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カテゴリ:明日へのうたより転載( 18 )

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) ノートルダム大聖堂の火災に思う

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

ノートルダム大聖堂の火災に思う 19/04/17

明日へのうたより転載

 「仏ノートルダム大聖堂火災」「パリ世界文化遺産」「消防士けが 改修中失火か」(16日付『毎日』夕刊)。高さ約90メートルの尖塔が焼け落ちる映像をテレビで見た。9.11米同時多発テロで崩壊するニューヨークの貿易センタービルを彷彿とさせる。同じようなショックを受けた。

 新聞報道によれば尖塔は木製だったんだな。大聖堂の屋根も焼け落ちたというからこちらも燃えやすい建材だったのかな。おれは1995年にパリに行った時、ノートルダム寺院を訪れ内部に入った。西のバラ窓と言われるばかでかいステンドグラスを写真に撮った。今回の火災では焼失を免れたらしい。

 出火原因はまだ不明で捜査中だというが、出火当時大聖堂は改修工事をしていた。写真で見ると大掛かりな足場が組まれている。この足場付近から火が付いた可能性が高い。足場は鉄パイプでできているのに何故火が出たのだろう。「出火時は閉館時間帯で観光客はおらず放火の形跡もなかったことから、何らかのトラブルにより出火したものとみられる」(『毎日』)。「何らかのトラブル」とは何なんだろう。

 米貿易センタービルは明らかにテロだったが、今回の火災はどうなんだろう。テロの可能性は本当にゼロなのか。確かに爆弾や火薬による爆発ではなかったようだが、あんなに急激に火の手が広がったのは何故なのか。一気に尖塔や大聖堂の屋根が焼け落ちている。どうも腑に落ちない。

 フランスは現在政情不安だと言える。昨年秋からの「黄色いベスト」運動は一向に収まらず、マクロン政権への批判が国民の間で強まっている。現に数年前から街中でテロが発生、人命が奪われている。そういったフランスの現状と今回の火災はまったく無関係と言い切れるのだろうか。

 マクロン大統領もトゥスクEU大統領も大聖堂の再建に全力を尽くすといち早く表明。日本政府の菅官房長官も「仏政府から何らかの支援要請がある場合には、日本政府として積極的に協力したい」と述べた。もちろん再建・復旧は大切だがこれだけの大火災なのだ、その原因を突き止めることも必要なのではないか。まだ燃えている最中に「放火ではない」と仏メディアが報じたというが先走ってはいないか。

 「再建へパリは屈しない」(17日付『毎日』)。フランス国民は何に屈しないのか、それが問われているように思える。

 


by daisukepro | 2019-04-24 20:42 | 明日へのうたより転載

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) WTO敗訴、遺憾なのは日本政府の姿勢だ 

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

WTO敗訴、遺憾なのは日本政府の姿勢だ 19/04/15

明日へのうたより転載

 「WTO 日本『水産物』敗訴」「韓国に禁輸撤廃要求継続」(13日付『毎日』1面)「日本誤算 戦略に打撃」「禁輸撤廃材料失う」「日韓さらに火種」(同3面「クローズアップ」)。「東京電力福島第一原発事故後、韓国が実施する日本産水産物の輸入規制に事実上の『お墨付き』を与えられた結果となり、日本の提訴が裏目に出た形」。藪をつついて蛇を出してしまったというわけだ。

 WTO(世界貿易機関)は2審制だ。1審の紛争処理小委員会は昨年2月に日本側の主張をほぼ認める形で韓国の輸入規制はWTOルールに違反すると判断し、韓国に是正を勧告。韓国はこの判断に異議を申し立て上級委員会で争っていた。事前の日本有利の予測を覆す逆転敗訴だ。

 この逆転敗訴で一番被害を被るのは原発事故に苦しむ地元水産業者である。「被災地復興に冷水」「『海のパイナップル』と呼ばれるホヤの国内最大の養殖地で、震災前は生産量の約7割を韓国に輸出していた宮城県。原発事故で韓国が輸入を止めた影響で、17年も6900トンの廃棄を余儀なくされた」「『まさかの敗訴』は養殖業者たちをどん底に突き落とした」(『毎日』)。

 日本政府は被害者の立場に立って問題解決に当たってきたように言う。「復興に向けて努力されてきた被災地の皆様のことを思うと、誠に遺憾だ」(吉川貴盛農水相)。本当にそうだろうか。日本水産物の禁輸は韓国の国内世論の反映でもある。韓国国民を納得させるような話し合いによる解決への道が必要だったはずだ。それをWTO提訴という「強権」によって抑えつけようとした。その姿勢に問題はなかったか。
 
 原発事故後、日本産食品の輸入を規制した国は一時54か国・地域にのぼったという。今でも韓国を始め米国、ロシア、中国、EU、インドネシア、フィリピン、台湾など23か国・地域が規制を継続している。理由が福島第一原発事故による放射能汚染への懸念であることは間違いない。

 今回のWTO審決でも「(1審の判断では)潜在的な汚染の可能性が説明できない」と指摘されている。世界は日本の放射能汚染がクリアされたとは思っていないということだ。安倍首相が東京オリンピック招致に際して「放射能は完全にアンダーコントロールされている」と断言したのは嘘っぱちだと見ぬいているのだ。

 もし政府が本気になって日本食品の安全性を世界に納得させようとするなら、まず原発再稼働方針を改めるべきではないだろうか。原発輸出を始め原発固執の姿勢を継続したままでは世界の誰もが日本を信用するわけがない。WTOの審決に「遺憾」を連発するだけでは何も前へ進まないことを自覚すべきだろう。

 

 


by daisukepro | 2019-04-20 21:26 | 明日へのうたより転載

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 防衛大卒業生の任官拒否が意味するもの 19/04/08

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

防衛大卒業生の任官拒否が意味するもの 19/04/08

明日へのうたより転載

 「ヘエーそんなことがあるんだ」と思い知らされたネット情報。「2019年防衛大学卒業式で大量の任官拒否が出た理由」(3月30日配信『FRIDAYデジタル』)。神奈川県横須賀市にある防衛大学校の卒業式が3月17日に行われたが、卒業生478人中49人が参列しなかったというのだ。

 これら49人は防衛大を卒業しても自衛官にならない道を選択した。任官拒否者は卒業式への出席を許されない。「過去最多の任官拒否が出たのは、バブル景気と湾岸戦争を巡る自衛隊派遣論議が重なった91年の94人だが、49人はそれ以降で最多の数字である」。学費免除、ボーナスまで出して幹部候補生を養成する目的の防衛大にとって任官拒否は痛手だ。教授らが必死に翻意させようと説得したが、彼らの決意は固かった(防衛大関係者の証言)。

 『FRIDAY』は任官拒否の理由について政治アナリストの伊藤淳夫さんの次のような談話を紹介している。「安倍政権への不安があるのは間違いありません。今年の卒業生は、15年に安倍首相が強引に安保法案を成立させる過程を見てきた世代。『当事者』として、危険地域へと派遣される可能性と直面し、熟慮の末、任官拒否という道を選んだのでしょう」。

 時も時、政府はエジプト・シナイ半島に多国籍監視軍(MFO)の司令部要員として自衛官2人を派遣することを閣議決定した。3年前の南スーダンへの「駆けつけ警護」と称する派遣以来の、戦争法に基づく派兵行為である。岩屋毅防衛相は「自衛官の人材育成面でも大きな意義がある」と強調する。戦争をする自衛隊員、戦争の出来る幹部自衛官を育成するというわけだ。

 安倍晋三首相は「憲法を改正して自衛隊を明記し自衛隊員に誇りを持たせたい」と盛んに自説を振りまいているが、当の自衛隊員はどう思っているのか。ありがたいことだと涙を流して喜んでいるのだろうか。国の金で養成したはずの防衛大卒業生の1割余が自衛隊に入りたくないと言っている現実をどう見るのか。

 日本は74年もの間他国民を戦争で殺さず、他国民に戦争で殺されずに過ごしてきた。おれたちの親や祖父の時代と違ってその点では幸せな世代だったと感謝している。それが安倍一強と呼ばれる政治動向の中で再び平和が危うくなろうとしている。「あんな最高指揮官のもとでは働けない――。現政権が続けば、任官拒否者はますます増えそうだ」と『FRIDAY』は記事を締めくくっている。安倍戦争志向政権が足元から崩れる予感がする。いやみんなの力で崩さなければならない。

 


by daisukepro | 2019-04-18 07:31 | 明日へのうたより転載

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 防衛大卒業生の任官拒否が意味するもの 19/04/08

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

防衛大卒業生の任官拒否が意味するもの 19/04/08

明日へのうたより転載

 「ヘエーそんなことがあるんだ」と思い知らされたネット情報。「2019年防衛大学卒業式で大量の任官拒否が出た理由」(3月30日配信『FRIDAYデジタル』)。神奈川県横須賀市にある防衛大学校の卒業式が3月17日に行われたが、卒業生478人中49人が参列しなかったというのだ。

 これら49人は防衛大を卒業しても自衛官にならない道を選択した。任官拒否者は卒業式への出席を許されない。「過去最多の任官拒否が出たのは、バブル景気と湾岸戦争を巡る自衛隊派遣論議が重なった91年の94人だが、49人はそれ以降で最多の数字である」。学費免除、ボーナスまで出して幹部候補生を養成する目的の防衛大にとって任官拒否は痛手だ。教授らが必死に翻意させようと説得したが、彼らの決意は固かった(防衛大関係者の証言)。

 『FRIDAY』は任官拒否の理由について政治アナリストの伊藤淳夫さんの次のような談話を紹介している。「安倍政権への不安があるのは間違いありません。今年の卒業生は、15年に安倍首相が強引に安保法案を成立させる過程を見てきた世代。『当事者』として、危険地域へと派遣される可能性と直面し、熟慮の末、任官拒否という道を選んだのでしょう」。

 時も時、政府はエジプト・シナイ半島に多国籍監視軍(MFO)の司令部要員として自衛官2人を派遣することを閣議決定した。3年前の南スーダンへの「駆けつけ警護」と称する派遣以来の、戦争法に基づく派兵行為である。岩屋毅防衛相は「自衛官の人材育成面でも大きな意義がある」と強調する。戦争をする自衛隊員、戦争の出来る幹部自衛官を育成するというわけだ。

 安倍晋三首相は「憲法を改正して自衛隊を明記し自衛隊員に誇りを持たせたい」と盛んに自説を振りまいているが、当の自衛隊員はどう思っているのか。ありがたいことだと涙を流して喜んでいるのだろうか。国の金で養成したはずの防衛大卒業生の1割余が自衛隊に入りたくないと言っている現実をどう見るのか。

 日本は74年もの間他国民を戦争で殺さず、他国民に戦争で殺されずに過ごしてきた。おれたちの親や祖父の時代と違ってその点では幸せな世代だったと感謝している。それが安倍一強と呼ばれる政治動向の中で再び平和が危うくなろうとしている。「あんな最高指揮官のもとでは働けない――。現政権が続けば、任官拒否者はますます増えそうだ」と『FRIDAY』は記事を締めくくっている。安倍戦争志向政権が足元から崩れる予感がする。いやみんなの力で崩さなければならない。

 


by daisukepro | 2019-04-18 07:31 | 明日へのうたより転載

無権利、過重労働に挑むコンビニ・ユニオン 19/04/05

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

無権利、過重労働に挑むコンビニ・ユニオン 19/04/05

明日へのうたより転載

 久々に労働組合が存在感を見せた。コンビニの24時間営業の見直し問題である。「セブン『24時間』見直し」「店の経営環境で柔軟判断」(5日付『毎日』)。「『各店の経営環境は大きく異なるので、営業時間についても柔軟に対処したい』。東京都内で会見した永松新社長は、これまでFC店に一律求めてきた24時間営業を、各店の経営環境に応じて柔軟に見直す意向を示した」。

 今年2月1日から東大阪のセブンFC店が人手不足を理由に午前1時から6時まで自主的に店を閉めることにした。これに対してコンビニ本部は「24時間営業の契約になっているので認められない。契約を解除する」と脅した。この問題でコンビニオーナーでつくる「コンビニ加盟ユニオン」が2月27日、時短営業の条件を協議するを団体交渉を申し入れたが、本部側はこの申し入れを拒否した。

 しかし「これをきっかけに、24時間営業の是非について社会的関心が高まり、経済産業省が人手不足に対する行動計画を大手コンビニに要請するなどの事態に発展した」(『毎日』)。労働組合が動き出したことで同じ人手不足と過重労働に苦しむオーナーたちが営業短縮の声を上げ始めた。

 3月になると、労働組合の要求と世論に押される形でセブン本部が「時短営業の実証実験を実施する」と公表し、21日から直営店10店舗、FC2店舗で実験を開始した。この動きは急成長を支えてきたコンビニモデルをどこまで刷新できるかという試金石となり、ついに経営陣の交代に発展した。

 4月4日、セブン社長の古屋一樹社長が代表権のない会長に退き、永松文彦副社長が昇格する人事が発表された。最低賃金引き上げ闘争をしている若者集団「エキタス」はツィッターで「ついにトップの人事まで動かしたね」とコンビニ・ユニオンを激励している。嬉しいエールの交換ではないか。

 それにしても情けないのは労働者の味方のはずの中労委だ。コンビニ・ユニオンが活躍している最中の3月15日、こともあろうに「コンビニオーナーは労働者でない、従ってコンビニ・ユニオンは労働組合でない」という命令を出したのだ。何を考えているんだろう。社会の動きへの逆行だ。

 労働組合の地盤沈下が言われている今日、コンビニ加盟ユニオンの存在感が光っている。既存のナショナルセンターや産別組織が学ぶべき点が沢山あるように思う。ともにがんばろうではないか。
 



by daisukepro | 2019-04-15 06:58 | 明日へのうたより転載

欧米は新元号フィーバーを懸念している

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

欧米は新元号フィーバーを懸念している 19/04/02

明日へのうたより転載

 仰々しいバカ騒ぎだと思うけど、やはり元号について一言触れなきゃね。新元号の令和についておれの好きな作家の1人浅田次郎さんが「『令』の字は考えていなかったが、なかなかユニーク。『令』には美しく清らか、尊重するという意味があり」と肯定的に解釈している(2日付『毎日』)。

 もちろんそういう意味もあるのだろうが、おれには「命令」「号令」「指令」「司令」「勅令」「法令」「訓令」「令状」など、いわば「上から目線」の言葉しか思い浮かばない。広辞苑で「令」を引くと「①命じること。いいつけ。②おきて。のり。③長官」などと出てくる。やはり「上から目線」だ。

 元号は元号法によって時の政府が決める。有識者なる者の意見を聞くことになっているが決定権は政府だ。ということは元号には、時の政府の意向が、意識するしないに関わらず反映するのではないかと推測できる。「安倍一強」「聞く耳持たず」「沖縄埋め立て」「原発再稼働」など時の政府は国民に物も言わせず従わせようとの姿勢が強い。なるほど元号に「令」の文字を入れたがるわけだ。とおれは思う。

 政府は新元号は中国の書でなく国書の万葉集に拠ったと誇っているが、これも時の政府の国粋主義志向と無関係ではないだろう。4月2日8:35配信のYahooニュースに、在米ジャーナリスト飯塚真紀子さんの「新元号『令和』欧州メディアは『日本の右傾化』を懸念」のレポートが出ている。

 英・ディリーテレグラフ「伝統を打ち破って、中国の書ではなく日本の書を使うという判断は、安倍政権の国粋主義的傾向と結びついているように見える」
 英・ディーリーメール「新元号の語源は国家の威信の増強を狙う安倍首相の保守的アジェンダが映し出されている」
 米・CNN「和という字は(中略)裕仁天皇時代の昭和の和と同じだが、その文字を選択したのは、安倍首相が、日本の戦争という過去について、ポジティブな論調を推し進めようとしているからだろう」

 なるほど令和の和は昭和の和だ。大東亜戦争をもう一度始める気か。最近の韓国に対する、植民地責任を投げ捨てた反韓思想の鼓吹状況を見ればそれも絵空事でない気がする。いずれにしても祝賀ムード一辺倒の日本国内と違って、諸外国は新元号フィーバーを冷静に見ていることは確かなのだ。世界に通用しない、世界中で日本にしか存在しない元号制度は、この際廃止することにしたらどうだろう。

 


by daisukepro | 2019-04-10 04:41 | 明日へのうたより転載

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 英混迷のもとはスポットCMだ 19/03/30

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

英混迷のもとはスポットCMだ 19/03/30

明日へのうたより転載

 「英の混迷深刻化 EU離脱」「代替案、いずれも否決」「メイ首相求心力失う」(29日付『毎日』)。イギリスのEU離脱をめぐる国会論議が迷走している。これまでにメイ首相や野党が提案した8っつの「代替案」が全部否決され、残るのは①2回目の国民投票と②EUの関税同盟にだけ残留するという案だが、②はそんなイギリスに都合のいい案をEU側が受け入れるとは思えない。

 結局2回目の国民投票という結果になるのではないか。何故ならイギリスの今の混迷の原因は、1回目の国民投票の結果がもたらしたものだからだ。問題の国民投票は2016年6月23日に行われた。投票率71.8%、結果は48対52でEU離脱ということになった。僅差である。

 国の大事な政策の判断を、国民の直接投票に委ねるという手法は民主主義的だとは思う。しかしそれが国を二分する結果になり、国政の混迷を招く事態となった。何が原因だったのか。国民の間に存在した生活や将来への不安・不満が安易にEU離脱という選択肢に結びついてしまったというのがおれの見方だ。

 国民の不安・不満をかきたて、すべてEUのせいだと結びつけたのはテレビのスポットコマーシャルだったのではないか。スポットCMは短い言葉で結論だけ繰り返す。EUのために「移民を抑制できない」「賃金が引き下げられている」「治安が悪くなった(テロ)」「経済が悪化した」などなど。段々頭に刷り込まれる。日頃感じている不安・不満のはけ口がEU離脱の投票になったのではないか。

 EU離脱の結果を見て一番驚いたのが離脱に投票した国民だったとも言われる。当時のキャメロン政権への批判票を投じたつもりが本当に離脱となってしまった。もう一度投票をやり直してほしい、という声が当時の新聞に載った。現在イギリス国内で離脱撤回を求める署名が6000万人に達しているという。

 EUは確かにいろんな矛盾や困難を抱えている。しかし20世紀まで戦争の絶えなかったヨーロッパを平和で国境のない地域にしていこうという方向性はまさに歴史の法則に合致している。イギリスのような歴史も国力もある国がヨーロッパの将来に背を向けていいものだろうか。一時は安易に離脱に傾いた国民も、今の混迷から教訓を学びとり、別の選択をするのではなかろうか。

 しかし怖いのはスポットCMである。日本の改憲のための国民投票でも、金にあかしてスポットを流すことが考えられる。改憲のための国民投票など絶対にやらせてはいけない。

 

 


by daisukepro | 2019-04-10 04:26 | 明日へのうたより転載

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 45歳リストラの嵐が吹き荒れている 19/03/28

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

45歳リストラの嵐が吹き荒れている 19/03/28

明日へのうたより転載

 東証一部上場企業でリストラの嵐が吹き荒れている。大手IT企業の富士通が45歳以上に対する希望退職を募集して話題になったが、ほかにも同じようなリストラを実施している企業があるという。ネット情報の「orangeitems’s diary」が24日付で社名を挙げて報じている。

 ・地図出版の「昭文社」 45歳以上を対象に80人程度の希望退職募集
 ・「コカ・コーラボトラーズジャパンホールディング」 45歳以上700人の希望退職募集
 ・「協和発酵キリン」 45歳以上勤続5年以上の社員を対象に希望退職募集
 
 ・薬品の「エーザイ」 45歳以上100人程度の応募を見込んだ希望退職募集
 ・「カシオ計算機」 45歳以上の一般社員と50歳以上の管理職を対象に200人の希望退職募集
 ・スポーツ用品店の「アルペン」 45歳以上の300人を対象に300人の希望退職募集

 ・通信販売の「千趣会」 45歳以上の正社員・契約社員を対象に280人の希望退職募集
 ・「光村印刷」 子会社の新村印刷で44歳以上30人程度の希望退職募集
 ・「NEC」 45歳以上勤続5年以上、人数の上限なしで希望退職募集
 ・「日本ハム」 45歳以上、従業員の1割の200人を上限に希望退職募集  

 企業が希望退職募集をすると、辞めてほしくない人から辞めていくということが言われてきた。そこで上記の企業では「45歳以上」という枠をはめたと思われる。言葉の上では「希望」ということになっているが、実際に現場では強引な「肩たたき」が行われる。いわば「指名解雇」のようなものだ。

 企業側も「新卒採用を2倍に増やし、組織の若返りを目指す」(エーザイ)とリストラの目的を露骨に言い表す。一昔前ならこんなことを言う企業は労働組合の猛反発を食ったはず。今は静かなものだ。悔しいけれどこれが現実なのかも。労働運動の世界で過ごしてきた身として慚愧の念に堪えない。

 政府は年金支給開始年を引き延ばすため、70歳まで働けと言っている。45歳でリストラされてしまったら後の25年はどうやって暮らしていけばいいのか。日本という国が壊れていく予感がする。


by daisukepro | 2019-03-30 14:00 | 明日へのうたより転載

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 記者攻撃に40年前を想起する 19/02/22

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

記者攻撃に40年前を想起する 19/02/22

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 東京新聞の望月衣塑子記者を名指しにした内閣記者会に対する言論妨害が問題になっている。新聞労連はいち早く南彰中央執行委員長名の抗議声明を出し、東京新聞もそれなりに反論したが、当の内閣記者会や新聞協会は沈黙を続けている。官邸に対する怯えがあるのかなと心配になってくる。

 記者クラブに対する政権側の抑圧的言動として思い出すのは40年前の「石原暴言」問題である。1977年のことだ。当時の石原慎太郎環庁長官が77年9月号の月刊誌『現代』の対談で「自分とこの新聞で没になった原稿が、共産党の『赤旗』にのる記者なんか何人かいる」と発言。これを問題にした環境庁記者クラブは「衆議一決して再三の質問書を送った」(新聞労連編「新聞労働運動の歴史」)。

 石原長官の回答はクラブの納得しがたいものだった。それどころか第3回目の回答では「記者の何人かにその種の党派性があることに言及した」と開き直り、記者の思想調査をおこなっていることもあきらかにした(同著)。クラブは即座に抗議声明を発表して石原長官の定例記者会拒否を通告した。

 新聞労連は77年10月22日開催の第60回中央委員会で「言論・思想の自由を守り、公害報道の巻き返しを許さない立場から『糾弾決議』をおこなう。続いて新聞労連、日放労、民放労連の三単産とマスコミ共闘の共同アピールを出し、環境庁記者クラブとの連帯行動の決意を表明した。

 11月12日には衆議院第一議員会館内でマスコミ共闘主催の「石原環境庁長官の記者攻撃の真相をただし、国民の知る権利を考える集会」が開かれ、福田赳夫首相と石原長官への抗議文、新聞協会への申し入れを採択した。このような抗議の盛り上がりの中で石原長官は政権内部でも浮いた存在になり、11月28日の内閣改造では再任されなかった。自らの暴言で大臣の椅子を棒に振る結果となったのである。

 石原長官とたたかい抜いた環境庁記者クラブには新聞労連を脱退した産経労組や未加盟の中日労組の組合員がおり、また公害報道でも各紙で見解の相違があった。これらの「相違を乗り越えてのこの共同歩調は、画期的なものであった」と「新聞労働運動の歴史」は高く評価している。

 今回の内閣記者会への脅迫的申し入れは、正常な記者活動への妨害行為であることはまちがいない。攻撃の的になった内閣記者会がまず毅然として権力と対峙する姿勢をとることが大切なのではないだろうか。



by daisukepro | 2019-02-25 09:07 | 明日へのうたより転載

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 現天皇は戦争責任ゼロなのか 19/02/16

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

現天皇は戦争責任ゼロなのか 19/02/16

明日へのうたより転載

 韓国の文喜相国会議長による日本軍慰安婦問題に関する「日本を代表する首相かあるいは天皇に一度おばあさんの手を握り謝罪してほしい」という趣旨の発言について、日本共産党志位和夫委員長は12日に行われた記者会見で次のような見解を述べた(14日付『赤旗』)。

 「私たちは、日本政府として、真剣な謝罪が必要だと繰り返し言ってきました。とくに(安倍)首相が自らの肉声できちんと謝罪しなればいけないということは、強く言いたいと思います。ただ、天皇は日本国憲法で『政治的権能を有しない』となっているわけですから、そういうことはできないということは当然だと思います」。

 概ねその通りだと思うが、後段の「政治的権能を有しない」のところはちょっと違和感を感じる。「政治的云々」の条項は憲法第四条のことだろうが、正確には「国政に関する権能」であり「政治的権能」一般を指してはいない。「国政」についてもいろいろ議論があるだろうが「政治的」よりは限定された言葉だと思う。「政治的」と「国政に関する」はもう少し厳密に分けて考えるべきではないか。

 例えば慰安婦の手を握って謝罪することが国政なのかどうか。天皇はこれまでもフィリッピンはじめ日本が戦争被害を与えた国に行ってそれなりに謝罪の言葉を述べている。こんどの「元慰安婦」への謝罪はもう少し重い意味があるが、それは程度問題なのではないか。「そういうことはできないということは当然」と言い切ってしまってそれでいいのか。

 さらに志位委員長は「前天皇は、私たちは、侵略戦争の最高責任者だと考えています」「しかし、現天皇は戦争責任ということは問題にならないと思っています。在任期間中にそういう問題についてかかわったことはありませんから」とも述べている。この認識も少しどうかと思う。

 確かに前天皇はどうしようもない戦争大好き人間だったと思うが、それが侵略戦争に結びつくのは天皇制という制度があったからだ。その天皇制がいまだに引き継がれている。現天皇の時代に戦争がなかったからといって「戦争責任ということは問題にならない」と言い切れるのか。少なくとも侵略を受けた側の中国や朝鮮、太平洋諸国の国民や政府はそうは思っていない。現天皇は平和主義者だから戦争責任はないなどという議論は日本国内でしか通用しないのではないか。

 韓国国会議長発言を契機に、天皇制そのものの議論をもう一度きちんとするべきだと思うのだがどうだろう。

 


by daisukepro | 2019-02-23 06:37 | 明日へのうたより転載