カテゴリ:イラク戦争( 55 )

バクダッド掃討作戦と映画「グアンタナモへの道」

バクダッド掃討作戦と映画「グアンタナモへの道」

 バクダット地域の掃討作戦が開始されてから、毎日のように米兵犠牲者が報道されているが、市民の犠牲者は不明である。米軍はグリーンカード兵や市民の犠牲者はカウントしないためである。この一ヶ月あまりで米兵100人が犠牲になり、累計で3100人を超えたと伝えられている。イラク民間人の犠牲者は米兵の十倍とみて間違いはなかろう。NHKの報道では民兵の米軍攻撃はテロと呼ばず単に攻撃と表現して、民間人への自爆攻撃をテロと呼称して区別しているという。米軍の民間人虐殺は何と呼ぶのだろうか。もっとも、カイロ発イラク情報では民間犠牲者は闇の中、NHKは報道すらしない。c0013092_17495023.jpgc0013092_17501257.jpg
 イラクの民間人は夜間の外出はもとより、昼間でも外出は命がけだ。
家の中にいて身を守ることしかできない。情報はもっぱらテレビを頼りにしている。米軍占領後、イラクのテレビにはレバノン現象が起こっている。
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国営放送はシーア派が占拠して自派に有利な情報しか流さない。スンニ派は「バクダットTV」から自派の情報を流す。「レジスタンスTV」は暴力シーンを繰り返し連日放送している。宗派別のテレビ局が乱立しているレバノンにイラクは似てきたと云う訳である。TVが宗派対立を増幅するプロパガンダに使われている。もともと、どの国でも宗派や政党間の対立は存在するが、それが殺し合いの脅威までエスカレートすることは異常なことだ。米軍が掃討作戦を成功させるために政治的に宗派対立の脅威を煽っているとしか思えない。
 今日(2月10日)の読売新聞の小さな記事にゲーツ国防長官が「イランが武器や武器技術の供与に深く関与している物的証拠を握っている」と記者団に明らかにしたと報じている。
 これで、親米であってもシーア派で武器を隠し持っていれば拘束する口実になる。市街戦の掃討作戦は陣地がある訳でなく、徹底的にやる場合は民家に軒並み踏み込んで疑わしき者を摘発、拘束する。いきなり戦場に送られてきた米兵がイラク人を見て宗派や民兵とテロ集団の区別ができるものだろうか。
 アメリカの将軍が「イラク人は厄介だね。朝起きると床下から銃を取り出し、このまま米兵を殺しに行こうか、それとも会社に出ようかと悩む奴ばかりなんだ」と記者団に語っていたことを思い出す。このような認識で命令を下す将軍の部下は「イラク人はすべて敵」と疑って掃討作戦に参加していることになる。
考えすぎだろうか。
 先日、映画「グアンタナモへの道」を見る機会があった。
何故か、「グアンタナモ米軍刑務所」はいまだにキューバにある。カストロ政府が立ち退きを要求しても、米軍は借地料を払いつづけて立ち退かない。
 この刑務所は9、11以後、アメリカがテロリストであると勝手に認定した人々を世界中から強制連行して、容赦のない虐待を行っている特殊な刑務所として世界中に知られるようになった。
c0013092_17533429.jpg 映画は刑務所の壮絶な尋問や虐待を再現しているが、恐ろしいのは映画の題名にあるようにパキスタン系イギリス人の青年がグアンタナモ刑務所に収容されるまでの道のりである。ストーリーの一部を話すことになるがご容赦願いたい。青年は両親の勧める縁談のためにイギリスからパキスタンに住む両親を訪ね、友人を結婚式に招待する。軽い気持ちで隣国アフガンの実情をこの目で見ておこうと友人たちを誘って国境を越えた。そのとき、アメリカのアフガン空爆が始まったのだ。
 最初は英語が話せるということで北部軍に拘束され、最後はアメリカ地上軍に引き渡され、グアンタナモまで空輸されることになる。単なる旅行者であるといくら主張しても無視され、兵士であることを自白するまで、米軍の虐待と尋問は続くのである。いまだに450人を超える人々がこの刑務所に収容され虐待を受けていると伝えられている。明日は我が身、別世界の出来事には思えないのだ。
 ブッシュが「テロ戦争」と独善的なカテゴリーを口にした途端、世界中が戦場になったのだ。
 掃討作戦とこの映画の映像が重なって見えてならない。「バクダット」と「グアンタナモ」は人々を殺戮するこの世の地獄としか思えないのだ。
「グアンタナモへの道」は同好会推薦映画。撮影はイランで行われた。東京はシャンテシネで上映中
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by daisukepro | 2007-02-10 17:57 | イラク戦争

中東戦争、レバノン空爆そして地上軍の侵攻

中東戦争、レバノン空爆そして地上軍の侵攻

7月30日、イスラエル空軍はレバノン南部のカナ村の避難所を空爆子どもを含む57人が死亡した。この惨事、世界中に衝撃が走った。イスラエルは48時間、空爆を部分的に一時停止したが、本日、日本時間の午前8時、レバノン空爆を再開した。
東京では蝉が鳴き、どこで羽化したのか庭先の竹竿に赤とんぼがーー、夏と一緒に秋の気配がやってきた。c0013092_1724028.jpg中東はイスラエルのレバノン侵攻が始まり、ブッシュ大統領やネオコンの望み通りに中東戦争に突入した。「ヒズボラはテロリストじゃないぞ」と叫ぶ青年の声は銃声にかき消される。空爆で犠牲になるのは老若男女、貧しき者は逃げ出す車も金もない。イスラエルはアメリカがアフガンやイラクにやったことをレバノンでやるだけだ。ブッシュが「ヒズボラはくそったれ、テロリスト」と叫べば戦争が始まる。戦争とは名ばかりで、実体は圧倒的武力を行使して包囲せん滅する大量殺戮でしかない。「ヒズボラがイスラエルの兵士を拉致したことからイスラエルの空爆は始まった」こんな悪質なマスコミ報道はないだろう。ライスはイラン攻撃の張本人、和平交渉に歩く訳がない。パンドラの箱を蹴飛ばして歩いたに過ぎない。やがてイスラエルはシリアを攻撃するだろう。そうなればイランと戦争になる可能性が高まる。アメリカが参戦すればこれは世界中東戦争になる。国連が制裁決議をだす相手国はアメリカだ。すでに、石油の高騰が始まっている。「欲しがりません、勝つまでは」、戦費調達のため国債が発行され、その付けに重税と悪政インフレが襲ってくる。戦争もしていないのに高齢者や弱者は生存権を失う。自民党アメリカ傀儡政権は誰が座ってもかわらない総裁の座を争って権力闘争に明け暮れている。
暗雲漂う夏の夕暮れ、ヒグラシの声が聞こえる。
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by daisukepro | 2006-08-02 17:24 | イラク戦争

「ラブミーテンダー、もうひとつの価値観」


「ラブミーテンダー、もうひとつの価値観」

日米が共有する普遍的な価値観は「自由と人権の尊重」、「民主主義」、「市場経済」.
だから「ラブミーテンダー」とささやいて結婚しては見たけれど、その優しいはずの夫が暴力を振るうだけの男と気づいた時には妻は「ノーウエイ」と離婚するだろう。
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共通する価値観があるとすれば、違う価値観とはなにか。自由がない、人権を蹂躙する、独裁主義、統制経済などの反義語で表現される価値観のことだろう。彼らが考える違う価値観を持つ人々とは、どうやら中国やインドや北朝鮮、中近東諸国、民主主義改革を目指す中南米やアフリカの諸国のことを念頭に置いているらしい。
私はアメリカを民主主義の国だとは思っていないが、たしかに彼ら指導者がいう「自由」「人権尊重」「民主主義」の理念は普遍的なものだろう。しかし、ここにもうひとつの価値観が隠されていることに気づかない訳にはいかない。ブッシュとコイズミは「自由」、「人間の尊重」、「民主主義」にプラスして「戦争」を加えて共通の価値観と云わなければならない。ブッシュは自認しているように戦時大統領なのだ。イラク戦争の仕掛人ウルフォウィッツを世界銀行総裁に任命したのもブッシュだ。ヘロデ王に幼稚園の鍵を渡したようなものだとひとは云う。「戦争」は勝つためには何でもやる。「自由」も、「人権」も、「民主主義」もそれまでお預けだ。「欲しがりません、勝つまでは」。戦争政策に反対する奴は抵抗勢力、敵である。「敵は殺してもいい」が「戦争」の論理だ。今のアメリカに自由はあるか、人権は尊重されているか、たったひとつの自由があるとすれば、それは資本家が望み通りに利潤を追求できる「自由」、それが「新自由主義経済」だ。紛争を解決する手段に武力を行使しないことを規定した憲法を有する国、戦争をしない国の価値観と戦争をする国アメリカの価値観とは180度違う。価値観を共有できる訳がない。その国の総理大臣が「ラブミーテンダー、アイラブユー」と持参金付きですり寄ってきたのだから、腹の中で「ジャップ」と蔑んでいても、そりゃブッシュは歓迎するだろう。たとえプレスリーが趣味でないとしてもーーー。
プレスリーならメンイフィスまでいかなくても、東京は原宿にいますね。コイズミさん。と思ったが、この原宿のエルビス像はあなたも寄贈人だったとか。知らなかったなあ!
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by daisukepro | 2006-07-01 11:32 | イラク戦争

サマワ陸上自衛隊の撤退“We don’t do body counts”

6月14日、文京区で開かれた支援集会でイラク人記者が現状報告をした。彼は持参してきたビデオと遺体写真を公開した。車窓から撮影されたファルージャ市街は徹底的に破壊され、廃墟と化している。リンチ殺害写真の凄惨さはとても正視に耐えない。彼は「ブッシュ政権はこの殺戮を隠すために、宗教派閥間の対立であるかのようにマスコミ操作をしている」「速やかな自衛隊の撤退と医薬品の援助を」と訴えた。「イラクにはジャーナリストがいなくなった。ジャーナリストであるだけで殺されるからーー」という。イラクでジャーナリスト宣言をすることは命がけなのだ。朝日新聞がジャーナリスト宣言というCMを流しているが、言葉が無力と云う前に、言葉に命をかけて欲しい。海外の記者が自由に取材出来るように手を差し伸べているだろうか。この日の集会でも大手マスコミの取材はなかった。

コイズミ政権は20日、陸上自衛隊がサマワから撤退することを大本営発表した。大本営というのは事前に何も知らせず、決定だけを報道するからだ。これこそ、軍人が国家を支配していた時代の代名詞である。決して死語にはなっていない。誇大報道や隠蔽報道が大本営発表の常套手段になっている。コイズミ政権の国民に対する態度は軍国主義そのものだ。コイズミ・ヌカガはラムズフェルドの要請にすみやかに応諾し、私たちには「バクダットやアサドなどへの空輸に協力したい」などと選択が日本側にあるかのような言辞をもてあそぶ。これでは、撤退どころか航空自衛隊は任務の拡大だ。しかも危険な兵站の一翼を担うことになる。バクダットやアサドはアメリカ軍の掃討作戦による残酷な殺戮が行われている激戦地だ。この軍事作戦と一体化して戦闘に必要な武器などの物資を航空自衛隊が輸送する。航空自衛隊のC130が使用される。まさに、戦闘行為そのものと云える。これほどあからさまな憲法違反はない。
“We don’t do body counts”
トミーフランクス将軍が記者団の質問に答えて言い放った言葉だ。米軍の冷酷さを現した究極のコメント、この司令官の頭の中には米軍以外の戦死者はいない。イラク戦争のボディ(戦死者数)は5月31日現在で4万8000人以上をカウントしている。今、イラクにあるのは大量破壊兵器ではなく、大量虐殺だ。一体、アメリカ軍はイラク人を何人虐殺すれば、この愚かな戦争を止めるのか。
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by daisukepro | 2006-06-22 18:36 | イラク戦争

3年前の今日、11時30分、米軍はバクダッドを空爆した

突風が去り、本日快晴なり。
3月10日は東京大空襲の日、2003年3月20日、11時30分バクッダトに空襲警報と爆発音が聞こえたとロイター通信が伝えた。米軍イラク侵攻の日である。同じくロイター通信は米軍が16日、サーマッラ近郊で大規模掃討作戦を展開中と報じた。
c0013092_8321918.jpg米軍によると、「航空機からの爆撃はなく、航空兵力のほとんどは兵員輸送ヘリだ」という。(写真AP)大本営発表だからどこまで真実かはわからない。サーマッラ近郊の農村地帯を広範囲に包囲し、武装勢力の拠点をしらみつぶしに捜していく作戦とみられる。イラク軍関係者は「四つの村を包囲した」と語った。一方、アラウイ前イラク首相は大規模掃討作戦が「宗教対立をあおり、内戦の恐れもある」とBBCに語った。
ブッシュ米大統領は18日、週末恒例の国民向けラジオ演説で「サダム・フセイン(元イラク大統領)を権力の座から追う決定は、困難だったが正しいものだった」とイラク開戦の正当化繰り返した。
自衛隊の撤退時期は不透明になった。イラクから帰国した隊員は04年1月の派遣開始以来、8次隊までに約4500人。帰国後、3人の自衛官が自殺したという報道があった。防衛庁は「原因は特定できない」としているが、長期駐留のストレスは想像を絶する。映画「ジャーヘッド」の海兵隊と同じ状況に置かれているのだ。だというのにマスコミのイラク報道はいつもカイロ発。一日も早い撤退を願うばかりだ。砂漠の戦場から自衛隊員を家族に帰そう。
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by daisukepro | 2006-03-20 08:33 | イラク戦争

続々「総選挙とイラク新政府の成立」

続々「総選挙とイラク新政府の成立」

昨夜、降り出した雨は帰宅後また雪になった。早朝、自宅前の階段を出勤者が通り始めるので、6時半頃から雪かきをやらされた。
衆議院予算委員会が9時から始まり、BSE問題を民主党の議員が追及していた。
「検閲で危険かどうかわかる人はいるのか」という質問にコイズミは「そりゃ、わかる人も入れれば、わからない人もいる」などと涼しい顔で答えていたが、
米国産輸入牛から危険部位を発見するのは不可能、たまたま、誰でもわかるような背骨がついていたので発見しただけということが明らかになった。
日本に落ち度はなく、検査をしっかりやったので発見された。すべてアメリカの責任と云う態度であったが、民主党の現地調査によれば、アメリカでは大量処置をするため危険部位が含まれているかどうか発見するのは無理であることがわかった。アメリカ人はこの事実を知らされていない。また、アメリカ畜産業界はそのような検査をする機構になっていないのだ。コイズミはブッシュの要請で無条件輸入を許可し、日本人の生命を危険にさらした。このような無責男が総理大臣では命がいくつあっても足りない。

さて、イラクの選挙は宗派と民族を問う選挙となったことは前々回に触れた。
「バクッダトバーニング」は選挙結果について次のように述べている。

「イランにコントロールされたシーア派宗教会派が首位に立ったことは、意外でも何でもない。でもこの結果に驚いているように見えるイラク人たちにはびっくりだ。この3年間、こうなるのはわかってたんじゃないの? イラン影響下の法学者たちは、ちょうど2003年から決定的な力を握った。彼らの武装私兵集団は、新生イラク防衛軍を作ろうという動きが起きると即刻、内務省と国防省に組み込まれた。シスターニがことの最初からプッシュしてきたのだ。[訳注:シスターニは、シーア派聖地ナジャフに住むイラン生まれのシーア派最高権威]

つまり、イラクの治安は治安機関でなく民兵が維持している。しかも、タラバーニー大統領の再選は当然として、誰が首相になっても宗教の指導者が実権を握ることになる。ポストは党派というより宗派と部族によって配分されることになるだろう。首相候補は統一イラク同盟から選出されるとすれば、ダアワ党のジャアファリー氏が予測されている。しかし、彼は仕事ができず無能という話もある。

「これは私の個人的な考えだけれど、多くのイラク人は3年に及ぶ占領にすっかり失望して、反アメリカ、反占領に1票をと思い宗教政党に投票したのだ。アメリカの政治家たちが自国民に何と言おうと、ラムズフェルドやコンディが我がへつらい政治家たちと何枚写真に収まって見せようと、ほとんどのイラク人はアメリカ人を信用していない。アメリカというものは、よくて弱小国に独善的な迷惑を押しつけ、最悪の場合は経済制裁を実施し侵略を仕掛けてくる好戦的な恐ろしい国だと思われている。

アメリカは助けに来てくれているというイラク人でさえ(もっともこういう人は日に日に少なくなってきているようだ)、イラク人のためを思ってではなく、自分たちの利益のためにやっているのだと考えている」

「イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)やダーワ党のような、シーア派宗教政党は昨年、はっきりと姿勢を変えた。2003年、彼らはアメリカの味方だった。アメリカのおかげでイラク国内で勢力を保っていられるのだから。居座るアメリカにイラク人の我慢も限界になりつつある今日、彼らは自分たちが「占領者」になり替わると言い始め、治安が悪くどこもかしこも混乱しているのは、アメリカのせいだと公然と非難している。論調はまったく変わった。2003年、政教分離国家としてのイラクというのは、ふつうの話題だった。今はもう選択肢の一つでさえない」

もう一つの特徴はサドル支持派が政権についたことである。
サドル支持者は最下層の人々、出稼ぎ労働者、若者といわれる。
社会的変革が起こっているとも見えるが「バクダットバーニング」はサドル氏について以下のように述べている。

「ムクタダ・アル・サドルはこっけい。まるで舌が腫れ上がっているようなしゃべり方をし、いつも風呂へ入った方がいいような風体をしている。ペルシャ語なら自然に聞こえるのだろうと思えるアクセントで話す。それに・・・大勢の支持者を従えている。彼の祖父が宗派の大物だったから。イラクで最も教養のない、最も愚鈍な男のはずなのに、彼の命令で喜んで命を投げ出す人々を従えている。それもこれも一族の宗教的な背景のため。(アメリカの方たち、ご愁傷さま、1週間前、彼は万一イランがアメリカに攻撃されたら、郎党率いてイラン防衛のために独自に立ち上がると宣言したわ)」
つまり、シーア派の原理主義者たちが政権につく宗派の利益が優先され、イラク国民の利益がないがしろにされるのではないかという疑念を抱いているということだ。
フセインを支えてきたバース党員はどこに消えたのか。大野さんは約10万人が下層の党員はシリアとヨルダン、裕福な連中はサウジに逃げているが、いずれ帰国してくるとみている。
アメリカはイラクの治安機関の育成を前面に出し、復興支援にシフトしようとしている。そして、イラク国民は先の選挙の結果のような政治状況の中で再び復興に立ち上がらなければならない。
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by daisukepro | 2006-02-07 15:52 | イラク戦争

続「総選挙とイラク新政府の成立」

続「総選挙とイラク新政府の成立」

では、イラクの人々はこの選挙結果をどうみているのか。
リバーベンドさんのブログを読むとイラク人の気持ちが伝わってくる。
「バクッダトバーニング」は次のような言葉から始まる。


「友よ、私の心が失われあなたさえ見分けることができなくなったら、どうか私を偉大な文明をはぐくんだ、チグリス・ユーフラテスの胸元に連れて行って欲しい。そこで私は心を癒し、魂を再生させるでしょう」

「選挙結果とイラク復興」について考える前に、先の42日間続いた湾岸戦争でアメリカの破壊行動による被害を知っておく必要があるだろう。
1月18日のブログは以下のように記述している

「2006年1月17日は、1990年のイラクによるクウェート占領(少しの間だけど)後に起こった1991年の湾岸戦争15周年だ(アメリカの用語法に従えば、1990年イラクによるクウェート"解放"後かしら)。

42日間、バグダードなど大きな都市も町々も、国際的に推計されているところでは、14万トンの爆薬で爆撃された。爆撃は、学校、集合住宅、工場、橋、発電所、行政の建物、下水処理場、精油所、通信施設、そして防空壕に対してさえも、容赦なかった(イラクでたった一つの赤ちゃん用粉ミルク工場や約400人もの民間人が爆撃によって殺された、かのアミリヤ防空壕もある)。

"イラク復興局"と復興関連省庁が公表しているところでは、42日間続いた爆撃、および様々な破壊行動による2003年戦争/占領以前の被害は、以下のとおりである。


学校および教育施設−3960カ所
大学、研究室、寮−40カ所
保健医療施設(病院、診療所、医薬品医療器具会社の倉庫)− 421カ所
電話交換所、通信塔など− 475カ所
橋、ビル、集合住宅− 260カ所
倉庫、ショッピングセンター、穀物貯蔵庫−251カ所
教会とモスク− 159カ所
ダム、給水所、農業用施設− 200カ所
石油関連施設(精油所など)− 145カ所
一般サービス、(避難所、汚水処理場、公共施設)− 830カ所
工場、鉱山、工業設備− 120カ所


…いやこれだけではない。ラジオ放送塔、博物館、孤児院、老人ホームなどまだまだある。ダム、橋、倉庫、省庁の建物、食物貯蔵庫などへの大規模被害は軍用機とミサイルによるものだが、南部やキルクークなどでの小規模施設の被害は、主に破壊行為によるもので、主にイランから南部に潜入し、イラク国内に支持者を見つけたグループ「後悔する者たち」(the Repentant)(アラビア語ではタワッブン)が火をつけた"インティファーダ"(蜂起)のしわざだった (タワッブンの大部分は現在のバドル旅団である)。」

アングロサクソンの侵略行為は十字軍の時代から、まず徹底的に破壊する。と同時に自分たちの思い描いたように復興するというやり方である。湾岸戦争で破壊したりず、今度は侵攻してさらに破壊する。そして、傀儡政権をつくり、復興を支援して感謝しろというのである。
アメリカ人はイラク人を信頼しないが、イラク人にアメリカを信頼せよと云っても無理な話だ。

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by daisukepro | 2006-02-06 11:17 | イラク戦争

総選挙とイラク新政府の成立

3月、自衛隊のイラク撤を認める代わりにアメリカは治安部隊派遣を要求しているという情報が流れる中、プレスセンタービルにでかけた。隣国のイランは核問題で国連付託が議決されようとしている。日比谷公園を通り抜ける。寒風に噴水が吹き流され、びしょ濡れになった。イラクの人々はフセインの圧政とアメリカの暴虐に苦しみ、8年間も戦渦にさらされている。苦難の道を今生きている。イラクの情勢を出来るだけ知りたい。
c0013092_1624561.jpg「総選挙とイラク新政府の成立」と題する大野元裕さんの報告はシンプルにまとめられ、戦後の政治プロセスを知る上で勉強になった。大野さんはイラクに戦災孤児院を建てるために2000万円の募金を行い、目的を達成して、現在孤児院を建設中と報告、お礼を述べた。
昨年12月15日に行われた国民議会選挙は275議席、各県枠230、全国45で争われた。投票率は78%、米軍の徹底した地域制圧によってテロ勢力の抵抗は面や線にならず、スンニ派が選挙に参加したため、国民の多数が投票した。投票は登録制度で行われたため、高い投票率は登録者数の割合であるが、選挙は一応成功したと云える。結果は128議席を獲得した統一イラク同盟が第一党になった。クルド連合が53議席で第二党に、連立政権のキャスティングボードを握った。どの党派も米軍と外国軍の撤退では一致している。過激派のサドル支持勢力は統一イラク同盟に加わり政権に入った。人口比と得票の分布ではスンニ派が議席を大幅に後退させていることが利益配分をめぐって不満がのこるだろう。政党の異議申立て期間が2月3日に終わり、独立選挙委員会の審議を経て公式な選挙結果が発表される。選挙の不正を訴える数万人規模のデモが行われたが、大勢に変化はないと思われる。発表後15日以内に議会が招集され、その後30日以内に大統領評議会を選出、15日以内に新大統領、首相を任命、その後30日以内に組閣、新内閣を承認、憲法修正を審議という政治日程が行われることになる。3月下旬には組閣が終わる見込みである。
宗派、民族を問う選挙になったため課題は先送りされたとも云える。しかし、大野さんは内戦になる可能性は低いと見ている。これまでアメリカ軍は治安最優先で破壊一辺倒であったが、ここにきて占領政策を転換、治安と復興、政治の課題を視野に入れるようになった。しかし、現実には米軍とイラク軍の一緒の基地では、まずイラク軍との間に塀をつくるなど米軍はイラク人を信頼していない。これらの政治日程が順調にすすめば、イラク人はアメリカとテロリストに破壊されつくされた日常生活を取り戻すためにイラク復興に取り組むことになる。だが、隣国イランの核、石油利権など周辺諸国との課題など政治的不安定要因は山ほど残されている。仕事のできる首相が誕生して、手腕が発揮されることを祈るばかりだ。(写真は2月2日夕方バクダット東部のガソリンスタンド、この自爆テロで16名が死亡した).AP
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by daisukepro | 2006-02-04 16:25 | イラク戦争

イラク戦争、市民の犠牲者2、9000人を超える

「ボディイカウント」は米軍がイラク占領中のイラク市民の死者数を発表した。

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2006年1月1日現在、戦渦による市民死者の合計は最小26,045から最大29,585人を記録した。警官の死者は1,709人であった。米軍の戦死者は2、220、イギリス軍98、その他103、写真は地域別の死者数である。首都バクダットの数字は特出している。米軍は傭兵や市民の戦死者は単なる死体であって「死体はかぞえない」と正式にコメントしている。
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by daisukepro | 2006-01-22 18:50 | イラク戦争

キッシンジャー博士の2006年大予測

1月8日、テレビ東京、日高義樹ワシントンリポート「キッシンジャー博士の2006年大予測」

リポートとは名ばかりでアメリカ政権の政策宣伝番組、いつもは馬鹿にして見ることはないのだが正月なのでーー。
日高義樹がキッシンジャーをインタビューする形式で番組はすすむ。「中国は台湾が独立宣言をしない限り武力行使はしないだろう。武力行使をした場合アメリカは直ぐに対応するが、中国と戦争をしたい大統領はアメリカにはいない」などと言った予言を
キッシンジャーがご託宣になり、話題の区切りでまとめのテロップを入れる念の入れようだ。黙って聞いていると地球はアメリカを中心に自転しているように聞こえてくる。アメリカがイラクから撤退するのかという話題になった。キッシンジャーは「私はイラクからの撤退に賛成だ。アメリカの大統領も撤退を考えている。ただし、時期が問題だ。アメリカが撤退することによって内戦が起こるようでは中東の安定は望めない」そこでこう付け加える。「エネルギー問題は世界的な課題だ。アメリカだけでなく中国、インド、日本など消費国にとって石油の安定供給は重要である。そのためには中東の安定、つまりイラクの民主化が必要だ」
ものは言いようだ。アメリカのイラク侵攻はインドや中国、お前たち日本の為にやっていると婉曲に言っているのだ。これほど侵略戦争を正当化するご都合主義な発言は聞いたことがない。大日本帝国の八紘一宇も顔負け、大国主義の素顔をみたようなきがする。この他、極東アジア諸国、北朝鮮問題などこの論理を展開するのだから聞くに耐えない。モニターを蹴飛ばし、スイッチをオフにして、北風の吹く街に出た。
今日はシナリオ作家鈴木尚之のお別れ会がある。
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by daisukepro | 2006-01-09 12:43 | イラク戦争