福井県の水産高校を中退し、「社会問題に関心はなかった」という村本さん。


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ニュース番組出演を機に新聞を読み始め、友人でジャーナリストの堀潤さんから沖縄の歴史を学んだ。

 「沖縄戦で10代の少年が銃を持たされ、今も米軍基地の7割が集中する。それは理不尽。年末、安倍晋三首相は翁長雄志知事とは会わないが松本人志とは会ってる。ごっつ嫌な感じ。日本にとって沖縄は何なのか」

 大みそかの討論番組「朝まで生テレビ」に出演した村本さんは憲法9条に絡み日本の「非武装中立」を主張。井上達夫・東京大学教授から「無知を恥じなさい」と叱責(しっせき)された。

 「恥じたら人間どうしますか。隠す、知ったかぶりをする。人はいろんなページを持っているのに一つのページしか見ずに決めつける。知ったかぶりで『沖縄は』『原発は』と決めつける。いろんなページを見ないと物事は分からない。直接聞かないと分からない。無知こそ最強の道具だ」

 「殺したくもないし、殺されたくもない。自衛隊員も一緒だと思う。『自衛隊員の命を懸ける』『沖縄に負担を掛けている』という自覚がなく『政治の話は重い』と言う人が多い。47部屋のルームシェアで沖縄君の部屋だけ基地がいっぱい。僕の出身の福井県は原発でいっぱい。他の部屋の人間は見て見ぬふりで快適に暮らすバカどもだ」

 3日の公演前に沖縄入りした村本さんはツイッターで呼び掛け、辺野古や高江で座り込む住民と直接会い話を聞いた。

 「辺野古にはいろんな人がいる。東京から反安倍の人も来る。米兵に口汚くののしる人もいる。その男性は沖縄戦で米兵に家族を殺された。ネットでは怒鳴る映像だけ出て、その人の背景までは分からない。100人いたら100人の事情がある。後輩芸人やツイッター上には本当か分からない情報を簡単に信じるやつらがいる。レッテルとうそとデマを広げるより、現場に来て、見てみろ」

 政治発言を避けるテレビは、つくられた世界の「テーマパーク」と表現。芸能人も「着ぐるみを着たおもちゃ」と風刺した。

 「日本で本音を言うと炎上する。うそばかり建前の国だ。ゴールデンのお笑い番組で辺野古、原発という言葉が出ただけで大騒ぎする。笑いは王様や権力の上にある存在だと思う。リア王では芸人(道化師)が王の間違いを指摘した。社会に牙をむき、かみつくのが芸人だが、首輪をされた芸人ばかりでテレビがつまらない」

 「基地や原発のネタの後、お笑いをやって初めて『ありがとう』と言われた。その言葉を各地で返したい。沖縄や仮設住宅で一生懸命訴える人の話を聞き、フラストレーションをお笑いに変える。無色の空気やニュースにネタで色を付けたい」