人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日本は米軍に占領されている植民地か。

 米国外で唯一、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備されている原子力空母ロナルド・レーガンの展開サイクルが1年延長され3年間になったことが、米海軍の文書でわかりました。展開サイクル延長により空母艦載機部隊は、作戦可能期間が大幅に拡大するだけでなく、米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)への移転で、空母の定期整備中でも作戦ができるようになります。

 (佐藤つよし)


写真

(写真)横須賀基地に停泊する米海軍原子力空母ロナルド・レーガン=2017年12月28日、神奈川県横須賀市

 文書は、2017年10月に更新された米海軍航空軍司令官訓令「航空母艦訓練準備マニュアル」改訂第4版です。

 米本土を母港とする原子力空母について、「最適化艦隊対応計画」(O―FRP)に基づき、それまでの32カ月だった展開サイクルを36カ月に延長し、定期整備や訓練を除く作戦へ展開し、作戦可能な状態を維持する期間をこれまでの19カ月から23カ月に拡大。米本土を母港とする9隻の原子力空母のうち、14年にアイゼンハワーが36カ月サイクルを開始し順次、他の空母も移行しています。横須賀配備の原子力空母の36カ月への延長も、米本土の空母の展開サイクルと、より密接な連携をはかるためとしています。

有事への即応

 米海軍の原子力空母は、03年から有事への即応と継続的な作戦実施のために、30日以内に6隻、90日以内に2隻の空母を投入する態勢をとっています(艦隊対応計画=FRP)。従来24カ月だった展開サイクルを27、32、36カ月と段階的に拡大してきました。

 08年9月に横須賀基地に配備された原子力空母は、1~5月に定期整備、6~11月に作戦展開する1年サイクルで、整備期間も含め緊急事態に備え作戦可能な状態を維持しています。横須賀配備の空母の艦載機部隊・第5空母航空団は、24カ月サイクルで、最初の空母整備期間に陸上基地を拠点に基礎訓練を実施。残りの期間を作戦可能な状態で、空母とともに訓練や作戦行動をしていました。

 すでに第5空母航空団は、36カ月サイクルへ移行。主力の艦載機FA18戦闘攻撃機は06~14年まで隔年で空母整備期間中に、陸上基地を拠点に行う空中戦や対地攻撃などの基礎訓練「打撃戦闘機上級準備課程」(SFARP)を、グアムやネバダ州で実施してきました。その訓練を、16年には実施せず、前回から3年後の17年3月に行っていました。

岩国を拠点に

 新たなサイクルでは、空母の整備―展開の1年サイクルは維持されますが、艦載機部隊の作戦可能期間はまるまる1年延長されることになります。岩国基地への移転で展開サイクル2、3年目の空母整備期間中も、同基地から攻撃作戦が可能となります。

 防衛省は17年1月20日、山口県と岩国市に、同年11月から18年5月にかけての厚木基地(神奈川県)から岩国基地への艦載機61機の移駐計画を伝えました。

 17年12月に韓国で実施された米韓合同演習では、岩国基地から直接、米海兵隊F35B戦闘機が参加し、同基地を米軍が朝鮮半島有事で攻撃作戦を実行する基地にしようとしていることを浮き彫りにしました。厚木、横須賀、岩国を結ぶ、米軍のインド・太平洋地域での軍事的影響力拡大と即応態勢づくりが進んでいます。

 米空母艦載機の訓練 米本土を母港とする米空母に搭載するFA18戦闘攻撃機は、36カ月の展開期間の最初18カ月間を「展開間訓練サイクル」として6カ月ごとに「基礎(basic)」「中級(intermediate)」「上級(advanced)」の3段階の訓練を実施します。基礎と空母配属に備える中級は地上基地を拠点に、上級は空母に搭載し艦隊演習や統合演習の一部として実施します。昨年3月、レーガン配備の艦載機が実施した「打撃戦闘機上級準備課程(SFARP)」は上級に備え基礎から中級段階で約3週間、空中戦や対地攻撃の訓練を行います。SFARPの訳語で一般に使われている「戦闘攻撃機先進即応プログラム」は「Strike Fighter Advanced Readiness Program」の直訳。

図

拡大図はこちら


by daisukepro | 2018-01-12 12:48 | 米軍基地


<< 『首相が選別・利用』進む 安倍... 辺野古の米軍新基地建設が年末・... >>