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消費税10% 増税計画は中止を 強行なら経済に破滅的影響 志位委員長の質問 衆院予算委


2019年2月13日(水)

消費税10% 増税計画は中止を

強行なら経済に破滅的影響

志位委員長の質問 衆院予算委

 「消費は持ち直している」「所得環境は改善している」―安倍政権が持ち出している消費税率10%への増税の根拠が、日本共産党の志位和夫委員長の追及で総崩れとなりました。


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(写真)追及する志位和夫委員長(左端)=12日、衆院予算委

「消費持ち直し」どころか家計は打撃負ったまま

首相「水面下」と認める

 深刻な消費不況のもとで消費税10%への増税を強行していいのか―。

 志位氏は、2014年の8%への増税を契機に、消費が大きく落ち込んだままだとして、総務省「家計調査」の2人以上世帯の実質家計消費支出の推移を示しました。東日本大震災の11年をボトム(底)にして、12年、13年と弱々しいが回復傾向にあり、増税前の13年の平均363・6万円に比べ、18年平均は338・7万円と、年額約25万円も落ち込んでいると告発。「家計消費が、8%増税による打撃を回復するにいたっていないことを認めるか」とただしました。

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 安倍首相はこれを否定できず、「GDP(国内総生産)ベース」を持ち出して、16年以降は「持ち直している」と答弁しました。

 しかし志位氏は、内閣府のデータをもとにしたGDPベースでみても、消費の低迷は明らかだと指摘。実態のない統計上の架空の消費である「帰属家賃」(持ち家も家賃を払ったとみなして家計消費に計上するもの)を除いた実質家計消費でみると、増税前の13年平均241兆円に比べて、直近は237・9兆円と、約3兆円も落ち込んでいることを突き付けました。

 志位氏が「総理は『持ち直している』と言ったが、水面下に沈んだままだ」とただすと、安倍首相も「水面下、13年平均(241兆円)の上に出ていない、というのは事実だ」と認めざるをえませんでした。

 また帰属家賃について、茂木敏充経済再生相は「国際基準に基づくもの。持ち家比率が異なる国々でも消費やGDPが比較可能になる」などと答弁。志位氏は「架空の消費にすぎず、これが増えても商店の売り上げは1円も増えない」と述べ、「国際比較というが、一国の消費の推移をみる上では、これを除いてみることが当たり前だ」と反論しました。

 世帯あたりの消費をとらえる家計調査ベースでも、一国全体の消費をとらえるGDPベースでも、家計消費は8%増税による打撃を回復するに至っていない―。このことを安倍首相も否定できませんでした。

 志位氏は、家計消費が日本経済の6割を占める「文字通りの経済の土台」であり、それが増税の痛手を負ったままだと指摘。増税が消費を冷え込ませ、経済に破滅的影響を及ぼすことは明らかだと追及したのに対し、安倍首相は「前回(8%への増税)の反省を踏まえ、頂いたもの(消費税)を全てお返しする形で対策を行う」と述べました。

 志位氏は「返すくらいなら、最初から増税しなければいい」と痛烈に反論。「いまの日本経済が増税にたえる力をもっていないという懸念は、立場の違いを超えて多くの人々から寄せられている」として、「セブン&アイ・ホールディングス」名誉顧問の鈴木敏文氏が「いまのタイミングで消費税を上げたら、間違いなく消費は冷え込んでしまう」などと警告していることを紹介しました。

「所得環境改善」どころか実質賃金はマイナスに

首相「(14年の)消費税増税後の下げ当然」

毎勤統計でも

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 安倍首相が繰り返している「所得環境は着実に改善している」という主張は本当か―。

 志位氏は、毎月勤労統計調査の不正で18年の賃金が実態よりもかさ上げされていた問題を指摘。18年1~11月の実質賃金の増減を前年と同じ対象の「共通事業所」で算出すると、年間平均マイナス0・5%となった野党試算を根本厚労相が事実上追認したことや、18年度の平均実質賃金382万円(政府公表値)は6年間で10万円も減っていることを示しました。

 「毎月勤労統計では総理の主張に真っ向から反する結果が出た」とただす志位氏に対し、茂木敏充経済再生担当相は「実質賃金は伸び悩んでいる」としながら、安倍政権下で低賃金のパート就業者が増えたことや物価上昇を理由としました。

 志位氏が「急にパートが増えたのではなく(14年の)消費税増税の影響だ」と反論すると、首相は「消費税を上げれば(物価が上がり)実質賃金が押し下げられるのは当然だ」と居直りました。

連合調査でも

 志位氏は続けて、安倍首相が強調する「(労働組合の)連合の調査では、5年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが続いている」という主張には「二重の上げ底」があるとただしました。

 第1は、名目値の数字を利用していることです。賃金水準をはかるには、物価上昇を差し引いた実質賃金が何よりも大切です。

 連合調査に基づいて今世紀に入ってからの賃上げ状況を見ると、名目値では、最近6年間(13~18年)の賃上げ率が平均2・01%で一番高くなっています。しかし、実質賃上げ率の平均は02~07年が2・14%、10~12年が2・59%ですが、13~18年は消費税増税の影響で1・1%に落ち込んでいます。

 志位氏は「実質賃上げ率で見れば、最近6年間は『今世紀に入って最高水準』ではなく、『今世紀に入って最悪水準』だ」と迫りました。

 「二重の上げ底」の第2は、年齢や勤続年数に応じて賃金が上がる「定期昇給」を含んだ数字を利用していることです。志位氏は「賃上げと言うなら、労働者全体の賃金水準を引き上げるベースアップが何よりも大切だ」と強調しました。

 それでは、首相が語ってきた「多くの企業で5年連続となるベースアップが行われ、その水準も昨年を上回っている」という主張はどうか。ベースアップは、物価上昇を差し引いた実質値(連合調査)を見ると、この5年間の平均はマイナス0・54%です。

 志位氏は「国民の暮らしに心を寄せるなら実質で見るのは当たり前だ」としたうえで、「『二重の上げ底』を取り払ってみれば、賃上げどころか賃金はマイナスだ。連合調査から都合のよい数字をつまみ食いしてごまかしを言うのは、金輪際、やめるべきだ」と厳しく批判しました。

「就業者380万人増」の内実

年金では生活できぬ高齢者 高学費でバイト必須の学生

 志位氏はさらに、首相が「安倍政権において就業者が380万人増えた」「こうした形で総雇用者所得が増加している」と言う中身をただしました。

 総務省の調査では、この6年間で増えた就業者総数384万人の7割・266万人を占めるのが65歳以上の高齢者です。内閣府の調査で高齢者が働き続ける理由は、ドイツやスウェーデンは「仕事そのものが面白いから、自分の活力になるから」との回答が1位だったのに対し、日本は「収入がほしいから」が断トツ1位です。

 高齢者の次に多いのが90万人増の15~24歳で、そのうち74万人が学生と高校生です。日本学生支援機構の調査では、授業期間中に行うアルバイトが増加し、約8割の学生が従事しています。

 志位氏は切々と訴えました。「高齢者は『年金だけでは生活できない』と無理をしてでも働かざるをえず、学生は高すぎる学費を払うために勉強時間を削ってアルバイトをせざるをえない。総理はこういう現状をもって『所得環境は着実に改善』と言うのか」

 首相は「仕事がある状況を私たちがつくりだした」と自画自賛。志位氏は「政治がやるべきことは低すぎる年金を底上げし、高すぎる学費を抜本的に引き下げることだ」と主張しました。

 実質賃金はマイナスで、「総雇用者所得」や「380万人増」の実態も「所得環境の改善」の根拠とならないことは明白です。志位氏は「消費税10%への増税の根拠総崩れになった。増税計画をきっぱり中止すべきだ」と力を込めました。

国民から総すかん 天下の愚策

「ポイント還元」

 志位氏は、安倍政権による消費税増税のための「景気対策」を追及しました。特にクレジットカードなどのキャッシュレス決済時に行う「ポイント還元」は、複数税率とセットになると「買う商品」「買う場所」「買い方」によって税率が5段階にもなり混乱、負担、不公平をもたらす「怨嗟(えんさ)の的」となっています。

 日本スーパーマーケット協会など流通3団体は昨年12月、ポイント還元の見直しを求める異例の意見書を政府に提出。「消費者にとっては極めて分かりづらい制度となり、日々の買い物において必要のない混乱が生じるのではないか」などと強い懸念を表明しています。

 志位氏は、5日に東京・北区の商店街を訪問した際、経営者から寄せられたポイント還元に対する批判や懸念、不安を示しました。

 「一つはキャッシュレス決済に対応できない商店が出てくるということだ」と志位氏。売り上げの少ない商店など、対応できないと経営が立ち行かなくなる恐れがあります。

 二つはクレジットカード会社に払う手数料の問題です。中小小売店の場合、手数料は5~10%にもなります。3・25%の上限や、そのうち3分の1を補助するのも増税後の9カ月間だけです。

 三つは、キャッシュレス決済にすると現金がすぐに入らず、小さな商店では資金繰りが苦しくなる問題があります。志位氏は、安倍首相が2日に東京・品川区の商店街を訪問した際、「こうした懸念、不安、批判の声が出なかったのか」と迫りました。

 安倍首相は「QR決済の導入は簡単にできる。レジ締めの手間削減で生産性向上につながる」など、あくまでもキャッシュレス化に固執しました。

 志位氏は「現場の中小企業者からは非難ごうごうだ」と強調。各紙の世論調査でも国民の6割以上がポイント還元に反対していると指摘し、「中小小売業者からも国民からも総すかんの天下の愚策は認められない」と主張しました。

 ■都内の商店街で寄せられた意見

 ・売り上げの少ない店などキャッシュレス決済に対応できない店がでてくる。

 ・カード会社に払う手数料が心配。補助も上限制限(3・25%)も9カ月だけ。

 ・キャッシュレスになると商品が売れても、現金がすぐに入ってこなくなる。

消費税に頼らぬ道

富裕層と大企業への優遇税制にメスを

 志位氏は「空前のもうけを手にしている富裕層と大企業への優遇税制にこそメスを入れるべきだ」と述べ、消費税に頼らない道への転換を求めました。

 志位氏は所得税の負担率が、所得1億円を超えると所得が増えるごとに低下していくと指摘。株取引にかかる税金(証券課税)が一律20%と低いためです。低すぎる証券課税について経済同友会や経済協力開発機構(OECD)は、5%程度の税率引き上げを提案しています。

 志位氏はこうした提案を「真剣に実行すべきではないか」と迫りました。麻生太郎財務相は「金融所得課税は税制改正大綱でも検討している」と答弁。志位氏は「提案は13年末の見直しが不十分だとなされたものだ。5%の課税もしないのか」と批判しました。

 志位氏は「庶民には5兆円もの大増税をかぶせながら、富裕層への課税をかたくなに拒否する。こんな間違った政治はない」と糾弾。消費税10%への増税の中止を求めました。

志位委員長の質問に反響 トレンド入り

 12日の衆院予算委員会での日本共産党の志位和夫委員長の質問への反響が、党本部に寄せられました。

 新潟県長岡市の女性は、「ポイント還元するくらいなら、消費税上げないほうがいいと周りの人が言っている。年寄りはこれからどうやって暮らしていこうかと不安なんです」と語りました。

 「共産党が質問していたので、聞いてみようと思い電話した」という男性(72)は、家族の介護の悩みを相談。「これからどうなるか不安だ。共産党が言っていることがまともだと思う。社会保障にカネを使ってもらわないといけない。そういう政府をつくらないといけない。がんばってくれ」と話しました。

 江東区の男性は「志位さんの質問よかった。知り合いには自民党員もいるが、『消費税の増税には反対だ』と言っている」と指摘。「ポイント還元や対策費用も税金だ」と憤りました。

 志位氏の質問直後には、短文投稿サイト・ツイッターの「おすすめトレンド」に、「志位さん」がトレンド入りしました。


by daisukepro | 2019-02-13 11:24 | 政治

消費税10% 首相の“根拠”総崩れ 志位委員長“きっぱり中止を” 家計消費も実質賃金もマイナス 首相認める 衆院予算委

消費税10% 首相の“根拠”総崩れ

志位委員長“きっぱり中止を”

家計消費も実質賃金もマイナス 首相認める

衆院予算委

 日本共産党の志位和夫委員長は12日の衆院予算委員会で、家計消費が落ち込み、実質賃金も落ち込んでいる実態を明らかにして今年10月からの消費税10%増税の中止を求めました。安倍晋三首相は、言い訳を重ねながらも家計消費と実質賃金のマイナスを認めざるをえず、消費税増税の根拠は総崩れとなりました。(関連記事)


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(写真)質問する志位和夫委員長=12日、衆院予算委

 志位氏は、総務省の家計調査をもとに実質家計消費支出の推移を提示。物価変動の影響を除いた実質の家計消費支出は、2014年の消費税8%増税を契機に大きく落ち込み、増税前と比べて年額で約25万円も減っています。一方、首相が「持ち直している」というGDP(国内総生産)ベースでも、統計上の架空の消費である「帰属家賃」を除いた実質家計消費は8%への増税を契機に大きく落ち込み、増税前と比べて約3兆円も減っている(図)として、「1世帯当たりの消費をとらえる家計調査ベースでも、一国全体の消費をとらえるGDPベースでも、家計消費は8%増税による打撃を回復するに至っていない」とただしました。安倍首相は「水面上には顔をだしていない」と認めざるをえませんでした。

 さらに、志位氏は、安倍首相が繰り返す「所得環境は着実に改善している」という弁明も根拠がないことを厚生労働省の毎月勤労統計、連合の調査、総雇用者所得の3点から追及。不正調査が発覚した毎月勤労統計では、18年の実質賃金は調査対象を変えたために伸び率が過大となっており、より実態に近い「共通の事業所」で比較すれば、前年比で実質賃金はマイナスです。また、12~18年の6年分の推移をみれば、政府の「公表値」でも、実質賃金は増税前と比べて10万円以上も落ち込んでいます。志位氏の追及に安倍首相は「消費税が上がれば実質賃金が押し下げられるのは当然」と居直ったものの実質賃金がマイナスとなったことを認めました。

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 志位氏は、安倍首相が主張する「連合の調査では、5年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げ」について、(1)「名目ベース」であること(2)「定期昇給」を含んだ数字であること―の「2重の上げ底」の数字だと追及。賃上げ水準をはかるなら、買えるモノやサービスを決める「実質賃金」で見ることが大切だと強調しました。

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 志位氏は、連合調査でも「実質ベースアップ率」はこの5年間平均でマイナス0・54%だとして「ベースアップは、物価上昇に追いついておらず、労働者全体の実質での賃金水準はマイナスだ」とただしました。安倍首相は実質賃金のマイナスを否定できず、「給料明細に書いてあるのは名目賃金」「安倍政権になって久々にベースアップが復活した」などと弁明に終始。志位氏は「都合のよい数字だけをつまみ食いして『今世紀に入って最高水準』というゴマカシをいうのは金輪際やめるべきだ」と批判しました。

 さらに志位氏は、安倍首相が「総雇用者所得」を持ち出して、「働く人が増えたからみんなの稼ぎが増えた」と主張する就業者の“増加”なるものについても「増えたという380万人の中身はどんなものか」と問いかけ、増加のほとんどが65歳以上の高齢者と高校生・大学生で、少ない年金や高い学費のために働かざるをえない状況になっていることが内閣府や日本学生支援機構の調査でも示されていることを指摘。「こういう現状をもって『所得環境は着実に改善』というのか」とただしました。

 安倍首相は答弁に窮し、「仕事があるという状況を私たちがつくりだすことができた」などと言い訳。志位氏は「政治がやるべきは、低すぎる年金の底上げをはかり、高すぎる学費を抜本的に引き下げることではないか」と批判し、「消費税を10%に増税することは生活に苦しむ高齢者、学生、女性、多くの人々に追い打ちをかけることであり、絶対やってはならないことだ」と強調しました


by daisukepro | 2019-02-13 11:22 | 政治

立民、衆院選に備え擁立前倒しへ 枝野氏指示、党全国会議

 立憲民主党の枝野幸男代表は11日、都道府県連の幹部を集めた全国幹事長会議で、夏の参院選に合わせた衆参同日選挙に備え、衆院選の候補者の擁立作業を前倒しするよう指示した。「解散を打つなら、しっかりと受けて立つ決意だ」と述べた。執行部は衆院候補者の全国公募を3月上旬から実施する方針を示した。

 会議では、4月の統一地方選で積極的に女性候補の擁立を進める方針を確認。参院選は32ある改選1人区で候補者一本化の野党間調整を加速させることも報告された。

(共同)

 


立憲民主党の全国幹事長会議。奥は枝野代表=11日午後、東京・永田町

 立憲民主党の全国幹事長会議。奥は枝野代表=11日午後、東京・永田町


by daisukepro | 2019-02-11 21:03 | 政治

科技予算が「過去最大」という 政権のトリック 公共事業や軍拡も“混入” 集計方法を改変

科技予算が「過去最大」という

政権のトリック

公共事業や軍拡も“混入” 集計方法を改変

 日本の科学力低下が問題となるなか、安倍政権は2019年度予算案の「科学技術関係予算」が過去最大規模になったと発表しました。しかし、増加の中身を精査すると、“過去最大”を演出する集計方法のトリックが見えてきました。


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 「研究開発事業の拡充等に努めてきた結果、1995年の科学技術基本法制定以降で過去最大規模となる4兆2377億円が計上された」

 平井卓也科学技術担当相は1月29日の会見で、1年間で4千億円近く科技予算を増やしたと発表。科技予算をGDP(国内総生産)の1%にする安倍政権の目標に「近づけるチャンスが来た」と力を込めました。

 しかし、科技予算で最も増えたのは、先進技術を活用した公共事業の予算です。国土交通省は前年度の1千億円から2千億円に、農林水産省も215億円から320億円に増額しました。

 公共事業が科技予算とされる背景には、内閣府が昨年策定した科技関係予算の新たな集計方法があります。新集計方法は、集計に含めるか各省で判断に差があった“科学技術を活用した事業予算”を集計対象に含めることを明確化。集計方法の変化が科技予算をかさ上げする大きな要因となっています。

 公共事業ではドローン(無人航空機)やICT(情報通信技術)、GPS(全地球測位システム)などの活用を想定しています。

 次に増額幅が大きいのが国立大学の施設整備費です(文部科学省予算、639億円増の947億円)。ただし、増額の大部分は、消費税増税対策として実施される「臨時・特別の措置」です。

 安倍政権の軍拡路線の影響も大きい。防衛省が新規に科技予算に登録したのは、対潜哨戒機(255億円)や護衛艦搭載用の対潜ソナー(151億円)、敵基地攻撃も可能な高速滑空弾など各種誘導弾(54億円)の開発費。兵器開発が科技予算を押し上げている形です。

 米国の宇宙戦略を補完する準天頂衛星システムの開発費(内閣府予算、108億円増の263億円)や、医療費抑制を狙ったマイナンバー活用推進(厚生労働省予算、カルテの電子化と合わせて575億円増の618億円)も増加要因になっています。

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“科技予算 過去最大”のトリック

「二重のかさ上げ」を駆使

 国立大学運営費交付金の削減や研究予算の相次ぐ改悪に大学関係者などから「日本の科学技術・学術研究体制全体が崩壊する」と批判が上がるなか、安倍政権が発表した科学技術関連予算の“過去最大規模”化。そこには二重のかさ上げが隠されています。

対象を拡大

 一つは、集計方法の変更です。2015年度までは科技予算に該当するかどうかの判断は各省に任されていました。内閣府は、各省でばらつきがあった「科学技術を用いた新たな事業化」や「既存技術の実社会での普及促進」も集計すべきだとし、16年度995億円、17年度893億円、18年度791億円を科技予算としてかさ上げしました。

 しかし、こうした新しい知識を創造しない事業は、国際比較される政府研究開発予算には入りません。

 内閣府は、各省の事業を一つ一つ科技予算に該当するか仕分けする作業を開始。新たに約500事業を科技予算に入れる一方、40事業を除外しました。内閣府は19年度予算案のかさ上げ分は計算していません。

 もう一つのかさ上げは、同じく18年度から始まった「科学技術イノベーション転換事業(イノベ転換)」です。18年度は1915億円、19年度も1247億円に上り、19年度の場合9割を国土交通省と農林水産省のドローン(無人航空機)やICT(情報通信技術)を使った公共事業が占めます。

 内閣府はイノベ転換について、既存技術を使っている事業に先進技術を導入するよう内閣府が働きかけ、各省が応じたものを科技予算として集計したものだといいます。

 しかし、国交省は16年には「ICT施工(土工)」の活用を打ち出しています。担当者は、ICT施工は工事現場の喫緊の課題である人不足から出発したもので、内閣府から言われて始めたものではないと指摘。ドローンを使った測量などICT土工の活用で、作業時間が平均31・2%削減されたと語ります。

 イノベ転換が始まる前年の17年度には対象の土木工事の約4割でICT土工を実施しています。先進技術の活用といっても実証実験ですらなく、確立している技術の活用を科技予算として数えているのが実態です。

比較困難に

 国交・農水両省とも、イノベ転換以前は公共事業予算は科技予算に含めてこなかったとし、それまでのICT施工などにかかった予算の実績も把握していないといいます。また、イノベ転換に登録した予算のうち実際にいくらが先進技術に使われたのかも「把握していない」(農水省)、「把握は困難」(国交省)だといいます。

 これでは、イノベ転換で科技予算が本当に増えたのかは検証できません。

 しかも、時間の経過や普及具合で先進技術の定義は変わってきます。内閣府の担当者は、技術の普及状況などをみながら「毎年カウントしていくしかない」といいます。

 時の政権の思惑で恣意(しい)的な解釈を可能にする余地があります。なにより、二重のかさ上げによって、これまでの科技予算との比較ができなくなったことは重大問題です。(佐久間亮)




by daisukepro | 2019-02-11 14:32 | 政治

勤労統計の不正で2千万人を超す被害が生じている 労災認定に高いハードル、その上政府による数字のごまかし――国民の怒りの声にどう答える

小池書記局長の代表質問 参院本会議

 日本共産党の小池晃書記局長が1日、参院本会議で行った代表質問の全文は次のとおりです。


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(写真)代表質問する小池晃書記局長=1日、参院本会議

勤労統計の不正で2千万人を超す被害が生じている

労災認定に高いハードル、その上政府による数字のごまかし――国民の怒りの声にどう答える

 日本共産党の小池晃です。会派を代表して、安倍総理と厚生労働大臣に質問します。

 厚生労働省の毎月勤労統計の不正により、雇用保険、労災保険などで2000万人を超える被害が生じています。給付を受けていた方は、失業で収入の道をたたれ、あるいは労災で一家の大黒柱を失うという、最もつらく厳しい状態にありました。それなのに、労災で死亡された方の遺族年金などで27万人、1人平均約9万円も給付が少なかったのです。

 過労自死で夫を失った寺西笑子(えみこ)さんは「労災認定には高いハードルがあり、被害者なのに何年もたたかわないと認定されない。その上、国が数字をごまかして補償額を減らし、15年も放置し、わかっても秘密裏に修正していた。二重三重に国に裏切られた。怒りが抑えられない」とおっしゃっています。当然の怒りです。総理はこの声にどう答えるのですか。

再調査のやりかたそのものが組織的隠ぺい、徹底解明を求める

 厚労省の特別監察委員会は「組織的な隠ぺいの意図までは認められなかった」としました。しかしその報告書の原案は厚労省が作成し、職員らへの聞き取りの7割は「身内」である厚労省職員が行い、その場には厚労省審議官と官房長が同席して質問し、今行われている「やり直し」の調査にも、人事課長が同席しているといいます。

 こうした調査そのものが、まさに「組織的隠ぺい」ではありませんか。総理はこれで真相が解明され、国民の納得が得られると思いますか。

 厚労大臣に問います。大臣は参院厚生労働委員会の閉会中審査で「しっかり第三者委員会としてやっていただいた」と答弁しましたが、「第三者委員会」の体をなしていません。答弁を撤回すべきではありませんか。

 総理には昨年12月28日に報告したと言いますが、なぜこの日になったのですか。この日は、統計不正が初めて報道された日です。隠しきれなくなって、報告したのではありませんか。根本大臣の下で、国民の信頼を取り戻すことは不可能です。

 総理。今の特別監察委員会による再調査ではなく、厚労省から完全に独立した組織をつくり、調査を一からやり直すべきです。国会にすべての資料を提出し、関係者を招致し、徹底した真相解明を行うべきです。明確な答弁を求めます。

偽りの数字をもとに、賃上げを誇り、消費税増税を決めた安倍政権の責任は重大

実質賃金と家計消費が落ち込んでいるときに消費税を増税すればくらしも経済も破壊

 昨年の実質賃金は、実際には大幅マイナスだった可能性が指摘されています。

 しかし総理は、「毎月勤労統計の数字のみを示したことはない」と述べ、毎勤統計の代わりに「連合」の調査結果にすがりついて、「5年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げ」と開き直りました。しかし、これは物価の上昇を織り込んでいない名目の賃上げ率です。この5年間には消費税の増税をはじめ物価の上昇があり、その分を差し引いた実質にすると1%程度にすぎません。これは、逆に今世紀に入って最低ではありませんか。

 偽りの数字をもとに、賃上げを誇り、消費税増税を決めた安倍政権の責任はきわめて重大です。

 総理の施政方針演説には「家計消費」という言葉がついに一度も出てきませんでした。賃金統計は都合のいいように偽装しながら、消費の落ち込みという都合の悪いデータは抹殺するのですか。経済の6割を占める家計消費を無視して、まともな経済対策など成り立ちません。実質賃金と家計消費が落ち込んでいるときに、消費税増税を強行すれば、くらしも経済も、破壊されてしまうのではありませんか。

消費税は社会保障の安定的な財源になりえない

 総理は施政方針演説で「頂いた消費税をすべて還元する規模の十二分な対策を講じる」と述べました。最初から戻すくらいなら、増税しなければいいではありませんか。

 総理は「消費税率の引き上げによる安定的な財源がどうしても必要」だといいますが、増税分を戻さなければならないほど、景気に深刻な打撃を与えるような税のみに、社会保障の財源を頼ることが根本的な間違いであり、安定的な財源にはなりえないことの証明ではありませんか。

増税するなら、アベノミクスで大もうけした富裕層と巨大な内部留保を抱える大企業に

 今年度末で、消費税導入から30年となります。この間の消費税収は372兆円ですが、その期間に法人3税は290兆円、所得税・住民税は270兆円も減りました。消費税が、法人税や所得税などの穴埋めに使われ、財政再建にも、社会保障の拡充にもつながらなかったことは明らかではありませんか。

 増税するなら逆進的な消費税ではなく、アベノミクスでさんざんもうけた富裕層です。富裕層の株のもうけに欧米並みの税率で課税し、400兆円を超える内部留保を抱える大企業に中小企業並みの税負担率を求めれば、消費税10%増税分の税収は確保できます。この道を進むべきではありませんか。

 日本共産党は、負担能力に応じた負担で、経済も財政も両立させ、社会保障を充実させる本当の改革実現に全力をあげるものです。

高齢世代の貧困と不安の増大が日本社会の深刻な問題に

“年金に頼らず、死ぬまで働け”が首相のメッセージか

 総理は「全世代型社会保障への転換とは、高齢者のみなさんへの福祉サービスを削減する、との意味では全くありません」と述べました。しかし実態はどうか。

 「下流老人」「老後破産」など、高齢世代の貧困と不安の増大が、日本社会の深刻な問題となっています。その大きな原因が、少ない年金給付です。現在、国民年金のみの受給者の平均年金額は月5・1万円。厚生年金受給者でも、女性の平均額は月10・2万円。年金受給者の7割は年金額が年200万円未満にすぎません。

 こうした中で、安倍政権は、何をしようとしているか。

 昨年の物価指数はプラス1・0%であり、生活水準を維持するためには年金改定率も同じにしなければなりません。ところが、マクロ経済スライドなどが発動され、来年度の年金改定率はプラス0・1%に抑えられます。

 物価は1%上がっているのに、年金は0・1%しか上げない。

 つまり、来年度だけでも0・9%の実質減額です。

 その結果、安倍政権発足後の7年間をみると、物価が5・3%上昇したのに、年金は0・8%の引き下げとなり、7年間で物価と年金は6・1%も乖離(かいり)しました。

 総理は、これで高齢者の生活水準が維持できるとでもいうのですか。

 総理は施政方針演説で高齢者の就業人口増加を誇りましたが、内閣府の調査によれば、高齢世代が「就労の継続を希望する理由」について、ドイツやスウェーデンでは、「仕事そのものが面白い、自分の活力になるから」が回答の1位だったのに対し、日本では「収入が欲しいから」がダントツ1位です。

 「年金だけでは、生活できない」、「年金が減らされ、これからの生活が不安」、だから多くの高齢者が、無理をしてでも働かざるを得ない――これが今の日本の現実です。

 年金給付を抑制しながら、他方で「生涯現役の社会」を掲げれば、それは、“年金に頼らず、死ぬまで働け”というメッセージにしかなりません。

 これが、総理のいう「一億総活躍社会」なのでしょうか。

国保料の国庫負担を引き上げ、国民の負担軽減は急務

 「全世代型社会保障」を実現するというなら、今すぐ解決するべき問題があります。高すぎる国民健康保険料・税の問題です。

 協会けんぽ、組合健保など、被用者保険の保険料は、収入に保険料率をかけて計算しますから、家族の人数が保険料に影響することはありません。ところが、国保には世帯員の数に応じて加算される「均等割」があり、子どもの多い世帯ほど保険料が高くなります。

 「まるで人頭税(じんとうぜい)だ」という批判の声が上がり、全国知事会・全国市長会など地方団体からは「子どもの均等割の軽減」を求める要望が再三出されてきました。

 2015年に地方との協議の場で、政府は検討に合意しましたが、その後いったいどうなったのですか。合意してからすでに4年がたとうとしています。地方との約束を果たすことは、待ったなしではありませんか。

 地方団体は、国庫負担引き上げによる国保料の抜本的軽減を一貫して求めています。

 国保の1人当たり保険料水準は、公的医療保険のなかでもっとも高く、協会けんぽの1・3倍、組合健保の1・7倍です。「全世代型社会保障」を言うなら、全世代にわたり重すぎる、国保負担の軽減は急務ではありませんか。

日本農業を破壊し、経済主権を米国に売り渡す日米FTA交渉は中止せよ

 米国通商代表部(USTR)が昨年12月、日本との通商交渉に向けて22の交渉項目を発表しました。USTRは今回の協定を「米日貿易協定」と呼んでおり、安倍政権が強調する「物品貿易協定」ではありません。「物品貿易」は22項目のうちの一つにすぎず、通信・金融を含むサービス貿易、知的財産、投資など広範囲にわたり、為替まで入っています。

 昨年の本会議で総理はアメリカと交渉するのは物品貿易協定であり「包括的なFTAではない」と答弁しましたが、USTRが挙げた22項目は、まさに「包括的なFTA」そのものではありませんか。

 安倍首相が事実と異なる説明をしてきたのか、USTRが合意にないことを発表したのか。どちらが真実か、はっきりさせるべきではありませんか。

 日本農業を破壊し、経済主権をアメリカに売り渡す日米FTA交渉は、ただちに中止すべきです。総理の答弁を求めます。

沖縄県民への新基地押し付けやめ、米国に普天間基地撤去求めよ

期間も費用もわからない新基地工事を直ちに中止せよ

 沖縄県知事選挙では、8万票の大差で玉城デニーさんが当選し、辺野古新基地建設反対の圧倒的な民意が示されました。しかし安倍政権はそれを一顧だにせず、辺野古で土砂投入を強行しています。

 大浦湾の「マヨネーズ並み」といわれる超軟弱地盤の存在について、政府は3年前に報告を受けながら隠ぺいしていましたが、地盤改良の必要性をようやく認めました。

 そして、総理は地盤改良を行う場合の「今後の工期や費用について確たることを言うのは困難」と述べました。工事がいつまでかかるか、費用がどれだけかかるかもわからずに、赤土を含む違法な土砂投入を続け、新たな護岸まで建設するのは、言語道断です。直ちに工事を中止するべきではありませんか。

国際法違反で建設された普天間基地は、無条件返還が当然

 日米両政府が普天間基地の返還を合意してから23年になりますが、いまだに実現していません。なぜか。代替基地を沖縄県内に求めてきたからです。

 しかし普天間基地は1945年4月、米軍が住民を強制収容している間に、民有地を囲い込んで造ったものです。基地の91%は私有地でしたが、対価も全く支払われていません。

 ハーグ陸戦法規は、戦争中といえども私有地を没収することを禁じており、たとえ軍の必要で収用する場合であっても、その場合は対価の支払いを義務付けています。住民を収容所に入れている間に土地を強奪し、対価も払わないというのは、どんな弁明も通用しない国際法違反の行為にほかなりません。総理には、これが国際法違反だという認識がありますか。

 国際法違反で建設された普天間基地は、無条件返還が当然ではありませんか。

 総理は「これまで20年以上におよぶ沖縄県や市町村との対話の積み重ねの上に、辺野古移設を進め」ると述べました。しかし、安倍政権が一体どんな対話を行ったというのですか。問答無用で強権を発動しているだけではありませんか。

 亡くなられた翁長雄志前知事は「沖縄には魂の飢餓感がある」とまで述べられました。対話を積み重ねるどころか、対話を一方的に破壊し、沖縄の人々の思いを踏みにじっているのが安倍政権ではありませんか。沖縄県民に新基地を押し付けるのではなく、米国に普天間基地撤去を求めることを強く要求するものです。

 あわせて、屈辱的な日米地位協定の抜本的な改定を強く求めます。

「専守防衛」の建前も投げ捨てる安倍政権の憲法破壊を断じて許さない

攻撃的兵器の保有は明らか

 安倍政権は昨年12月に「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」を閣議決定しました。安保法制と日米新ガイドラインに基づき、日米同盟を一層強化するとともに、「従来とは抜本的に異なる速度で防衛力を強化する」ことを強調し、最新鋭ステルス戦闘機F35Bを搭載できるように、「いずも」を空母に改造しようとしています。

 しかし、これは「攻撃的兵器を保有することは自衛のための最小限度を超えることになるから、いかなる場合にも許されない」としてきた従来の政府の立場をも、蹂躙(じゅうりん)するものではありませんか。

 岩屋防衛大臣は「いずも」を改造しても「攻撃型空母には当たらない」と述べながら、同じ記者会見で、米原子力空母ロナルド・レーガンや中国の空母・遼寧が「攻撃型空母に当たるか」と問われ、「攻撃型空母という定義は、はっきりとない」と回答を避けました。「攻撃型空母の定義はない」と言いながら、「いずも」改造艦船は「攻撃型空母には当たらない」といっても、通用するはずがないではありませんか。

 「いずも」を空母化してF35Bの離発着が可能になれば、明らかに他国に打撃を与える能力を持つことになります。「専守防衛」の建前すら投げ捨てる、安倍政権の憲法破壊を断じて許すわけにはいきません。

国民が望んでもいない改憲論議を求めることは首相には許されない

 総理は施政方針演説であらためて改憲議論を呼びかけました。しかし、総理が改憲を声高に訴えれば訴えるほど、改憲を求める世論は逆に減少を続けています。総理は、その原因がどこにあると考えますか。

 昨年、私も出演したテレビ番組で、自民党の萩生田幹事長代行は「不思議なことに世論調査で『安倍首相が進める改憲』と聞くより、ただ改憲について聞く方が賛成が多い」と述べましたが、不思議でもなんでもありません。

 憲法を蹂躙し、「専守防衛」の建前も投げ捨て、戦争する国に向かう総理が改憲の旗を振ることに、多くの国民が不安と懸念を強めているのです。

 どんな世論調査を見ても、国民の圧倒的多数は、改憲を国政の最優先課題とは考えていません。

 国民が望んでもいない改憲を、憲法尊重擁護義務を課されている総理が、自らの権力行使の抑制を緩めるための改憲論議を国会に求める。そんなことが許されるはずがないではありませんか。このこと自体が、立憲主義の乱暴きわまる否定ではありませんか。

市民と野党の共闘で安倍政権の一日も早い退陣を求めてたたかいぬく

 統計不正も、裁量労働制や外国人労働者のデータねつ造も、森友文書改ざんも、イラク日報の隠ぺいも、その根底にあるのは、安倍政権の政治モラルの大崩壊です。こんな政治に未来はありません。

 日本共産党は、市民と野党の共闘で、うそのない当たり前の政治を実現し、立憲主義を回復し、憲法を守り生かし、くらしに希望を取り戻すため、安倍政権の一日も早い退陣を求めてたたかいぬく、その決意を表明して、質問を終わります。





by daisukepro | 2019-02-04 22:44 | 政治

消費税増税 根拠総崩れ 「賃金増」は虚構 ■ 家計消費も減 首相 まともに答弁できず 代表質問で鮮明

消費税増税 根拠総崩れ

「賃金増」は虚構 ■ 家計消費も減

首相 まともに答弁できず

代表質問で鮮明

 安倍晋三首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が1月30日から3日間、衆参両院の本会議で行われました。野党が今年10月からの消費税10%増税の中止・凍結を求めるなか、日本共産党の質問に対して、まともな答弁ができない安倍首相の姿が鮮明になり、消費税増税の根拠は総崩れとなりました。4日からは衆院予算委員会で2018年度補正予算案の論戦が始まります。


●統計不正でかさ上げ

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(写真)質問する志位委員長

 代表質問に立った日本共産党の志位和夫委員長と小池晃書記局長は「今年10月からの消費税10%増税は、どこから見ても道理がない」(志位氏)ことを具体的に示し、増税の中止を訴えました。

 野党合同ヒアリングなどでの追及で、毎月勤労統計の不正によって、昨年の賃金の伸び率が実態よりもかさ上げされていたことが判明し、実質賃金は前年比マイナスになる可能性があることが明らかになりました。メディアも「賃金偽装」、「アベノミクス偽装」と批判する事態に。

 志位氏は政府が消費税10%増税の前提にしている「賃金が増加している」との認識について「政府の認識は虚構だった」と指摘。「少なくとも統計不正の事実解明抜きに増税を強行することは論外だ」と追及しました。安倍首相は「(10月に10%に引き上げるという)方針に変更はありません」と開き直り、「今世紀に入って最高水準の賃上げが継続」と強弁しました。

 安倍首相が唯一すがったのが労働組合の連合の調査です。しかし、連合の調査は物価の上昇を織り込んでいない名目の賃上げ率です。小池氏は「その分(物価上昇分)を差し引いた実質にすると(賃上げ率は)1%程度にすぎない」と指摘し、「今世紀に入って最低になるのではないか」と迫りました。安倍首相は、実質賃金は「プラスとマイナスに振れながら推移」と実質賃金が上がったかどうかは答えず、「春闘の場において物価上昇を差し引いた数字(実質賃金)で交渉が行われているとは承知していません」というまったく的外れの答弁でごまかします。

●家計調査もGDPも

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(写真)質問する小池書記局長

 家計消費も落ち込んでおり、増税の根拠となる状況ではないことが明らかになりました。

 志位氏は、2014年の消費税8%増税で世帯あたりの家計調査の実質家計消費が年額25万円も減り、GDP(国内総生産)で見ても実質家計消費支出(帰属家賃を除く)は3兆円も落ち込んでいることをあげて、「日本は深刻な消費不況に陥っている」と指摘しました。安倍首相は、架空の消費である帰属家賃(持ち家の所有者が、家賃を払っていると想定して計算された家賃)を含んだ数字で「(消費は)増加傾向で推移しており、持ち直している」とごまかしました。

 立憲民主党の枝野幸男代表は「今ならまだ間に合います。10月からの消費税率引き上げを凍結」、国民民主党の玉木雄一郎代表は「そんなこと(景気対策)をするくらいなら増税をやめたほうがマシです」と主張しました。

代表質問で浮き彫りになったもの

安倍政治の総破たん鮮明

統計不正 偽装底なし

政権モラル崩壊 温床に

写真

(写真)質問する志位和夫委員長=1月31日、衆院本会議

 厚生労働省の毎月勤労統計(毎勤統計)に端を発した政府統計の不正・偽装問題は底なしの状態です。安倍晋三首相が施政方針演説や代表質問の答弁で「再発防止に全力を尽くす」といっているはなから、主要産業の賃金形態などを調べる厚労省所管の「賃金構造基本統計」、モノやサービスなどの価格変動の指標となる総務省所管の「小売物価統計」でも調査計画通りに行われていなかったことが発覚しました。

 毎勤統計の不正・偽装問題で安倍首相は、「身内調査」で「組織的な隠ぺいの意図までは認められなかった」と報告書で結論付けた厚労省の特別監察委員会になおも検証をさせる立場。日本共産党は代表質問で「報告書の結論の撤回を」(志位和夫委員長)、「厚労省から完全に独立した組織をつくり、調査を一からやり直すべきだ」(小池晃書記局長)と、他の野党とともに徹底した真相解明を求めました。

 統計不正・偽装が引き起こされた温床を鋭く告発したのが志位質問。厚労省が不正・偽装を始めた2018年1月から問題が発覚するまでの時期に、裁量労働のデータねつ造、森友疑惑をめぐる虚偽答弁や公文書改ざん、失踪技能実習生の調査結果のねつ造などが次々明らかになったことを示し、「安倍政権によって引き起こされた政治モラルの大崩壊が統計不正の温床となった」と追及。「東京」1日付1面は志位質問を紹介し、「うそ次々、モラル崩壊」と報じました。

沖縄新基地 軟弱地盤認める

工事中止・普天間撤去を

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で埋め立ての土砂投入を強行している安倍政権は、深刻な行き詰まりに直面しています。

 志位氏は代表質問で、政府が埋め立て予定海域に軟弱地盤の存在を示す報告書をまとめておきながら、それを2年間も県民に隠し、新基地建設の既成事実を先行させた卑劣な手口を告発。玉城デニー知事が新基地建設を許さない決意を表明していることを示し、「きっぱり中止を」と迫りました。

 国会論戦でついに軟弱地盤の存在を認めた安倍首相は「地盤改良工事の追加に伴い、県に変更承認申請を行う必要がある」と答弁。地元紙・沖縄タイムス1日付は志位質問の首相答弁について「県不許可なら工事困難」と1面トップで報じました。

 他の野党も辺野古新基地問題を追及。立憲民主党の福山哲郎幹事長は参院本会議での代表質問で、軟弱地盤の存在などを根拠にした県の承認撤回が正当性のある対応だったとして、承認撤回の執行停止を石井啓一国交相が決めたのは「不適切だったのではないか」と迫りました。

 小池氏は代表質問で、安倍首相が「辺野古移設が唯一の解決策」とする米軍普天間基地(宜野湾市)の返還に関し、同基地が米軍が住民を強制収容している間に民有地を囲い込んでつくったため国際法違反に当たると追及。安倍首相は「国際法に照らしてさまざまな議論があることは承知している」と国際法違反を否定できませんでした。

 2月24日の辺野古埋め立ての是非を問う県民投票は県民のたたかいによって全県実施が確実となりました。新基地建設を断念に追い込むため、沖縄と全国の連帯、野党の連携が発展しています。

日ロ問題「2島決着」の危険

根本解決示す志位質問

 与野党が代表質問で取り上げた日ロ領土問題はどうか。ここでも日本共産党の追及で、平和条約締結の「成果」を急ぐ安倍首相が、歯舞、色丹の「2島決着」で領土問題を終わらせる危険が浮き彫りになりました。

 安倍首相は「平和条約締結後に、ソ連は日本に歯舞・色丹を引き渡す」と明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させ、任期中に領土問題に終止符を打つと宣言しています。

 志位氏は「これはきわめて危うい方針だ」と指摘。(1)最大でも歯舞、色丹の2島返還で平和条約を締結し、領土問題を終わりにしてしまうなら、歴代政府の方針すら自己否定し、ロシア側への全面屈服となる(2)そうでないなら“国後、択捉の領土要求を放棄して平和条約を結ぶことはない”と明言すべきだ―と二つの角度から追及。ところが安倍首相は「お答えは差し控える」と回答を拒否しました。

 志位氏は、日ロ領土問題の根本には、45年のヤルタ協定で、ソ連のスターリンの求めに応じて米英ソが「千島列島の引き渡し」の密約を結び、それに縛られて51年のサンフランシスコ平和条約で日本政府が国後、択捉を含む千島列島を放棄した問題があると指摘。「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則に基づく不公正を正す立場に立って「千島列島の返還を求めてこそ解決の道が開かれる」と迫りました。

 ところが安倍首相は「サンフランシスコ平和条約で、わが国は千島列島に対するすべての権利、権原、および請求権を放棄しており、千島列島の返還を求めることはなし得ない」と否定。戦後処理の不公正をただそうとしない日本政府の致命的弱点が浮き彫りになったのです。

年表:安倍政権のもとで相次ぐ改ざん、ねつ造、隠ぺい


by daisukepro | 2019-02-04 07:24 | 政治

志位委員長の代表質問 衆院本会議

志位委員長の代表質問 衆院本会議

 日本共産党の志位和夫委員長が31日、衆院本会議で行った代表質問の全文は次のとおりです。


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(写真)代表質問する志位和夫委員長=31日、衆院本会議

日露戦争の戦意高揚の歌を引用――憲法の平和主義に反する

 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。

 質問に入る前に一言申し上げます。総理は、施政方針演説で明治天皇が詠んだ歌を引用しましたが、引用された歌は1904年、日露戦争のさなかに詠まれ、国民と軍の戦意高揚に使われた歌です。日露戦争は日露双方が朝鮮半島などへの支配を争った侵略戦争であり、この歌を施政方針演説の中に位置づけることは、日本国憲法の平和主義に反するものであって、看過できません。強く抗議するものです。

毎月勤労統計の不正問題――総理の基本認識を問う

 まず、国政を揺るがす大問題となっている厚生労働省の毎月勤労統計の不正問題について、総理の基本認識をうかがいます。

統計不正による被害と影響の甚大さをどう認識しているのか

 第一は、統計不正による被害と影響の甚大さをどう認識しているのかという問題です。

 統計不正の結果、雇用保険や労災保険などで2000万人、567億円の被害が生まれています。

 また、毎月勤労統計という基幹統計で不正が行われたことで、政府の経済認識、景気判断、税・社会保障・労働に関わる政策判断にも影響が及んでいます。来年度政府予算案の審議の前提を揺るがす事態が起こっているのであります。

 さらに、政府が発表する統計は国民が検証しようがないものであり、そこでの不正は国民の政府への信用を根底から破壊するものとなっています。

 以上の諸点について総理の認識をまずうかがいます。

組織的隠蔽を否定した監察委報告書の結論は撤回されるべきではないか

 第二は、厚生労働省による統計不正の組織的隠蔽(いんぺい)という問題です。

 統計不正は2004年以来のものですが、厚労省は、2018年1月から不正調査を「修正」する措置を、秘密裏に行っていました。厚労省が設置した特別監察委員会の報告書では、局長級幹部が担当室長から不正調査の報告を受け、「修正」を指示し、指示にもとづいて「修正」が行われたとしています。

 不正調査の事実を知りながら、国民に報告せず、国民に隠れて「修正」を行う。これを組織的隠蔽と言わずして何というのか。にもかかわらず、報告書は「隠蔽の意図は認められなかった」と組織的隠蔽を否定しています。総理、報告書のこの結論は当然、撤回されるべきだと考えますがいかがですか。明確な答弁を求めます。

統計不正が引き起こされた温床は何か

 第三に、統計不正が引き起こされた温床は何か。

 厚労省が不正調査の「修正」を始めた18年1月から、不正が発覚する12月までの間は、裁量労働制のデータ捏造(ねつぞう)、森友疑惑をめぐる虚偽答弁や公文書改ざん、外国人労働者のデータ捏造など、安倍政権による隠蔽、改ざん、ウソが次々と明らかになり、大問題になった時期であります。

 安倍政権によって引き起こされた政治モラルの大崩壊が統計不正の温床となった。総理、あなたにはその自覚と反省がありますか。しかとお答えいただきたい。

 統計不正の真相解明は予算案審議の大前提です。日本共産党は、徹底的な真相解明を最優先で行うことを強く求めるものであります。

消費税10%増税――四つの大問題を問う

 消費税増税問題について質問します。

 総理は、10月から消費税を10%に増税する方針を表明しています。私は、今回の消費税10%増税には、四つの大問題があると考えます。

こんな深刻な消費不況のもとで増税を強行していいのか

 第一は、こんな深刻な消費不況のもとで増税を強行していいのかという問題です。

 2014年の消費税8%への増税を契機に、実質家計消費は年額25万円も落ち込んでいます。GDPベースでみても、実質家計消費支出(帰属家賃を除く)は3兆円も落ち込んでいます。家計ベースでみても、GDPベースでみても、日本経済が深刻な消費不況に陥っていることは、明らかではありませんか。

 こうした状況下で、5兆円もの大増税を強行すれば、消費はいよいよ冷え込み、日本経済に破滅的影響を及ぼすことは明瞭ではありませんか。

増税延期を決めた2年半前に比べても、日本経済は悪化、世界経済のリスクは高まる

 第二は、総理が増税延期を決めた2年半前――2016年6月時点と比べても、日本経済は格段に悪化し、世界経済のリスクも格段に高まっているという問題です。

 増税延期を決めた2年半前、直近の4半期のGDPは年率換算でプラス1・6%でした。ところが昨年12月に発表された7~9月期のGDPは年率換算でマイナス2・5%となっています。個人消費も、設備投資も、輸出も総崩れ。8%増税強行直後の2014年4~6月期以来の大きな落ち込みとなっているではありませんか。

 2年半前の増税延期のさい、総理は、「世界経済の不透明感」を延期の理由にしました。しかし今日、世界経済は、米中貿易戦争、イギリス離脱問題とEUの経済不安など、2年半前とは比較にならないほど不安定となり、リスクが高まっているではありませんか。

 日本経済の現状という点でも、世界経済のリスクという点でも、2年半前の総理の言明がゴマカシでなければ、今年10月に増税などできるはずはないではありませんか。

「賃金は上昇している」という政府の認識は虚構だった

 第三は、毎月勤労統計の不正によって、昨年の賃金の伸び率が実態よりもかさ上げされていたという問題です。

 かさ上げされた数値をもとに、政府は、昨年7月以降の月例経済報告で、賃金は「緩やかに増加している」としてきました。総理が、昨年秋、消費税10%の実施を宣言したさいに、「賃金が増加している」という認識があったことは明らかです。

 しかし、23日、厚労省が公表した修正値では、昨年の賃金の伸び率は、すべての月で下方修正され、実質賃金は1~11月の月平均でマイナスになる可能性があることが明らかになりました。「賃金は増加している」という政府の認識は虚構だったのです。

 総理、この点でも、消費税増税の根拠は崩れているではありませんか。少なくとも統計不正の事実解明抜きに増税を強行することは論外だと考えますが、いかがですか。

混乱、負担、不公平をもたらす天下の愚策を強行するのか

 第四は、安倍政権の消費税増税に対する「景気対策」なるものが、前代未聞の異常で奇々怪々なものとなったことへの強い批判が広がっていることです。

 とくに「ポイント還元」は、複数税率とセットになることで、買う商品、買う場所、買い方によって、税率が5段階にもなり、混乱、負担、不公平をもたらすとして怨嗟(えんさ)の的となっています。日本スーパーマーケット協会など3団体は、「混乱が生じる」ことへの懸念を表明し、見直しを求める異例の意見書を政府に提出しています。

 総理は、国民の批判も、現場の意見も無視して、このような天下の愚策を強行するというのですか。

消費税10%の中止を求める――富裕層と大企業への優遇税制にメスを

 今年10月からの消費税10%は、どこからみても道理のかけらもありません。日本共産党は、その中止を強く求めます。

 増税するなら、空前の大もうけを手にしている富裕層と大企業への優遇税制にこそメスを入れるべきです。富裕層の株のもうけに欧米なみの課税を行い、大企業に中小企業なみの税負担率を求めるだけで、消費税10%増税分の税収は確保できます。消費税に頼らない別の道を選択すべきではありませんか。

 とくに異常に軽い富裕層への証券課税については、2016年の経済同友会の提言でも、17年のOECD(経済協力開発機構)の対日経済審査報告書でも、税率引き上げが提案されています。総理は、この提案をどう受け止めますか。答弁を求めます。

大軍拡計画と憲法9条改定を問う

「専守防衛」すらかなぐり捨て、「浪費的爆買い」に走る――大軍拡計画の中止を

 安倍政権が進める大軍拡と憲法9条改定について質問します。

 「いずも」型護衛艦をF35B戦闘機を搭載できるように改造する、空母化が進められようとしています。相手の射程圏外から攻撃できる長距離巡航ミサイルが導入されようとしています。総理、これらは、これまで政府が、「いかなる場合でも(保有は憲法上)許されない」としてきた「攻撃型兵器」――すなわち「攻撃的な脅威を与えるような兵器」そのものではありませんか。

 F35を147機体制にする、2兆円を超える兵器購入計画が進められようとしています。対日貿易赤字の削減のためとして、米国製の兵器購入を繰り返し迫ってきた、トランプ大統領の求めに応じたものに他なりません。これに対して、航空自衛隊の元幹部からも、「100機以上も買って、いったい何をするのか、目的が全く見えない」との批判が寄せられています。総理、トランプ大統領に言われたから買う、目的は不明、これでは「浪費的爆買い」としかいいようがないではありませんか。

 「専守防衛」の建前すらかなぐり捨て、「浪費的爆買い」に走る――一かけらの道理もない大軍拡計画はきっぱり中止すべきです。軍事費を削り、国民の大切な税金は、福祉と暮らしに優先して使うことを強く求めるものです。

総理自ら改憲の旗振り――憲法、立憲主義に反する「無理筋」な行為

 総理は、施政方針演説で、「国会の憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待します」とのべ、9条改憲に固執する姿勢を示しました。

 しかし、昨年の国会でも総理は、憲法改定を繰り返し呼びかけ、自民党の改憲案を憲法審査会に提案することを目指しましたが、そのもくろみはかないませんでした。総理は、その原因をどう考えていますか。

 ある大手紙は社説で、昨年の憲法をめぐる動きを振り返って、「憲法に縛られる側の権力者が自ら改憲の旗を振るという『上からの改憲』が、いかに無理筋であるかを証明した」とのべました。総理が自ら改憲の旗振りをすること自体が、憲法99条が定めた閣僚の憲法尊重・擁護義務に反し、立憲主義に反する「無理筋」な行為であるという自覚が、総理、あなたにはありますか。しかとお答えいただきたい。

 日本共産党は、海外での無制限の武力行使に道を開く9条改憲を断念に追い込むために、引き続き全力をあげて奮闘するものであります。

沖縄の米軍基地問題――辺野古新基地を中止し、普天間基地の無条件撤去を

 沖縄の米軍基地問題について質問します。

 安倍政権は、昨年12月、辺野古の海を埋め立てる土砂投入開始を強行しました。法治主義、民主主義、地方自治を踏みつけにした無法な暴挙に、沖縄県民の怒りが沸騰しています。さらに、総理が、NHKインタビューで、「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移植している」と、平然とウソをついたことに強い怒りが集中しています。

 総理は、口を開けば「沖縄県民の心に寄り添う」と言いますが、あなたのこうした言動のどこに「寄り添う」姿勢がありますか。強権とウソしかないではありませんか。

 政府が、埋め立て予定海域の大浦湾に存在するマヨネーズ状の軟弱地盤の改良工事のため、設計変更に着手しようとしています。しかし、軟弱地盤の存在を示す政府報告書は2016年3月にまとめられたもので、政府はそれを2年間も隠していました。県民に真実を隠し、新基地建設の既成事実を先行させ、県民の諦めを誘った上で、設計変更に着手する。詐欺師同然のあまりに卑劣なやり方ではありませんか。

 設計変更には県知事の承認が必要ですが、玉城デニー知事は新基地建設を許さない断固たる決意を繰り返し表明しています。辺野古新基地は決して造れません。総理は、この事実を受け入れるべきであります。

 辺野古新基地建設はきっぱり中止し、普天間基地の無条件撤去を求めて米国政府と交渉することを強く求めます。

 2月24日に行われる県民投票は、県議会で自民党を含むすべての会派の賛成で投票条例が改正され、全県実施にむけて大きく前進しています。私は、総理に、今回ばかりは、その結果を尊重することを強く要求します。総理の答弁を求めます。

原発はビジネスとしても成り立たない――この現実を認めよ

 原発問題について質問します。

 総理が、「成長戦略」の目玉に位置づけトップセールスを行ってきた原発輸出が、米国、ベトナム、台湾、リトアニア、インド、トルコ、英国と、総崩れに陥っています。「安全対策」のためのコストが急騰したことが、総崩れの原因であります。総理、原発はもはやビジネスとしても成り立たない。この現実を認めるべきではありませんか。

 そして、輸出できないものを、国内では「コストが安い」とウソをついて再稼働を行うなど、論外ではありませんか。答弁をいただきたい。

 「原発ゼロの日本」の実現、「再生エネルギーへの大転換」を強く求めるものです。

日ロ領土問題――国際的道理に立った領土交渉こそ

国後、択捉の領土要求を放棄して平和条約を結ぶことは決してないと明言できるか

 最後に、日ロ領土問題について質問します。

 総理は、日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させる、自らの任期中に日ロ領土問題に終止符を打つと繰り返しています。

 私は、これはきわめて危うい方針だと考えます。

 総理の方針を、歯舞、色丹の「2島先行返還」と見る向きもありますが、「2島先行」ではなく「2島で決着」――すなわち、国後、択捉の領土要求ははなから放棄し、最大でも歯舞、色丹の2島返還で平和条約を締結して領土問題を終わりにしてしまう、これがあなたの方針ではありませんか。

 そうであるなら歴代自民党政府の方針すら自己否定する、ロシア側への全面屈服となります。そうでないというなら、国後、択捉の領土要求を放棄して平和条約を結ぶことは決してないと、この場で明言していただきたい。

第2次世界大戦の戦後処理の不公正を正す立場にたってこそ解決の道は開かれる

 総理は、「70年間、領土問題が動かなかった」と強調しますが、日本政府は、国際的道理に立った領土交渉を、戦後ただの一回もやっていません。

 日ロ領土問題の根本には、1945年のヤルタ協定で、ソ連のスターリンの求めに応じて米英ソが「千島列島の引き渡し」の密約を結び、それに縛られて51年のサンフランシスコ平和条約で日本政府が国後、択捉を含む千島列島を放棄したという問題があります。これは「領土不拡大」――戦勝国も領土を拡大しないという第2次世界大戦の戦後処理の大原則に背く不公正な取り決めでした。この不公正を正す立場にたち、千島列島の返還を求めてこそ、解決の道は開かれることを強調したいのであります。

 総理の見解を求めます。

市民と野党の共闘の力で安倍政権を倒し、国民が希望がもてる新しい政治を

 いまや安倍政権はあらゆる問題で深刻な破たんに陥っています。市民と野党の共闘の力で、安倍政権を倒し、国民が希望のもてる新しい政治をつくるために全力をあげる決意をのべて、私の質問とします。


by daisukepro | 2019-02-01 11:23 | 政治

安倍政治の大破たん突く 統計不正 消費税 大軍拡・改憲 沖縄新基地 原発 日ロ領土 衆院本会議 志位委員長が代表質問

安倍政治の大破たん突く

統計不正 消費税 大軍拡・改憲 沖縄新基地 原発 日ロ領土

衆院本会議 志位委員長が代表質問

 日本共産党の志位和夫委員長は31日の衆院本会議で、代表質問に立ち、毎月勤労統計の不正、消費税10%増税、大軍拡と憲法9条改定、沖縄米軍新基地、原発、日ロ領土問題など国政の根本問題で安倍晋三首相の立場をただしました。どの問題でも安倍首相は答えられず、安倍政治の矛盾と破綻が浮き彫りになりました。志位氏は「市民と野党の共闘の力で、安倍政権を倒し、国民が希望の持てる新しい政治をつくるために全力をあげる」と決意を表明しました。(質問全文)


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(写真)代表質問する志位和夫委員長=31日、衆院本会議

 志位氏は、毎月勤労統計の不正によって2000万人に567億円の被害が生まれ、政府の経済認識や政策判断にも影響が及び、来年度予算案の審議の前提を揺るがす事態となっている点を強調。厚労省幹部が不正調査の事実を知りながら、報告せず、隠れて「修正」を行ったことをあげ、「これを組織的隠ぺいと言わずして何というのか」と批判し、組織的隠ぺいを否定した特別監察委員会の報告書の結論の撤回と徹底的な真相解明を求めました。安倍首相は、組織的隠ぺいについてまったく答えませんでした。

 10月からの消費税10%増税について、志位氏は「四つの大問題がある」と指摘。(1)家計ベースでも、GDP(国内総生産)ベースでも、日本経済は深刻な消費不況に陥っている(2)増税延期を決めた2年半前に比べても、日本経済は悪化し、世界経済のリスクは高まっている(3)毎月勤労統計の不正によって、昨年の賃金の伸び率が実態よりもかさ上げされていた(4)安倍政権の消費税増税に対する「景気対策」が奇々怪々なものとなったことへ批判が広がっている―ことを示し「今年10月からの消費税10%増税は、どこからみても道理のかけらもない」と中止を求めました。

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 しかし、安倍首相は「所得環境は確実に改善しているとの判断に変更はない」などと強弁。「法律で定められた通り、10月に現行の8%から10%に引き上げる予定」と繰り返しました。志位氏は「増税するなら空前の大もうけを手にしている富裕層と大企業への優遇税制にこそメスを入れるべきだ」と強調しました。

首相「千島列島返還求めず」

 日ロ領土問題をめぐっては、安倍首相が日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させ、自らの任期中に終止符を打つと繰り返していることを「最大でも歯舞、色丹の2島返還で平和条約を締結して領土問題を終わりにしてしまう方針ではないか」と追及。志位氏が「国後、択捉の領土要求を放棄して平和条約を結ぶことはないと、この場で明言を」と迫っても、安倍首相は答えず、「2島で決着」を狙う正体が浮き彫りになりました。

 志位氏は「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則に背く不公正をただす立場で「千島列島の返還を求めてこそ解決の道は開かれる」と主張。安倍首相は「サンフランシスコ平和条約で、わが国は千島列島に対するすべての権利、権原、および請求権を放棄しており、千島列島の返還を求めることはなしえない」と述べ、戦後処理の不公正をたださない日本政府の致命的弱点があらわになりました。

新基地建設中止を

首相「変更承認申請が必要」行き詰まり浮き彫り

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐって志位氏は、防衛省が埋め立て予定海域に軟弱地盤があることを示す報告書を2016年3月にまとめながら、それを2年間も隠してきたことを指摘。安倍首相は「地盤改良工事が必要」と、軟弱地盤の存在を認め、「沖縄県に対して変更承認申請を行う必要がある」と答弁。新基地建設で深刻な行き詰まりが明らかになりました。

 志位氏は、設計変更には県知事の承認が必要だが、玉城デニー知事は新基地建設を許さない断固たる決意を繰り返し表明していると指摘。「辺野古新基地建設はきっぱり中止し、普天間基地の無条件撤去を求めて米国政府と交渉することを強く求める」と訴えました。



by daisukepro | 2019-02-01 11:16 | 政治

通常国会始まる

明日から通常国会。政府与党は、参院選を意識し、対決法案提出を抑制すると伝えられる。相手は端から「守り」の姿勢。ならば攻めに攻める論戦を! 統計不正、消費税、大軍拡、憲法、沖縄、原発、日ロ領土問題。安倍政権と対決し、転換の展望を示す論戦を進め、野党共闘でも新たな境地を開きたい!!


by daisukepro | 2019-01-28 09:25 | 政治

2019年1月13日(日) 主張 勤労統計の偽装 国民をまたも欺いた責任重大

2019年1月13日(日)

主張

勤労統計の偽装

国民をまたも欺いた責任重大

 またも安倍晋三政権下で、統計データの大規模偽装が発覚しました。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」が長年にわたって誤った手法で行われていた上、そのことが隠され続けていたのです。同統計は、国の統計の中でも「基幹統計」と法律で定められた極めて重要なものです。しかも、このデータは雇用保険や労災保険の算定をはじめ国民生活の多岐にわたる分野で使われており、今回の偽装による被害と影響は、計り知れない規模で広がっています。まれにみる異常事態という他ありません。被害の補償とともに徹底した原因解明と責任追及が急がれます。

統計への信頼を失わせる

 毎月勤労統計は、賃金、雇用、労働時間などの実態を示す大切な指標です。今回の偽装は、従業員500人以上の事業所は全数調査をしなければならないのに、東京都については2004年から約3分の1の抽出調査しかせず、それを非公表にし続けただけでなく、「データ補正」のソフトまでつくって、隠ぺいを重ねてきたなどというものです。誤った手法がとられた結果、賃金の動向などは実態とかい離していました。

 毎月勤労統計は、国勢統計などとともに56ある「基幹統計」の一つです。景気や雇用の動向の算出に使われるほか、国内総生産(GDP)の発表の際にも活用されているだけに、その偽装は、国の統計そのものへの信頼を根本から失わせる事態です。

 国民の暮らしへの実害はあまりに深刻です。毎月勤労統計は、雇用保険の失業給付、労災保険の休業補償給付、育児休業や介護休業の給付など、国民生活を支えるさまざまな制度の給付額算定のベースにされています。偽装によって賃金水準が低く出たため、それらの制度の給付額も減少しました。厚労省によれば、給付不足がのべ1973万人、推計で総額約537億5千万円にのぼります。

 職を失い休職中の人や、労災で働けなくなった人など、支援が切実に求められていた人たちに対し本来支給されるべき金額が、政府の統計偽装によって減額されたことは重大です。

 安倍政権は、「追加給付」を行うとし、19年度政府予算案を修正するとしています。しかし、賃金台帳は3年しか保存されておらず、正確な給付確定はできません。推計による「追加給付」しかできなくなっています。しかも対象者のうち1000万人以上の住所は不明で、すでに死亡した可能性のある人もいるといわれます。事態を長年放置し、是正に動こうとしなかった責任がどこにあるのか。絶対にあいまいにできません。

安倍政権の対応問われる

 問われるのは安倍政権の対応です。昨年1月にデータ補正をした経過を見ると一昨年時点で問題を把握していたことは明らかです。昨年6月に現金給与総額が高い伸び率を示した際、その変化を疑問視する声があったのに、突っ込んだ検討はされませんでした。組織的隠ぺいの疑いも濃厚です。当時厚労相だった加藤勝信自民党総務会長の国会招致は不可欠です。

 今回の偽装は、「森友・加計」問題、裁量労働制など昨年の国会で大問題になった安倍政権の改ざん、隠ぺい体質を改めて浮き彫りにしています。徹底糾明に向け、国会の果たす役割は重要です。


by daisukepro | 2019-01-13 20:51 | 政治