日本初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹(1907~81年)が終戦前後に書き残した日記を京都大が21日、初公開した。45年6月に原爆開発についての会議に出席していたことが判明。原爆研究への関与を公的な場では認めていなかったが、本人の著作物で初めて裏付けられた。広島や長崎の原爆被害も詳細に記しており、専門家は、戦後は一貫して平和運動に携わった湯川の歩みを知る記録として注目している。
日記は78年、京大理学部の戸棚の整理中に風呂敷包みから発見され、湯川が亡くなった後、遺族が大学に寄贈したノート15冊の一部。今回、45年分の3冊が公開された。