カテゴリ:政治( 154 )

裁量制の社員が過労自殺 野村不動産、違法適用

裁量労働制を対象外の社員に違法適用していたとして昨年、厚生労働省東京労働局の特別指導を受けた不動産大手の野村不動産(東京)で、違法に適用されていた五十代の男性社員が二〇一六年九月に自殺し、長時間労働による過労が原因として労災認定されていたことが関係者への取材で分かった。把握された残業は最長で月百八十時間超あった。労働局は昨年十二月に特別指導を公表したが、調査のきっかけになったとみられる社員の自殺は明らかにしていない。

 政府は裁量労働制の拡大を今国会に提出予定の働き方改革関連法案に盛り込む方針だった。安倍晋三首相は国会で「働かせ放題にならないか」と追及された際、野村不動産への指導を具体例に挙げ「制度が適正に運用されるよう今後とも指導を徹底する」と答弁していた。

 裁量制は実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ労使で定めた一定の時間に基づき賃金を支払う制度。弁護士や記者などの「専門業務型」と、企画や調査を担う事務系の「企画業務型」がある。

 関係者によると、東京本社に勤めていた男性社員が自殺し、遺族が労災を申請。労働基準監督署が調べたところ、認定基準を超える長時間労働が確認されたとして、昨年十二月に労災認定した。

 野村不動産は約千九百人の社員のうち約六百人に企画業務型を適用していたが、労働局の調査で、多くの社員が対象外となる営業活動をしていたことが判明した。本社や各支店に是正勧告し、昨年十二月二十五日には社長に直接、改善を指導。翌二十六日に社名や指導内容を公表した。野村不動産は今年四月から裁量労働制を廃止するとしている。

(東京新聞)

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by daisukepro | 2018-03-05 07:42 | 政治

裁量労働制の拡大削除へ「まだ安心できる状況ではない」 法政大・上西教授「高プロについても追及を」と警鐘

裁量労働制の拡大削除へ「まだ安心できる状況ではない」 法政大・上西教授「高プロについても追及を」と警鐘

裁量労働制の拡大削除へ「まだ安心できる状況ではない」 法政大・上西教授「高プロについても追及を」と警鐘

裁量労働制の拡大削除へ「まだ安心できる状況ではない」 法政大・上西教授「高プロについても追及を」と警鐘の画像

長時間労働を助長するとして批判を浴びてきた裁量労働制の拡大が、今国会で審議されている働き方改革関連法案から切り離されることになった。2月28日、朝日新聞などが報じた。

ネットでは、「野党の粘り強い追及が労働者を守った」と切り離しを評価する声が上がっている。しかしこれで安心できるわけではなさそうだ。同制度の問題点をヤフー!個人などで積極的に指摘してきた法政大学の上西充子教授は、「裁量労働制を拡大する法案の提出をあきらめたわけではないでしょう」と指摘する。

「労働法制の規制緩和に固執する姿勢は変わっていない」

裁量労働制の問題が明らかになり、労働時間の調査データにも不備が発覚する中で、同制度に反対する声が徐々に大きくなっていった。2月25日には、東京・新宿で反対デモも行われた。

「裁量労働制の問題については理解が広がってきました。多くの人が『長時間労働が助長される』『柔軟な働き方をするためにはフレックス制度で十分』と認識するようになってきています。しかし安倍首相がこうした反対の声に真摯に向き合っているようには感じられません。野党からの追及に耐えきれなくなっただけではないでしょうか。裁量労働制を拡大する法案の提出をあきらめたわけではないでしょう。決して安心できる状況ではありません」

また、専門職として働く高収入の人を労働時間の規制や残業代の支払い対象から外す「高度プロフェッショナル制度」は依然として法案に盛り込まれたままだ。同制度も、「残業代ゼロ」「過労死を増やす」と批判されてきた。

「現在は『年収1075万円以上』あたりの年収要件が予定されていますが、塩崎前厚生労働大臣が『小さく産んで大きく育てる』という趣旨の発言をしたように、今後年収の要件が緩和される可能性が高いです。労働法制の規制緩和に固執する姿勢は未だ変わっておらず警戒が必要です」

「月曜日から金曜日まで24時間連続勤務を続けさせても違法にはならない」

3月1日からは参議院で審議される予定の働き方改革関連法案。上西教授は、「野党には国会質疑できちんと追及を続けてほしい」と語る。

「確かに高プロには、長時間労働の歯止めとして『年間104日以上かつ4週間4日以上の休日』などの健康確保措置が設けられています。しかしこの法案では、月曜日から金曜日まで24時間連続勤務を続けさせても違法にはならないのです。こうした瑕疵をきちんと追及してほしい」


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by daisukepro | 2018-03-05 07:15 | 政治

裁量労働制拡大の断念 政権に打撃 与党内にも異論 改憲への影響も懸

裁量労働制拡大の断念

政権に打撃 与党内にも異論

改憲への影響も懸念

 「首相官邸と自民党に対する批判が強い。裁量労働をめぐる労働時間に関する異常値やデータの誤りはまだ出てくる。これでは加藤(勝信厚労相)の責任問題になる。加藤が辞めることになれば政権には重大な打撃だ。今のうちに引くしかなかった」

国民の怒り恐れ

 自民党ベテラン議員の一人は、安倍晋三首相が「働き方改革」一括法案から裁量労働制拡大を全面削除した背景についてこう述べ、「これまでとはちょっと様子が違う。森友問題、佐川国税庁長官への批判も重なって、支持率が下がるリスクが大きい」と唇をかみます。安倍首相が自ら「働き方改革国会」と命名した今国会で最重要法案の一角である裁量労働制拡大を断念したのは、虚構の極みに対する国民の怒りを恐れてのものです。

 同議員は、安倍首相が個人的に加藤厚労相を重用してきた経緯を指摘し、「裁量労働制の拡大は経団連との約束だ。これをほごにすれば重大な失点になる。党内からも批判が出る」と述べました。

 1日未明、政権幹部がデータの捏造(ねつぞう)問題や相次ぐ異常値の発覚について「(厚労省の)現場が信用できない」などと述べたことなどを受けて、自民党の閣僚経験者の一人は「財界との合意に基づき政治主導でこの問題を進めてきたのは官邸だ。責任を現場に押し付けるのはおかしい」と批判。裁量労働はもともと労働時間を労働者の「裁量」に任せる建前であることも踏まえ、「そもそも裁量労働で実際の労働時間がどうかという記録をまともにとっている人がいるのか。(一般労働者との労働時間の)比較自体が無理だ」と述べます。裁量労働制で「労働時間が異常に長くなる」と批判を受け、無理な打ち消しをしようとしたことで墓穴を掘ったことを与党議員自身が認めた格好です。

 別の自民党議員の一人も「財界は、裁量労働と一般労働を比べるのはセンチとグラムを比較するようなものだと言っている」と皮肉り、「たまには安倍政権が一本取られるのもいい」と突き放します。

二兎を追う者は

 他方、9条改憲の動きとの関連を指摘する声も相次ぎます。

 日本会議系の自民党関係者の一人は「安倍政権は今度の国会では二兎(と)を追っている。働き方改革と憲法改正だ。裁量労働制の問題でこれ以上与野党対立が激しくなれば、改憲論議に影響が出る。安倍首相にとっては改憲が一番の課題だ」と指摘。「公明党は改憲に消極的で、与野党合意を重視している。これ以上与野党の溝が深まるのはよくない。憲法がなければ押し切っているだろうが、改憲がハードルを高くしている」と述べます。前出の閣僚経験者も「でたらめばかり言っているというイメージがつけば改憲どころではなくなる」と述べます。

 2018年度予算案の衆院通過を強行した安倍政権は、衆院での憲法審査会の起動を狙っています。

 日本共産党、立憲民主党、民進党、自由党、社民党と希望の党も含めた6野党が結束して安倍虚構政治を厳しく追い詰めてきました。予算審議は参院に移りますが、広範な国民世論とともに追撃を強めるときです。

 (中祖寅一)



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by daisukepro | 2018-03-03 08:22 | 政治

「働き方改革」一括法案は断念を 裁量制拡大削除は大きな成果 志位委員長が会見

「働き方改革」一括法案は断念を

裁量制拡大削除は大きな成果

志位委員長が会見

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(写真)記者会見する志位和夫委員長=1日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は1日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相が「働き方改革」一括法案から裁量労働制の対象拡大の部分を削除すると表明したことについて、「6野党の結束したたたかいと国民世論の大きな成果だ」と述べるとともに、一括法案そのものの提出断念を求めました。

 志位氏は、裁量労働制拡大は一括法案の核心部分の一つだとして、その削除は「野党6党の結束したたたかいと国民世論が、政府・与党を追い詰めた大きな成果だ」と指摘。同時に、一括法案に含まれている「高度プロフェッショナル制度」や残業時間の「上限規制」にも大きな問題があると強調しました。

 志位氏は「高プロ」制度について、「“定額働かせ放題”で、長時間労働・過労死をひどくする点では裁量労働制と同根だ。同時に、労働時間の管理をせず、残業代をまったく払わない――文字通りの『残業代ゼロ法案』という点では、裁量労働制とも異なる異次元の危険がある」と批判。「政府は裁量労働制が長時間労働を招くことを否定できないところまで追い込まれている。そうである以上、それと同根で、さらに危険の大きい『高プロ』制度も断念するべきだ」と力を込めました。

 志位氏は、政府のいう残業時間の「上限規制」についても、「過労死ラインに達する月80時間~100時間の残業を容認する『過労死合法化法案』だ」と批判。「この間の6野党の要求は、“『働き方改革』一括法案の提出見送り”が一致点であり、引き続き、この線で共闘を強めたい」と述べました。

 さらに志位氏は、裁量労働制についても、「安倍政権は、裁量労働制の拡大を諦めたわけではない。断念に追い込むたたかいが引き続き重要だ。データ捏造(ねつぞう)問題、異常データ問題についても、なぜこんな事態が引き起こされたのか、責任はどこにあるのかの究明が必要になっている」と語りました。



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by daisukepro | 2018-03-02 13:08 | 政治

これでわかる 労働時間データねつ造問題

これでわかる 労働時間データねつ造問題

 「働き方改革」一括法案に盛り込まれた「裁量労働制」の拡大をめぐる労働時間データねつ造問題は、政権ぐるみのデータ偽装疑惑の様相を呈しています。経緯と問題点、背景をQアンドAで―。


Q 何が問題に?

A 虚偽データで誘導

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(写真)裁量労働制再調査などを求める野党合同院内集会=23日、参院議員会館

 発端は安倍首相が1月29日に「裁量労働制で働く方の労働時間は平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁したことです。

 厚労省の「2013年度労働時間等総合実態調査」で、平均的な一般労働者の労働時間は9時間37分、裁量労働者の労働時間は9時間16分だとして、裁量労働を拡大しても長時間労働にならないとアピールしたのです。

 しかし、野党の追及でこの数値がねつ造されたものであることが明らかになりました。

 一般労働者は、「最も長い1日の残業時間」に法定労働時間の8時間を加えて、長くなるように加工。一方、裁量労働者のほうは1日の「労働時間の状況」の集計で、これも実労働時間でなく事業者が判断した時間でした。

 調査方法も性質も異なり比べられないものをねつ造して比較し、偽りの結論へ誘導していたのです。

Q 裁量労働とは?

A 「定額働かせ放題」に

 裁量労働制は、仕事の仕方を労働者の裁量に委ねる代わりに、いくら働こうが労使協定で決めた時間だけ働いたと「みなす」制度です。協定で8時間となれば10時間働いてもそれ以上残業代は出ません。労働者から「定額働かせ放題」と批判され、実際に過労死も起きています。

 裁量労働は、企画業務と専門業務に限定されています。労働政策研究・研修機構の調査(2014年)によると、1カ月の平均労働時間が、専門型203・8時間、企画業務型194・4時間に対し、一般労働者は186・7時間で裁量労働が長くなっています。

 同機構の調査で、「一律の出退勤時刻がある」が企画業務型で50・9%にのぼるなど仕事の裁量もないのが実態です。

 一方、「残業代ゼロ」制度は、一定の年収者を対象に労働時間規制を適用除外にするもので、深夜・休日労働などは規制が残る裁量労働とは異なります。

Q 裁量労働の拡大とは?

A 営業職までも対象に

 政府案では、企画業務型の裁量労働に「課題解決型提案営業」と「実施状況の評価を行う業務」を加えます。

 「提案営業」とは、過労自殺した電通社員の高橋まつりさんが担当していた業務です。商品などを売るだけでなく顧客の要望に沿う提案を行う業務です。営業職の多くはこうした提案営業の側面を抱えており、これが加わると裁量労働者が飛躍的に増加します。

 損保ジャパン日本興亜や野村不動産では、禁じられている営業社員に適用して残業代を払っていませんでした。損保ジャパンでは、職員1万8000人のうち6000人以上に適用され、実際の残業時間は「みなし時間」の2倍にのぼっていました。政府の法案は、こうした違法行為を合法化するものです。

Q なぜ、こんなことに?

A 対象拡大ありきに原因

 安倍首相は、データねつ造問題で「私や私のスタッフから指示を行ったことはない」と言い訳しています。

 しかし、労働政策審議会で議論が始まる直前の2013年6月、安倍内閣が閣議決定した日本再興戦略(骨太方針)で「企画業務型裁量労働制を始め、労働時間法制について検討を開始する」と定めました。2014年6月改定の日本再興戦略でも、「残業代ゼロ」制度の導入とあわせて裁量労働の具体的な拡大を求めたのです。

 規制緩和のレールを敷いて“拡大ありき”の態勢をつくりあげたのは、安倍内閣です。データねつ造はこうしたもとで引き起こされたものであり、安倍首相の責任が問われます。

Q 労政審で了承された?

A 労働者の反対押し切る

 安倍首相は、労働政策審議会で了承されているから問題ないと言い訳しています。

 しかし、“労政審で了承”どころか、労働者委員が「対象拡大に反対」と表明したのを押し切ったのが実際です。

 しかも、一般労働者と裁量労働者で調査方法が異なることを説明しないまま審議会に報告されていました。

 さらに虚偽のデータが200カ所以上もあることが判明。一方で裁量労働者のほうが一般労働者より労働時間が長くなっている労働政策研究・研修機構の調査(2014年)は報告されませんでした。誤った情報にもとづいて議論が行われていたことになり、正しい政策決定プロセスを踏んだとはいえません。

 「働き方」法案にはこのほか、「残業代ゼロ制度」の導入や、過労死ラインまで残業を認める上限規制など問題点だらけです。法案提出は断念し、きちんとした情報に基づいて議論をやり直すべきです。



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by daisukepro | 2018-02-25 18:24 | 政治

ニューヨークタイムズ紙 (米国) に掲載された風刺画

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ニューヨークタイムズ紙 (米国) に掲載された風刺画: (森友・加計の) スキャンダルを揉み消しながら有権者に 「アベノミクス」 をアピールする安倍首相  海外でも的確に理解されているようで..

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by daisukepro | 2018-02-17 04:05 | 政治

通常国会3週間 浮き彫りになったのは

2018年2月13日(火)

通常国会3週間 記者座談会

浮き彫りになったのは

 開会して3週間がたつ通常国会は、2018年度予算案をはじめ国政の私物化疑惑、憲法9条改定問題など国政の重要課題をめぐって与野党の激しい論戦が続いています。序盤の国会論戦の特徴について、国会取材団の記者で語り合いました。


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(写真)安倍晋三首相らに質問する辰巳孝太郎議員(右手前から2人目)=1日、参院予算委

「改憲」連発・森友答弁・副大臣暴言

深まる「政治劣化」

尊重・擁護に背き

  この間、本会議や予算委員会で安倍晋三首相をはじめ全閣僚出席の質疑が行われたが、まず答弁のひどさが際立っている。安倍政権の「政治の劣化」が深まっている。

  安倍首相は改憲に踏み込む発言を連発している。なかでも、改憲議論を進めるのは「私たちの義務」(1月31日の参院予算委)とまで言い切ったのにはあきれた。首相をはじめ国務大臣や国会議員に課せられているのは、憲法を尊重・擁護する義務であって、改憲議論をする義務ではない。

  森友学園への国有地売却問題でも、安倍首相は「丁寧な説明」とは真逆の答弁を繰り返しているよ。森友問題について聞かれると、安倍首相は「朝日」や同学園の理事長だった籠池泰典被告の名前をあげて「裏とりをしない記事」「真っ赤なウソ」(5日の衆院予算委)と非難した。他者の信用をおとしめることで、議論をそらす姿勢に怒りを感じたよ。

閣僚資格欠く答弁

  首相自らこんな姿勢だから政権を支える面々も自制がきかない。衆院本会議(1月25日)では、日本共産党の志位和夫委員長が沖縄県で相次ぐ米軍機事故の問題をただしている最中に、松本文明前内閣府副大臣が「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばした。

  本会議場でヤジを聞いていたが、事故を軽んじる許しがたい暴言だ。赤旗記者が本人に直接あたって“自らの発言だ”と認めさせ報じると翌日、他紙も後追い取材を始めた。安倍首相はあわてて松本氏を辞任させたが、辞任で済まされる問題ではない。

  予算委員会の審議でも閣僚としての資格を欠くひどい答弁が続いている。江崎鉄磨沖縄・北方担当相は、沖縄振興に関する予算案で概算要求から減額された額「65億円」を3ケタも間違えて「650万円」(8日の衆院予算委)と答えるなど、3日連続で誤答弁をしている。江崎氏は、一度は入閣を断ったと言われている。日ロ領土問題についても自分で「素人だ」といって物議を醸した。ここでもそんな人物を閣僚に据えた安倍首相の責任が問われている。

  自身の秘書らが選挙区内で線香を配った問題が問われている茂木敏充経済再生相をめぐってもそうだね。野党が事実を確認する質問をしても「(野党の)各議員に対して、さまざまな事例の報道もある」(8日の衆院予算委)などとはぐらかす。国民の声に耳を傾けようとしない、説明して理解を得ようという姿勢もない、それで改憲に突っ走る―安倍政権は究極の「モラルハザード(倫理喪失)」政権だ。

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(写真)傍聴者と懇談する志位和夫委員長ら=5日、国会

自民支持者も「見方変えた」の声

共産党の“論戦力”

  そんな中、安倍政権に一番、厳しく対峙(たいじ)していた日本共産党の論戦が光っている。テレビ中継された質疑を見て「自民党を応援してきたが、見方を変えた」という声をいくつも聞いた。

志位質問への反響

  志位委員長が「すべての国民の権利にかかわる重大な問題だ」として、生活保護を削減しようとする安倍政権の方針を批判した(5日の衆院予算委)。当事者の言葉で、生活保護の暮らしぶりを突き付けて、「これが、憲法25条が保障する健康で文化的な生活か」との追及には「私たちの苦しんでいることをよく言ってくれた」と反響が相次いだ。

  その予算委員会の傍聴には「JCPサポーター」の人たちも含めて、91人も駆け付けて真剣に審議を見守っていた。

  そういえば、志位委員長が衆院本会議で生活保護削減の問題を取り上げた際には、自民党席からひどいヤジが上がっていたけど、予算委員会ではさすがに静まり返っていたのが印象的だった。

  森友学園への国有地売却問題では、辰巳孝太郎参院議員が、安倍首相の妻の昭恵氏から「頑張ってください」という激励の電話を受けたと同学園理事長だった籠池泰典被告が話している音声データを暴露して注目を集めた(1日の参院予算委)。

  財務省は、辰巳氏の追及で、これまで公開した以外にも売却交渉に関する内部文書が存在することも初めて明らかにしたよ。9日に財務省が新文書を公表すると、各紙が大きく報じた。「記録は廃棄した」としてきた佐川宣寿・前理財局長の国会答弁が虚偽だったことが明確に裏付けられたことになる。

  共産党の追及には、マスコミだけでなく、他党議員も注目しているね。宮本徹衆院議員が、防衛省が護衛艦で新種航空機を運用するための調査研究を行っていることを追及(7日の衆院予算委)すると、翌日の同委で立憲民主党の本多平直衆院議員も宮本氏の示した資料をもとに、護衛艦の空母化を検討している疑いを指摘。「東京」が小野寺五典防衛相の答弁を引きながら後追いしていたよ。

政治動かす力発揮

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(写真)質問する田村智子議員=1日、参院予算委

  有期雇用労働者の雇い止めをめぐっては、田村智子参院議員が参院予算委(1日)で取り上げた翌日に日本貿易振興機構(JETRO)と経済産業省が計画の全面撤回を報告するなど、実際の政治を動かす力も発揮している。

安倍9条改憲・「働き方改革」…

見えた 野党一致点

  国会序盤の論戦では、野党間の政策的一致点も見えてきたのが特徴だね。

首相の憲法観批判

  最大の課題は9条改憲だ。代表質問で、立憲民主党の枝野幸男代表は首相の憲法観を批判し「まっとうな議論ができるはずもない」と断じた。昨年の総選挙で9条を含む改憲推進を掲げた希望の党だが、玉木雄一郎代表は「立法事実がない9条改憲案には反対だ」と表明したよ。

  安倍政権が幕引きを図ろうとした森友・加計疑惑や、生活保護削減の問題も各野党がとりあげている。

  森友疑惑では、交渉記録を「全て廃棄した」との虚偽答弁を繰り返した財務省前理財局長の佐川宣寿国税庁長官について、立憲民主党の議員も同氏の罷免や証人喚問を行うべきだと主張した。

  安倍首相は「働き方改革を断行する」と表明したが、野党は「残業の上限を青天井にする働き方を拡大する」(立民・長妻昭衆院議員)、「過労死を増やす」(希望・山井和則衆院議員)と批判を強めているよ。

  野党間で政策的に一致してたたかっていける方向が生まれているのは重要だ。共産党は市民のたたかいと結んで、この国会共闘に全力をあげようとしている。

  それだけに与党は、野党の質問時間を減らし与党の持ち分を増やせと不当な要求をしている。

  実際に与党の質問時間は増えたが、政権に対する「監視役」には程遠い。予算委員会で自公の議員がひたすら「総理のご決意は?」とお伺いを立てるばかりだ。

数のおごりただす

  質問時間の配分に関する世論調査(JNN、3、4両日実施)では、「与党が多すぎる」41%が「野党が多すぎる」8%を大きく上回っている。

  国民が国会に求めていることは、政権をチェックし追及することだ。今後の国会で、数の力におごる安倍政権を厳しくただしてほしい。


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by daisukepro | 2018-02-14 09:17 | 政治

「心を合わせ、難関を突破しよう」

  【ソウル、仁川共同】平昌冬季五輪に合わせて訪韓した北朝鮮の三池淵管弦楽団が11日夜、ソウルで公演を開き、金正恩朝鮮労働党委員長の特使として訪韓した妹の金与正党第1副部長が、韓国の文在寅大統領の隣で観覧した。文氏は与正氏ら北朝鮮側に対話・交流の継続と拡大を求め「心を合わせ、難関を突破しよう」と話した。

 韓国大統領府が明らかにした。核問題を巡る緊張状態を念頭に置いた発言と見られる。文氏は「この出会いの小さな火がたいまつになるよう南北が協力しよう」とも述べた。

 金与正氏と金永南最高人民会議常任委員長ら高官代表団は観覧後、仁川国際空港から北朝鮮へ向け出発した。

 三池淵管弦楽団の公演を観覧する(左から)北朝鮮の金永南・最高人民会議常任委員長、金与正・朝鮮労働党第1副部長、韓国の文在寅大統領=11日、ソウル(聯合=共同)

 三池淵管弦楽団の公演を観覧する(左から)北朝鮮の金永南・最高人民会議常任委員長、金与正・朝鮮労働党第1副部長、韓国の文在寅大統領=11日、ソウル(聯合=共同)


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by daisukepro | 2018-02-12 06:01 | 政治

生活保護削減に道理なし 貧困打開に向け「生活保障法」に 衆院予算委 志位委員長の基本的質疑

生活保護削減に道理なし

貧困打開に向け「生活保障法」に

衆院予算委 志位委員長の基本的質疑

 日本共産党の志位和夫委員長が5日の衆院予算委員会で行った基本的質疑は次のとおりです。


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(写真)質問する志位和夫委員長=5日、衆院予算委

志位 生活保護のあり方は、すべての国民の権利にかかわる重大な問題 

 志位和夫委員長 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問いたします。

 今日は、限られた時間なので、生活保護の問題について質問します。

 今年は、5年に1度の生活扶助基準の見直しの年となっていますが、安倍政権が、最大5%という生活扶助基準引き下げの方針を決めたことに対して、国民の不安と批判が広がっております。

 生活保護の問題は、制度を利用している人だけの問題ではありません。今日の日本で、貧困は、特別の事情ではなく、倒産、失業、リストラ、病気、親や家族の介護などで職を失えば、誰もが貧困に陥っておかしくない状態におかれています。

 また、生活扶助基準の引き下げは、住民税、保育料、介護保険料、就学援助、最低賃金などに連動し、広範な国民の生活に重大な影響を与えます。憲法25条に明記された国民の生存権を保障する最後のセーフティーネットである生活保護のあり方は、すべての国民の権利にかかわる重大な問題であります。

志位 「貧困ライン」が下がるもとでは、相対的貧困率が低下しても、貧困の実態が改善したとはいえないのではないか 

首相 (質問に答えず)子どもの貧困率が大きく改善した

志位 指摘を否定できなかった。低所得世帯では子どもを持つこと自体が困難になっている

 志位 まず総理にうかがいたいのは、今日の日本における貧困の実態をどう認識しているかについてです。

 私は、1月25日の(衆院)本会議の代表質問で、安倍政権の5年間で、貧困が悪化したという事実を認めるかどうかをただしました。総理は、2014年の総務省「全国消費実態調査」で、安倍内閣発足後、長期的に上昇傾向にあった相対的貧困率が低下に転じたとのべ、「貧困が悪化したという指摘は当たらない」と答弁されました。まず確認します。「全国消費実態調査」で、総世帯の相対的貧困率がどうなったか。この4回の調査結果について、総務省、数字を示してください。

 千野雅人総務省統計局長 お答えいたします。総務省統計局の全国消費実態調査によりますと、相対的貧困率は、平成11年は9・1%、16年は9・5%、21年は10・1%、26年は9・9%となっております。

 志位 いま、報告があったように、確かに直近の数字では相対的貧困率はわずかに低下しております。総理は、相対的貧困率が低下したことをもって、貧困が悪化していないといわれるわけですが、はたしてそうか。

 相対的貧困率というのは、所得――厳密にいえば等価可処分所得の順に全国民を並べたとき、真ん中にくる人の額を「中央値」とし、その2分の1を「貧困ライン」とし、「貧困ライン」に満たない所得の人の割合であります。一般の国民の所得が下がると「中央値」が下がるので、それに連動して「貧困ライン」も下がることになります。

 次は総理にうかがいます。パネルをごらんください(パネル1)。

図

 これは、この間の「貧困ライン」の推移です。「全国消費実態調査」のデータにもとづき総務省に実質ベースの数値を計算してもらいました。1999年は157万円、2004年は151万円、2009年は140万円、2014年は133万円、一貫して下がり続けています。

 「貧困ライン」が下がるとどうなるか。これまで「貧困ライン」以下にいた人――貧困に数えられていた人が、これまでと同じ収入・暮らしであっても、「貧困ライン」が下がることによって「貧困ライン」の上にきてしまい、貧困ではないと数えられてしまうことになります。パネルをごらんください。2009年から2014年でいえば、パネルのこの点線で囲まれた部分の人たち――所得133万円から140万円の人たちは、収入や暮らしがよくなって貧困から抜け出したのではありません。収入も暮らしも変わらないけれども、「貧困ライン」が下がったために、貧困ではないと数えられてしまう。すなわち、「貧困ライン」が下がりますと、貧困の実態が変わらなくても、相対的貧困率を押し下げるという効果が働くのであります。

 そこで、総理にうかがいます。総理は、相対的貧困率が低下したことをもって、貧困が悪化していないと答弁されました。しかし「貧困ライン」が下がるもとでは、相対的貧困率が低下したとしても、それだけをもって貧困の実態が改善したとはいえないんじゃないですか。端的にお答えください。

 安倍晋三首相 実は、相対的貧困率論争というのは、私が出したのではなくて、かつて野党側から安倍政権が進めている経済政策では相対的貧困率がおそらく伸びていくだろうと。安倍政権ではそれはまだとっていなかったんですがね、とっていなかったんですが、そういって私を批判したものですから、では、安倍政権がとったときにそれを見て議論しましょうといったら、これがよくなったものですから、その後、相対的貧困率についての議論というのを挑まれることが実はなくなったという、いままでの経緯をご説明をさせていただきたい(志位「質問に答えてください」)、こう思うわけであります。

 念のために申し上げますと、相対的貧困率について、雇用が大きく増加するなど、経済が好転するなかで、低下に転じました。とくに、子どもの相対的貧困率は、2016年に公表された総務省によれば、10年前の9・7、5年前が9・9と上がってきたものが7・9と、2ポイント、これは大きく改善をした。

 そこで、実は、相対的貧困率、野党から質問を受けたときに、こちら側のほうから、これは絶対値とは違いますよという反論をさせていただきましたし、いまの中央値のお話も、こちら側からもお話をさせていただいたことがあるんですが、ではなぜ日本で中央値が下がっているかといえば、高齢者の世帯、要するに高齢者が増えてきたことによって、当然、団塊の世代の方々は年金生活者に変わりますから、一人ひとりの収入が落ちてきた。その数が大きくなってきたことによって中央値が下がってきた、このように認識しております。

 志位 いま子どもの(相対的)貧困率が下がったことをおっしゃいました。しかし、「貧困ライン」が低くなりすぎた結果、「貧困ライン」以下の世帯では、子どもを持つこと自体が困難になっているという、より深刻な事態が子どもの貧困の場合はあるんですよ。

 それから高齢者の世帯の問題もいわれましたけれども、全体として「貧困ライン」が下がった、こういうもとでは、相対的貧困率が下がったことをもって、貧困の改善にはならない。この私の指摘を否定することはできませんでした。

志位 「貧困ライン」が下がり続けているのは日本だけ。異常な国という自覚はあるか 

首相 デフレの影響が非常に大きい

志位 物価を反映した実質値で下がっているではないか

 志位 もう1枚ごらんください(パネル2)。

図

 これは、OECD(経済協力開発機構)のデータから作成したアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、イタリア、そして日本の「貧困ライン」の2000年から2015年までの推移です。名目値で計算したものです。日本以外のどの国も、「貧困ライン」は大幅に引き上がっている。「貧困ライン」が下がり続けているのは日本だけですよ。高齢化というのは、ある程度、他の国も共通している。しかし、これだけ下がっているのは、日本だけです。

 「貧困ライン」が下がり続けているということは、一般の国民の所得が下がり続けているということですよ。雇用がよくなったといいますけれど、安倍政権の5年間で、働く人の実質賃金は15万円、年間で減っているわけです。全体の所得が下がるなかで、「貧困ライン」が下がっている。これは日本だけですよ。総理、この点で、日本は異常な国だ、異常な国になっているという自覚はありますか。

 首相 これは、下がっているのは、一つは、デフレが続いておりますから、このデフレの影響というのは非常に大きいんだろうと、こう思うわけであります。それはちょっとさきほどお話もさせていただいたとおりでございます。

 また、他の国も高齢化が進んでいるではないかというご指摘がございましたが、日本の高齢化のスピードというのは非常に速いということでございます。まさに団塊の世代が年金世代に入るというなかにおいては、それが顕著であるということでございます。

 こうしたなかで、たとえば国民にとってみんなの稼ぎである総雇用者所得をみますと、名目でみても、実質でみても、2015年7月以降、前年比プラスになっておりますし、こうしたなかで2017年の内閣府の調査によれば、1万近くのサンプルをとり、6000以上の回答を得ている非常に大掛かりな調査でございますが、現在の生活に満足と回答したものの割合は73・9%、これは過去最高となっています。そして、所得と収入で満足と回答したものの割合も、平成8年以来、21年ぶりに不満を上回っている。実は、その間、ずっと不満だったんですが、不満を、これは大切な点なんですが、逆転させることができたのではないかと、このように思います。

 志位 私は、国民の全体の貧困の問題について論じている。

 そして、デフレだと、日本はデフレだから(「貧困ライン」が)下がったんだとおっしゃった。しかし、さきほど、パネル(パネル1)を見せたじゃないですか。あれは実質値ですよ。物価上昇あるいは下落を反映した実質値で日本は「貧困ライン」が下がり続けている。さっき見せたじゃないですか。

志位 所得が最も少ない10%の層の実質所得が下がり続けている。貧困の悪化を認めよ

首相 (質問に答えず、関係のない数値を答弁)

志位 都合のよい数字だけを宣伝し、深刻な実態を見ようとしない、そんな姿勢からはまともな政策は出てこない

 志位 次に進みたいと思うんですが、もう1枚パネルをごらんください(パネル3)。

図

 では実態を見てください。貧困の実態を見るうえでは、貧困層の所得そのものがどうなっているかを見ることが、たいへん重要になります。

 これは、所得が最も少ない10%の層――第1・十分位の上限値の所得がどう変化したかのグラフです。総務省「全国消費実態調査」のデータをもとに、総務省に実質ベースの数値を計算してもらいました。これは実質値です。所得が最も少ない10%の層の所得は、1999年は162万円、2004年は154万円、2009年は140万円、そして安倍政権になっての2014年は134万円と、下がり続けています。これが貧困の実態を反映した数字ですよ。

 総理にうかがいます。安倍政権のもとで貧困は改善した、この認識をあらためてください。貧困の実態が悪化しているという事実を、きちんと正面から認めるべきじゃありませんか。いかがでしょう、総理。

 加藤勝信厚生労働相 さきほど、中央値のお話があったんですけれども、最初のやつだったと思いますけど、この等価可処分所得なんですが、これは、1人当たりの可処分所得が変化するのと、世帯人員が変化するのと両方の影響を受けるわけであります。とくに世帯人員の場合には、たとえば夫婦お二人100万円ずつだとしますと、世帯収入全体は200万なんですが、これを2で割るんではなくて、ルート2、1・4で割ります。したがって、夫婦ご一緒だったらそれぞれ100万なんだけれど、1人が141万、これがお一人が亡くなって100万になったら100万になっちゃうという、こういう世帯が小さくなることに伴う影響もそこに出てきている。

 実際、私どもの厚労省とさきほどのは総務省なので、ちょっと時間が違うんですけれども、2012年と2015年をみるかぎりは、1人当たりの可処分所得というものの低下がですね、ずっときたものが止まって、やや上昇に転じている、こういったことも指摘できるんじゃないかと思います。

 志位 12年と15年の数値で(可処分所得が)上昇に転じているということが言われましたが、これは別の調査(国民生活基礎調査)だと思うんですが、(上昇に転じたのは)名目値です。実質値ではマイナスです。実質値では、直近の3年間でマイナスになっているのです。

 それから、等価可処分所得で比較するのはおかしいというお話がありましたけれども、貧困をはかる物差しとしては、等価可処分所得、すなわち家族の人数で調整された可処分所得を使うのが国際標準なんですよ。だから日本政府もそれで貧困の問題を議論している。

 総理、お答えください。これは明らかですよ。等価可処分所得で見た場合に、あなたの内閣になってからも、最も所得が少ない10%の層の所得が落ち込んでいるんです。貧困が改善したとはいえない。悪化したという事実を正面から認めていただきたい。

 首相 悪化はしていないと思います。これは何回も申し上げているわけでありますが、たとえば、最低賃金にしても、これは低所得者のみなさんにとっては大変効くわけでありますが、安倍政権になる前の10年間、民主党政権とその前の7年間の自民党政権を足し込んだ10年間、10年間でやっと86円上がったわけであります。しかし、安倍政権は5年間で100円上げているんです。時給ですね。そういう意味においては、相当これは、低所得者のみなさんにとって、もちろんパートのみなさんにとっては過去最高の収入になっていますが、そうしたものは伸びているということであります。

 そこで、ご指摘の等価可処分所得の中央値でありますが、これはさきほど来申し上げておりますように、高齢者の増加等にともない、長期的に低下傾向にある、長期的にずっと下がっているわけでありまして、これは安倍政権になって急に下がったわけではなくて、いわば、高齢化が進むなかにおいて、さきほど厚労大臣からも答弁をさせていただいたわけであります。

 しかし、こうしたなかで、アベノミクスのもとで、われわれが進めてきた経済政策を進めてきた結果、相対的貧困率は改善に転じているわけでありますし、子どもの相対的貧困率はさきほど申し上げたとおりでございまして、さらにしっかりと、われわれ、いまの経済政策を進めることによって、さらに、たとえば最低賃金についても1000円を超えていきたいと、こう考えているところでございます。

 志位 所得の少ない高齢者が増えたからだと繰り返されるんですけれども、もう一つ、政府の統計を使いますと、(等価可処分所得でなく)1人当たりの可処分所得をみても、この直近の5年間では(所得の最も少ない10%の層の所得は)実質でマイナスになっているんです。だから、どの指標を見てもマイナスなんです。ですから、高齢者世帯が増えたということだけで説明できるものじゃないんですよ。

 そして、最低賃金のことを言われたけれど、その最低賃金の効果も含めて、この数字(パネルで示した数字)が出ているんです。

 こう議論しますと、総理は、自分に都合のよい数字だけを宣伝し、深刻な実態を見ようとしない。そんな姿勢からは、私は、まともな政策は出てこないと思いますよ。安倍政権のもとで、所得が最も少ない10%の層の実質所得が減り続けている、貧困の実態が悪化している。この事実を正面から捉えてこそ、まともな政策が出てくると思います。

志位 生活扶助見直しは、誰がどう見ても、全体として引き下げるものとなっている

首相 (「全体として引き下げるものではない」と繰り返す)

志位 切り下げを押し付けながら、痛みを感じていないのは大問題だ

 志位 次に今回の政府の生活扶助基準の見直しの方針についてうかがいます。

 総理は、本会議での私の質問に対する答弁で、「今回の見直しでは、年齢、世帯人員、地域を組み合わせた世帯特性ごとに、一般低所得世帯の消費の実態と生活保護基準額との乖離(かいり)を是正するため、基準額が上がる世帯、下がる世帯が生じる」「モデル世帯、夫婦子1人世帯では、一般低所得世帯の消費水準と生活扶助基準とがおおむね均衡しており、生活扶助基準を全体として引き下げるものではない」――「全体として引き下げるものではない」、こう答弁されたんです。

 パネルをごらんください(パネル4)。これが今回の政府の生活扶助(基準)見直しの全体像であります。データはすべて厚生労働省の説明資料のものであります。

図

 総理は、「上がる世帯、下がる世帯が生じる」と言われましたが、生活保護を利用している世帯で、生活扶助費が上がる世帯は26%、変わらない世帯は8%、下がる世帯は67%ですよ。7割近くの世帯で生活扶助基準が引き下げられることになります。

 生活扶助費は、最大5%、平均1・8%削減される。生活扶助費総額は、年間210億円、国費分で160億円削減される。

 総理は、この見直しを、「全体として引き下げるものではない」というんでしょうか。誰がどう見たって、全体として引き下げるものになっているじゃないですか。明らかじゃないですか。総理どうですか。総理の答弁なんだから、総理答えなさい。

 厚生労働相 これまでもご説明させていただいているんですけれども、この生活扶助の考え方というのは、今回の場合、一般の低所得世帯の消費の実態と見比べながら決めていくわけであります。その上で、モデル世帯、夫婦子1人世帯でこれを比較する。そしてその結果として一般低所得世帯の消費水準と生活扶助基準がおおむね均衡しているということであります。

 それから、一般低所得世帯というのをどうやって選ぶかというときにも、そこにおける、たとえば、だんだんだんだん所得が減ってきますと急に消費が減る、いわゆる変曲点というんですが、そういったところ、あるいは消費のなかに占める固定経費の割合、ここが変わる、こういうのをみながら、どこを対象にすべきかというのを判断をし、そしていま申し上げた10分の1の低所得世帯を選び、そしてそれと現行とを比較して判断をした結果として、いま均衡している。したがって、全体は動かしていない。

 しかし、給地別とか、それから世帯別とか、年齢別というのがございます。それを一つひとつ見ると、たとえば級地別を見ると、これまでも指摘をされていたんですけれども、たとえば東京と地方とを比べると、東京のほうが高くて、地方が低いということで、かなり機械的にやってきたんですが、実態を見ると、かならずしもそうではなくて、やはり地方のほうも高い、あるいは都会のほうがそれほどでもない、そこを是正したというのが今回の個々の見直しと、こういうことであります。

 志位 要するに「モデル世帯」(夫婦子1人世帯)をあなた方が選んで、そこでは「一般低所得世帯」と「均衡」していたと。しかしそれにいろんな数値をかけ、指数をかけていった。その結果がこれじゃないですか。その結果、全体の世帯で見たら210億円の削減ですよ。これを、「全体として引き下げるものではない」というのかと。まぎれもなく引き下げじゃないですか。

 総理、今度は答えてください。総理が言ったんだから。「全体として引き下げるものではない」と。それを言うんですか、この数字を見て。この数字に間違っているところがあるんですか。

 首相 いま基本的には加藤厚労大臣から答弁したとおりでありますが、いつもそうなんですが、今般の検証では、生活扶助基準について年齢・世帯人員・地域を組み合わせた世帯特性によって、一般の低所得世帯の消費の実態より生活扶助基準額が高い場合と低い場合の双方があると確認されたわけです。これは加藤大臣から答弁した通りでありますが。

 今回、実態と乖離のある基準を世帯類型ごとに是正したため、その結果、基準額が上がる世帯、下がる世帯が生じています。そのうえで、モデル世帯は夫婦子1人の世帯でありますが、比較しますと一般低所得世帯の消費水準と生活扶助基準とがおおむね均衡しており、ですから私が本会議で答弁した通り、生活扶助基準を全体として引き下げるものではないと、このように申し上げさせていただいた通りであります。

 志位 この数字に、どこか間違いがあるのかと聞いたのに対して、お答えがありません。これは間違いないんですよ。こういうのを全体として引き下げるというんです。

 しかも今回の引き下げというのは、2013年の最大10%、平均6・5%、総額890億円の削減に続く連続引き下げになります。2回の引き下げを合わせると、総額で1100億円もの引き下げになります。圧倒的多数の生活保護世帯が削減となります。こういう切り下げを押し付けながら痛みを感じていない。あなた方は、痛みを感じていない。これは私は、大問題と言わなければなりません。

志位 現在の生活扶助基準は、健康で文化的な生活と言える水準になっているか

首相 専門家による科学的な分析で検証している

志位 具体的な例をあげてただしたのに、まともな答えがない

 志位 次に進んでいきたいと思います。

 今回の政府の生活扶助基準の見直しの最大の問題点は、「一般低所得世帯」――所得が最も少ない10%の層に合わせて、生活扶助基準を引き下げるという方針になっていることにあります。

 まず、現在の生活扶助基準が憲法25条が保障する健康で文化的な生活と言える水準になっているか。総理に基本認識をうかがいたいと思います。

 私は、先日、千葉県で、生活保護を利用して、高校生、中学生、小学生3人、5人のお子さんを育てているシングルマザーの方から直接、お話をうかがいました。

 「生活保護を利用するようになって、子どもたちの給食費が毎月きちんと納められるようになったのがうれしかった。子どもたちが持っている能力を最大限発揮させて、社会の役に立つ人になってほしいと願っている」と話されていましたが、生活の実態は本当に大変であります。こういうお話でした。

 「買い物は値段が下がるまで待って行きます。食パンは8枚切りで98円が49円と必ず半額になってから買います。品物ごとに安売りの底値が頭に入っていて、底値以上の値段のものは食べてはいけないと思っています。子どもに食べさせるのが最優先で、私は、子どもたちが食べた後で残りがあったら食べるという程度です。

 お風呂は冬場に週1回沸かすだけで、あとは水シャワー。お風呂は絶対に1人で入らず、まとまって短時間ですませています。

 テレビも、炊飯器も、掃除機も、冷蔵庫も、壊れてしまい、買い替えることができません。冷蔵庫だけは夏までに何とかしなければと悩んでいます」

 総理にうかがいます。こうした生活が、憲法25条が保障する健康で文化的な生活と言えますか。ご認識をうかがいたい。総理どうですか。(厚生労働大臣が答弁に立とうとする)総理に聞いているんです。総理の認識です。あなたはいいですよ。総理に聞いている。

 厚生労働相 いま個々具体的なお話を、人はそれぞれいろいろな事情を抱えている方がいらっしゃると思います。そういうなかで、いまお話があった生活保護法のなかで、この法律による保障される最低限な生活が、健康で文化的な生活を維持することができるものでなければならないと、こういう規定がございます。それを踏まえて私どもはさきほど申し上げたような形で現状の水準までそれぞれの世帯にとって最低限の生活をするために必要かどうかを科学的に専門的に分析して検証させていただいていると、こういうことであります。

 志位 私は、総理に聞いています。

 実際に、こういう生活を余儀なくされている方がいて、それが健康で文化的な生活といえるかどうかの認識を聞いています。答えてください。総理です。

 首相 たとえば、今回、一般低所得、これは消費水準に合わせて、一般の、生活保護ではない方々の消費水準と合わせて、ここで均衡とならなければならないのは事実であろうと、このように思います。

 生活保護ではなくて、普通に生活をしておられる低所得の方々の消費水準と、この低所得の方々の生活保護を受けている方々の消費水準が逆転をしてはならないわけですから、さきほど加藤大臣から答弁をしたように、専門家による科学的な分析をした結果、今回こういうことを、こういう対応をとったわけであります。

 ですから全体ではなくて、その対象ごとにこれは決定をしていくわけでございますが、そこでですね、おそらく共産党としてはそれは消費水準が低下したためではないかというご指摘があるかもしれませんが、それは……。

 志位 聞いてないことを答えないで。

 首相 いや、ちょっと先の話をお答えさせていただこうかと思ったんですが……。

 志位 聞いていないことを答えなくていい。時間がもったいないから。

 首相 分かりました。いずれにせよ、結論から言えば、消費水準は減少はしていないということを申し上げておきたいと思います。

 志位 私は、具体的な例をあげて、これが健康で文化的かと聞いたんですが、まともなお答えがない。そして、「一般低所得世帯」との「均衡」「均衡」とおっしゃる。

志位 生活扶助基準を「一般低所得世帯」に合わせて引き下げたら、つらくて惨めな生活に引きずり戻すことになる

首相 子どもに対する加算などを行う

志位 「一般低所得世帯」が生活扶助基準以下なら、やるべきは生活保護削減でなく、「一般低所得世帯」への支援だ

 志位 現在の生活扶助基準でも、憲法25条が保障する健康で文化的な水準とは到底言えません。それを「一般低所得世帯」――所得が最も少ない10%の層に合わせてさらに引き下げたら、どういう事態が生まれるか。

 もう一人、具体的なお話をしたいと思います。大阪府で、中学生、小学生の2人の子どもを育てているシングルマザーの方の訴えを紹介したいと思います。先日、「反貧困ネットワーク大阪」などが主催した集会での発言です。紹介します。よくお聞きください。

 「今回の政府案が通ってしまうと、私の世帯は引き下げ率が高い世帯となってしまいます。引き下げの理由は、『一般低所得世帯』と比べた時、私たちの支出額の方が上回ったからだと聞きました。でも私はここは大変疑問に思うところです。

 生活保護が受けられるようになる前、つまり今回で言うところの『一般低所得世帯』であった頃の私たちの生活は、とてもとても厳しいものでした。

 私は、今より8キロ以上痩せていました。子どもたちを食べさせるために自分はあまり食べずにいました。生活に対する不安感が強すぎて感覚が鈍くなっているのか、外に出ているときはおなかがすいているのに、家に帰って子どもたちを目の前にするとその感覚を失うのです。貧しいのは私のせいなのだから私は食べてはダメ、という強迫に近い感情が、そこにはありました。

 お風呂はお湯の温度をギリギリまで下げてお湯をため、シャワーは使わず、3人一緒に入っていました。お風呂からあがる時は、浴槽の中にはずいぶんと冷めたわずかなお湯が残っているだけ。当時、子どもたちは『寒い、寒い』と言いながら、大急ぎで体を拭いていました。

 室内の電気も暗くなるギリギリまでつけず、子どもたちを早く寝かせて私も電気を消して早々と布団に入っていました。夜、テレビを見ることの楽しみもない夜です。

 一番つらかったのは無保険だった期間です。3年間、幼い子どもたちを一度も病院に連れていけませんでした。息をひそめ、薄氷の上を歩いているかのような生活でした。

 でもそんな生活は、外側からは見えにくい状態であったと思います。あまりにも恥ずかしい生活なので、周囲には悟られないようにしていました。

 『一般低所得世帯』の中には、そんな生活をしている世帯が多く存在しているかもしれません。国には、そんな生活が人として健全な暮らしであるかどうか、目を向けていただきたい。本当に必要な対策は、生活保護費を下げることではなく、保護受給世帯や低所得世帯の生活実態を把握して考えていくことではないでしょうか。

 つらくて惨めな生活は、生活保護を受けるようになってから天国のようになりました。子どもたちに食べさせてあげられる安心感、それは母親としてとても幸せなことでした。私には、国が神様のように見えました。心から感謝しました。

 そして思ったことは『この負の連鎖を断ち切りたい。子どもたちを心も体も丈夫な子に育てよう。それが助けていただいた国に対して私のできる恩返しなんだ』――そう思って今を生きています。

 ただ、今回の引き下げが決定したとき、『今度はどこを削って生活しよう』と。光熱費も食費も今が限界です。子どもたちの将来かかってくる学費や、今現在使っている塾代を削る。そこしかありません。本当は感謝したい国に対して、反対意見を出すということがとても悲しいです。どうか親子ともに自立しようと思う気持ちを折らないでください」

 こういう訴えであります。

 総理にうかがいます。(政府は)生活扶助基準を「一般低所得世帯」に均衡させる、こちらが低かったらそれに合わせて引き下げようという。それはこの母子家庭を、かつて置かれていた生活扶助基準にすら満たないつらくて惨めな生活に、引きずり戻すということではありませんか。総理お答えください。総理の認識を聞いている。

 厚生労働相 今のお話を聞かせていただきながら、生活保護は生活に困窮する方に健康で文化的で最低限度の生活を保障する最後のセーフティーネットですから、それをしっかり活用すべき人は活用していただく、それが大事なことなんだろうと、おっしゃっておられたのだと思います。そのうえで生活保護基準でありますが、現在の生活保護法の8条で「保護は、厚生労働大臣の定める基準のうち要保護者の需要をもととしたもののうち、そのものの金銭又は物品ができない不足の限度をもとに行うものとする。前項の基準は要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別、その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した、最低限度の生活を満たすに十分なものであって、かつこれを超えないものでなければならない」。こう書いてあるわけであります。この観点にそってさきほど申し上げたような検証を専門家の方々にしてもらいながら、今回の見直しをさせていただいている、そうしたことであります。

 志位 総理に聞いております。このお母さんの訴えというのは、「一般低所得世帯」にあわせて、「均衡」ということで生活扶助費を引き下げるのはおかしいじゃないか、そんなやり方はないじゃないか、そういう訴えなんですよ。総理いかがですか。

 首相 そこで、さきほど、一般の低所得世帯の消費支出の推移を見ますと、平成21年は13万1500円だったものが、平成26年は13万6600円と、5100円、3・9%増加しているわけでありますから、ここが下がったから、生活保護世帯が世帯属性等で同じように下げられるわけではない、と申し上げておきたい。これは夫婦子1人の世帯でありますが。

 と同時に、私どもとしては、厚労大臣が申し上げたように、子どもがいる世帯については、母子加算の見直しは行いますが、児童養育加算の給付対象者を高校生に拡大します。また約6割では基準が増額となる見込みであります。例えば、地方に暮らす、母1人、中学生と高校生の子ども2人の母子世帯の場合は、年額で11万1000円の増額となるわけでございますし、さらに、大学進学等への進学準備金として自宅から通学の場合は10万円、自宅外から通学の場合は30万円の給付を創設します。また自宅から大学等に通学する場合、行っていた住宅扶助費の減額を取りやめるなど生活保護世帯の子どもに対する支援を強化していきたい、こういうメニューがあることもテレビを通じて知っていただきたい、活用していただきたいと思います。

 志位 私が聞いたのは、このお母さんが、「一般低所得世帯」の水準に合わせて生活扶助基準を引き下げるのはおかしいじゃないかという、この声なんですよ。まったくお答えになっていない。

 子どもに対する手厚い手当てやっているんだとお答えになった。母子加算は2割カットじゃないですか。児童養育加算ということもおっしゃった。たしかに高校生には拡大するかもしれない、でも3歳未満には5000円カットじゃないですか。そして、このケースで言えば、小学校と中学校ですから児童養育加算はまったく増えません。この世帯の場合は、(政府の見直しで)扶助費は年間10万円下がるんです。

 これが実態なんですよ。そもそも生活扶助基準とは、憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」をおくるために、「これ以上の貧困があってはならない」という最低ラインを定めた基準です。「一般低所得世帯」の方が、そちらの生活水準がより低いというなら、あるいは「均衡」がとれていないというのであるなら、やるべきことは、生活扶助基準を引き下げるのでなく、「一般低所得世帯」の支援であり、それこそが憲法25条に基づく政治の責務だ、ということを強く訴えたいと思います。

志位 低すぎる生活保護の捕捉率 ――“利用率”の調査を定期的に実施しているか

厚生労働相 (この7年間)推計している結果はない

志位 系統的に調査すれば“利用率”の動向がつかめるはずだ

 志位 次に進みます。

 なぜ「一般低所得世帯」――所得が最も少ない10%の層の生活水準が、これほどまでに困窮した状態に置かれているのか。

 その原因の一つとして、生活保護の捕捉率――生活保護を利用する資格のある人のうち、実際に利用している人の割合――が、2割程度にとどまっているという問題があります。大問題です。現在の生活保護の利用者数は約213万人ですが、その背後には数百万人の単位で利用できていない生活困窮者が存在している。

 捕捉率の実態はどのようなものか。

 私は、ここに持ってまいりましたが、厚生労働省は、民主党政権時代の2010年4月に、「生活保護基準未満の低所得世帯数の推計について」という報告書を出しております。パネルをごらんください(パネル5)。

図

 それによりますと、「生活保護基準未満の低所得世帯数に対する被保護世帯数の割合」、つまり“生活保護利用率”は、「所得のみ」で推計した場合には15・3%、「資産を考慮」して推計した場合で32・1%、こういう数字が出ております。たいへんに低い“利用率”であります。

 この報告書では、この結果について、最後にこう述べております。「現状把握の指標として捉えるべき一つの数値が明らかになった」、「今回と同様の調査を定期的に実施し、その動向を把握していく」。

 今度は、厚生労働大臣です。この7年間、定期的に動向を把握するための調査をやりましたか、やったかやらないか、それだけでいいです。長い答弁はいりません。やったかやらないか。

 厚生労働相 今のやつは、一つの数字をお出しになっているんで、全国(消費)実態調査でいきますと、所得のみの場合が29・6、資産を考慮すれば87・4ということで、(調査によって)非常に数値にばらつきがあって、なかなかこれを取るには至らないという、たしかそういう議論になっていたというふうに承知をしているところであります。

 そして実際にそれぞれを推計するにしても、その方の所得のみならず、もちろん(申請の)意思がございます。稼得能力、資産、それらを全体的に把握しなければ、なかなかその方が生活保護の対象となるかどうか判断し得ないということで、そうしたことの推計というのは非常に難しいというのが今の現状でございます。

 志位 だから、調査はやったんですか。この7年間、やったかどうか聞いているんです。やったかどうか、それだけですよ。

 厚生労働相 この間には、その時以降、推計をしている結果はございません。

 志位 調査をやってないわけですよ。

 いま、いろんなこと言われました。(調査のもとになった)「全国消費実態調査」、あるいは「国民生活基礎調査」、この間にはばらつきがある。確かにそうですよ、統計によっていろんな幅がある。

 しかし、その全体を、系統的に動向調査していけば、“利用率”の全体がどうなっているか、それをつかめるはずです。だからこそあなた方は、引き続き調査をすると2010年に約束した。これは民主党政権の時代です。民主党政権はいいことをやっているんです。この点では評価したいと思います。自民党(政権)になって、まったくやってない、これは本当に理由になりませんよ。いろんなばらつきがあったら、それも含めて全部調査したらいいじゃないですか。

志位 “生活保護は恥”=「スティグマ」の解消のためにどんな措置をとったか   

厚生労働相 偏見をなくしていくことは重要だ

 志位 もう一点うかがいます。

 日本の生活保護の捕捉率は、専門の研究者の推計で、だいたい2割程度にとどまっていると言われています。諸外国に比べてもきわめて低い。なぜこんなに低いのか。専門の研究者、支援団体の方々にうかがいますと、共通して「三つの原因」を指摘しておられます。

 第一に、「スティグマ」といわれる“生活保護は恥だ”という意識や、生活保護に対する「バッシング」から、生活保護を申請することをためらってしまう。

 第二は、自分が生活保護を利用できることを知らない方が多い。年金があったらダメ、働いていたらダメ、持ち家があったらダメなどと誤解している方が多い。これは制度の周知不足が招いていることであります。

 第三に、勇気をもって役所の窓口に行っても、間違った説明で追い返される。いわゆる「水際作戦」が依然として横行していることであります。

 この「三つの原因」のそれぞれに対して対策が必要ですが、第一にあげた「スティグマ」と言われる“生活保護は恥”だという意識や生活保護「バッシング」をなくしていくことは、たいへん重要な課題だと思います。

 さきほど、私は、千葉県の5人の子どもさんを育てているシングルマザーの方からお聞きした話を紹介いたしました。この方は、生活保護を自分が利用するかどうか考えたさいに、「恥ずかしいという思いがものすごくあった。親友に相談してみたら『生活保護を受けてのんきに暮らすつもりなの。恥ずかしい』と言われて大変ショックだった」ということをおっしゃっておられました。(この方はまだ)なかなか働くことができない、病気がまだ癒える段階なんですね。

 2013年、国連の社会権規約委員会は、日本政府に対して次のような勧告を行っています。総理にお聞きします。

 「委員会は……、締約国に対して、公的福祉給付――生活保護のことですが――の申請手続きを簡素化し、申請が尊厳をもって扱われることを確保するための措置をとるよう求める。委員会はさらに、公的福祉給付に付随したスティグマ――恥の意識――を解消する目的で、締約国が国民の教育を行うよう勧告する」

 政府は、この勧告を受けて、どのような措置をとったんですか。

 厚生労働相 その前に、生活保護の最近の動向は、平成21年から27年に比べて、利用者世帯数で言えば、127万が163万ということで増加をしていると、こういう状況にあるということはまず申し上げておきたいというふうに思います。

 そのうえで、さきほど申し上げましたが、生活保護、まさに最後のセーフティーネットであります。生活保護を受給することへの偏見をなくして、本当に真に保護を必要な方、確実に保護を利用、適用することが重要であります。実際、生活保護の窓口では、きめこまかな面接・相談を行うとともに、生存があやぶまれるような窮迫した状況の場合は、申請をせずとも保護を行う、こういうこともさせていただいております。また一般の住民の方にも制度を周知し、厚労省のホームページにものせておりますけれども、また民生委員等と連携して生活困窮者の発見に努めるように福祉事務所の取り組みもまた促しているところです。また生活困窮者自立支援制度、その入り口といいますか、そこにおける窓口においても生活保護が必要な方を把握した場合には、こうした生活保護の窓口につないで適切な支援に結び付けていく、こういった形で対応させていただいているところであります。

 志位 私は、国連の勧告に対してどういう措置を講じたかということを聞いたんです。答弁がありませんでした。きちんと(制度を)つかえるようにしているとおっしゃいますけどね、捕捉率がたいへんに低い。これが実態なんですよ。

志位 生活保護の利用は、国民の正当な権利だと表明してほしい

首相 偏見をなくし、保護を必要とする方には確実に保護を適用する

 志位 総理にここで一つ提起したい。

 「スティグマ」と言われる“生活保護は恥”という意識をなくしていくことの重要性は、あなたも認めるところだろうと思います。総理の口から、ぜひ、「生活保護を利用することは決して恥ずかしいことではない、憲法25条にもとづく国民の正当な権利だ」ということを、国会のこの場で表明していただきたい。どうですか。

 首相 生活保護制度は、生活に困窮する方に最低限の生活を保障する最後のセーフティーネットであります。このため本人からの申請を待つばかりではなく、住民に対する制度の周知や民生委員等々と連携して、生活に困窮している者の発見等を努めるよう、福祉事務所の取り組みをうながすなど、生活保護が必要な方が適切に支援を受けられるようにしているところであります。生活保護を受給することへの偏見をなくし、保護を必要とする方は、確実に保護を適用という方針のもと、適正な運用に取り組んでいく考えであります。

 志位 正当な国民の権利であるということをお認めになりますね。一言でいいです。総理、正当な国民の権利だということをお認めになりますね。(首相は答弁に立たず、厚労大臣が立とうとする)。いいですよ。もう時間がないんだから、あなたはいい。総理答えてください。

 厚生労働相 さきほど申し上げたように、生活保護を受給することへの偏見をなくして、真に保護を必要とする方に確実に保護を適用することが重要で、ということでありますから、これは適用する側でありますから、当然、利用される方はそうした生活保護が必要な方は、こうした制度を利用していただく、これは当然のことだと思います。

志位 生活保護を使いやすくする緊急提案――真剣に検討を求める

首相 国会でご審議をいただければと思う

志位 政府として検討することを求める

 志位 今日るる申し上げてきたように、今回の政府の生活扶助削減の方針は、まったく道理のないものです。生活扶助削減の方針を撤回し、2013年の削減前の水準に戻すことを強く要求します。

 そのうえで提案があります。

 貧困打開のためには、最低賃金の引き上げ、年金の底上げ、非正規社員の正社員化、男女の賃金格差の是正など総合的対策が必要ですが、それらと一体に、生活保護法の改正が緊急に必要だと思います。すでに日本弁護士連合会などが具体的提案を行っていますが、それらも踏まえ、日本共産党として、生活保護を使いやすくするための緊急提案として、次の柱からなる生活保護法の改正を提案したいと思います。

 パネルをごらんください(パネル6)。

図

 第一は、法律の名称を「生活保障法」に変える。これによって「スティグマ」をなくしていく。

 第二は、国民の権利であることを明らかにし、制度の広報・周知を法律で義務づける。

 第三は、申請権を侵害してはならないことを明記し、「水際作戦」を法をもって根絶する。

 第四は、定期的に、捕捉率を調査・公表し、捕捉率の向上に努める。

 以上、四つの柱ですが、総理に真剣な検討を求めたいと思います。検討していただけますね。

 首相 それは議員としてのご提案でございますから、国会においてご審議いただければと思います。

 志位 政府に検討を求めております。さきほど生活保護がきちんと受給できるように、きちんとやっていると(答弁した)。やっているんだったら、法律に明記することに何の障害もないわけです。いかがですか。政府として検討してください。

 首相 いずれにせよわれわれは、先ほど加藤大臣からも答弁させていただいたように、適切にこの現行法を運用していかなければならないと考えております。

 志位 これで終わりますが、憲法25条の生存権がすべての日本国民にきちんと保障される、そういう社会をつくるために、全力をあげる決意を申し上げて質問を終わります。



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by daisukepro | 2018-02-07 10:42 | 政治

「憲法25条の生存権がすべての国民に保障される日本に」

貧困問題「力になる」

志位質問傍聴の生活保護利用者ら感激

 「憲法25条の生存権がすべての国民に保障される日本に」―。5日の衆院予算委員会で日本共産党の志位和夫委員長が行った基本的質疑は、安倍政権が狙う生活保護基準の引き下げ問題に絞ったものでした。傍聴やテレビ中継で見た保護利用者や関係者らは「運動をすすめるうえで力になる」と語りました。


写真

(写真)傍聴者(手前)と懇談する(正面左から)畑野、志位、しいば、浅野の各氏=5日、衆院第1議員会館内

大阪のシングルマザー

 「志位さんは持ち時間のすべてを生活保護、貧困問題にあてて攻めの姿勢で対峙(たいじ)してくれました。まずそのことにものすごく心を打たれ、元気をもらいました。目がウルウルしました」。こう語るのは、志位委員長が集会での発言を紹介した中学生と小学生の子どもを育てている大阪府内のシングルマザーです。「バッシングがひどい中で、ここまで踏み込んでやってくれる政治家がいることがすごくうれしかった。本当に優しい方だと思います。私たちも声を上げないといけないですね」

 一方、怒りを覚えたのは安倍首相の答弁です。「『首相に』と聞いているのになかなか答えない。やっと答弁したかと思ったら質問に答えず論点そらしでした。結局、子どもの貧困対策に逆行することをやろうとしているのは明らかです」

 生活保護を使いやすくするための共産党の緊急提案には、「スティグマ(偏見、恥辱)をなくすために生活保障法に変えるのはとても良いと思います。捕捉率を上げていってほしい」と語ります。

子ども5人育てる千葉の女性

 全国生活と健康を守る会連合会(全生連・安形義弘会長)は、首都圏の会員に傍聴を呼びかけました。

 千葉県で生活保護を利用し5人の子どもを育てる女性が傍聴に参加しました。

 女性は生活保護を受け始めた当時、保護の利用を恥ずかしいと思う気持ちが強く、利用後も心の中で否定し続けていたと告白。そのうえで志位氏が生活保護引き下げを取り上げたことについて「共産党は本当に一人ひとりを大切にしてくれる。時間を目いっぱい使って質問してくれ、私が持つスティグマを破ってくれた」と喜びを語りました。

 志位委員長が示した「生活保障法」案は、「名称を変えることで受ける印象は大きく変わる。今後保護を利用する人にも間口を広げるものになる」と話し、成立を求めました。

 今まで背中を押し助けてくれていた千葉県生活と健康を守る会連合会の妹尾七重会長(3日死去)とともに来たかったと述べ、「保護利用者は笑っちゃいけないと思っていたが、生健会と関わることで笑えるようになった。今後も子どもたちの能力を精いっぱい伸ばせるように頑張る」と話しました。

全生連の西野氏

 「志位さんの質問に安倍首相も加藤厚労相もきちんと答えていなかった」。こう批判するのは、全生連の西野武事務局長です。「一方、志位さんは質問の中で保護利用者や低所得者の声を代弁していました。この人たちの大きな励みになるし、運動の力にもなります」

 現在、安倍政権が2013年から15年にかけて保護基準を引き下げたことに対し、全国で違憲訴訟が起きています。

 「この判断が決定する前にさらなる引き下げを決めるなど、言語道断です。安倍首相はじめ政府は“貧困の連鎖を断ち切る”というが、それなら保護基準の充実にかじをきることが必要です」

 厚労省は、保護基準引き下げが47の施策に影響を及ぼすと公表しました。

 西野さんは「志位さんも質問の初めに触れたように、生活保護は、すべての国民に影響を及ぼします。保護基準を引き下げれば、社会保障の底が抜けてしまう。志位さんが提案したように、生活保護法を生活保障法に改正し、国民の権利として生活保護を位置付けることが必要です」と強調しました。

懇談のJCPサポーター「対案よかった」

 JCPサポーター会員たちが5日、国会で日本共産党の志位和夫委員長の衆院予算委員会での質問を傍聴しました。質問終了後、志位委員長と傍聴参加者との懇談会にも参加しました。

 志位委員長の質問は、格差拡大、貧困の悪化を認めない安倍首相に真正面から対峙(たいじ)し、憲法25条を生かした政治のあり方を問いました。

 東京都八王子市のサポーター会員(45)=自営業=は初めての国会傍聴。「貧困や生活保護は関心があった問題でした。そこをがっつり志位さんが追及してくれたのはうれしかった」と語りました。JCPサポーター制度については「共産党員でなくても日本共産党にふれあえるのはすばらしい」。

 同じく会員で大津市から参加した男性(22)=大学生=は「政府は低所得者を軽視しているが、共産党は彼らの声を国会にしっかり反映していました。JCPサポーター制度はツイッターで知りました。党員でなくても就職後も関われるし、野党を後押しするためにもという思いで会員になりました」と語りました。

 東京都江戸川区から参加した男性(19)=大学生=は「野党は反対しかしないと言われるが、志位さんの答弁ははっきりしていて対案もちゃんと出していたのが良かったです」と語りました。



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by daisukepro | 2018-02-07 10:31 | 政治