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カテゴリ:日米地位協定( 3 )

主張 オスプレイ事故 容疑者不詳の異常事態ただせ

主張

オスプレイ事故

容疑者不詳の異常事態ただせ

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが沖縄県名護市安部に墜落した事故で容疑者である事故機の機長が氏名不詳のまま書類送検され、不起訴の可能性が高まっています。こうした中、沖縄県議会は日米地位協定の抜本的改定を求める意見書を全会一致で可決しました(15日)。意見書は、米軍が機長の氏名を明らかにせず、乗組員の聴取などにも応じず、捜査が不十分な状況で終結したことを「不平等な地位協定に起因する」と批判しました。米軍に治外法権的特権を与え、日本の主権を著しく侵害している異常事態を一刻も早くただすことが必要です。

日本政府の弱腰な姿勢

 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のオスプレイが名護市安部海岸の浅瀬に墜落、大破したのは2016年12月です。もし住宅地に墜落すれば大惨事につながりかねない深刻な事故でした。今年12月の時効成立を前に、管轄の中城(なかぐすく)海上保安部が先月24日、当時搭乗していた機長を氏名不詳のまま、航空危険行為処罰法違反容疑で那覇地方検察庁に書類送検していました。

 具体的には、事故機の機長が空中給油訓練に当たって、適切な速度を保持するという業務上の注意義務を怠り、自機のプロペラを空中給油機KC130の給油装置に接触させて損傷させ、その後、着水によって機体を破壊させたというものです。

 米軍は、事故原因を機長の操縦ミスとする調査報告書を提出したものの、氏名や所属は伏せられました。機長を含む乗組員への聴取の求めにも応じず、事故発生直後から現場周辺を規制し、証拠の機体も回収したため、捜査は尽くされないまま終わりました。

 同じような事態は、04年8月に普天間基地に配備されていた大型輸送ヘリCH53が沖縄国際大学(宜野湾市)に墜落した事故や、17年10月に同基地所属のCH53が沖縄県東村高江の牧草地に不時着、炎上した事故の際にも繰り返されてきました。

 在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定は、公務中の犯罪について米側に第1次裁判権があると規定するなど、さまざまな特権を保障しています。しかし、そうした地位協定であっても、必要な捜査や証拠の収集・提出については日米の当局が相互に援助しなければならないとしています。米軍が捜査に協力せず、機長の名前や所属すら明らかにしなかったのは、地位協定違反に他なりません。これに抗議しない日本政府の姿勢は重大です。

 一方で、地位協定に関する日米の了解事項を記録した「合意議事録」には、米側が同意しない限り、日本の当局は米軍財産の捜索、差し押さえ、検証ができないことを定めています。米軍機事故に関する日米両政府のガイドラインでは、事故現場周辺への立ち入りに米側の同意が必要としています。

地位協定の抜本改定を

 沖縄県は、日米地位協定を改定し、事故現場周辺の統制を日本側が行うことや、米軍財産の捜索、差し押さえ、検証ができるようにすることを求めています。県議会の意見書は、航空法など国内法を米軍に適用するよう要請しています。独立国としてあまりにも当然の要求であり、沖縄だけにとどまらない切実な全国的課題です。




by daisukepro | 2019-10-19 00:37 | 日米地位協定

シリーズ検証 日米地位協定 在日米軍関係経費 初の8000億円台 膨らむ「辺野古

シリーズ検証 日米地位協定

在日米軍関係経費 初の8000億円台

膨らむ「辺野古」

表

 2018年度に日本政府が計上した在日米軍関係経費の総額が8022億円になり、初めて8000億円台に達したことが分かりました。昨年度を225億円上回り、4年連続で過去最高を更新(グラフ)。外務省が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した資料をもとに本紙が計算したものです。

突出

 在日米軍の兵士・軍属(6万1324人、今年9月現在)1人あたりで約1308万円に達しており、米国の同盟国でも突出しています。こうした経費負担があるから、米国は国際情勢がどうなろうと日本に基地を置き続けるのです。

 在日米軍の活動経費のうち、日本側負担分を示す在日米軍関係経費の増大の要因は、米兵・軍属の労務費や光熱水料を負担する年間2000億円規模の「思いやり予算」やSACO(沖縄に関する特別行動委員会)経費に加え、沖縄県名護市辺野古での新基地建設などで米軍再編経費が拡大したことです。

写真

(写真)土砂の投入作業が強行された「N3」護岸付近=?日、沖縄県名護市の辺野古崎付近(小型無人機で撮影)

 日米地位協定24条では、日本側の米軍駐留経費負担を定めています。しかし、具体的に明記されているのは土地の賃料などに限られており、(1)思いやり予算(2)米軍再編経費(3)SACO経費は協定上、支払い義務はありません。18年度の在日米軍関係経費8022億円のうち、この3分野が4180億円と半分以上を占めています。

指摘

 辺野古新基地建設に伴う埋め立て工事について、防衛省は沖縄県に提出した資金計画書で約2300億円としていますが、沖縄県は総工費2兆5500億円に達すると指摘しています。米軍向けの支出はさらに膨れあがる危険が大きい。

「思いやり」いらない

第24条

解釈拡大、日本の負担が肥大

 在日米軍駐留経費の負担の在り方を規定する日米地位協定24条では、日本側の負担は施設・区域(基地や演習場)、土地の賃料や地主への補償と規定し、それ以外のすべての駐留経費は「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」としています。

限界

 当初の米軍駐留経費負担は、土地の賃料に加え、基地を抱える住民自治体への“迷惑料”とも言える基地周辺対策経費、基地交付金のみでした。しかし米側は、1970年代にベトナム戦争の泥沼化などで財政が悪化すると、同盟国に「責任分担」を要求。日本政府は要求を受け入れ、「思いやり予算」(金丸信防衛庁長官)と称して78年度以降、基地従業員の福利厚生費の負担を開始しました。その後、労務費の一部や米軍の家族住宅、娯楽施設、さらに戦闘機の格納庫などといった施設建設費を負担。地位協定の解釈を拡大していきました。

 こうした拡大解釈も限界に達し、87年度には「暫定的、特例的措置」として特別協定を締結。水光熱費や従業員の基本給、空母艦載機の訓練移転費にまで拡大していきました。

 特別協定は7回も延長され、事実上恒久化しています。2016年に更新された現行協定は、「思いやり予算」を16年度から20年度までの5年間で総額9465億円と、年2000億円規模を維持する内容になっています。

 78年度に始まり、40年を迎えた「思いやり予算」。現行協定までの期間で、累計の支出総額は7兆6317億円になる見通しです。

 さらに97年度からの「SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費」、2006年度からの在日米軍再編経費と、「沖縄の負担軽減」を口実とした基地建設・たらい回し費用が継ぎ足されてきました。

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絶賛

 こうした日本の米軍駐留経費負担は、世界でも突出しています。トランプ米政権は同盟国に米軍駐留経費の大幅な増額を求めていますが、昨年2月に来日したマティス国防長官は日本について「世界の手本になる」と絶賛しました。

 NATO(北大西洋条約機構)軍地位協定には、駐留経費負担に関する規定自体が存在しません。ドイツやイタリアでは、労務費、光熱水料、施設整備費は全て米側負担です。

 一方、米韓地位協定には、日本と同様に韓国側の経費負担義務があります。87年度に始まった日米の特別協定に続き、米韓も91年は米韓防衛費分担特別協定(SMA)を締結。日本が特別協定を締結したことが韓国側への圧力として作用した可能性があります。

 韓国の費用分担は年々拡大し、18年は9602億ウォン(約960億円)となっています。現行協定が12月末で期限切れになるのに伴い、新協定の締結交渉が行われましたが、トランプ政権は倍増を要求しているとの報道もあり、年内妥結に至りませんでした。

 韓国側の強い姿勢は、米国の要求に唯々諾々と従う日本とは異なります。また、在韓米軍はSMAで提供された資金に関する年次報告書を国会に提出することになっています。事実上の“つかみ金”となっている日本の支出とは大きく違っています。

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(写真)「思いやり予算」で建設された米軍の家族住宅=米軍キャンプ・キンザー(沖縄県浦添市)

表

地位協定24条ポイント

 ▼米軍の駐留経費は、次に規定するものを除き、日本に負担をかけないで米国が負担する。

 ▼日本は、すべての施設・区域ならびに路線権(空港・港湾や共同使用施設など)を米国に負担をかけないで提供し、施設・区域や路線権の所有者に補償を行う。

米軍関係経費・拡大の過程

 年度拡大の内容

 1978金丸信防衛庁長官が「思いやり」発言。基地従業員の福利厚生費の負担開始

   79~施設建設費の支出を開始

   87~特別協定を締結。基地従業員の基本給、米軍基地、住宅の水光熱料、訓練移転費などを負担。 

   97~SACO経費の負担を開始

 2006~在日米軍再編経費の負担開始

   16新協定締結。5年間で「思いやり予算」総額9465億円の負担を決定



by daisukepro | 2018-12-24 17:26 | 日米地位協定

在日米軍基地資産価値11兆円 国民の税金投入で膨張 海外基地数縮減の中 日本不変 シリーズ検証 日米地位協定

在日米軍基地資産価値11兆円

国民の税金投入で膨張

海外基地数縮減の中 日本不変

シリーズ検証 日米地位協定

 米軍の海外基地のうち、在日米軍基地の資産価値総額が約981億8800万ドル(約11.1兆円、1ドル=113円で計算)に達し、2番目に多いドイツの総額448億5400万ドルの約2.2倍に達していることが、米国防総省がこのほど公表した2018年度版「基地構造報告」で明らかになりました。


表
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(写真)米軍横田基地(東京都福生市など)

17年9月末 ドイツの倍

 18年度版は17年9月末の数値をまとめています。資産評価額は基地内の施設件数や床面積などで算定しており、地価は含まれていません。日本は毎年、世界に例のない米軍「思いやり予算」などで施設を新設・改修しているため、必然的に評価額が上がります。「抑止力」という建前で膨大な税金を投入して建設した米軍基地のインフラが米政府の「資産」にされているという屈辱的な事態です。

 基地別にみると、嘉手納(沖縄県)、横須賀(神奈川県)、三沢(青森県)、岩国(山口県)、横田(東京都)、キャンプ瑞慶覧(沖縄県)、横瀬貯油所(長崎県)が上位10位内に入っています。評価額が大きく上がっている横瀬は13年以来、米海軍LCAC(エアクッション型揚陸艇)の基地として強化が進んでいます。

 米海外基地の総数は514で、戦後最少規模で推移しています。過去10年で見れば、08年の761基地から247減っています。(表)

 これに対して日本では、過去10年間で大きな変化はありません。日本政府が基地維持費の多くを負担していることに加え、基地が集中する沖縄県では名護市辺野古の米軍新基地建設を強行し、京都府京丹後市で新たな米軍基地を建設するなど、海外基地縮小の流れに逆行しています。

第2条

世界に例ない全土基地方式

自衛隊基地使う根拠にも

 日本には78の米軍専用基地、日米共同使用の自衛隊基地を含めれば128の基地が存在します。加えて、訓練区域として23の空域と46の水域が提供されています(2017年3月現在)。日本は米国の同盟国では最大規模の基地群が存在する文字通りの「米軍基地国家」になっています。

 こうした基地を置く根拠になっているのが日米安保条約第6条と地位協定です。「米国は日米安保条約第6条に基づき、日本国内の施設・区域の使用を許される」。こう定めた第2条は、日米地位協定の最も本質的な条文です。

地理的制約なし

 NATO(北大西洋条約機構)軍地位協定など米国が同盟国とかわしている地位協定の多くは、施設・区域の提供について規定がありません。これに対して日米地位協定は、冒頭から基地の提供(2条)・管理(3条)・返還(4条)などの基地関連の条文が並んでいます。

 しかも、条文には「日本国内の施設・区域」としか書いておらず、地理的な制約を設けていません。この点について、外務省が1973年4月に作成した機密文書「日米地位協定の考え方」は、「米側は、わが国の施政下にある領域内であればどこにでも施設・区域の提供を求める権利が認められている」と記しています。

 つまり、米側には、日本国内のどこでも望む場所に基地を置く権利があるのです。

 こうした「全土基地方式」は、米国の同盟国でも類例のない異常なものです。例えばドイツでは、米側が必要な基地や使用目的について定期的にドイツ政府に申告する形になっており(ボン補足協定48条)、イタリアや英国では具体的な施設・区域名を示して個別に協定を結ぶ形になっています。

民間地まで利用

 地位協定2条は、施設・区域の日米共同使用についても、(1)米軍が管理権を有し、自衛隊など日本側が一時的に使用する(=二4a基地)(2)米軍が「期間を限って」使用する(=二4b基地)―と定義しています。なお、米軍が排他的に使用する基地は条文に照らして「二1a基地」と呼ばれています。

 防衛省の資料によれば、(1)に該当する基地が29存在します。空自航空総隊司令部が移転した横田基地(東京都)など、日米の軍事一体化を加速させる要因になっています。

 一方、(2)は63基地が該当し、いずれも自衛隊基地の看板がかかっています。日本本土では73年の大規模な整理・統合などで米軍専用基地が大きく減る一方、80年代から自衛隊基地の共同使用が急増。さらに在沖縄海兵隊の県道104号越え実弾射撃訓練や米軍機の訓練移転に伴い、多くの自衛隊基地内に米軍専用施設が建設されるようになりました。

 築城(福岡県)、新田原(宮崎県)両基地では、米軍普天間基地(沖縄県)の「緊急時」の「能力代替」のためとして、米軍用の弾薬庫や滑走路延長まで狙われています。

 米軍は「二4b」に基づいて民間の土地も使用できます。今年10月、種子島空港跡地(鹿児島県)で初めて、民間地を使用しての日米共同訓練が強行されました。日米地位協定を根拠として、文字通り日本全土が基地になりうるのです。

2条のポイント

 (1)米国は日米安保条約第6条に基づき、「日本国内の施設・区域」の使用を許される。個々の施設・区域に関する協定を交わす

 (2)新たな基地を提供、必要ない基地を返還する。

 (3)米側が管理している施設・区域を日本側が一時的に使用できる(二4a)/米側が自衛隊基地や民間施設などを一時的に使用できる(二4b)



by daisukepro | 2018-11-06 01:25 | 日米地位協定