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日本の労働者と外国人労働者の連帯でたたかおうではないか。戸塚章介「明日のうた」より転載

 

明日へのうた

本3日付の『毎日』は外国人労働者の在留資格に関する記事が満載だ。「外国人材 初年度4万人想定」「改正法案閣議決定」(1面トップ)。「外国人材拡大 急ごしらえ新制度」「詳細なお不透明」「財界、人手不足で待望」「異論残し見切り発車」(2面「クローズアップ2018」)。

 「野党、改正案『不備』」「外国人労働者 対象業務など未定」(5面)。そして同面の社説では「就労外国人 入管法改正案」「これで支援ができるのか」「生活者の視点は後回し」「負の現状直視して」と技能修習生問題を正面に据えて、政府案に批判的な姿勢で論じている。「外国人材 業界で差 入管法改正」「暗 コンビニ 在留資格認定難しく」「明 外食 調理、専門技能には理解」(7面経済欄)。

 「歓迎と不安と」「外国人材拡大 人口減対策に定住促進」「付き合いなくトラブルも」「教育環境の整備を」(第二社会面)。さらに識者のコメントとして「共生社会の基本法策定を(近藤敦名城大教授)」「中長期的な視点が必要だ(野村敦子日本総研主任研究員)の二つを紹介している。

 おれが少し気になったのは従来の「外国人労働者」という呼び方に加えて「外国人材」「就労外国人」という呼び名が出てきたことだ。「労働者」という資本主義発足以来の階級を表す言葉が「人材」とか「就労」とかに置き換えられるというのはどういうことなのだろう。おれには心配の種だ。

 今、戦時中の韓国人徴用工への損害賠償が問題になっている。徴用工はいわば昔の外国人労働者である。今と違うのは日本に強制的に連れてこられたという点だ。それだけ悪質なのだが、日本政府や働かせる側の企業の考えは今も昔もちっとも変っていない。要するに必要なのは労働力であって、労働者の人間としての価値は一考だにしない。人間性否定の論理なのだ。

 技能実習生には職業選択の自由も、家庭を持つ自由も、住所変更の自由もない。これは戦時中の徴用工と同じではないか。人手不足解消のために外国人労働者に働いてもらうのなら、まず労働者=人間としての権利を保証するのが第一にやるべきことではないか。それが国としての最低の責務だと思う。

 このまま財界主導の外国人労働者拡大を許すなら「21世紀の徴用工」を生むことになる。日本の労働者と外国人労働者の連帯でたたかおうではないか。


by daisukepro | 2018-11-05 07:12 | 労働運動


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