに留保・凍結して、一致点で合意形成を図るという原則が大切になってくると思います。

 次期総選挙にむけて、そうした話し合いを、胸襟を開いて開始することを、重ねて心から呼びかけるものであります。(拍手)

国民に語るべきものをもたない政権には、退場してもらおう

 全国のみなさん。安倍政権に、もうこれ以上、この国の政治をゆだねるわけにはいきません。(多数の「そうだ」の声)

 安倍首相は、参院選で、憲法改定と野党攻撃以外に、語るべきものをもちませんでした。もう、ほかに語ることがないんですよ。(笑い、「そうだ」の声、拍手)

 ごく一握りの大企業と富裕層に巨額の富が蓄積し、国民のなかには貧困と格差が広がる。この否定できない現実を前にして、もはや安倍首相は、「アベノミクスをふかす」というあのお決まりの法螺(ほら)すら語ることができないではないですか。(拍手)

 安倍首相が自慢してきた「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」なるものも、対米外交は追随、対ロ外交は屈従、対韓外交は破綻、八方ふさがりに陥り、「地球儀の『蚊帳の外』の外交」(笑い)であることが、すっかり露呈してしまったではありませんか。(拍手)

 国民に語るべきものをもたない政権には、退場してもらうほかないではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 全国のみなさん。市民と野党の共闘を、4年間の成果を踏まえ、ここで大きく発展・飛躍させ、安倍政権を打ち倒し、自民党政治を終わらせ、野党連合政権をつくろうではありませんか。(大きな拍手)

 力をあわせて、すべての国民が尊厳を持って生きることのできる新しい日本をご一緒につくろうではありませんか。(大きな拍手)

日本共産党の躍進こそ、野党連合政権への最大の力――新しい探求の道をともに

共闘の力を強め、日本を救うためにも、日本共産党を強く大きく

 私が、最後に訴えたいのは、日本共産党を政治的・組織的に躍進させることこそ、市民と野党の共闘を発展させ、野党連合政権をつくる最大の力となるということです。

 今日、お話ししたように、この4年間、日本共産党は、情勢の節々で、市民と野党の共闘のためにブレずに力をつくし、その発展に貢献することができました。共闘が困難にぶつかったときにも、市民のみなさんとの協力で、断固として困難を乗り越える働きをすることができました。それができたのは、日本共産党が、現在から未来にいたる社会発展のあらゆる段階で、統一戦線の力――政治的立場の違いを超えた連帯と団結の力で政治を変えることを、党の綱領に明記している党だからであります。こういう党が躍進することが、市民と野党の共闘が発展する大きな推進力になるのではないでしょうか。

 それから、みなさん、市民と野党がかわした13項目の「共通政策」をはじめ、国民のみなさんの切実な願いを本気で実現しようと思ったら、どんな問題でも、日本の政治の「二つのゆがみ」――「財界中心」「アメリカ言いなり」という「二つのゆがみ」にぶつかってきます。日本共産党は、綱領で、この「二つのゆがみ」の大本にメスを入れ、憲法に書いてある通りの国民主権の国――「国民が主人公」の日本、本当の民主主義の国といえる日本、本当の独立国といえる日本をつくることを、日本改革の大方針として明記し、この大方針のもとにたたかい続けてきた党であります。こういう党が躍進することが、市民と野党の共闘を強める確かな力になるのではないでしょうか。(拍手)

 さらに、みなさん、日本共産党は、全国に2万の党支部、約30万人の党員、約100万人の「しんぶん赤旗」読者、2680人の地方議員をもつ、草の根の力に支えられた党であることを、何よりもの誇りにしております。参議院選挙後、野党統一候補として勝利した新議員のみなさんからごあいさつをいただきましたが、共通して出されたのは、わが党の草の根の力への信頼でありました。岩手の横沢高徳議員は、私たちとの懇談でこうおっしゃった。「全国で2番目に広い岩手県のどこにいっても、共産党のみなさんが温かく歓迎し、支援してくれた。これが心強かった」。うれしい評価であります。わが党が、いま草の根の力を強く大きくのばすことは、市民と野党の共闘を支える土台を確かなものにするうえでも、大きな貢献となるのではないでしょうか。(拍手)

 そして、みなさん、相手も、市民と野党の共闘に日本共産党が参加していることが、一番の脅威であり、一番の手ごわいところだということをよく知っています。だからこそ、安倍首相は、選挙中、全国各地の遊説で、共産党を攻撃しました。岩手では、「共産党の人たちが相手候補のビラを配っている。このことは決して忘れてはならない、負けるわけにはいかない」と叫びました。秋田では、「野党統一候補、その中の強力な中核部隊が共産党だ」、こうのべました。日本共産党への敵意をむきだしに語ったのであります。しかし、そうした「共産党アレルギー」に働きかける攻撃がもはや通用しなかったことは、選挙の結果が証明したではありませんか。(大きな拍手)

 共闘の力を強め、日本を救うためにも、どうかこの党を強く大きくしてください。そのことへのご支援とご協力を、心からお願いするものであります。

党史でもかつてない新しい探求の道、世界でもユニークな探求の道をともに進もう

 全国のみなさん。日本共産党は、今年で、党をつくって97年、合法的権利をかちとって74年になりますが、国政選挙で選挙協力を行い、国政を変えるということは、党史でもかつてない新しい探求の道であります。やったことのないことにとりくんでおります。

 日本の戦後における統一戦線としては、1960年代後半から70年代にかけて、全国に広がった革新自治体の運動は、この東京での革新都政をはじめ、特筆すべき成果を築きました。ただ、この時期の統一戦線は、主に地方政治に限られており、国政での統一戦線の合意は当時の社会党との間で最後まで交わされず、国政での選挙協力もごくごく限定的なものにとどまりました。

 この時期の統一戦線とくらべても、いまとりくんでいる市民と野党の共闘――全国的規模での選挙協力によって国政を変えようという共闘は、わが党にとって文字通り未踏の道の探求にほかなりません。戦後、統一戦線運動に力をつくし、亡くなった多くの先輩の諸同志も、今日の共闘の発展を見ることができたら、喜んでくれたことだろうと、私は思います。(拍手)

 そして、みなさん、世界を見渡しても、新しい市民運動が政党をつくり左翼勢力の連合で政治変革をめざしている注目すべき経験が生まれていますが、日本のように、共産党が保守を含む広範な諸勢力と共闘して、右派反動政権を倒すたたかいに挑んでいるという国は、他に見当たりません。いま日本でとりくんでいる共闘は、世界でも他にないユニークな共闘であるということも報告しておきたいと思います。(拍手)

 私は、最後に呼びかけます。

 わが党にとってもかつてない新しい探求の道、世界でもユニークな探求の道を、ともにすすもうではありませんか。今日の私の話に共感していただいた方は、どうかこの機会に、ここでお会いしたのも何かのご縁ですから(笑い)、日本共産党に入党していただき、前人未到の探求と開拓の道をともに切りひらいていこうではありませんか。(大きな拍手)

 そのことを心から呼びかけまして、記念講演を終わります。(大きな拍手)

 日本共産党創立97周年万歳!(「万歳」の声、歓声、長く続く大きな拍手)




# by daisukepro | 2019-08-10 21:03 | 赤旗

日本共産党創立97周年記念講演会 共闘の4年間と野党連合政権への道 志位委員長の講演  日本共産党の志位和夫

日本共産党創立97周年記念講演会

共闘の4年間と野党連合政権への道

志位委員長の講演

 日本共産党の志位和夫委員長が8日の党創立97周年記念講演会で行った講演は次の通りです。


写真

(写真)記念講演する志位和夫委員長=8日、東京都中野区

 お集まりのみなさん、全国のみなさん、こんばんは(「こんばんは」の声)。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます(拍手)。今日は、私たちの記念講演会にようこそおこしくださいました。

 まず冒頭、7月21日に行われた参議院選挙において、日本共産党と野党統一候補にご支持をお寄せいただいた有権者のみなさん、ともに奮闘していただいたすべてのみなさんに、心からの感謝を申し上げます。(拍手)

 日本共産党が市民と野党の共闘の力で日本の政治を変えるという新しい道に踏み出してから、およそ4年がたちました。共闘のとりくみは、どういう成果をあげてきたのか。今後の課題と展望はどうか。今日は、私は、「共闘の4年間と野党連合政権への道」と題して、お話をさせていただきます。どうか最後までよろしくお願いいたします。(拍手)

参議院選挙の結果――二つの大目標にてらして

改憲勢力3分の2割れ、自民党単独過半数割れ――この民意を真摯に受け止めよ

 まずお話ししたいのは、参議院選挙の結果についてです。

 今回の参議院選挙の全体の結果で、何よりも重要なことは、自民・公明・維新などの改憲勢力が、改憲発議に必要な3分の2を割ったことであります(拍手)。自民党が「勝った」などと言っていますが、改選比で9議席を減らし、参議院での単独過半数を大きく割り込んだことも重要であります。

 3年前、2016年の参議院選挙で、改憲勢力は、衆議院に続いて参議院でも3分の2を獲得しました。自民党は、27年ぶりに参議院での単独過半数を獲得しました。安倍首相は、この数の力を背景に、その翌年、2017年の5月3日、憲法記念日の日に、「2020年の施行に向けて、9条に自衛隊を明記する憲法改定を行う」と宣言し、憲法9条改定への暴走を開始しました。今回の参院選での全国遊説でも、安倍首相が最も熱心に語ったのは憲法改定でした。しかし、国民は、安倍首相のこの野望に対して、明確な審判を下したのであります。

 「期限ありきの性急な改憲の動きには賛成できない」――これが参議院選挙で示された主権者・国民の民意であることは明らかではないでしょうか。(拍手)

 選挙後、安倍首相の側近中の側近――萩生田自民党幹事長代行が、「憲法改正シフト」が必要だと、事もあろうに衆議院議長の交代――“議長の首をかえろ”ということまで言及したことに、強い批判が集中しています。この発言が、憲法がさだめた三権分立を無視した言語道断の暴言であることは論をまちませんが、ここには国民の審判によって追い詰められたものの「焦り」があらわれているのではないでしょうか。

 日本共産党は、安倍首相に対して、国民の審判を真摯(しんし)に受け止め、9条改憲を断念することを、強く求めるものであります。(大きな拍手)

市民と野党の共闘の成長・発展――激しい野党攻撃をはね返して

 安倍・自公政権に痛打をあびせるこの結果をつくるうえで、決定的役割を発揮したのが、市民と野党の共闘でした。

 私たちは、全国32の1人区のすべてで野党統一候補を実現し、10の選挙区で大激戦を制して勝利をかちとりました。6年前の参議院選挙では、1人区で野党が獲得した議席は2議席でしたから、多くの自民党現職議員を打ち破っての10議席は、文字通りの躍進といっていいのではないでしょうか。(拍手)

 「1+1」が「2」でなく、それ以上になる「共闘効果」がアップしました。野党統一候補の得票が、4野党の比例票の合計を上回った選挙区は、3年前の28選挙区から29選挙区に拡大しました。得票数合計の比較では、32選挙区合計で、120・9%から127・4%に、これも前進しました。これらの数字は、この3年間、共闘が、さまざまな困難や曲折を乗り越えて、成長・発展していることを、物語っていると思います。

 重要なことは、10選挙区での野党の勝利が、安倍首相を先頭にした激しい野党攻撃をはね返してのものだったということです。私は、安倍首相の選挙応援の記録を分析してみました。公示後、安倍首相が応援に入った1人区は12選挙区ですが、そのうち8選挙区で野党が勝利、野党の勝率は67%であります(拍手)。さらに先があります(笑い)。安倍首相が2回、応援に入った1人区は8選挙区ですが、そのうち6選挙区で野党が勝利、勝率は75%になります(拍手)。もう一つ、先があります(笑い)。安倍首相が行った演説箇所数でみると、新潟県・8カ所、宮城県・6カ所、滋賀県・6カ所――この3県が「ベスト3」になりますが、3県のすべてで野党が勝利(拍手)、勝率は100%になります(拍手)。すなわち“安倍首相が入れば入るほど野党が勝つ”(笑い、拍手)――これが安倍首相の選挙応援の「法則」にほかなりません。

 日本共産党は、全国どこでも市民と野党の共闘の成功のために誠実に努力し、その発展に貢献することができました。これを深い確信にして、総選挙にむけ、共闘をさらに大きく発展させるために、トコトン頑張り抜く決意を申し上げるものです。(大きな拍手)

日本共産党の結果――選挙区選挙での成果、比例選挙では後退から押し返した

 日本共産党の結果は、選挙区選挙では、東京で吉良よし子さん、京都で倉林明子さんが、現有議席を大激戦をかちぬいて守り抜き、見事に再選を果たしました。埼玉で伊藤岳さんが激戦、接戦を制して勝利し、21年ぶりに議席を回復しました(拍手)。選挙区選挙で、全体として、現有の3議席を確保することができたことは重要な成果であり、ともに喜びたいと思います。(拍手)

 大阪で辰巳孝太郎さんの議席を失ったことは悔しい結果ですが、私は、大阪のたたかいは、安倍・自公政権とその最悪の別動隊――維新の会という「二重の逆流」に対して、多くの市民とともに堂々と立ち向かった立派なたたかいだったと思います(拍手)。次の機会に必ず巻きかえしをはかる決意を申し上げるとともに、大阪のたたかいへの全国の連帯を訴えるものであります。(大きな拍手)

 比例代表選挙で、日本共産党が改選5議席から4議席に後退したことは残念です。同時に、私たちは、選挙結果についての常任幹部会の声明のなかで、今回の参院選で獲得した得票数・得票率を、「この間の国政選挙の流れの中でとらえることが大切」だとのべ、直近の2017年の総選挙の比例代表と比較すれば、得票数を440万票から448万票に、得票率を7・90%から8・95%にそれぞれ前進させたことを強調しています。

 2017年の総選挙は、共闘を破壊する突然の逆流とのたたかいを通じて、政党配置と政党間の力関係に大きな変化が起こった選挙でした。わが党は、逆流と果敢にたたかい重要な役割を果たしましたが、党自身としては悔しい後退を喫した選挙となりました。

 ここから出発して、どこまで押し返したか。私たちは、このことを、今年の二つの全国選挙――統一地方選挙と参議院選挙の結果をはかる基準として一貫してすえてきましたが、それは生きた政治の流れのなかで私たちの到達をはかる最も合理的な基準だと考えます。

 この基準にてらして、全国のみなさんの大奮闘によって、比例代表で、得票数・得票率ともに押し返したことは、次の総選挙で躍進をかちとるうえでの重要な足掛かりをつくるものとなった――私はこのことを確信を持って言いたいと思います。(拍手)

成果を確信に、悔しさをバネに、強く大きな党をつくり、総選挙で必ず躍進を

 政治論戦については、年金、消費税、家計支援、憲法など、日本共産党が提起した問題が選挙戦の中心争点となり、論戦をリードしました。国民に「政治は変えられる」という希望を伝えるとともに、安倍・自公政権を追い詰めるうえでの大きな貢献になりました。公約実現のためにあらゆる力をつくすことをお約束するものです。(拍手)

 こうして、わが党は、今回の参議院選挙を市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進という二つの大目標を掲げてたたかったわけですが、この二つの大目標にてらして、共闘の力で、みんなの力で、全体として大健闘といえる結果をつくることができたと考えます。私たちに寄せられたご支持、ご支援に対して、重ねて心からのお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)

 参議院選挙をたたかって、私たちは党の自力を強めることの切実な意義を痛いほど感じています。この問題も含めて、参議院選挙の総括と教訓については、次の中央委員会総会で行うことにしたいと思います。

 全国のみなさん。成果を確信に、悔しさをバネに、教訓をひきだし、強く大きな党をつくり、次の総選挙では必ず躍進をかちとろうではありませんか。(大きな拍手)

共闘の4年間――どういう成果と到達を築いたか

共闘の力で3回の国政選挙――この積み重ねは国会の空気を大きく変えた

 次にお話ししたいのは、共闘の4年間によって、どういう成果と到達を築いたかということについてです。

 この4年間、私たちは、他の野党のみなさん、多くの市民のみなさんと手を携え、共闘の力で、3回の国政選挙――2016年の参院選、17年の総選挙、19年の参院選をたたかってきました。

 2回の参議院選挙で、野党統一候補としてともにたたかい、勝利をかちとった参議院議員は、あわせて21人となりました。2017年の総選挙では、わが党も共闘の一翼を担う形で小選挙区での勝利をかちとった衆議院議員が、32人生まれました。日本共産党の国会議員団は、現在、衆参で25人ですが、それにくわえて、わが党も共闘の一翼を担ってその勝利に貢献した国会議員――いうならば、“私たちの友人の国会議員”が、衆参で50人をこえた。これが到達点であります。(拍手)

 この積み重ねは、国会の空気を大きく変えています。以前の国会では、たとえば私が、衆院本会議の代表質問などに立ちましても、拍手が起こるのは共産党席だけ(笑い)という場合が、ほとんどでありました。衆議院での共産党の議席が8人だった時代には、質問に立つものは自分では拍手ができませんから(笑い)、拍手は7人だけということもしばしばでありました。ところがいまでは、野党席から盛大な拍手がたびたび起こります(拍手)。時にはかけ声も起こってまいります。私たちも他の野党の質疑に拍手を送ります。こういう光景が日常になりました。

 野党共闘は日本の政治を確実に変えつつある――これが国会で活動していても、この4年間の実感であるということを、まずみなさんにご報告したいと思います。(拍手)

15年9月「国民連合政府」の呼びかけ――「共闘の二つの源流」に背中を押されて

 こうした「共闘の時代」へと日本の政治を変えるうえで、大きな契機となったのが、安保法制反対運動の国民的高まりと、「野党は共闘」の声にこたえて、安保法制が強行された2015年9月19日にわが党が行った「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の呼びかけでした。

 憲法違反の戦争法(安保法制)ばかりは、政府・与党の「数の暴力」で成立させられたからといって、それを許したままにしておくことは絶対にできない。「戦争法廃止、安倍政権打倒のたたかいをさらに発展させよう」。「戦争法廃止で一致する政党・団体・個人が共同して国民連合政府をつくろう」。「そのために野党は国政選挙で選挙協力を行おう」。これが私たちの呼びかけでした。

 国政レベルでの選挙協力は、わが党にとって体験したことのない新しい取り組みでした。いったいこの呼びかけが実るのかどうか。あらかじめ成算があって始めたわけではありません。もちろん、イチかバチかの賭けのようなつもりでやったわけでもないのですが(笑い)、成算があったわけではないのです。しかしこれは、踏み切らないといけないと考えた。どうして私たちがこの歴史的踏み切りをすることができたのか。「共闘の二つの源流」ともよぶべき先駆的な流れに、私たちが学び、背中を押された結果でした。

 第一の源流は、国民一人ひとりが、主権者として、自覚的に声をあげ、立ち上がる、新しい市民運動であります。

 2012年3月から「原発ゼロ」をめざす毎週金曜日の官邸前行動が始まり、この運動は今日も続いています。「誰もが安心して参加できる空間をつくる」という思いで、始められた運動でした。戦後の平和運動、民主主義運動を担ってきた潮流が、過去のいきさつを乗り越えて、「総がかり行動実行委員会」という画期的な共闘組織をつくりました。そして、安保法制=戦争法案に反対する空前のたたかいがわきおこり、学生、「ママの会」、学者・研究者など、さまざまな新しい市民運動が豊かに広がりました。その中から「野党は共闘」のコールがわきおこりました。

 私は、こうした市民のたたかいにこそ、今日の共闘の源流があるし、未来にむけて、共闘を発展させる最大の原動力もまたここにこそあるということを、ともにたたかってきたすべての人々への敬意をこめて、強調したいと思うのであります。(拍手)

 第二の源流は、「オール沖縄」のたたかいであります。

 その画期となったのは、オスプレイ配備撤回、普天間基地閉鎖・撤去、県内移設断念を求め、沖縄県内全41市町村長と議会議長などが直筆で署名し、連名で提出した2013年1月の「沖縄建白書」でした。この歴史的文書の取りまとめにあたった当時の翁長雄志那覇市長を先頭に「オール沖縄」がつくられました。そして翌年、2014年の県知事選挙で翁長知事が誕生しました。

 私が忘れられないのは、当選後、知事公舎を訪ねたさい、翁長さんが、私に、こうおっしゃった。「これまで沖縄では基地をはさんで保守と革新が対立していました。そのことで一番喜んでいたのは日米両政府です。これからは保守は革新に敬意をもち、革新は保守に敬意をもち、お互いに尊敬する関係になっていきましょう」。こう笑顔で語りかけてこられたこの言葉を私は忘れません。今日(8月8日)は、翁長さんが急逝されてからちょうど1年の日です。この日にあたって、私は、翁長さんの遺志を継ぐ決意を新たにするものであります。(拍手)

 全国のみなさん。今日の共闘をつくりだしたもう一つの偉大な源流が、「オール沖縄」のたたかいにあることを、ともに深くかみしめ、沖縄への連帯のたたかいをさらに発展させようではありませんか。(大きな拍手)

16年7月参議院選挙――この選挙でのわが党の対応の歴史的意義について

 次の大きな節目となったのが、2016年7月の参議院選挙でした。この参院選で、私たちは、日本の政治史上で初めて、32の1人区のすべてで野党統一候補を実現し、11の選挙区で勝利をかちとるという、最初の大きな成果を得ました。

 それを可能にしたものは何だったか。もちろん野党各党の頑張りの成果でありますが、私は、二つの要素があわさっての最初の一歩が踏み出されたと考えます。

 一つは、ここでもまた野党の背中を押してくれたのは、市民の運動だったということです。私たちの「国民連合政府」の提案は、いろいろな方々から評価をいただきましたが、実際の共闘はなかなか進みませんでした。そうしたなか、2015年12月に、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」が結成されました。翌16年1月には、「市民連合」主催の初めての野党共同街宣が行われ、「ぐずぐずしていてどうする」というような叱咤(しった)激励が市民のなかから広がっていきました。

 そういう声に背中を押されて、16年2月19日、5野党党首会談が開催され、安保法制の廃止、安倍政権の打倒をめざし、国政選挙で最大限の協力を行うという画期的な合意がかわされました。これを契機に、全国各地の1人区で野党統一候補が次々に誕生し、最初の成果につながっていきました。

 いま一つ、このプロセスでわが党の決断も貢献したと思います。5野党党首会談の席で、画期的合意をうけ、私は、1人区の候補者調整については「思い切った対応」をするということを表明しました。わが党は、この表明にもとづき、1人区のほとんどで予定候補者を降ろし、野党統一候補を実現するという対応を行いました。

 私は、今回の参院選の結果を見まして、わが党が、3年前の2016年の参院選で一方的に候補者を降ろしてでも共闘を実現した歴史的意義をあらためて実感しました。

 たしかに16年の参院選で、自民党は、改選比では5議席を増やし、改憲勢力で3分の2を獲得しました。しかし前回比――すなわち3年前の2013年参院選比では10議席を減らしていました。野党が11の1人区で勝利したために、2013年のような圧勝はできなかったのであります。野党共闘が、ボクシングでいえばボディーブローのように効いて、自民党の体力を奪っていたのであります。2016年の参院選での、改憲勢力で3分の2の獲得という、一見すると“勝利”のように見えた結果のなかに、すでに“没落”は始まっていたのであります。

 3年前のわが党の対応は、今回の参議院選挙で、改憲勢力の3分の2割れ、自民党の単独過半数割れをつくりだすうえでの重要な貢献になったということを、私は強調してもいいのではないかと思うのであります。(拍手)

17年10月の総選挙――逆流から共闘を守ったことの意義ははかりしれない

 2017年10月の総選挙は、共闘を破壊する逆流を乗り越えて、次につながる重要な成果をつくったたたかいになりました。

 9月28日、衆院解散の日に、市民と野党の共闘は、突然の逆流と分断に襲われました。当時の民進党の前原代表が、突然、希望の党への「合流」を提案し、民進党の両院議員総会が満場一致でこの提案を受け入れるという事態が起こりました。私も、これを聞いて耳を疑いました。これは、2年間の共闘の原点、積み重ねを否定し、公党間の合意を一方的にほごにする、重大な背信行為でありました。

 共闘が崩壊の危機にひんした瞬間、9月28日のその日に、わが党は、「逆流とは断固としてたたかう」「共闘を決して諦めない」という二つの態度表明を行い、ただちに行動を開始しました。こうしたもと立憲民主党が結成されました。わが党は、この動きを歓迎し、共闘勢力一本化のために、全国67の小選挙区で予定候補者を降ろすことを決断し、多くのところで自主的支援を行いました。わが党が、候補者を擁立しなかった83選挙区のうち、32選挙区で共闘勢力が勝利しました。

 私は、わが党が、共闘が崩壊の危機にひんした非常事態のもと、一方的に候補者を降ろしてでも共闘を守りぬくという判断を行ったことは、日本の政治に民主主義を取り戻すという大局に立った対応であり、正しい判断だったと確信しております。(拍手)

 そして、この時も、共闘の再構築のために、強力に私たちの背中を押してくれたのは、全国の草の根での市民連合のみなさんの頑張りだったということを、感謝とともに強調しておきたいと思います。(拍手)

 この時に、逆流から共闘を守ったことの意義は、その後、目に見える形で明らかになりました。

 2018年の通常国会以降、野党の国会共闘が目覚ましい発展をとげています。さまざまな課題で野党合同ヒアリングが開催され、その数は1年半で234回にも及んでいます。野党の合同院内集会が1年半の節々で11回開催されました。こうした共闘の前進のなかで、憲法審査会における改憲策動を封じてきたのは、最大の成果といっていいと思います。(大きな拍手)

 もしも、17年総選挙で、共闘破壊の逆流の動きを成功させていたら、その後のこうした国会共闘もなかったでしょう。改憲への暴走を許していた危険も大いにあったでしょう。そのことを考えますと、逆流から共闘を守ったことの意義は、どんなに強調しても強調し過ぎるということはないのではないでしょうか。(拍手)

 日本共産党自身は、この総選挙で悔しい後退を喫しました。私たちは、その原因を「わが党の力不足」と総括し、巻き返しを誓いました。ただ、この時に、私たちが何よりもうれしかったのは、各界の多くの識者の方から、「共産党は、身を挺(てい)して逆流を止め、日本の民主主義を守った」との評価を寄せていただいたことであります。私たちは、つらい結果のもとでのこの激励を、決して忘れません。

 そしてこの時に、「共産党を見直した」という声は、全国各地で広がりました。さまざまな形で市民のみなさんとの信頼の絆が強まり、今回の参議院選挙での選挙区での健闘、比例での押し返し・前進につながっていきました。

 議席を減らしたが、市民のみなさんとの信頼の絆は強まった――私は、ここに17年総選挙で私たちが得た最大の財産があると考えるものです。

19年7月の参議院選挙――積み重ねのなかで共闘は豊かに成長・発展した

 今年の参議院選挙では、こうした4年間の積み重ねの上に、共闘が豊かに成長・発展しました。選挙をたたかって実感している五つの重要な点をのべたいと思います。

1人区の共闘――相互に支援しあう共闘への大きな前進

 第一は、1人区の共闘が、相互に支援しあう共闘へと大きく前進したことであります。

 わが党は、過去2回の国政選挙では、お話ししたように一方的に候補者を降ろすことで共闘を実現するという対応をとりましたが、今回の参議院選挙では「本気の共闘」をつくるうえでも、「お互いに譲るべきは譲り一方的対応を求めることはしない」、「みんなで応援して勝利を目指す」ことが大切だと率直に訴えて、野党各党との協議にのぞみました。

 その結果、日本共産党が擁立した候補者が野党統一候補となった選挙区が、3年前の香川1県から、徳島・高知(松本顕治候補)、鳥取・島根(中林佳子候補)、福井(山田和雄候補)の3選挙区5県に広がりました。実際の選挙戦も、野党各党の国会議員が、市民のみなさんと肩を並べ、相互に支援しあう、そういう共闘に大きく前進しました。

 野党統一候補の横沢高徳さんが勝利をおさめた岩手県からは、次のような報告が寄せられました。「サプライズは、最終日の日本共産党比例代表の街頭での打ち上げの場に、横沢高徳候補の宣伝カーが横付けし、達増知事、横沢候補、木戸口参議院議員の3人が降りてきた。あいさつをすすめると、3人が日本共産党の比例カーの前でマイクを握り、『野党共闘はいいですね』と演説したことでした。選挙をともにたたかった市民のみなさんは、『野党共闘のなかで、政策論戦でも組織戦でも重要な役割を果たした日本共産党への敬意を示す象徴的な場面だった』と異口同音に語っています」。心一つにたたかった選挙の様子が伝わってくる、うれしい報告ではないでしょうか。(拍手)

 滋賀県では野党統一候補の嘉田由紀子さんが大激戦を勝ち抜きました。嘉田さんは、先日、党本部にお礼のあいさつに来られました。見ると胸にバッジを二つつけている。聞きますと、立候補を取り下げたわが党の佐藤耕平さんと、立憲民主党の田島一成さんのものだということでした。嘉田さんは、「若い2人のエネルギーをもらって頑張る」と心のこもった決意を語っておられました。

 この滋賀県からは、次のような報告が寄せられました。「この勝利の力は野党の結束でした。昨年11月から4党協議をはじめ、選挙前まで13回行ってきました。協議の場は、各党が議長と会場を持ち回りにして行い、真摯に誠実に議論を重ねました。過去のいきがかりを超えて、全力をつくして応援する日本共産党の姿勢が党派を超えて伝わり、嘉田さんの支援者の方々から、『共産党の覚悟とすごさを目の当たりにしました。比例は共産党に入れます』と言ってくれる人も生まれました」。こういううれしい報告も寄せられていることをご紹介したいと思います。(拍手)

 日本共産党が擁立した候補者が野党統一候補となった3選挙区・5県の奮闘には、どれも素晴らしいドラマがありますが、とりわけ徳島・高知選挙区で、松本顕治候補が、20万1820票、得票率40%を獲得したことは、画期的なたたかいとなりました(大きな拍手)。松本候補は、無党派層の5割を超える支持を集め、野党比例票合計の123%の得票を獲得しました。

 選挙後、社会保障を立て直す国民会議・国対委員長の広田一衆議院議員(高知2区選出)が、野党国対委員長会談の場で次のように語ったとのことでした。「松本顕治候補にほれました。共産党候補でも勝てるということが証明されました。あと2カ月早く統一候補に決まっていれば勝てた」

 「共産党候補でも勝てる」、さらに進んで「共産党候補だから勝てる」というところにいきたいと思いますが、こういううれしい声が伝わってまいりました。(拍手)

 労働組合のナショナルセンターの違いを超えた個人加入の幅広い市民組織「高知・憲法アクション」で提出された参院選の総括にかかわる文書を拝見しましたら、このように述べております。紹介いたします。

 「今回、当初、『共産党の候補では勝てない』という声が強くあった。……当初懸念された状況は、選挙戦が進むにつれて克服されていった。……『共産党の候補では勝てない』という主張を高知・徳島合区で事実上崩したことは大きい。……今回の高知・徳島のたたかいで、候補者決定を早く行えば、候補者次第では『共産党の候補者』でも勝てるという展望を示した。これは、共闘自体は本来、どこかの政党の『一方的な犠牲』で成り立つというものではなく、相互の譲歩と協力で成り立つものであり、一方的譲歩(を求める)の『理由』として『勝てない』論があったことは事実で、これを一部でも克服したことは今後の野党共闘の発展に計り知れない貢献をしたと言えるのではないか」(大きな拍手)

 たいへんにうれしい総括であります。「共産党の候補者でも勝てる」――この可能性を示したこのたたかいは、私は、次の総選挙で、小選挙区でも全国各地で風穴をあけていくたたかいに、新たな展望を開く画期的な意義をもつものだと考えるものであります(大きな拍手)。ぜひやろうじゃないですか。(「オー」の声、大きな拍手)

複数定数区――市民との共闘でつくりだした前進と勝利

 第二に、共闘が発展したのは1人区だけではありません。複数定数区でも、市民との共闘が発展し、日本共産党の前進、勝利へと実をむすんだ経験がつくりだされました。

 北海道では、わが党が、共闘の成功のために一貫して誠実な努力を重ねてきたことが、新しい前進をつくりだしています。大きな転機となったのは2017年の総選挙でした。共闘を破壊する逆流に抗して、北海道では全12選挙区で共闘勢力で候補者を一本化し、5選挙区で勝利をかちとりました。わが党は、共闘を実現し、勝利をかちとるために、献身的に奮闘しました。同時に、畠山和也議員の比例の議席を失う痛恨の結果となりました。この結果をみて、共闘関係者のみなさんから、「共闘はすすんだが、共産党の議席を失ったことは痛恨だ。何とかしなければ」という声が強くあがりました。他の野党の幹部のみなさんからも、「たくさんの協力をいただいたが、畠山さんには申し訳ないことをした。議席回復にむけて必ず何とかしたい」との声が寄せられました。

 こうした体験を契機として、今回の選挙戦は、「市民の風」の幹部のみなさんのほとんどが、比例代表での共産党躍進、畠山候補の勝利を、それぞれ自分の言葉で語っていただく選挙となりました。共同代表の一人の方は、「比例では立憲野党。立憲野党といっても、よくわからないという人は、どうか日本共産党、あるいは紙智子と書いてください」と訴えました。こうしたもと、北海道では、比例代表で、17年の総選挙の得票数・得票率を大幅に超えるとともに、2016年――3年前の参院選の得票率をも超える前進を記録しました(拍手)。選挙区でも、畠山候補の当選にはとどかなかったものの、16年の参院選との比較で、得票数・得票率とも大きく前進しました。これらは次の総選挙での北海道での議席奪回の大きな展望を開くものであります。(拍手)

 京都でも、わが党が一貫して共闘を前進させるという立場を堅持したことが、倉林明子さんの勝利をかちとる重要な力になりました。私が、印象深いのは、選挙終盤の7月15日、岡野八代同志社大学教授が、私と並んで、日本共産党と倉林必勝を訴えてくれたときのことであります。岡野さんは、「私は、今日結党97周年を迎えた共産党が史上初めて、そして日本の政党として唯一掲げられたジェンダー平等政策が、いかに画期的で、日本社会にとって不可欠な提案なのかについて、30年間ジェンダー研究をしてきた者として力の限り訴えたい」と切り出して、熱烈な、素晴らしい応援をしてくださいました。倉林さんの勝利は、文字通り、京都のたくさんの市民のみなさんとともに勝ち取った勝利であり、京都府民が自ら立ち上がってつかみとった勝利だったのではないでしょうか。(拍手)

 京都府からの報告によりますと、京都で、こうした市民のみなさんとの共闘を大きく進める契機となったのは、これも2017年の総選挙で、共闘破壊の逆流に抗して、わが党が断固として共闘を守り抜く態度をとったことでした。このことが共同している市民の方々の共産党への評価を決定的に変える転機となりました。さらに翌18年春の府知事選挙で、市民のみなさんとの共闘が大きく広がり、福山和人弁護士が44%を獲得する大健闘の結果をつくりました。そして、今回の参院選にあたっても、京都の共産党は、「自民党と対決し、市民との共同を誠実に貫く」という姿勢を一貫して堅持して選挙戦をたたかいぬきました。そういうことが重なりまして、今回の参院選は、多くの市民のみなさんが、はじめて共産党の街頭演説や演説会でマイクをにぎり、「なぜ、私が日本共産党を支持するのか」を、それぞれの思いを込めて語っていただく選挙になりました。2017年、18年、そして19年、共闘に対する一貫した誠実な姿勢の積み重ねが、素晴らしい勝利へとつながっていったのが、京都のたたかいだったと、私は思います。(拍手)

共通政策――野党間の政策的な一致点が大きく広がった

写真

(写真)志位和夫委員長の講演を聞く人たち=8日、東京都中野区

 第三は、野党間の政策的な一致点が大きく広がったということです。

 5野党・会派は、「市民連合」のみなさんとの間で、13項目の「共通政策」を確認して、選挙をたたかいました。安保法制、憲法、消費税、沖縄、原発など、国政の基本問題で共通の旗印が立ちました。3年前に比べて、次の諸点などで内容上の大きな発展がつくられました。

 まず、これまで触れることができなかった消費税について、「10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること」と明記されました。これは、「所得、資産、法人」の公平化、すなわち所得税や法人税などでの不公平税制の是正という方向を打ち出したという点でも重要であります。

 沖縄問題についても、「辺野古における新基地建設をただちに中止」をズバリ打ち出しました。公示直前の7月1日、沖縄の高良鉄美候補の支援のために、国政5野党・会派の党首・代表らが那覇市に勢ぞろいして訴えましたが、これは歴史上初めての出来事であり、野党共闘の前進を象徴する出来事となりました。(拍手)

 原発問題についても、現状での原発再稼働を認めず、原発ゼロ実現を目指すことが明記されたことは、大きな前進であります。

 くわえて、選挙中の党首討論などを通じても、政策的な一致点を広げる可能性が生まれました。たとえば、わが党は、年金問題で、「マクロ経済スライド」を廃止して「減らない年金」にすることを大きな柱として訴えました。この提案に対して、立憲民主党の枝野幸男代表は、党首討論で、「マクロ経済スライドについては、われわれは前向きにすすめてきましたが、今般、共産党から新しい提案がありました。こうしたことも含めて年金のあり方については、抜本的な国民的な議論をもう一度しなければならない」と発言しました。今後、野党間で、「基礎年金をこのまま3割も減らしていいのか」という点で一致点をさぐることは可能だと、私は考えております。年金問題でも前向きの政策的一致をつくるための協議をすすめることを呼びかけたいと思います。(拍手)

 13項目の「共通政策」は、幅広い国民の共通の願いがギュッとつまった、たたかいの旗印であります。

 全国のみなさん、憲法、消費税、沖縄、原発など、共通の旗印を高く掲げて、安倍政権を追い詰め、国民の願いを実現する共同のたたかいに大いにとりくもうではありませんか。(大きな拍手)

共闘の根本姿勢――「多様性の中の統一」「互いに学びあう」ということについて

 第四に、お話ししたいのは、共闘をすすめる根本姿勢にかかわる問題についてです。

 安倍首相は、党首討論で、「共産党は自衛隊を憲法違反、立憲民主党は合憲と言っている。そんな大事な問題を横において統一候補を応援するのか」と野党共闘を攻撃しました。

 私は、「私たち野党は、自衛隊が違憲か合憲かという点では立場は違う。ただ、いま問われているのは違憲か合憲かじゃない。(安倍政権が)安保法制という立憲主義を壊して、憲法違反の法律をつくった。これは許せないということで一致している」と反論しました。立憲民主党の枝野代表も、「共産党も今すぐ自衛隊を廃止しろという主張はまったくされていない。当面はまず安保法制をやめろということで完全に一致しているので何ら問題はない」と反論しました(拍手)。党首討論をつうじても、野党共闘の前進を実感したしだいであります。

 安倍首相は、日本共産党公認の山田和雄候補が野党統一候補になっている福井選挙区について、「枝野さんは福井県に住んでいたら共産党候補者に入れるのか」と執拗(しつよう)に、何度も質問しました。これに対しても、枝野代表は、「私が、福井県民なら野党統一候補に投票します。当然です」ときっぱり答えました(拍手)。安倍首相の挑発もあってか、枝野代表が、実際に福井に応援にきていただいたことは、うれしい出来事となりました。(大きな拍手)

 こういう論戦も通じて、共闘を進める根本姿勢について、お互いに理解が深まったように思います。

 私は、開票日のインタビューで、「多様性の中の統一」という立場が大事ではないかとお話ししました。野党は、それぞれ個性があってもいい。多様性があっていい。違いがあったっていいじゃないですか。違いがあっても、違いをお互いに認め合い、リスペクト(尊敬)しあって、国民の切実な願いに即して一致点で協力する。「多様性の中の統一」=「ユニティー・イン・ダイバーシティー」こそが、一番の民主主義ではないでしょうか(大きな拍手)。それは、個人の尊厳、多様性を尊重する今日の社会の動きともマッチしているのではないでしょうか。だいたい、相手は「多様性ゼロ」じゃないですか(笑い)。安倍首相の言うことには何でも賛成、言う前から忖度(そんたく)する(笑い)。そんな「忖度政治」とくらべれば、「多様性の中の統一」をめざす野党共闘にこそ、未来はあるのではないでしょうか(大きな拍手)。こういう趣旨を質問に答えてお話ししたところ、発言をまとめてくれた動画が70万回以上再生されています。「この動画を見て共産党アレルギーがなくなった」とのコメントもたくさん寄せられていることは、たいへんにうれしいことであります。

 いま一つ、私が、大切だと実感しておりますのは、「互いに学びあう」ということです。わが党は、今回の参議院選挙で「ジェンダー平等」を政策の柱にすえ、街頭でも大いに訴えました。これは、この問題に先駆的に勇気をもってとりくんできた市民のみなさんの運動や、研究者の方々の成果に学んでのものでありました。日本共産党は、97年の歴史において、男女同権、女性差別撤廃のためにたたかってきたことに強い誇りをもっています。同時に、先駆的なとりくみから謙虚に学び、連帯し、私たち一人ひとりも、「正すべきは正す」という自己変革にとりくむという姿勢が大切ではないでしょうか。そういう姿勢でとりくんでこそ、社会を変える大きなうねりをつくることに貢献できますし、私たちに対する本当の信頼を得ることもできるのではないでしょうか。(拍手)

 「互いに学びあう」という点では、今日もたくさんおみえになっていますが、JCPサポーターのみなさんと双方向で意見交換をしながら選挙をたたかったことで、これまでにない方々に党の魅力が伝わったことも喜びであります。共産党が得意なこともありますが、得意でないこともあります。「政策がしっかりしていてブレない」――市民のみなさんから、こういう評価をいただいていることはうれしいことです。ただそれだけで有権者に伝わるわけではありません。共産党には、親しみやすさもある、人間らしさもある、情熱もある。自分では言いづらいことですが、あるんです(笑い)。昨年の「JCPサポーター祭り」から、選挙中のSNSを活用したさまざまな動画まで、私たちが普段あまり気づいていないことも含めて共産党の魅力を引き出してくれたのが、JCPサポーターのみなさんでした(拍手)。ガーベラの花をモチーフにした街宣用バックバナーは、サポーターのみなさんから「宣伝で統一したイメージを打ち出した方がいい」との提案をうけて、作成したものでした。

 私たちは、これからもJCPサポーターのみなさんと、双方向で、門戸を開いて、キャッチボールをしながら、私たちの活動をバージョンアップし、国民の心に伝わるメッセージを一緒に発信していきたいと考えています。(拍手)

 「多様性の中の統一」「互いに学びあう」――こういう姿勢に立って、市民と野党の共闘を強く、豊かなものにしていくために、さらに力をつくす決意を申し上げたいと思います。(大きな拍手)

れいわ新選組――共闘の発展のなかで新政党が誕生したことを歓迎する

 第五に、参議院選挙で新たに登場したれいわ新選組について、一言のべておきたいと思います。

 れいわの山本太郎代表には、選挙中、大阪、京都、神奈川で、わが党候補を応援していただきました。それぞれの応援演説は、候補者の特徴をよくとらえた心のこもったものでありました。心から感謝したいと思います。(大きな拍手)

 れいわの掲げている政策の内容はわが党と共通する方向です。山本代表は野党共闘で政権交代をはかりたいという立場を表明しています。これもわが党と共通する方向です。私たちは、市民と野党の共闘の発展のなかで、こうした政党が新たに誕生したことを、歓迎するものであります。(大きな拍手)

 今後、ともに手を携え、いまの政治を変え、よい日本をつくるための協力が発展することを、心から願うものであります。(拍手)

野党連合政権にむけた話し合いの開始を呼びかける

今後の大きな課題――政権問題での前向きの合意

 全国のみなさん。お話ししてきたように、市民と野党の共闘は、この4年間に豊かな成長・発展をとげてきました。それは容易に後戻りすることはない、日本の政治の確かな現実となっています。

 同時に、共闘には解決すべき大きな課題があります。

 それは政権問題での前向きの合意をつくることであります。安倍政権・自民党政治に代わる野党としての政権構想を、国民に提示することであります。

 わが党は、4年前に「国民連合政府」を提唱していらい、野党が政権問題で前向きの合意をつくることが大切だと主張しつづけてきましたが、政権問題での合意はまだつくられておりません。この間、私たちは、政権合意がないもとでも、この問題を横において、選挙協力をすすめるという態度をとってきました。しかし、市民と野党の共闘を本当に力あるものにするためには、この課題を避けて通ることは、いよいよできなくなっていると考えるものであります。

 それは私たちが直面する国政選挙が、政権を直接争う衆議院選挙であるという理由からだけではありません。野党が力強い政権構想を示すことを、日本国民と日本社会が求めているからであります。(拍手)

 そのことを、私は、二つの問題からお話ししたいと思います。

史上2番目の低投票率――政治を変えるという「本気度」が伝わってこそ

 第一は、今回の参議院選挙の投票率が48・80%と24年ぶりに50%を割り込み、過去2番目に低かったという問題です。

 これは日本の民主主義にとって、きわめて憂慮すべき事態です。

 いろいろな原因があると思いますが、私は、安倍首相の姿勢に最大の問題があったということをまず指摘しなければなりません。安倍首相は、参議院選挙にさいして、論戦から逃げ回るという姿勢を取り続けました。その最たるものが、通常国会の後半、野党が衆参で予算委員会を開き、参院選の争点を堂々と論じ合おうと要求したにもかかわらず、それを拒否し続けたことであります。

 選挙戦に入っても、党首討論の機会はありましたが、安倍首相には、全体として誠実に議論するという姿勢が見られませんでした。いつも見られませんが(笑い)、今回は、特別見られなかったと思います。たとえば、わが党が、年金問題の提案を行っても、その場しのぎのゴマカシの数字を出して、まともな議論から逃げ続けた。安倍政権・与党が、国民の前で争点を堂々と論じ合う姿勢を取らず、論戦から逃げ続けたことに対して、私は、強く猛省を求めたいと思います。(大きな拍手)

 そのうえで、野党の側にも努力すべき問題があると思います。日本経済新聞が選挙後行った世論調査によりますと、参院選の投票に「行かなかった」と答えている人に複数回答でその理由を聞いたところ、「政治や暮らしが変わると思えない」と答えた方が29%で1位となっています。そのなかでも重大なことは、「安倍内閣を支持しない」と答えている人々のなかで、「政治や暮らしが変わると思えない」という回答の比重が高く、トップとなっていることです。すなわち、安倍内閣に批判や不信をもっている人々のなかでも、一票を投じても「変わると思えない」という思いから、棄権にとどまった人々が多数いる。この事実は、私たち野党にも問題を突きつけているのではないでしょうか。

 こうした状況を前向きに打開するうえでも、私は、野党共闘がいま、「政治を変える」という「本気度」が、国民にビンビンと伝わるような共闘へと、大きく発展することが強く求められていると思います(拍手)。そしてそういう「本気度」が国民のみなさんに伝わるためには、安倍政権に代わる野党としての政権構想を国民に提示することが不可欠ではないでしょうか(大きな拍手)。そうした本気の、責任ある政権構想を打ち出すことができるならば、今回、棄権した多くの方々に「政治や暮らしが変わる」という「希望」を伝え、投票所に足を運んでもらうことができるのではないでしょうか。

 投票率が10%上がれば選挙結果の激変が起こります。20%、30%と上がれば政権を吹き飛ばすことができるでありましょう(拍手)。野党が政権を担う覚悟を示してこそ、そして国民のみなさんに、ともに新しい政権をつくろうと呼びかけてこそ、国民のみなさんの心を動かすことができる。投票所に足を運んでいただくことができる。そういうとりくみをやろうじゃないかということを、私は、強く呼びかけたいと思うのであります。(大きな拍手)

安倍首相による民主党政権をもちだした野党共闘攻撃への断固たる回答を

 もう一つ問題があります。

 第二の問題は、安倍首相が、かつての民主党政権をもちだして、自分の政権を美化するとともに、野党共闘への攻撃を行い、国民の支持をつなぎとめる――このことを一貫した「戦略」においているという問題です。

 今回の参議院選挙でも、安倍首相は、この「戦略」をとりつづけました。2月の自民党大会での演説で、首相は、「あの悪夢のような民主党政権」というののしりの言葉を使って、「あの時代に戻すわけにはいかない」と参議院選挙への決起を訴えました。

 選挙後、朝日新聞が行った分析によりますと、安倍首相は、参院選で行った全73カ所の応援演説のすべてで、「あの時代に逆戻りさせるわけにはいかない」と語った。かつての民主党政権をもちだして、野党共闘攻撃を行ったといいます。このフレーズを繰り返し、「安定か、混迷か」を叫び、野党共闘を攻撃する。これが安倍首相の行った選挙キャンペーンだったのであります。一国の内閣総理大臣が、こんなことしかできない(笑い)。情けないじゃないですか。(拍手)

 まず私は、安倍首相のこうした態度は、フェアな論争態度とは到底いえないということを指摘したいと思います。わが党は、当時の民主党政権に対して、野党として批判もしました。同時に、あの時期は、リーマン・ショックから立ち直る途上にあり、東日本大震災にみまわれた時期でした。そういう時期と比較して、自分に都合のいい数字を並べ立てて、自分の政権を美化することが、責任ある政治リーダーのやることでしょうか。こういう態度は、もういいかげんにやめるべきではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 そのうえで、さらに私は、安倍首相に言いたい。だいたい、民主党政権をもちだして野党共闘を攻撃するのは、筋違いの攻撃であり、いわれなき攻撃だということであります。いま市民と野党の共闘がめざしているのは、かつての民主党政権の復活ではありません(「そうだ」の声、拍手)。共闘がめざしている政治は、「市民連合」との13項目の「共通政策」が示している政治であります。そこには、すでにのべたように、憲法、消費税、沖縄、原発など国政の基本問題で、自民党政治を切り替えるとともに、かつての民主党政権の限界を乗り越える内容も含まれています。そういう「共通政策」を堂々と掲げてたたかっている野党共闘を、「民主党政権への逆戻り」というレッテルを貼って攻撃するのは、事実をねじまげた卑劣な態度というほかないではありませんか。(大きな拍手)

 もうこういう攻撃が通用しない状況をつくりましょう。こうしたいわれなき野党共闘攻撃との関係でも、いま野党が、安倍政権に代わる野党としての政権構想を打ち出すことは、安倍首相による攻撃への断固たる回答となり、攻撃を根底から打ち破る決定打になる。このことを、私は訴えたいのであります。(大きな拍手)

野党連合政権にむけた話し合いを開始しよう

 以上をふまえまして、私は、この場をかりて、心から呼びかけます。この参議院選挙をともにたたかった野党と市民が、安倍政権に代わる野党の政権構想――野党連合政権にむけた話し合いを開始しようではありませんか。(大きな拍手)

 野党連合政権の土台はすでに存在しています。5野党・会派が「市民連合」とかわした13項目の「共通政策」です。そこには、わが党が「国民連合政府」の提唱のさいに、共闘の「一丁目一番地」として重視した「安保法制の廃止」も明記されています。憲法、消費税、沖縄、原発など、国政の基本問題での共通の旗印も明記されています。野党連合政権をつくるうえでの政策的な土台はすでに存在している。そのことを私は強調したいと思うのであります。(拍手)

 同時に、これらの「共通政策」を本格的に実行するためには、それにとりくむ政権が必要です。総選挙にむけて、市民と野党の共闘を、国民に私たちの「本気度」が伝わるものへと大きく成長・発展・飛躍させ、総選挙で共闘勢力の勝利をかちとるうえでも、政権構想での合意は必要不可欠ではないでしょうか。

 この4年間、お話ししてきたように、市民と野党の共闘によって、私たちはたくさんの成果を積み重ねてきました。共通の政策的内容を広げてきました。多くの新しい信頼の絆をつくりあげてきました。問題は(政権をつくるという)意思です。意思さえあれば、野党連合政権への道をひらくことは可能だということを、私は訴えたいのであります。(拍手)

 市民と野党が一緒になって、安倍政権に代わる野党の政権構想――野党連合政権を正面からの主題にすえた話し合いを開始しましょう。

 ――そのさい、何よりも大切なのは、ともにたたかってきた野党と市民が、ともに力をあわせて連合政権をつくるという政治的合意をかちとることであります。

 ――そして、13項目の「共通政策」を土台に、連合政権で実行する共通の政策課題をより魅力あるものにしていくことが必要です。

 ――政治的な不一致点をどうするか。私たちは、たとえば日米安保条約の廃棄など、わが党の独自の政策を大いに訴えていきますが、それを共闘に持ち込むことはしないということをこれまでも言っておりますが、政治的な不一致点については互いに留保・凍結して、一致点で合意形成を図るという原則が大切になってくると思います。

 次期総選挙にむけて、そうした話し合いを、胸襟を開いて開始することを、重ねて心から呼びかけるものであります。(拍手)

国民に語るべきものをもたない政権には、退場してもらおう

 全国のみなさん。安倍政権に、もうこれ以上、この国の政治をゆだねるわけにはいきません。(多数の「そうだ」の声)

 安倍首相は、参院選で、憲法改定と野党攻撃以外に、語るべきものをもちませんでした。もう、ほかに語ることがないんですよ。(笑い、「そうだ」の声、拍手)

 ごく一握りの大企業と富裕層に巨額の富が蓄積し、国民のなかには貧困と格差が広がる。この否定できない現実を前にして、もはや安倍首相は、「アベノミクスをふかす」というあのお決まりの法螺(ほら)すら語ることができないではないですか。(拍手)

 安倍首相が自慢してきた「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」なるものも、対米外交は追随、対ロ外交は屈従、対韓外交は破綻、八方ふさがりに陥り、「地球儀の『蚊帳の外』の外交」(笑い)であることが、すっかり露呈してしまったではありませんか。(拍手)

 国民に語るべきものをもたない政権には、退場してもらうほかないではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 全国のみなさん。市民と野党の共闘を、4年間の成果を踏まえ、ここで大きく発展・飛躍させ、安倍政権を打ち倒し、自民党政治を終わらせ、野党連合政権をつくろうではありませんか。(大きな拍手)

 力をあわせて、すべての国民が尊厳を持って生きることのできる新しい日本をご一緒につくろうではありませんか。(大きな拍手)

日本共産党の躍進こそ、野党連合政権への最大の力――新しい探求の道をともに

共闘の力を強め、日本を救うためにも、日本共産党を強く大きく

 私が、最後に訴えたいのは、日本共産党を政治的・組織的に躍進させることこそ、市民と野党の共闘を発展させ、野党連合政権をつくる最大の力となるということです。

 今日、お話ししたように、この4年間、日本共産党は、情勢の節々で、市民と野党の共闘のためにブレずに力をつくし、その発展に貢献することができました。共闘が困難にぶつかったときにも、市民のみなさんとの協力で、断固として困難を乗り越える働きをすることができました。それができたのは、日本共産党が、現在から未来にいたる社会発展のあらゆる段階で、統一戦線の力――政治的立場の違いを超えた連帯と団結の力で政治を変えることを、党の綱領に明記している党だからであります。こういう党が躍進することが、市民と野党の共闘が発展する大きな推進力になるのではないでしょうか。

 それから、みなさん、市民と野党がかわした13項目の「共通政策」をはじめ、国民のみなさんの切実な願いを本気で実現しようと思ったら、どんな問題でも、日本の政治の「二つのゆがみ」――「財界中心」「アメリカ言いなり」という「二つのゆがみ」にぶつかってきます。日本共産党は、綱領で、この「二つのゆがみ」の大本にメスを入れ、憲法に書いてある通りの国民主権の国――「国民が主人公」の日本、本当の民主主義の国といえる日本、本当の独立国といえる日本をつくることを、日本改革の大方針として明記し、この大方針のもとにたたかい続けてきた党であります。こういう党が躍進することが、市民と野党の共闘を強める確かな力になるのではないでしょうか。(拍手)

 さらに、みなさん、日本共産党は、全国に2万の党支部、約30万人の党員、約100万人の「しんぶん赤旗」読者、2680人の地方議員をもつ、草の根の力に支えられた党であることを、何よりもの誇りにしております。参議院選挙後、野党統一候補として勝利した新議員のみなさんからごあいさつをいただきましたが、共通して出されたのは、わが党の草の根の力への信頼でありました。岩手の横沢高徳議員は、私たちとの懇談でこうおっしゃった。「全国で2番目に広い岩手県のどこにいっても、共産党のみなさんが温かく歓迎し、支援してくれた。これが心強かった」。うれしい評価であります。わが党が、いま草の根の力を強く大きくのばすことは、市民と野党の共闘を支える土台を確かなものにするうえでも、大きな貢献となるのではないでしょうか。(拍手)

 そして、みなさん、相手も、市民と野党の共闘に日本共産党が参加していることが、一番の脅威であり、一番の手ごわいところだということをよく知っています。だからこそ、安倍首相は、選挙中、全国各地の遊説で、共産党を攻撃しました。岩手では、「共産党の人たちが相手候補のビラを配っている。このことは決して忘れてはならない、負けるわけにはいかない」と叫びました。秋田では、「野党統一候補、その中の強力な中核部隊が共産党だ」、こうのべました。日本共産党への敵意をむきだしに語ったのであります。しかし、そうした「共産党アレルギー」に働きかける攻撃がもはや通用しなかったことは、選挙の結果が証明したではありませんか。(大きな拍手)

 共闘の力を強め、日本を救うためにも、どうかこの党を強く大きくしてください。そのことへのご支援とご協力を、心からお願いするものであります。

党史でもかつてない新しい探求の道、世界でもユニークな探求の道をともに進もう

 全国のみなさん。日本共産党は、今年で、党をつくって97年、合法的権利をかちとって74年になりますが、国政選挙で選挙協力を行い、国政を変えるということは、党史でもかつてない新しい探求の道であります。やったことのないことにとりくんでおります。

 日本の戦後における統一戦線としては、1960年代後半から70年代にかけて、全国に広がった革新自治体の運動は、この東京での革新都政をはじめ、特筆すべき成果を築きました。ただ、この時期の統一戦線は、主に地方政治に限られており、国政での統一戦線の合意は当時の社会党との間で最後まで交わされず、国政での選挙協力もごくごく限定的なものにとどまりました。

 この時期の統一戦線とくらべても、いまとりくんでいる市民と野党の共闘――全国的規模での選挙協力によって国政を変えようという共闘は、わが党にとって文字通り未踏の道の探求にほかなりません。戦後、統一戦線運動に力をつくし、亡くなった多くの先輩の諸同志も、今日の共闘の発展を見ることができたら、喜んでくれたことだろうと、私は思います。(拍手)

 そして、みなさん、世界を見渡しても、新しい市民運動が政党をつくり左翼勢力の連合で政治変革をめざしている注目すべき経験が生まれていますが、日本のように、共産党が保守を含む広範な諸勢力と共闘して、右派反動政権を倒すたたかいに挑んでいるという国は、他に見当たりません。いま日本でとりくんでいる共闘は、世界でも他にないユニークな共闘であるということも報告しておきたいと思います。(拍手)

 私は、最後に呼びかけます。

 わが党にとってもかつてない新しい探求の道、世界でもユニークな探求の道を、ともにすすもうではありませんか。今日の私の話に共感していただいた方は、どうかこの機会に、ここでお会いしたのも何かのご縁ですから(笑い)、日本共産党に入党していただき、前人未到の探求と開拓の道をともに切りひらいていこうではありませんか。(大きな拍手)

 そのことを心から呼びかけまして、記念講演を終わります。(大きな拍手)

 日本共産党創立97周年万歳!(「万歳」の声、歓声、長く続く大きな拍手)




# by daisukepro | 2019-08-10 21:02 | 赤旗

5年以内の修繕必要、8万カ所 橋、トンネルなど老朽化点検

5年以内の修繕必要、8万カ所 橋、トンネルなど老朽化点検2019年8月10日 00時51分

 国土交通省や地方自治体が2014~18年度に実施したインフラ老朽化点検で、全国の橋約6万9千、トンネル約4400、歩道橋などの道路付属物約6千の計8万カ所近くが「5年以内の修繕が必要」と判定されたことが9日分かった。

 施設を管理する国や自治体が順次修繕に着手しているが、予算や技術職員が不足しがちな小規模市町村で遅れが目立ち、18年度末時点での着手率は橋22%、トンネル36%、付属物24%にとどまっている。完了率はそれぞれ12%、22%、12%。

 12年の中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を踏まえ、5年に1度の点検が道路管理者に義務付けられた。

(共同)

# by daisukepro | 2019-08-10 09:40 | 東京新聞

温暖化、穀物価格最大23%上昇 50年予測、国連が食料不足警告

温暖化、穀物価格最大23%上昇 50年予測、国連が食料不足警告

2019年8月8日 20時08分

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8日、干ばつなどの増加で2050年に穀物価格が最大23%上がる恐れがあり、食料不足や飢餓のリスクが高まると警告した特別報告書を公表した。地球温暖化が土地に与える影響をまとめており、水不足にさらされる人口も増えるなど影響は多岐にわたると指摘。IPCCは、来年に本格始動するパリ協定の下で対策を強化するよう訴えている。

 報告書によると、砂漠化などで作物と家畜の生産性が下がる。水不足や干ばつにさらされる人口は、産業革命前と比べ今世紀末に気温が1・5度上がる場合は50年までに1億7800万人に上ると見積もった。

(共同)


# by daisukepro | 2019-08-09 14:38 | 地球温暖化

最賃「目安」 現行制度の矛盾露呈 地域格差拡大 暮らせぬ水準 時給1500円速やかに 全国一律制創設こそ

2019年8月9日(金)

最賃「目安」 現行制度の矛盾露呈

地域格差拡大 暮らせぬ水準

時給1500円速やかに 全国一律制創設こそ

 最低賃金の改定について、政府の中央最低賃金審議会が示した「目安」を受けて地方の最賃審議会で改定額が決められつつあります。目安を上回る県もある一方で、全体としては低額に抑えつけられています。生活の実態を見ない目安を出して都道府県ごとにばらばらに決める現行制度の行き詰まりが浮き彫りとなっています。

 (唐沢俊治、深山直人)


写真

(写真)最低賃金をいますぐ1000円、早期に1500円、全国一律にしようと宣伝する全労連・春闘共闘の人たち=7月22日、東京・JR新宿駅西口

 都道府県をA~Dまで4ランクに分けた国の目安は、労働者数を考慮した全国加重平均で時給を27円引き上げ、全国平均で901円となりました。しかし、平均を上回るのは7都府県のみ。40県が平均を下回り、うち17県は700円台にとどまりました。

 最高は東京の時間額1013円、最低は鹿児島の787円で、226円もの格差です。現在224円の格差がさらに広がり、年収にすると45万円もの違いが出るものでした。

 鹿児島県の審議会では目安より3円引き上げ790円となりました。それでも200円以上の差があり、沖縄県などと並んで依然としてもっとも低い最賃となる見込みです。

図

 国の目安が重しとなって、地方の審議会でも低額に押さえつけられています。

ペース変わらず

 参院選で安倍首相は、「毎年3%のペースで引き上げている」と強調。「骨太方針」で「全国加重平均1000円」を「より早期に」と明記し、地域間格差への「配慮」も打ち出したと売り込んでいました。しかし、目安の引き上げ率は3・09%と従来ペースにとどまり、格差は是正どころか逆に拡大しました。

 最賃を時間額で示すようになった2002年に最大で104円あった格差は年々拡大しており、鹿児島が時給1000円になるのは、10年近くも先です。

 しかも、1000円になっても、フルタイムで働いても年収180万円にしかならず、「ワーキングプア」のままです。

 最賃法が求める生計費の水準―健康で文化的な最低限度の生活を営むことができる水準となっているのかが問われます。

差はない生計費

 全労連は今年、山口県、京都府、鹿児島県、長崎県で労働者の「最低生計費試算」の調査結果を発表しました。これまでに19道府県で試算を発表していますが、全国どこでも生計費に大きな差がなく、月約22万~24万円、時間額で1400~1500円程度が必要であることが分かりました。(別表)

 今回の目安では、北海道など「Cランク」の14道県と、鹿児島など「Dランク」の16県は同額の26円となりました。地域格差への批判を無視できなかった反映ですが、各県ごとにばらばらに決める現行制度の矛盾が際立っています。

 全労連の野村幸裕事務局長は「地域間格差を前提とした現行のシステムでは、『8時間働けば人間らしく暮らせる賃金』には届かず、大幅引き上げと地域間格差は解消できない」と強調します。

 日本共産党は参院選で、直ちに全国どこでも1000円とするとともに、速やかに1500円に引き上げ、「全国一律最賃制度」を創設することを主張しました。

 全国一律最賃制は、自民党の中にも導入を求める議員連盟がつくられ、全国知事会もランク制の廃止と全国一律最賃制の実現を提言しています。

 野村氏は「生計費に基づき、すべての働く人に人間らしい最低限の生活を保障する全国一律最低賃金制度の実現こそ求められています」と訴えています。

地域から声あげる

 愛媛労連青年部・稲葉美奈子事務局長(35)の話 愛媛県では、「目安」通り790円の答申が出されました。最高の東京都と223円の差で、現在の221円から格差が広がることになります。最賃の大幅引き上げと、地域間格差を是正して全国一律制度をつくるよう訴えてきましたが、私たちが求めている最賃とはほど遠く、地域間格差を容認したままの「目安」と答申に抗議したい。

 「Cランク」と「Dランク」は今回、同じ上げ幅となりました。四つのランクに分ける必要性がないことを示すようなものです。

 年末年始もお盆休みもなく、ダブルワーク、トリプルワークで長時間働かざるを得ない青年たちがいます。他県から来た派遣社員の30代の女性は、賃金の低さに驚き「生活が厳しい」と訴えています。地域別最賃が、地方から都市部への人口流出に加担していると言わざるをえません。

 「目安」は、「目安」以上に引き上げようとする地方の重しになっていますが、これまでそれをはねのけて上積みを勝ち取ってきました。

 大幅引き上げ、格差解消に向けて、地域から運動と世論を広げていきます。


# by daisukepro | 2019-08-09 14:25 | 赤旗