第5回中央委員会総会志位委員長の幹部会報告第5回中央委員会総会(13日)で、志位和夫委員長がおこなった幹部会報告は次のとおりです。 みなさん、おはようございます。インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、心からのあいさつを送ります。 私は、幹部会を代表して、第5回中央委員会総会への報告を行います。 2019年・統一地方選挙まで5カ月、参議院選挙まで8カ月に迫りました。 5中総の任務は、第4次安倍政権に対する基本姿勢、当面するたたかいの課題と日本共産党の立場を明らかにするとともに、来年の統一地方選挙と参議院選挙で連続勝利をかちとるための方針を意思統一することにあります。 一、安倍政治の大破たん――一刻も早くこの内閣を終わらせよう報告の第一の主題は、第4次安倍政権をどうとらえ、どうたたかうかであります。 安倍首相は自民党総裁としては3年の任期を得ました。しかし、あらゆる面で安倍政治は大破たんに陥っています。私は、「安倍政治の四つの破たん」ということを強調したいと思います。 民意無視の強権政治の破たん――沖縄県知事選挙の歴史的勝利第一は、民意無視の強権政治の破たんであります。その破たんは、安倍政権が最も野蛮な強権をふるってきた沖縄で劇的な形であらわれました。 沖縄への強権がついに通用しなくなった9月30日に行われた沖縄県知事選挙で、翁長雄志前知事の遺志をつぎ、辺野古新基地反対を掲げてたたかった玉城デニー候補は、沖縄県の知事選で過去最多となる39万票をこえる得票を獲得し、相手候補に8万票の大差をつけて圧勝しました。私は、保守・革新の垣根をこえて心一つにたたかった「オール沖縄」のみなさん、勇気と誇りをもって歴史的審判を下した沖縄県民のみなさんに心からの敬意を表するとともに、ともにたたかった全国の仲間のみなさんとともにこの歴史的勝利を喜びたいと思います。 この間、安倍政権は、幾度となく示された県民の総意を踏みにじり、強権をふるって辺野古の新基地建設を強行し、県民を諦めさせる卑劣な企てを続けてきました。知事選でも、官邸主導で、権力を総動員し、公明党・創価学会を大動員し、空前の企業・団体の締め付けを行い、県民に襲いかかり民意を押しつぶそうとしました。しかし、そうした沖縄への強権がついに通用しなくなりました。逆に、県民の強い批判と怒りを呼び起こし、県民に包囲される結果となったのであります。 9月22日に開催された「うまんちゅ大集会」で、翁長前知事夫人の樹子(みきこ)さんは、「今度の選挙は静かに結果を待とうと思っていたけれども、日本政府のあまりのひどさ――権力を総動員して沖縄の民意を押しつぶそうとする日本政府のやり方に『何なんですかこれは』という気持ちでこの場に立った」と訴えました。この樹子さんの訴えは、玉城デニー候補の力強い決意表明とともに、県民の心を深くゆさぶり圧勝の流れをつくりました。 安倍政権は、力ずくで民意を押しつぶす強権政治は、沖縄ではもはや通用しないことを、知るべきです。県知事選挙で示された県民の意思を重く受け止め、辺野古の新基地建設を中止し、普天間基地の即時閉鎖・撤去に取り組むことを強く求めるものであります。 沖縄のようにたたかおう――大義の旗のもと結束し強権政治を打ち破ろう沖縄県知事選挙での勝利は、沖縄の基地闘争の新たな展望を開きました。また、それは、安倍政権への厳しい痛撃となって、政権の土台を大きく揺さぶりつつあります。それは、安倍政治の終わりの始まりとなりました。 国政5野党・1会派がそろって「オール沖縄」に連帯して知事選をたたかったことは、重要な前進です。「オール沖縄」の勝利は、全国の市民と野党の共闘にとっても、大きな希望を与えています。大義の旗を掲げ、そのもとに立場の違いをこえて互いにリスペクト(敬意)をもって結束し、あきらめず不屈にたたかい続けるならば、どんな強圧をもはねかえすことができる。このことを、「オール沖縄」のたたかいは教えているのではないでしょうか。 いま安倍政権が強行しようとしている憲法9条改定、消費税10%への増税、原発再稼働などは、どれをとっても国民多数が反対している問題であります。それを押し切って強権をふるえば、安倍政治がいよいよ深刻な破たんに追い込まれることは避けられません。 私は訴えたい。沖縄のようにたたかおうではありませんか。ひるむことなく明確な対決軸を示し、そのもとに結束してたたかい、あらゆる分野で安倍政権の強権政治を打ち破ろうではありませんか。 ウソ、隠蔽、差別の政治の破たん――政治モラルの劣化と退廃は底なしに第二は、ウソ、隠蔽(いんぺい)、差別の政治の破たんであります。安倍政権のもとで、政治モラルの劣化と退廃は底なしとなっています。 「正直な政治」という当たり前の主張が、痛烈な批判の代名詞に私は、今年のメーデーのあいさつで「ウソのない、正直な政治をつくろう」と訴えましたが、いまや「正直な政治」というあまりにも当たり前の主張が、安倍政治に反対する広範な人々の共通の思いになり、痛烈な批判の代名詞となっています。 森友・加計疑惑では、安倍首相のウソとつじつまをあわせるために、まわりがウソを重ね、情報を隠蔽し、公文書改ざんまで行われました。ウソと隠蔽の政治は、南スーダンPKOに派兵された自衛隊の「日報隠し」、「働き方改革」法をめぐるデータ捏造(ねつぞう)や隠蔽など、他の分野にも広く及んでいます。 これらの一連の問題が連続して引き起こされるもとで、どの世論調査でも、「安倍首相を信頼できない」という声が多くあがっています。あれこれの政策課題だけでなく、安倍首相の政治モラルに対して国民の深い不信と怨嗟(えんさ)がむけられているのであります。 人権侵害、女性差別の根本に、侵略戦争の肯定・美化という大問題がくわえて安倍政権特有の差別の政治にも、多くの国民の怒りが広がっています。 自民党の杉田水脈衆院議員が、LGBTのカップルは「生産性がない」などとした暴言を雑誌に寄稿しました。LGBTの人たちへの偏見をあおる重大な差別発言であるとともに、憲法に保障された個人の尊厳を冒涜(ぼうとく)する人権侵害の発言であります。にもかかわらず、当人から反省の言葉は一言もなく、安倍首相は「まだ若いから」と不問に付す許しがたい態度をとっています。 女性差別の言動も枚挙にいとまがありません。財務省事務次官のセクハラ事件と、その後の政府・財務省の対応は、麻生財務大臣の「被害者は名乗り出ろ」「福田の人権はなしか」などの発言をはじめ、セクハラ被害を受けている女性をおとしめる姿勢に終始しました。二階自民党幹事長が「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」と語るなど、子どもを産まない女性を否定する発言も相次いでいます。「女性の活躍」をあれだけ強調しながら女性閣僚の登用はたったの1人。この政権ほど女性蔑視がはなはだしい政権はないのではないでしょうか。 これらの人権侵害、女性差別の言動の根本に、安倍政権が、「日本会議」「神道政治連盟」など、過去の侵略戦争を肯定・美化し、歴史を偽造する極右勢力によって構成され、支えられているという大問題があります。男尊女卑、個人の尊厳の否定、個人の国家への従属は、どれもみなこの勢力が共有している時代逆行の思想にほかなりません。柴山文部科学大臣が、「教育勅語」を「現代的にアレンジ」して教えることも「検討に値する」とのべたこともきわめて重大であります。文科大臣失格といわなければなりません。 安倍政権が、どれだけ日本の政治モラルを堕落させてしまったかは、はかりしれないものがあります。にもかかわらずどの問題についても、真剣な反省は一かけらもありません。この点一つとっても、すみやかに退陣してもらう以外にないではありませんか。 「戦争する国づくり」の破たん――朝鮮半島の平和の流れと深刻な矛盾に陥る第三は、「戦争する国づくり」の破たんであります。 北朝鮮の「脅威」が「戦争する国づくり」の最大の口実だったこれまで安倍政権は、「戦争する国づくり」を進めるうえで、北朝鮮の「脅威」を最大の口実にしてきました。安倍首相が、安保法制=戦争法を強行するうえで前面に押し出したのが、「朝鮮有事への対応」でした。辺野古新基地を押し付ける理由にしたのも、朝鮮半島など「潜在的紛争地域」に対して距離的に近いということでした。「陸上イージス」の導入など巨額の税金を投じての大軍拡も、北朝鮮の「脅威」が口実とされました。そして、憲法9条改定も、北朝鮮の「脅威」など「日本をとりまく安全保障環境が厳しさを増している」ことが最大の理由とされました。 情勢の激変のもとで、「戦争する国づくり」は「根拠」を失いつつあるところがこの間、朝鮮半島をめぐって、対決から対話への歴史的な転換が起こりました。3回におよぶ南北首脳会談、初の米朝首脳会談によって、朝鮮半島の非核化と平和にむけた歴史的合意がかわされました。解決すべき課題は多く残されていますが、首脳間の合意でスタートした平和プロセスは簡単に後戻りするものではありません。何よりも重要なことは、今起こっている歴史的な激動の根本に働いている力は、戦争に反対し、平和を願う世界各国の民衆の力であるということであります。 こうした情勢の大激変のもとで、「戦争する国づくり」はその「根拠」を根底から失いつつあります。「陸上イージス」の導入予定地とされている秋田県と山口県の双方で、「北朝鮮情勢が変わっているのになぜ必要か」という批判が噴出しています。翁長前知事が辺野古新基地の埋め立て承認の撤回表明を行った7月27日の記者会見で強調したのも、「朝鮮半島の非核化と緊張緩和」への動きが起こるもとで、20年も前に決定された辺野古新基地を強行することは「平和を求める大きな流れからも取り残される」ということでした。重病をおしての最後の記者会見で、翁長前知事が世界に広く目をむけ、理性と道理にたった主張をしたことに、私は、あらためて敬意を申し上げたいと思います。 朝鮮半島で平和の激動が開始されたもとで、安倍政権が進める「戦争する国づくり」は、あらゆる面でいよいよ理屈が通らなくなっています。この道に固執することは、世界史的な平和の流れに、有害な逆流を持ち込むだけであることを、私は、厳しく指摘しておきたいと思うのであります。 経済、外交の総破たん――「アベノミクス」「安倍外交」は少しも「自慢」にならない第四は、経済、外交の総破たんであります。 安倍首相は、「アベノミクス」と「安倍外交」の二つを自身による大成果として自画自賛しています。聞く方が恥ずかしくなるような自画自賛ぶりであります。しかし、そのどちらも少しも「自慢」にはなりません。どちらも大失政そのものであります。 「アベノミクス」――暮らしと経済の土台で深刻な危機が累積している「アベノミクス」がもたらしたものは何か。安倍首相は、自分に都合のよいあれこれの数字をあげて自画自賛を繰り返しています。しかし、そんなにうまくいっているのであれば、なぜ、直近の世論調査でも、国民の8割以上が、「アベノミクスで景気回復の実感はない」と答えているのか。暮らしと経済が、根幹のところで深刻な危機に陥っているからとしか説明がつかないではありませんか。 日本経済の6割を占める家計消費は落ち込んだままです。安倍政権のもとで、家計消費は、2人以上世帯の実質消費支出でみて21万円減りました。この根本には、安倍政権のもとで、労働者全体(パートを含む)の実質賃金が18万円減ったという事実があります。消費と所得という暮らしと経済の土台が悪化しているのであります。 安倍政権のもとで貧困と格差がさらに拡大しました。安倍首相は、「相対的貧困率」の若干の「改善」をもって貧困が改善されたと宣伝していますが、「貧困ライン」自体が下がり続けており、そういうもとでは相対的貧困率が多少低下しても貧困の実態が改善されたとはいえません。何よりも、所得が最も少ない10%の層の実質所得が下がり続けており、ここにこそ貧困の実態が悪化したことが示されているのであります。貧困と格差の問題は、経済政策の成否を判定する最大のモノサシとなるものであり、それが悪化したことは「アベノミクス」の失敗を象徴しています。 「異次元金融緩和」によって、富裕層と大企業には巨額の富がころがりこみましたが、その一方で、財政と金融のゆがみがいよいよ拡大し、出口の見えない危険が高まっています。日銀が大量の国債を購入し続け赤字財政を下支えしてきた結果、国債残高の4割以上を日銀が保有するという異常事態となっています。年金積立金と日銀の「公的マネー」を株価対策に動員した結果、日本の代表的企業の84%で、この二つの「公的マネー」が筆頭株主になるという異常事態が生じています。 安倍首相があれこれの数字をならべて、どんなに取り繕っても、暮らしと経済の土台において深刻な危機が累積しているのであります。 「安倍外交」――対米でも対ロでも屈辱外交をウソでとりつくろうそれでは「安倍外交」の実態はどういうものか。「地球儀俯瞰(ふかん)外交」などと自画自賛していますが、日本の国益を損ねる深刻な事態が繰り返されています。 9月12日、ロシア・ウラジオストクで行われた「東方経済フォーラム」で、プーチン大統領が、安倍首相らを前に、「年末までに前提条件なしで(日ロ)平和条約を結ぼう」と呼びかけたのに対して、首相は一言の反論も異論も唱えませんでした。平和条約の締結は両国間の国境の公式の画定という意義をもち、「条件なし」での平和条約は、領土要求の全面放棄となります。ロシア側への全面屈服であり、とんでもない屈辱外交であります。安倍首相は、後になって「反論した」という言い訳をはじめましたが、ロシア側から「そのような事実はない」とただちに否定されました。何よりも「東方経済フォーラム」という多数の聴衆のいる前で一言の反論も異論も言わなかったことに、いかにだらしのない外交をやっているかが端的にあらわれました。 対米外交はどうか。9月26日、ニューヨークで行われた日米首脳会談では、これまでともかくも拒否してきた日米FTA(自由貿易協定)交渉を開始することで合意するという、重大な事態が起こりました。これは食料主権をはじめ日本の経済主権を身ぐるみ米国に売り渡す恥ずべき従属外交にほかなりません。 安倍首相は、合意した日米交渉は、「TAG」(物品貿易協定)交渉であって、「包括的なFTAとは全く異なる」と弁明しています。しかし、首脳会談で合意した日米共同声明の英文の正文を見ると、「TAG」という言葉はどこにもなく、FTA交渉開始の合意そのものであることは明瞭であります。安倍首相は、これまでのトランプ政権との交渉を「日米FTAの交渉や予備交渉ではない」と国会で答弁してきました。その発言との矛盾を糊塗(こと)するために、翻訳まで捏造し、ウソで国民を欺く。こんな卑怯(ひきょう)、卑劣なやり方はないではありませんか。 対米でも、対ロでも、外交的失態、屈辱外交を、ウソでごまかそうとする。このような政権に日本外交を担う資格は断じてありません。 安倍政権のもとでの経済、外交の総破たんの根底には、自民党政治の「二つのゆがみ」――異常な対米従属、大企業中心政治の行き詰まりがあります。それに大本からメスを入れる改革こそ、いま日本に強く求められていることを私は訴えたいのであります。 安倍政権を終わらせ、新しい政治をつくろう――三つの呼びかけみてきたように安倍政権は「1強」でも何でもありません。あらゆる面で破たんが噴き出し、落日が迫っています。ただし、どんなに破たんがひどくなっても、安倍首相が自ら辞めることはありえません。どんなにボロボロになっても、権力の座にしがみつき、国会での数の力を背景に、あくまでも暴走をやめようとはしないでしょう。それならば国民の力で引導を渡そうではありませんか。私は、そのために三つの点を訴えたいと思います。 第一に、あらゆる分野で、国民の切実な願いを掲げた国民運動を発展させ、安倍政権を包囲し、孤立させましょう。 第二に、市民と野党の共闘を発展させ、来年の参議院選挙で自民・公明とその補完勢力を少数に追い込みましょう。 そして、第三に、この戦後最悪の反動政権と正面から対決し、政治転換の大展望を示すわが日本共産党の躍進をかちとろうではありませんか。 国民運動の力、共闘の力、そして日本共産党の躍進で、戦後最悪のこの内閣を一刻も早く終わらせようではありませんか。 二、当面するたたかいの課題と日本共産党の立場報告の第二の主題として、来年の統一地方選挙、参議院選挙を展望して、当面するたたかいの課題と日本共産党の立場について報告します。来年の二つの全国選挙に共産党は何を訴えてたたかうかについて、基本的な方向を報告したいと思います。党大会決定、3中総決定を前提に、重点的にのべます。 安倍9条改憲阻止、「平和のための五つの緊急提案」常軌を逸した9条改憲への暴走――国民運動、共闘の力で断固阻止しようたたかいの最大の課題は、安倍首相による改憲策動を許さないことであります。 安倍首相の9条改憲への暴走ぶりは、常軌を逸したものとなっています。 首相は、総裁選をうけて、自分の任期中に改憲を強行する決意を示し、この秋の臨時国会に自民党改憲案を提起すると宣言しました。さらに首相は9月、自衛隊高級幹部会同での訓示で改憲への意欲を示しました。政治的中立を大原則とする実力組織の高級幹部への訓示で、その最高指揮官が憲法改定の持論をのべる。自衛隊を自らの野望のための道具にするつもりか。それがどんなに危険で異常なことかは明白です。閣僚に憲法尊重・順守を義務づけた憲法99条を蹂躙(じゅうりん)した言語道断の常軌を逸した暴走が続けられていることは、絶対に許すわけにいきません。 安倍首相は、「9条に自衛隊を明記する」だけであり、「自衛隊の権限・任務は変わらない」といいます。しかし、ひとたび憲法に自衛隊を明記すれば、戦力保持を禁止した9条2項の空文化=死文化に道を開き、海外での武力行使が無制限になってしまいます。 首相は、「自衛隊の違憲・合憲論争に決着をつける」といいます。しかし、自衛隊は、9条2項との厳しい矛盾、緊張関係に置かれていたからこそ、軍事力行使に強い抑制がかかり、「戦後一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出さない」となったのです。この矛盾、緊張関係を解き放してしまったら、自衛隊の軍事力行使の制約はなくなってしまいます。 首相は、「自衛隊員が誇りをもって任務を全うできるようにする」ためだといいます。しかし、海外の戦地で「殺し、殺される」戦闘にのぞむことに「誇りをもて」というのは、多くの自衛隊員のみなさんの初心にも反することではないでしょうか。 どの世論調査を見ても、自民党改憲案を秋の臨時国会に提起することに対して、国民の多数が反対しています。国民が望んでもいないのに、権力を握る政権・与党が、自らへの制約をとりはらう改憲議論を強引に推し進めることは、それ自体が立憲主義の乱暴な否定であり、絶対にやってはならないことであります。 「3000万人署名」を集め切り、国民の世論と運動、市民と野党の共闘の力で、このたくらみを断固阻止しようではありませんか。 「平和のための五つの緊急提案」いま政治に求められているのは、憲法を変えることでなく、憲法を生かした平和日本を築くことであります。 日本共産党として「平和のための五つの緊急提案」を行います。 1、安保法制をはじめ一連の違憲立法を廃止し、立憲主義・民主主義を取り戻す第一は、安保法制=戦争法、秘密保護法、共謀罪など、一連の違憲立法を廃止し、立憲主義と民主主義を取り戻すことです。安保法制によって自衛隊の姿が大きく変容しています。南スーダンPKOに派兵されていた自衛隊への「駆け付け警護」など新任務の付与、海上自衛隊による「米艦防護」や「燃料補給」の実施、日米共同演習の質量とものエスカレート、南シナ海やシナイ半島などへの新たな海外派兵の動きなどが相次いでおり、そのどれもが日本に新たな危険をもたらすものであります。安保法制=戦争法の廃止は、待ったなしの緊急課題となっています。 2、大軍拡計画を中止し、軍縮への転換をはかる第二は、大軍拡計画の中止と軍縮への転換をはかることです。防衛省の2019年度概算要求は実質総額で5兆5000億円超にふくれあがっています。ステルス戦闘機F35、オスプレイ、新型空中給油機、無人偵察機、長距離巡航ミサイルなど、「専守防衛」の原則すら逸脱した海外派兵のための武器購入は中止すべきです。トランプ大統領いいなりでの米国製兵器の「爆買い」は絶対に許されません。世界でも突出した在日米軍への「思いやり予算」はきっぱり廃止すべきであります。 3、在日米軍に異常な特権を与えている日米地位協定の抜本改定をはかる第三は、在日米軍に異常な特権を与えている日米地位協定の抜本改定をはかることです。米軍に、全国どこへでも部隊を自由に配備し、国内法も無視して自由に訓練するなどの異常な特権を与えている国は、世界でも日本だけです。沖縄県の翁長前知事の要請をうけ、今年7月、全国知事会は「日米地位協定抜本見直し」を求める「提言」を全会一致で採択しました。画期的なことであります。「提言」は、「日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記すること」を求めています。独立国としてあまりにも当然の要求ではないでしょうか。 MV22オスプレイの沖縄配備に続いて、この10月、CV22オスプレイが横田基地に配備され、超低空飛行を含む訓練を開始しました。CV22は、敵陣地に低空で侵入する強襲作戦などの特殊作戦を任務としています。その配備によって、横田基地がアジア・太平洋における米軍の特殊作戦の拠点とされたことはきわめて重大であります。事故多発の危険なオスプレイは、沖縄からも、本土からも、ただちに撤去することを強く求めるものであります。 4、「北東アジア平和協力構想」の実現に力をつくす第四は、北東アジア地域に、平和と安定のための多国間の安全保障のメカニズムをつくることです。すでに日本共産党は、2014年の第26回党大会で「北東アジア平和協力構想」を提唱しています。その一番要となる考えは、北東アジア規模でのTAC(友好協力条約)を結び、あらゆる紛争問題を平和的な話し合いで解決することを締約国に義務づけることにあります。これは難しい課題ではありません。すでに、2005年の「6カ国協議の共同声明」、2011年の東アジア首脳会議での「バリ原則」宣言などで、関係国はこうした方向に合意しています。いま進展している朝鮮半島の平和のプロセスが成功をおさめるならば、私たちの「北東アジア平和協力構想」が現実のものとなる可能性は大いにあります。この構想を実現させるために引き続き内外で力をつくす決意を表明するものです。 5、核兵器禁止条約に日本政府が署名、批准することを強く求める第五は、核兵器禁止条約に署名、批准することです。条約採択から1年余、核保有大国の妨害をはねのけて、署名国は69、批准国は19となり、近い将来の条約発効が見通せる情勢となりました。アメリカの最大の州――人口4千万を擁するカリフォルニアの州議会が核兵器禁止条約を支持する決議を採択するなど、核保有大国でも変化が起こりつつあります。日本でもすでに320以上の自治体で、核兵器禁止条約への調印・批准を日本政府に求める意見書が採択されています。唯一の戦争被爆国・日本の政府が、この流れに背を向ける恥ずべき態度を続けていいのかが厳しく問われています。私たちは、日本政府が、核兵器禁止条約にサインすることを強く求めます。サインを拒否するなら、サインする政府を国民の手でつくろうではありませんか。 消費税10%中止、「暮らし第一で経済を立て直す五つの改革」来年10月からの消費税10%は中止せよ――この一点での国民的大運動をいま一つの大争点は消費税の問題であります。 安倍首相は、来年10月から予定通り消費税を10%に増税するとの決意を表明しました。しかし経済の実態はどうか。深刻な消費不況が続き、貧困と格差が拡大しています。わが党は、所得の少ない人に重くのしかかる逆進性を本質とするこの悪税にはもともと反対ですが、いまの経済状況のもとでの消費税増税は論外です。増税を強行すれば、消費不況をいよいよ深刻にし、貧困と格差拡大に追い打ちをかける破局的な影響をもたらすことは必至であります。 くわえて複数税率導入にともなって4年間の経過措置後に導入を予定されている「インボイス」制度にも深刻な問題があります。この制度のために、500万ともいわれる免税事業者が取引から排除されたり、新たに納税義務と煩雑な事務負担を伴う課税業者にならざるをえなくなります。また、雇用契約がない請負労働者や建設職人などにも深刻な影響が生じます。「インボイス」の導入には、消費税増税には賛成の日本商工会議所を含めて、中小企業団体、商工団体がこぞって反対しています。 来年10月からの消費税10%は中止せよ――この一点での国民的大運動を起こすことを、この中央委員会総会の総意として、心から呼びかけたいと思います。 「暮らし第一で経済を立て直す五つの改革」日本共産党は、「暮らし第一で経済を立て直す五つの改革」を提案します。 1、賃上げと労働時間の短縮で、働く人の生活を良くする第一は、賃上げと労働時間の短縮で、働く人の生活を良くすることです。大企業の内部留保のごく一部を活用すれば、全労連などが掲げている「2万円のベースアップ」は十分可能です。賃上げそのものは労使交渉で決まるものですが、政治の責任で働く人の所得を増やす政策をとることが重要であります。 長時間労働の規制、「サービス残業」の根絶、「残業代ゼロ」制度の廃止を強く求めます。非正規雇用から正社員への流れをつくる規制強化、ブラック企業への規制強化を求めてたたかいます。中小企業への手厚い支援を行いながら、最低賃金を全国どこでもただちに時給1000円に引き上げ、1500円をめざします。これらの改革は、人間らしい労働を保障するとともに、働く人の所得を引き上げ、日本経済に大きな活力をもたらすでしょう。 2、子育てと教育の重い負担を軽減する第二は、子育てと教育の重い負担を軽減することです。教育に対する公的支出がGDPに占める割合は、日本は先進国34カ国のなかで最低であり、重い教育費負担が家計を圧迫しています。 安倍政権は、総選挙で「国難」とまで言って、幼児教育や保育の無償化を推進すると言いました。しかし、いくら保育の無償化を推進しても、認可保育所を増やさなければ待機児がいっそう増え、問題は悪化するだけではありませんか。認可保育所の増設と、それを可能にする保育士確保のため、保育士の待遇の抜本的改善を強く求めます。 憲法で「無償」とされている義務教育でも、制服代や教材費・給食費などの負担は重く、これらを含めた完全無償化を実施すべきです。高等教育の漸進的無償化という国際公約の実現にむけて、当面、大学授業料を半額にする、給付奨学金を70万人に拡充する、貸与奨学金はすべて無利子にするなどの改革に着手することを強く求めます。 3、社会保障の削減をやめ、充実へと転換する第三は、社会保障の削減をやめ、充実へと転換することです。安倍政権の社会保障費削減政策のもとで、社会支出――社会保障給付費に施設整備費など一部を含めたもの――の対GDP比は、2013~15年度の3年間にわたって連続して低下しました。こんなことは高度経済成長期、バブル期をのぞいて、どの内閣でもなかった異常事態です。その結果、年金、医療、介護、生活保護、障害者福祉など、社会保障の全分野で連続改悪が押し付けられています。社会保障の削減から拡充への政策転換を強く求めてたたかいます。 高すぎる国民健康保険料は、社会保障政策の矛盾の一つの重大な焦点となっています。国保は加入者の所得が低いにもかかわらず、保険料が一番高く、滞納が全加入世帯の15%に及ぶなど、構造的危機に陥っています。全国知事会は、この構造問題を解決するために、「1兆円の公費負担増」を政府に要望しています。当然の要望です。日本共産党は、国保料をせめて「協会けんぽ並み」に引き下げる、そのために国が公費負担を増やすことを求めて、広範な人々との共同を広げ、奮闘するものであります。 4、日米FTA交渉を中止し、経済主権・食料主権を尊重するルールを第四に、日本の経済主権、食料主権を投げ捨て、地域経済に深刻な打撃をもたらす日米FTA交渉の中止を求めます。9月の日米首脳会談で、日米FTA交渉を開始することで合意したことは、日本の農林水産業をきわめて深刻な危機に立たせています。このまま日米2国間交渉に引き込まれていけば、TPP交渉で譲歩した線が出発点となって、際限のない譲歩が迫られることは火を見るよりも明らかです。 譲歩と言った場合に、一番の犠牲とされるのは農林水産業です。アメリカが要求している農産物の輸入拡大は、安倍政権のもとで低下した食料自給率(38%)をさらに押し下げ、地域経済の柱である農業、それにかかわる加工・輸送業に致命的な打撃を与えることは必至であります。亡国の日米FTA交渉をきっぱり中止し、各国の多様な農業の共存、食料主権を尊重するルールを確立することを、強く求めてたたかおうではありませんか。 5、巨額のもうけがころがりこんでいる富裕層と大企業に応分の負担を第五に、子育て・教育や社会保障のためには多額の財源が必要となりますが、わが党は、消費税に頼らない財源提案を繰り返し明らかにしてきました。その中心は、富裕層と大企業に応分の負担を求めるということですが、そのことは「アベノミクス」のもとで富裕層と大企業に空前のもうけがころがりこんでいる今、いよいよ当然の主張となっています。 保有株式時価総額1000億円以上の超大株主が保有する株式の時価総額は、安倍政権の5年9カ月で3・5兆円から17・6兆円へと5倍にも膨れ上がりました。大企業の純利益は、この5年間で19兆円から45兆円へと2・3倍にも膨れ上がりました。 税金は負担能力に応じて――応能負担の大原則にたつならば、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革こそ、いま取り組むべき最優先の課題であることは明らかではありませんか。 「原発ゼロ」、分散型・再生可能エネルギーの大規模普及を北海道大地震が示したもの――原発は「電力の安定供給」という点でも失格原発問題も、当面するたたかいの一大争点です。 安倍内閣は、今年7月に決定した第5次エネルギー基本計画で、2030年度に電力の20~22%を原発から供給することを目標とすると言い放ちました。これをやろうとすれば、福井県・美浜原発3号機や茨城県・東海第2原発など老朽原発を含む既存のすべての原発、これから本格建設となる青森県・東京電力東通原発を含めて、既存・建設の38基の原発をすべて稼働させることになります。 世論調査では原発の再稼働反対が6割に達しています。深刻な事故の再発に「懸念が残る」とする人が8割を超え、「原発ゼロ」――「即時ゼロ」と「将来ゼロ」をあわせて――を求める人が75%に達しています。未来永劫(えいごう)、原発にしがみつこうという安倍政権の姿勢は、国民世論への重大な挑戦といわなければなりません。 9月6日に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震では、全道が停電するブラックアウトが起き、電気事業の災害に対する脆弱(ぜいじゃく)性、無責任さが露呈しました。地震発生時の電力需要量の半分を苫東厚真(とまとうあつま)石炭火力発電所の3基が一手に供給しており、その3基が停止したことで全道停電が起こりました。北海道大停電が示した重大な教訓は、電力の安定供給のためには、大規模集中発電から分散型への転換が必要だということでした。 そして、全道停電という事態は、原発頼みのエネルギー政策の新たな危険性を浮き彫りにしました。原発の特徴は、大出力でかつ出力の調整ができないことであり、分散型とはまったく逆方向の大規模集中発電の最たるものであります。原発は、震度5程度の地震で自動停止します。かりに泊原発が稼働していて、その近くの活断層による地震が発生すれば、原発そのものに地震による損傷がなくても、原発が緊急停止し、全道停電が起こるリスクはいっそう大きかったでしょう。原発は、「電力の安定供給」という点でも失格だということが明らかになったのではないでしょうか。 再エネの立ち遅れの最大の原因は、原発と石炭火力への固執にある世界の流れは、脱炭素、再生可能エネルギーであります。再生可能エネルギーの導入コストも急速に下がっています。再生可能エネルギーは地域密着型であり、地元経済への波及効果も大きい。ところが日本の立ち遅れは著しいものがあります。 米カリフォルニア州は、発電量に占める再生可能エネルギーの割合は2016年実績で40%、2030年目標は50%です。ドイツは、実績で29%、2030年目標は50%です。中国は、実績で25%、2020年目標は35%です。ところが、日本は、実績で16%、安倍政権の再生可能エネルギー割合の目標は、2030年度までに22~24%にとどまっています。立ち遅れの最大の原因は、原発や石炭火力に固執していることにあります。この障害をとりのぞいてこそ再生可能エネルギーの大規模普及の道が開かれることを強調したいと思います。住民の安全と環境への配慮を行いながら、思い切ったエネルギー転換をはかるべきであります。 この間、国民の運動に後押しされて、「原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案(原発ゼロ基本法案)」を野党4党の共同提案として国会に提出しました。すみやかに本格審議を行うことを強く求めたいと思います。この法案も力にして、「原発ゼロの日本」、再生可能エネルギーの本格導入への転換をかちとろうではありませんか。 災害の危険から国民の命を守る――従来の延長線上でない抜本的対策をあいつぐ大災害――背景に地震活動の活発化、地球規模での気候変動がこの間、大災害があいついでいます。 地震では、大阪北部地震、北海道胆振東部地震が起き、豪雨・台風災害では、西日本豪雨災害、台風21号などで大きな被害が生じました。災害なみの猛暑も猛威をふるいました。東日本大震災、熊本地震など大地震が相次ぎ、日本列島の地震活動が活発化しているという指摘もあります。風水害の激甚化などの背景に地球規模での気候変動があることは否定できません。 個々の災害における被災者支援に全力をあげるとともに、地震と津波、台風・豪雨災害、火山災害など、自然災害が多発する日本列島において、国民の命と財産を守ることが政治の要であることを明確にし、政治が本腰を入れた対応を行うことが強く求められています。学者・専門家、自治体・医療・福祉関係者をはじめ、国民の英知を結集して、従来の延長線上ではない抜本的対策を行うことを提唱したいと思います。 防災・減災・救援・復興――直面するいくつかの課題について防災・減災・救援・復興という角度から、いくつかの課題を列挙します。 ――公共事業のあり方の抜本的な転換を検討すべきです。「国土強靱(きょうじん)化」を掲げながら、相変わらず大型開発優先で、防災・老朽化対策は事実上後回しでいいのかが問われています。橋やトンネル、学校や病院など、公共施設の多くが建設後50年を経過する時期を迎えます。防災面でも老朽化対策は最重要課題の一つであります。公共事業を大型開発、新規事業優先から、防災と老朽化対策に重点を移すことが必要であります。ダム偏重の治水政策を見直し、堤防の強化などをはかることもこの間の重要な教訓であります。 ――気象、地震、火山などの観測体制の抜本的な強化は、防災対策の土台であり、大前提です。また、災害にあたって、住民に正確な情報の提供をどのようにして行うか、避難についての的確な方針をどのようにつくるか、それを実施する体制をどう築くかなど、災害による被害を最小限に食い止めるために、あらゆる英知を結集する必要があります。 ――消防や自治体など地域の防災力を高めることも、重要な課題です。消防職員は、政府がつくった不十分な「基準」にてらしても、充足率77・4%で、5万人近く足りません。自治体の広域合併と公務員の削減で、災害対策の最前線が弱体化しています。抜本的対策が強く求められます。 ――住民を支える医療・福祉の体制を、災害対策という角度からも見直すことが必要です。災害時に、住民の命を守るうえで、日常からの医療・福祉の体制が重要になることは、これまでの痛切な経験でも明らかです。災害から命を守るという点でも、社会保障の切り捨て政治を続けていいのかが厳しく問われます。 ――被災者支援、復旧・復興への公的支援を抜本的に強化することを本格的に検討すべきであります。被災者と被災地への公的支援は、「私有財産の再建は支援しない」などの壁を完全に取り払い、生活と生業(なりわい)の再建に向けて、自力で歩きだせるまで適切な支援を行うことを原則にすべきであります。 「災害の危険から国民の命を守る」――この一点で、中央段階でも、それぞれの地方段階でも、政治的立場の違いを超えて、広く関係者、専門家を招き、シンポジウムなどを行い、ほんとうに“災害に強い国”をつくるために知恵と力をあわせることを提唱するものであります。 三、参議院選挙、統一地方選挙をたたかう方針について報告の第三の主題として、参議院選挙、統一地方選をたたかう方針についてのべます。この二つの全国選挙の目標と方針は、すでに党大会決定、3中総決定、4中総決定で明らかにしています。それを前提に、いくつかの重視すべき点を報告します。 参議院選挙、統一地方選挙の歴史的意義――野党連合政権をつくる第一歩に「共闘勝利プラス共産躍進」で自公とその補完勢力を少数に追い込む来年の連続する二つの全国選挙――とくに参議院選挙は歴史的意義をもつたたかいとなります。 私たちは、3中総決定で「自民・公明とその補完勢力を少数に追い込む」ことを、わが党としての参院選の目標として確認しました。これは、改選議席で彼らを少数に追い込むことにとどまらず、非改選議席を含めた参議院全体で少数に追い込み、与野党逆転をかちとろうという目標であります。 それをやりきるカギは二つです。一つは、市民と野党の「本気の共闘」の成功です。来年改選となる全国32の1人区のうち自民党は31議席を持っています。「本気の共闘」をつくりだすことができれば、大規模な変動が可能となります。いま一つは、日本共産党の躍進であります。その軸となるのは「850万票、15%以上」の比例目標をやりぬき、比例で7人以上の当選をかちとることです。それと一体に、選挙区では現有3議席を絶対に守り抜き、議席増をめざしてたたかいます。 「共闘勝利プラス共産躍進」によって、自公とその補完勢力を参議院で少数に追い込む。そうなれば、衆参の間に「ねじれ」をつくりだし、政局の主導権を野党が握ることができます。野党が主導して、解散・総選挙に追い込み、衆議院でも自公とその補完勢力を少数に転落させ、野党連合政権に道を開く。そのことに本気になって挑戦する選挙にしていくことを、私は、心から呼びかけたいと思います。 自民党政治を終わらせ、政権交代をはかる――この大志をもってたたかおう安倍政治があらゆる面で大破たんに陥っており、一刻も早く退場させなければならないことは冒頭に訴えた通りであります。同時に、安倍政権を倒しても、自民党の中での「内閣たらいまわし」ですませるわけには断じていきません。強権と堕落の安倍政権を6年も支えてきたという点では、自民党も同罪ではありませんか。 自民党政治そのものを終わらせて、本当の意味での政権交代をはかる――この大志をもってたたかうことが、いまの政治の閉塞(へいそく)打破を願う多くの国民の思いにこたえる道ではないでしょうか。参議院選挙をその第一歩にしていこうではありませんか。 連続選挙にのぞむ基本的構え――二つの構えを一体的に貫く統一地方選挙と参議院選挙が連続してたたかわれるのは、12年ぶりのことになります。連続選挙にどういう基本的構えでのぞむか。二つの構えを一体的に貫くことを訴えます。 統一地方選で前進・躍進をかちとることを党活動の前面にすえる第一は、統一地方選挙があと5カ月に迫るもとで、最初の関門となる統一地方選挙で日本共産党の前進・躍進をかちとることを党活動の前面にすえ、勝利にむけてやるべきことをやりぬくことであります。 前回の統一地方選でわが党は、前・後半戦ともに躍進し、都道府県議空白をなくすという党史上初の快挙をなしとげました。この地歩を守り、さらに前進・躍進をかちとることは容易なことではありませんが、この関門を突破するなら大きな展望が開けてきます。 統一地方選で党の躍進をかちとることができれば、それぞれの自治体で福祉と暮らしを守る力を大きくすることはもとより、直後に行われる参院選での党躍進への流れ、勢いをつくりだすことができます。同時にそれは、参院選での市民と野党の共闘を成功させる大きな力となるでしょう。 段階論に陥らず「比例を軸に」すえた参院選での躍進を一貫して追求する第二は、「参院選は統一地方選が終わってから」という段階論に絶対に陥ることなく、「比例を軸に」すえた参院選での躍進を一貫して追求することであります。 各党は、統一地方選を、参議院選挙の前哨戦と位置づけ、統一地方選と参院選を一体にした取り組みを激しく展開しています。そのときに、わが党が、「参院選は統一地方選が終わってから」という段階論に陥ったら、わが党の活動が狭い受け身のものに陥り、統一地方選での勝利も、参院選での勝利も両方とものがすことになってしまいます。 「比例を軸に」すえた参議院選挙での躍進を、統一地方選挙の取り組みと同時並行で、一貫して追求してこそ、連続選挙での勝利の道が開かれます。このことを肝に銘じて奮闘しようではありませんか。 4中総決定では、得票目標について、「統一地方選でも、参院選でも、『850万票、15%以上』に見合う目標に一本化し、これに一貫して挑戦しよう」と提起しました。「二重目標に陥らず得票目標を一本化する」――この点を、名実ともに貫いてたたかうことを重ねて訴えるものです。 参院選での市民と野党の共闘――政党間の真剣な協議を呼びかける安倍政権の命運は、野党が「本気の共闘」をするかどうかにかかっている参院選での市民と野党の共闘について報告します。 総選挙後、市民と野党の共闘は重要な前進を記録しています。今年の通常国会では、野党5党1会派による国会共闘が画期的に発展し、政権を追い詰め、多くの成果をかちとりました。原発問題や、沖縄米軍基地問題などで、野党間の政策的合意が広がったことも重要な前進であります。 何よりも沖縄県知事選挙は、野党が、大義のもとに一つにまとまり、心一つにたたかえば、安倍政権を打ち破ることができることを示しました。この流れを、参院選では、全国に広げようではありませんか。安倍政権の命運は、ひとえに野党の対応――野党が「本気の共闘」をするかどうかにかかっている、野党が本気で結束すれば安倍政権の命運を断つことができることを、私は強調したいと思うのであります。 日本共産党は、参議院選挙において、全国32の1人区で、今度こそ「本気の共闘」――(1)豊かで魅力ある共通公約をつくる、(2)本格的な相互推薦・相互支援を行う、(3)政権問題で前向きの合意をめざす――この3点をふまえた「本気の共闘」を実現するために全力をあげます。複数区と比例区では、わが党は、他の野党と競い合ってたたかい、自公とその補完勢力に打ち勝つという方針でのぞみます。32の1人区で「本気の共闘」が実現すれば、そのうねりは複数区、比例区にも連動し、安倍政権を大敗に追い込むことが必ずできるでしょう。それは野党の国民に対する責任であります。 「共闘」に対する考え方をぶつけ合う政党間の率直で真剣な協議を参議院選挙にむけて、この間、各野党が、「1人区では候補者の一本化が必要」という点で足並みがそろったことは重要であります。 同時に、単なる「すみわけ」にとどまるのではなく、「本気の共闘」にしていくためには、市民連合のみなさんと緊密に協力しつつ、政党が責任をもって政党間の真剣な協議を行うことがどうしても必要です。 「一本化」に対する考え方、「共闘」に対する考え方は、それぞれの野党で異なる点もあるでしょうが、それをぶつけ合うことも含めて、政党間の率直で真剣な協議をすみやかに開始しようではありませんか。そのことを心から呼びかけたいと思います。 1人区の予定候補者は、自らが「野党統一候補」になる構えで奮闘をここで、すべての1人区の日本共産党の予定候補者、それを支える党組織のみなさんに訴えます。野党共闘の協議の「様子見」にならないで、日本共産党公認候補としての誇りをもって、遠慮は決してしないで、自らが「野党統一候補」になる構えで、元気いっぱい躍進の先頭に立っていただきたい。そのことが、日本共産党の躍進にとっても、市民と野党の共闘の前進にとっても大きな力となることを、熱い連帯のエールをこめて訴えたいと思うのであります。 統一地方選――地方政治の現状と、たたかいの基本的な構え安倍政権の“地方壊し”に自治体がどう立ち向かうかが大争点次に地方政治の現状と、統一地方選挙にのぞむ基本的な構えについて報告します。 安倍自公政権は、地方政治に対して、「国際競争力」の名のもとに、大都市圏環状道路、国際戦略港湾、国際拠点空港の整備などを押し付けています。多くの自治体で、不要不急の大型事業、大規模開発が大問題となっています。また、一連の自治体で、カジノ誘致が大問題になっています。 その一方で、医療や介護など福祉施策の後退が、多くの自治体で深刻な問題となっています。安倍政権が強行した「国保の都道府県化」は、国保料(税)のさらなる大幅引き上げの危険をつくりだしています。中枢中核都市に集中投資して近隣市町村をさびれさせる「広域連携」、都市部での中心市街地への開発と立地の集中、公共施設の統廃合、上下水道の広域化と民間委託の押し付けなども、住民の暮らしへの深刻な打撃となっています。 安倍自公政権がやっていることは、「地方創生」どころか、「住民の福祉のための機関」としての自治体の機能を破壊する“地方壊し”の政治にほかなりません。 こうした政治に自治体がどう立ち向かうか――政府の出先機関のような役割を果たすか、それとも「住民の福祉を守る」という自治体本来の役割を果たすかが、統一地方選挙の大きな争点であります。 「自公対日本共産党」を対決構図の基本にすえ、政策・実績・役割を押し出すこうしたもとで地方政治における政党状況はどうなっているでしょうか。国政課題については、国政野党のみなさんと、地方議員の段階でも、全国各地でさまざまな共同の広がりが生まれていることは重要であります。同時に、地方政治においては、都道府県、政令市、県庁所在地をはじめ地方自治体の大多数で、依然としてわが党をのぞく「オール与党」政治が継続しているというのが実態であります。 そうしたもとで、統一地方選挙では、「自民・公明対日本共産党」を対決構図の基本にすえ、日本共産党地方議員(団)の政策・実績・役割を押し出すことを、政治論戦の基調にして大いにたたかいます。 全国で2770人のわが党議員団は、住民の利益を守る立場から行政をチェックするとともに、住民要求を議会にとどけ、子どもの医療費無料化の拡大、学校給食の無償化、国保料の抑制など、政治を動かす成果を住民運動との共同でかちとっています。前回の統一地方選挙で、すべての都道府県議会で空白を克服したことは、災害救援への対応、住民要求実現、議会の民主的運営などの点で、様変わりの状況をつくっています。そうしたわが党議員団の宝の値打ちを大いに押し出して、激戦を勝ち抜こうではありませんか。 なお、国政における共闘が発展するもとで、自治体レベルでもまだ部分的ですが野党共闘につながるさまざまな動きが起こっています。それぞれの自治体のあり方を「住民が主人公」の方向に転換させる政策的一致が得られた場合には、共闘の実現にむけて積極的に対応するようにします。 選挙戦をどうたたかうか(1)――選挙勝利のための独自の諸課題の推進を選挙戦をどうたたかうか。二つの角度から訴えをしたいと思います。 一つは、来年の連続選挙勝利のための独自の諸課題を推進することです。選挙勝利のための臨戦態勢をただちに確立し、勝利のためにやるべきことを、やるべき期日までにやりぬく取り組みに、ただちにとりかかることを強く呼びかけるものです。 その大前提としてすべての予定候補者を一刻も早く決めるようにしたいと思います。候補者決定で苦労されているところも少なくないと思いますが、いまいる同志のなかで、移住も含めて、最良の同志に候補者になってもらうよう、みんなでよく話し合う――この立場でいそいで力をつくすことが大切であります。 選挙勝利のための独自の諸課題では次の諸点をやり抜くことを訴えます。 ――すべての支部・グループが、生きた政治目標、「850万票、15%以上」にそくした得票目標を決め、それを達成することをあらゆる党活動の軸にすえ、日常的・意識的に追求しましょう。 ――草の根の要求実現の運動の先頭に立ち、国民との結びつきを豊かに広げながら、選挙をたたかいましょう。国政の諸課題とともに、日常的な地域、職場、学園の要求実現の運動に参加し、先頭に立って奮闘しましょう。 ――全有権者を対象とした大量宣伝を日常化し、強化しましょう。伝えたい相手に敬意をもち、生きた言葉で語りかけ、対等な目線で語り合うという姿勢を大切にしましょう。インターネット・SNSでの発信・活用をさらに抜本的に強化しましょう。 ――結びつき・つながりを生かして対話・支持拡大運動をすすめる「選挙革命」を大規模に発展させましょう。「マイ名簿」「声の全戸訪問」「折り入って作戦」など、試されずみの活動に大いに取り組みましょう。 ――「市民・国民とともにたたかう」壮大な選挙戦に挑戦しましょう。日本共産党後援会の活動を、いまわが党に注目をよせ応援しようという人々が、参加しやすい活動へと改善するとともに、後援会員のみなさんとの温かい結びつきを政治的にも人間的にも強め、抜本的に強化しましょう。「JCPサポーター」の取り組みを成功させましょう。 ――「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」を選挙活動、党活動全体を発展させる推進軸と位置づけ、日本列島の津々浦々で開きましょう。党創立記念講演(ダイジェスト)DVDも使い、日本共産党を丸ごと知っていただき、積極的支持者を日常的に増やす活動を、「集い」を軸に大いに進めましょう。 ――選挙をたたかう募金を広く訴えてたたかいましょう。財政面でも市民・国民とともにたたかう選挙にしていこうではありませんか。 やるべきことは明瞭です。問題はやることです。ぜひこの中央委員会で“ギアチェンジ”をして、「いよいよ選挙態勢だ」というところに切り替えて、やるべきことをやり抜くことを心から訴えたいと思います。 選挙戦をどうたたかうか(2)――「3割増」に挑戦、党勢の上げ潮のなかで勝利を二つ目に訴えたいのは、選挙戦のなかでこそ党勢拡大をということです。選挙勝利のために全有権者規模の宣伝・対話に取り組み、日本共産党の風を大いに吹かせながら、それと一体に党員拡大を根幹とした党勢拡大を前進・飛躍させ、党勢の大きな上げ潮のなかで連続選挙の勝利をつかむことを訴えます。 「特別月間」の取り組みの結果――連続後退から前進へ転じた6月11日に開催した第4回中央委員会総会が提起した「参議院選挙・統一地方選挙躍進 党勢拡大特別月間」の取り組みによって、4カ月で、新たな入党承認で4355人、「しんぶん赤旗」読者は、日刊紙で844人増、日曜版で6691人増、電子版(日刊紙)が2000人を超えて新しい層に広がり、あわせて約1万人の読者が増えました。『女性のひろば』は党大会時から21カ月連続の増勢で、5000人強の読者増となりました。 「特別月間」の目標は、全党的には達成できませんでしたが、党勢の連続後退から前進へと転ずることができたことは貴重な成果であります。党創立記念講演などを力に、党綱領を学び、党綱領を語って党勢拡大を前進させる機運が強まったことは重要であります。昨日の幹部会でも、目標を達成できなかったことは今後の課題ですが、今後につながるいろいろな発展の“芽”をつくったということが語られました。 全党の同志のみなさんは、記録的な猛暑、災害への救援などの条件のもとで大奮闘されました。沖縄県・翁長前知事の急逝にともなう県知事選挙にさいしては、全党が、沖縄県知事選勝利と「特別月間」成功を「二大課題」としてたたかいました。私は、幹部会を代表して、全党の同志のみなさんの大奮闘に心からの敬意と感謝を申し上げるものです。また、新たに入党された同志のみなさんに、心からの祝福と歓迎のメッセージを送ります。 なぜ「3割増以上」か――この間の全国選挙の最大の教訓「特別月間」で開始された党勢の前進の流れを、絶対に中断させることなく、来年の連続選挙にむけて、持続的に発展・飛躍させることが強く求められます。党勢拡大の目標については、来年の参議院選挙を「前回参院選時比3割増以上」の党勢でたたかうという4中総で決めた目標を断固堅持して実現をめざして奮闘することを呼びかけます。そのさい、前回参院選時回復・突破をいつまでにやり切るかを、「3割増」に向かう「中間目標」としてそれぞれの党組織ごとに決めるようにしたいと思います。 なぜ「3割増以上」か。この間の選挙戦の教訓に照らしても、その意義は明瞭であります。わが党は、2013年参院選、14年総選挙、15年統一地方選挙などで躍進をかちとりました。これらの一連の躍進は、全国の党員と後援会員の大奮闘のたまものですが、同時に、わが党をとりまく客観的条件が有利に働いたという面もありました。私たちは「この結果は実力以上のもの」と総括しました。2017年総選挙は、突然の逆流から共闘をかろうじて守り発展させることができましたが、党は悔しい後退をきっしました。その最大の教訓は自力の不足にありました。野党共闘の時代という新しい情勢を切り開くためには、またどんな難しい条件のもとでも党の前進・躍進をかちとるためには、党の自力をつけることがどうしても必要であります。そのことを、この間の一連の選挙戦の最大の教訓として肝に銘じ、「3割増以上」に挑戦しようではありませんか。 「3割増以上」をどうやりとげるか――「特別月間」の教訓を全党のものに党勢の「3割増以上」をいかにしてやりとげるか。これは一部の党組織の先進的奮闘だけでは達成することはできません。法則的な党建設の流れを、全支部、全党員のものにすることが必要です。 党中央として、「特別月間」の取り組みから教訓をひきだす作業を重ねてきましたが、そこで浮かびあがってきたことは、第27回党大会決定が明らかにした党建設発展の方向にこそ、強く大きな党をつくる大道があるということでした。 ――一つは、支部を直接指導・援助する地区委員会活動を強化することです。「特別月間」で先進的役割を果たした地区委員会では、参院選、統一地方選の政治目標、得票目標、党勢の「3割増以上」の目標について、繰り返し本音で、得心がいくまで議論し、地区党全体のものにしています。地区委員会が支部に入り、ともに実践し、「対象者がいない」「迎えても育てられない」「配達・集金ができない」などの悩みを乗り越える援助を行っています。すべての地区役員、地方議員・候補者が力を発揮できるよう、民主的な機関運営の努力を強め、チームワークの力が発揮されています。 ――二つは、「楽しく元気の出る支部会議」を広げ定着させることです。こうした努力を払っている支部では、支部活動自体の魅力が、党員を増やす大きな力となっています。また、支部会議で、結びついている友人、知人の願いを語り、出し合うなかで、「対象者がいない」などの悩みが前向きに解決されています。さらに、迎えた新入党員が、新入党員教育を修了し、「党生活確立の3原則」にもとづいて生きいきと活動する保障となっています。「楽しく元気の出る支部会議」に取り組んでいる支部では、短期間に、党員を3人、5人と迎えている支部も少なくありません。こうした支部を全党に広げるために、たゆまず努力しようではありませんか。 ――三つは、労働者階級、若い世代のなかでの党づくりという点では、党機関とその長が、いかなるときでもこの課題を握って離さない断固たるイニシアチブを発揮することが決定的に重要であります。東京では、民青同盟拡大がとりわけ学生分野で大きく前進しました。その要因はさまざまですが、党大会後の都党会議で、都委員長を責任者とする学生対策会議を立ち上げ、大学が多いか学生支部のある10地区を対象に、各地区委員長、都青年学生部、民青都委員長が参加し、昨年2月から毎月第2火曜日に会議を続けています。こうした機関の長を先頭にしたイニシアチブが前向きの変化をつくり出しています。職場支部でも、党機関のイニシアチブで、「2018年職場問題学習・交流講座」の内容を力に、労働者のなかでの党づくりで新たな前進をつくっている経験が生まれています。先進的経験に大いに学びたいと思います。 統一地方選挙、参議院選挙を、党勢拡大の大きな高揚のなかでたたかい、今度こそ「党を強く大きくして選挙に勝った」という総括ができるよう、お互いにあらゆる知恵と力をつくそうではありませんか。 「しんぶん赤旗」の安定的な発行のために協力を訴える最後に一つ、訴えをします。「しんぶん赤旗」は、この間の部数減による赤字の拡大、編集体制の弱まりの両面から、安定的に発行を続けることに困難が生まれています。今日の情勢のもとで「しんぶん赤旗」が果たしているかけがえのない役割にてらしても、その安定的な発行を全党の力で保障することが必要です。この面からも、「赤旗」読者の拡大を位置づけるとともに、各都道府県から「赤旗」記者に応募する同志を送っていただくことを心から訴えるものであります。 四、選挙必勝への臨戦態勢をただちに確立し、打って出よう報告の最後に、党支部も党機関も、選挙勝利をめざして、特別の臨戦態勢をただちに確立し、国民のなかに打って出ることを、強く訴えるものです。 党支部にとって臨戦態勢をつくるとは、週1回の「楽しく元気の出る支部会議」の開催を軸に、すべての党員が活動に参加できるように、温かい人間的連帯で結ばれた連絡・連帯網をつくることであります。 党機関にとって臨戦態勢を確立するとは、県・地区機関の指導体制を維持しながら、統一選対と候補者ごとの個別選対の体制確立をはかり、すべての支部に援助の手がとどくように、非常勤の役員、ベテラン党員、選挙ボランティアなど、党のもつあらゆる潜在的な力を総結集することであります。 そういう全党決起のための特別の臨戦態勢をただちに確立することを心から訴えます。 今年から来年にかけてのたたかいは、憲法9条改憲を許すかどうかを最大の焦点として、日本の命運がかかった歴史的たたかいとなります。 全国すべての同志のみなさんが、後援会員のみなさんと手を携えて立ち上がり、統一地方選挙と参議院選挙で必ず連続勝利をつかもうではありませんか。大破たんした安倍政治を終わらせて、希望ある新しい政治をつくるために、一人ひとりの持てる力を発揮して元気いっぱいたたかいぬくことを熱く訴えて、報告といたします。
by daisukepro
| 2018-10-15 21:33
| 政治
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