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普天間は飛行場なのか、基地なのか

普天間は飛行場なのか、基地なのか

毎朝、新聞のテレビ欄を見てチェックを入れる。それからヘッドラインだけは必ず目を通す。NHKの日曜討論はテーマと顔ぶれで視聴するかどうかを決める。テレビ欄には普天間基地結論先送りとでている。あれほど年内に結論を出さないと日米関係が破綻すると岡田外務大臣を筆頭に囀っていた方々の虚言妄想はどこ終え消えてしまったのか不思議だ。常識的に見て、ベルリンの壁崩壊後、東西冷戦構造の枠組みがなくなり、アメリカ大統領がチェンジすればアメリカの世界戦略が転換することは軍事専門家でなくても分かる。普天間は飛行場なのか、基地なのか_c0013092_23543591.jpg(写真は普天間米軍基地嘉数高台から撮影)
それでなくても財政危機が深まるアメリカが世界中に点在している米軍基地を再編するためには膨大な経費がかかる。当たり前のことである。アメリカの価値観で世界を統一しよなどという考えは妄想でしかない。そうした角度でみると元高官の発言のお里が知れようと言うものだ。アメリカの政府高官すじがしばしばマスメディアに登場して普天間基地の移設が失敗するとアメリカの戦略が頓挫するかのようにインタビューに答えている。その人物にはきまって元が付いている。つまり、ブッシュ政権で高官だった人ばかりである。インタビューの人選はマスコミの主観で行われるとは知っていても、これほど露骨とは思わなかった。往生際が悪い。
読売新聞は12月20日の一面で日米亀裂という特集を組んでいるが、解説しているのはケントカルダー特別補佐官、彼も元が付いている。正式には元駐日大使特別補佐官だ。連載4回目の記事は「鳩山政権による米軍普天間飛行場移設問題の決着先送りは、ワシントンに不安と失望を読んでいる」から始まっている。
頭に米軍とついているから米軍の施設とは分かるが、略して表記すれば普天間飛行場となる。基地と飛行場の移設では終戦と敗戦程の違いがある。問題の核心は米軍再編成にともなう米軍基地再編成なのだがこれを米軍飛行場再編成と表現すれば問題の核心がぼんやりとかすむことになる。世界中で見れば米軍基地は再編成によって半減しているが、増加しているのは日本だけなのである。
米軍戦略上、必要がなくなった基地は即時無条件に撤退すべきものだ。経済的な理由で基地存続をのぞむ人でも、感情では他国の基地の共存をのぞむ人はいるだろうか。核の抑止力などという幻想でいつまでも米軍基地を置いておくことこそ不自然なのである。
日本の米軍基地は朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争の出撃基地として活用されてきたが、日本防衛に使われたことは60年の長きわたって一度もないのである。
普天間基地からの米軍撤退はその第一歩になるのだ。普天間飛行場の移設問題などではない。すべての新聞がNHKのように普天間基地と記述する日がくれば、間違いなく米軍から接収された基地が沖縄の人々にもどってくる日になると思う。哀しいことに新聞記事で普天間基地という記述を見つけるのは砂地でダイヤモンドを発見するようなものだ。嘘だと思ったら近く図書館に行って探してみよう。
普天間基地が返還された日、嘉数高地の展望台に立って米軍ヘリコプターのいない元米軍飛行場をながめながら泡盛で祝杯をあげる日が来ることを楽しみにしている。そうなれば10年後に沖縄の米軍基地をすべてなくすことだって不可能ではない。
by daisukepro | 2009-12-20 23:57 | 憲法


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