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冷たくなった灰色のこころの中に来て/燦々と燃え上がるつややかな五月の花になれ

きょうの潮流

 「また五月です。君よ。わたしに五月を歌えといいますか/動かぬ唇で五月をたたえよといいますか。まぶしい、美しい燦々たる五月を/どう歌えというのですか。」▼新緑もえる季節。街に響いたのは学生や市民に放たれた銃声でした。きょう5月18日は韓国の人びとにとって希望をともしつづける誓いの日。38年前、全斗煥(チョンドゥファン)軍事政権下で民主化を求める運動と軍による武力弾圧が起きた光州事件です▼先の作は、みずからも蜂起にかかわり、権力に対峙(たいじ)してきた詩人・文炳蘭(ムンビョンラン)さんの「五月よ、また復活せよ」。200人をこえる犠牲者と数千の負傷者を出した事件は、いまも深い傷痕を残しています▼昨年、韓国で最もヒットした映画「タクシー運転手」も光州事件を描いたもの。実際に現地で取材し、世界に発信したドイツ人記者と光州に彼を送り届けたタクシー運転手の物語です。いま日本でも上映され、韓国映画としては近年にないほど観客を集めています▼5・18は、その後の民主化運動に連なりました。当時、拘束された経験をもつ文在寅(ムンジェイン)大統領は「光州の犠牲があったからこそ、私たちの民主主義は耐え、再び立ち上がることができた」。そして「5月の光州は、全国をともしたろうそく革命として復活した」と▼詩にはつづきがあります。「ああ、わが君よ、冷たくなった灰色のこころの中に来て/燦々と燃え上がるつややかな五月の花になれ/闘う人の掌に来い、わが君よ/永遠に消えぬ自由の炎になれ/輝く正義の松明になれ」



by daisukepro | 2018-05-18 10:43 | 潮流(赤旗)


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