宇宙航空研究開発機構(JAXA)は二十二日、探査機はやぶさ2が午前七時二十九分、小惑星りゅうぐうへの着陸に成功したと発表した。六月までにさらに最大二回の着陸を計画、一回は表面に人工クレーターを作り、地下の岩石を採取する。小型探査ロボットの放出も予定する。数々の失敗を経験した初号機を超える成果を目指し、探査は正念場を迎える。
今回の着陸では、直後の画像撮影に成功した。上昇した際にエンジン噴射でできたとみられる黒い跡や舞い散った砂のようなもやが写っており、探査機に内蔵した容器の中に試料が入った可能性が高いという。
次の注目は、小惑星の表面に人工クレーターを作る実験だ。重さ約二キロの銅の塊を高速でぶつけ、地下を露出させる。風化や汚染が少なく、昔の太陽系天体の特徴をよりよく残した物質が得られると期待されている。
このほか、探査機から小型探査ロボット「ミネルバ2」を放出し、小惑星に着陸させる。三台搭載したロボットのうち、二台は昨年九月に放出。東北大や山形大などが開発した三台目は、重力が極めて小さい小惑星で複数の移動方法を試す予定だが、機器の不具合が起きており、完遂には困難も予想されている。
すべて終え、地球帰還の旅路に就くのは今年末の予定だ。