人気ブログランキング |

カテゴリ:赤旗( 65 )

主張 日米協定案の可決 国会と国民を無視した暴挙だ

主張

日米協定案の可決

国会と国民を無視した暴挙だ

 日本の農畜産物市場やデジタル市場をアメリカに開放する日米貿易協定とデジタル貿易協定の承認案が、衆院外務委員会で与党などの賛成多数で可決されました。国内の経済や農畜産業への影響を示す正式な試算は示されていません。国会に提出した協定の説明書では牛肉の低関税での輸入枠を一層拡大するとした表現も隠していました。安倍晋三政権の国会軽視・国民無視の姿勢は重大です。与党は来週の衆院本会議で可決し参院に送付しようとしています。日本の経済主権と食料主権にかかわる二つの協定承認案阻止の世論と運動を強めるときです。

短い審議でも問題次々

 二つの協定承認案の審議は、10月末の衆院本会議で始まった後、菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相の辞任があったため、実質的な審議入りが遅れてきました。協定承認案を審議する衆院外務委員会も、関連する農林水産委員会や経済産業委員会の審議も、数回しか行われていません。

 とりわけ問題なのは、安倍政権が審議の前提となる国内経済や農畜産業に対する影響の試算について、不十分な「暫定値」や「暫定試算」しか示していないことです。これまでの環太平洋連携協定(TPP)や日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の承認案の審議などでは、かなり詳しい影響試算を出していたのに、日米協定承認案の場合だけは正式の影響試算を提出しないというのは、全く異常です。

 しかもその短い審議でも、二つの協定の危険な中身は明白になっています。最大の問題は何といっても、協定によるアメリカからの牛・豚肉や乳製品などの輸入急増が日本の農畜産業に重大な打撃を与えることです。日米貿易協定の付属書には、アメリカからの牛肉輸入が一定の水準を超えたとき、その水準を「一層高いものに調整するため、協議を開始する」と明記しています。ところが外務省が国会に提出した協定の説明書には「水準を調整する」としか書いていません。政府が国会に提出した議案について「必要かつ分かりやすく」説明するはずの説明書の欠陥は見過ごせない大問題です。

 それだけではありません。安倍政権が出してきた影響についての「暫定試算」には国内総生産(GDP)が約0・8%増えるとあります。しかしそれは今回の協定には盛り込まれていない日本がアメリカに輸出する自動車や部品の関税撤廃を前提にした架空の試算です。実際には協定の付属書でこの問題は「さらに交渉」としかなっておらず、「経済効果」は国民を欺くものです。こうした問題点にもまともに答えず、与党が協定承認案を採決したのは言語道断です。

トランプ氏の手柄づくり

 安倍政権が、国会審議の大前提となる資料の提出にも応じず、来年1月の発効に間に合わせるためひたすら承認案の採決を急いだのは、来年のアメリカ大統領選で、トランプ氏に有利な“手柄”をもたらそうという思惑からです。トランプ氏のご機嫌を取るために、日本の農畜産業の犠牲も顧みないという“売国的”な態度です。

 二つの協定の承認後にはより広範な、次の段階の交渉が待ち受けています。今後の交渉でのさらなる譲歩を許さないためにも、二つの協定の承認阻止が重要です。



by daisukepro | 2019-11-16 21:57 | 赤旗

主張 NHKへの圧力 放送の独立を揺るがす問題だ

主張

NHKへの圧力

放送の独立を揺るがす問題だ

 かんぽ生命保険の不正販売を告発したNHK番組に対し日本郵政グループが執拗(しつよう)に抗議し、NHK経営委員会(委員長=石原進JR九州相談役)がNHKの上田良一会長に「厳重注意」したことが国会審議などで問題になっています。高市早苗総務相は経営委の行為を問題視しない姿勢を示していますが、そんなことではすまされません。一連の経緯を見れば、放送の独立を揺るがす深刻な事態であることを浮き彫りにしています。

日本郵政から執拗に

 NHK番組「クローズアップ現代+」が、「郵便局が保険を“押し売り”!? 郵便局員たちの告白」を放送したのは昨年4月です。その際、NHKは番組の続編をめざし、情報提供を呼びかける動画をホームページに掲載しました。

 これに対し郵政グループが動画の削除を求め、NHK側がそれに応じ、続編の放送も見送ったことが、今年9月末に明らかになりました。さらに郵政側がNHKのガバナンス(企業統治)を問題にして体制の強化を要求し、NHKの経営委員会が上田会長に「厳重注意」した上、NHK放送総局長が上田会長名の「謝罪文」を郵政に届けていたことも分かりました。

 番組の続編は今年7月末まで放送されず、それが結果として、視聴者への警告を遅らせ、不正販売の被害拡大につながった可能性があります。自らの不正を改めるのでなく、番組制作に介入した郵政の責任は重大です。しかも、郵政側は、鈴木康雄上級副社長がNHKを監督する立場の官庁である総務省元事務次官という経歴を前面に出してNHKへの「抗議」を主導することまでしていました。

 郵政に屈し、会長を「厳重注意」した経営委の姿勢は問題です。経営委による番組制作現場への露骨な介入は、放送法に違反する行為です。放送法3条は“番組は何人からも干渉、規律されることがない”と定め、32条は、経営委に3条に抵触する行為を禁じています。番組制作と経営との分離は、日本が侵略戦争に突き進んだ戦前・戦中の反省の上にたった原則です。今回の経営委の行為は、痛苦の教訓に反するものです。

 とりわけ石原経営委員長の姿勢が厳しく問われます。NHKが公表した経営委の「議事経過」によると、石原氏は、異論があったにもかかわらず、経営委の「総意」として、会長への「厳重注意」に踏み切りました。こんなやり方がまかり通ることは大問題です。

 上田会長らNHK執行部は「自主・自律や番組編集の自由が損なわれたことはない」と圧力に屈したことを認めません。しかし経営委のこうした介入が、番組制作現場を萎縮させることは明白です。

「放送支配」を許さず

 今回の問題は、安倍晋三政権下で強まる「放送支配」と無縁ではありません。石原氏は、政権との関係重視が持論で、「政府が右というものを左というわけにはいかない」と述べた籾井(もみい)勝人氏をNHK会長(2017年退任)に選任した張本人です。籾井会長時代に専務理事(放送総局長)を務め、その後、退いた板野裕爾氏を専務理事に復帰させた今年の経営委の人事も、「官邸の意向」とされます。首相に近い高市氏の総務相への再起用も「放送支配」の狙いからです。放送の独立を守る国民の声を広げていくことが重要です。



by daisukepro | 2019-11-16 21:52 | 赤旗

桜を見る会 「安倍晋三後援会」 貸し切りバス撮影 新宿御苑前

桜を見る会

「安倍晋三後援会」 貸し切りバス撮影

新宿御苑前

写真

(写真)新宿御苑に入る観光バス。正面ガラス越しに「桜を見る会安倍晋三後援会」と貸し切りバス特有の車番が見える。会場に入るための通行証も=提供写真

 2016年4月9日の安倍晋三首相主催の「桜を見る会」(東京・新宿御苑)に参加した「安倍晋三後援会」の貸し切りバスが、野宿生活者を応援する関係者によって撮影されていたことが分かりました。

 写真は、野宿生活者を応援する有志のメンバーが、外苑西通りに面する新宿御苑正門を出入りする関係者や車両などを目撃し撮影したもの。このうち大型観光バスの正面ガラス越しには「桜を見る会 安倍晋三後援会」との掲示が鮮明に写っているほか、乗り入れを許可されたことを示す通行証も写っています。

 有志メンバーが撮影した観光バスの写真からは、貸し切りのための車両番号が「16」まで確認できました。

 「桜を見る会」の参加者について、政府は「各界で功績、功労のあった方々を各省庁からの意見等を踏まえ招待している」としていますが、同後援会関係者は今年4月の「桜を見る会」に貸し切りバス17台で乗り入れたと説明しており、毎年ほぼ同規模で後援会を招いていることを裏付けています。


by daisukepro | 2019-11-13 16:16 | 赤旗

桜を見る会 前夜祭の怪 首相後援会 収支報告なし

桜を見る会 前夜祭の怪

首相後援会 収支報告なし

 日本共産党の田村智子副委員長が8日の参院予算委員会で取り上げてから、各メディアも連日報道するなど大問題となっている安倍晋三首相主催の「桜を見る会」。例年、この会の前日に開かれている安倍晋三後援会「前夜祭」の費用は一体どうなっているのかが、重大な疑惑の一つとして浮かび上がっています。


 読売新聞の「安倍首相の一日」欄で「桜を見る会」の前日を調べてみると、2017~19年の3年間「東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。『安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭』」と書かれています。これ以前も、ホテルや名称は異なりますが、首相は必ず前日夜に後援会との懇親会に出席しています。

 「前夜祭」の費用に関しては「しんぶん赤旗」日曜版の取材に対し、複数の参加者が「5000円の会費を払った」と証言しています。しかし、安倍首相が代表を務める政党支部や関係する政治団体は六つありますが、後援会行事として開かれている「前夜祭」について、いずれの収支報告書にも収支の記載がありません。

 政治資金規正法は、対価を徴収して行われる催し物を「政治資金パーティー」と規定し、収入や経費を収支報告書に記載するよう義務付けており、同法違反の疑いがあります。

 安倍首相は8日の参院予算委で、田村氏から「前夜祭」について聞かれると「(各個人が)そのホテルとの関係においても、それはホテルに直接払い込みをしているというふうに承知をしている」と答えています。

 しかし、後援会行事の費用を各個人がホテルに直接支払うことがあるのか。誰が主催した宴会なのか、誰が参加費を集め、ホテルに費用を支払ったのか。安倍首相には明確な説明が求められます。

 安倍首相による「桜を見る会」の私物化問題をめぐり12日に開かれた野党合同ヒアリングでは、「桜を見る会」という公的行事に地元後援会員を無料招待していた安倍首相の行為が公選法違反かどうかを問われた総務省の担当者は、一般論としつつ「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として金銭・物品を提供することは買収罪にあてはまる」と明言しました。

図


by daisukepro | 2019-11-13 16:12 | 赤旗

綱領一部改定案についての提案報告と第28回党大会決議案の用語解説(上)

2019年11月12日(火)

綱領一部改定案についての提案報告と第28回党大会決議案の用語解説(上)

1、綱領一部改定案についての提案報告

植民地体制の崩壊

 20世紀初頭は、国際政治に関わる資格があるとみなされた国は少数でした。戦争と平和の取り決めを議論する1899年の万国平和会議に参加したのは26カ国、うち20が欧米。民族自決権を掲げた1917年のロシア十月革命は、各地の民族解放・独立の闘争を促す大きな契機となりましたが、45年10月の国連発足時も、アジアとアフリカの植民地にほとんど変化はなく、加盟国は51でした。しかし第2次世界大戦後、アジアで一連の独立がかちとられ、中東にも広がり、50年代後半から60年にかけてはアフリカ諸国が独立しました。国連総会は60年、国連憲章と世界人権宣言の理念の実現はいまだ不十分との認識のもと「植民地と人民に独立を付与する宣言」を採択。さらに多くの独立国が誕生し、植民地体制の崩壊が進みました。現在、国連加盟国は193。世界の巨大な構造変化を示しています。

自由権と社会権

 自由権は、フランス革命(1789年)など18世紀の市民革命を通じて、国家権力に対して個人の自由を守る権利として発展します。生命、身体の自由、奴隷制度や拷問の禁止、人間の尊厳と平等、思想、良心、宗教の自由、表現、結社の自由、人身の自由、移動、居住の自由、参政権、裁判を受ける権利など。社会権は、20世紀に入って、資本主義経済の急速な発展のもとで貧困や格差、失業などが生まれ、その解決をめざす人民のたたかいによって発展をとげました。労働の権利、同一価値労働同一賃金、休息と有給休暇、団結権、社会保障の権利、児童・年少者の保護、人間らしい生活権、家族の権利、教育の権利などです。

国際的な人権保障の基準

 1945年の国連憲章、48年の世界人権宣言、66年の国際人権規約などを通じて国際的に確立してきた、すべての国が守るべき人権の基準を指します。国連の目的として「人権と基本的自由の尊重」の「助長奨励」を明記した国連憲章を受けて、世界人権宣言は「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」として国際的に保護されるべき人権の内容を包括的に示しました。法的拘束力をもつ多国間条約としてつくられた国際人権規約は、「社会権規約」と「自由権規約」の二つからなり、民族自決権を共通第1条にしながら、自由権と社会権の両面で広範囲で詳細な規定を置いています。

民族自決権

 諸民族が独立国家をつくることなど自らの社会体制、政治制度、進路を外部からの制約なしに自主的に決定する権利。1917年のロシア十月革命は「平和についての布告」「ロシア諸民族の権利の宣言」で民族自決の原則を掲げ、世界の民族解放運動を促しました。45年の国連憲章で民族自決権は不明確でしたが、55年にインドネシアのバンドンに新興独立国が集まったアジア・アフリカ会議は、「自決権はすべての民族によって享受」されるべきだと主張。60年の国連総会は、アフリカでの多くの独立国の誕生もうけ、「植民地と人民に独立を付与する宣言」を採択し、民族自決権を国連として宣言しました。

核兵器保有五大国(P5)

 アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5カ国。1968年に締結された核不拡散条約(NPT)は、67年1月1日時点ですでに核兵器を保有していたこれら5カ国にのみ核保有を認める不平等な条約です。インド、パキスタンはNPTに加盟せず、北朝鮮はNPTを脱退し、それぞれ核兵器を開発、保有。NPT非加盟のイスラエルも保有とされています。

ウイグル自治区での、中国当局による大規模な恣意(しい)的勾留、人権弾圧

 同自治区は、国土の6分の1、人口約2500万人、ウイグル族など少数民族が居住する地域。国連の人種差別撤廃委員会は2018年9月、中国にかんする「総括所見」で、多数のウイグル人やムスリム系住民が法的手続きなしに長期間勾留され「再教育」がおこなわれていると「切実な懸念」を表明。中国政府に強制収容の停止と釈放、徹底した調査、補償や再発防止を含めた救済措置を求め、勾留人数や期間、その理由、被勾留者の権利などにかんする報告の提出を勧告しました。中国政府は「再教育キャンプ」ではなく、「職業技能教育訓練センター」と主張しています。

ベネズエラ問題

 チャベス前政権とマドゥロ後継政権の失政と変質のもとで、市民の政治的自由と人権が蹂躙(じゅうりん)されている問題。食料や医薬品が欠乏し、人口の十数%、450万人が国外に逃れ、さらに増え続けています。国連人権高等弁務官事務所は、反政府派への弾圧が横行し、「法の支配が欠如」していると報告。マドゥロ氏が再選されたとする2018年の大統領選挙は有力野党候補の立候補を封じて行われ、50カ国以上がその結果を認めていません。日本共産党は19年2月の声明「弾圧やめ人権と民主主義の回復を」で、政権に正統性はないとし、大統領選挙のやり直しなどが必要だと主張しています。

「新アジェンダ連合」

 1998年に結成された核廃絶の実現を目指す国家連合。現在はブラジル、エジプト、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカの6カ国で構成。2000年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で、核保有国による「核兵器の完全廃絶の…明確な約束」を明記した最終文書をまとめる上で、非同盟諸国とともに重要な役割を果たしました。その後、ほぼ毎年、核保有国が「明確な約束」を履行するよう求める決議を国連総会に提出。17年の核兵器禁止条約の成立に大きな役割を果たしました。

NPT(核不拡散条約)再検討会議

 NPTの運用状況を検討するために5年に1度、国連本部で開かれます。NPTはもともと米ソ英仏中の五大国による核兵器の独占をめざしたものです。しかしソ連崩壊後は、非同盟諸国を中心に条約の第6条に定められた義務=核兵器廃絶の交渉を、核保有国に迫る場となってきました。2005年からは、被爆者や日本と世界の反核運動が参加する国際共同行動も行われています。来年は被爆75年、NPT締結50周年であり、核兵器禁止条約成立後はじめての会議です。核兵器をめぐる重要な国際交渉となります。ニューヨークでは原水爆禁止世界大会も計画されています。

中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)

 2011年12月に発足した中南米全33カ国の地域機構。米国とカナダを除くすべての域内諸国が参加する機構は史上初めて。設立宣言は、公正かつ民主的で自由な社会や、「多極的かつ民主的な世界」のために貢献すると強調。「核兵器全面廃絶に関する特別声明」も採択しました。首脳会議は13年1月の第1回から毎年1月に開催され、第5回首脳会議(17年1月)の政治宣言ではベネズエラ問題の民主的解決も呼びかけていました。しかし、反政府派への弾圧が強まった17年4月ごろ、この問題への対応をめぐり分断が持ち込まれ、それ以後、首脳会議は開かれていません。

トラテロルコ条約

 1968年に発効したラテンアメリカおよびカリブ核兵器禁止条約のこと。トラテロルコは、調印式が行われたメキシコ外務省の所在地名。人の住む地域としては世界初の非核兵器地帯条約で、中南米の全33カ国が署名、批准し、この地域の核兵器の実験・使用・製造・生産・取得・貯蔵・配備などを禁止しています。条約の背景としては、62年当時、キューバに建設中だったソ連のミサイル基地をめぐって米国が海上封鎖した事件、いわゆるキューバ危機を契機に中南米地域の非核化構想が進展し、この地域の非核化を求める国連決議が63年に採択されたことがあります。

「少数者の権利宣言」

 「民族的又は種族的、宗教的及び言語的少数者に属する者の権利に関する宣言」といいます。1992年に国連総会で採択されました。国家が、民族や宗教、言語上の少数者の存在を認め、その権利を保障する措置をとることを掲げました。宣言採択25周年にあたる2017年には、さらに進め、少数者に対する差別的、不公正な法律や政策などの見直し、そうした人たちに対する暴力の扇動を犯罪化する措置を政府に求め、少数者集団の子どもや、ジェンダーに基づく暴力にさらされる少数者集団の女性の保護や高齢者、障害のある人の状況に注意を払うことなども呼びかけています。

ジェンダー平等

 「男は泣くな」「女はすぐ感情的になる」など「男・女はこう(あるべき)だ」というジェンダー(社会的・文化的につくられた性差)意識が性差別や生きづらさの原因となっていることを自覚し、それを乗り越え、どの性の人も人権と尊厳が守られた、対等で公正な社会をつくろうという考え方です。1979年に成立した女性差別撤廃条約は、固定化された男女役割分担観念の変革を中心理念としており、すでにジェンダー平等の観点を含んでいます。ジェンダーの言葉の国際社会への本格的な定着は、95年の第4回世界女性会議で採択された北京行動綱領が契機となりました。

「ミレニアム開発目標」

 2000年9月、ニューヨークの国連本部で開催された国連ミレニアム・サミットに参加した147の国家元首を含む189の国連加盟国代表が、21世紀の国際社会の目標として、より安全で豊かな世界づくりへの協力を約束する「国連ミレニアム宣言」を採択しました。この宣言と1990年代に開催された主要な国際会議やサミットでの開発目標をまとめたものが「ミレニアム開発目標」です。開発目標は国際社会の支援を必要とする課題に対して2015年までに達成するという期限付きの八つの目標をかかげ、一定の成果をあげました。その一つに、ジェンダー平等の推進と女性の地位向上が入っています。

「#MeToo(ミー・トゥー)」、「#WithYou(ウィズ・ユー)」

 #MeToo(私も)は、性暴力被害を「私も告発する」表明の合言葉として、世界中に広がっています。2017年、米国映画界の有名プロデューサーからの性被害を告発した女性が、#MeTooの言葉で抗議の声を上げようと呼びかけ、各地で被害者が沈黙を破って立ち上がる、性暴力抗議運動の先駆けになりました。

 その発言を受け止め、「あなたを信じる」と共有するのが#WithYou(あなたと共に)です。

 性暴力は個人の尊厳を深く傷つけるにもかかわらず、被害者が責められ孤立させられます。

 「被害者は悪くない、一人にしない」との呼びかけや被害回復、暴力根絶の願いも込められています。

国際テロリズムの横行

 2001年9月、イスラム過激主義のアルカイダがアメリカで同時多発テロをおこし、その後アメリカが報復としてアフガニスタンとイラクを攻撃して以降、世界中でテロが急増しました。ピークに達した14年には、アフガン戦争開始以来約9倍の1万6818件のテロが発生し、約10倍の4万3512人が犠牲となりました。とくにシリアで内戦が始まり(11年)、イスラム過激主義のISが勢力を伸ばすと、テロはますます激化しました。イスラム地域だけではなく、欧米で育ちながらその社会に不満をもつイスラム教徒も、ISなどに合流し、テロを各地でおこしています。

排外主義の台頭

 貧困、治安悪化、戦争による先進地域への移住者急増などにともない、移民、難民、外国人や帰化者を嫌悪し、権利を否定する排外主義が広がっています。日本の右派は「嫌韓」、「嫌中」イデオロギーを拡散し、アメリカは中南米からの移民を追い返し、イギリスは東欧からの移民増加を理由の一つにEU離脱を目ざしています。ヨーロッパでは排外主義勢力が中東・アフリカからの移民、難民を「文化が相いれない」、「仕事や福祉を奪う」、「治安を脅かす」と非難し、ハンガリーやポーランドでは政権につきました。多くの国で深刻な政治・社会問題を引き起こしています。

軍事的覇権主義

 国際政治では、優位に立つ軍事力や経済力を背景に、他の国々の主権を侵害し、強制・支配して、自らの安全保障、政治的・経済的利益を実現する秩序の追求を、覇権主義と呼びます。米国は、世界の広範な地域に軍事基地を置き、軍事同盟の網の目を作り、地球上のどの地域でも軍事干渉できる体制を整え、国連憲章も国際法も無視して軍事行動に出る世界戦略を公表しています。まさに軍事的覇権主義です。

あらゆる覇権主義と正面からたたかい続けてきた自主独立の党

 戦後すぐ、ソ連や中国から、“武力で革命を起こす”というとんでもない方針がわが党に押しつけられました。自国の主張や利益を他国に押し付け、党と運動を支配下に置こうという覇権主義の行為でした。これを打ち破る過程で、自分の国の革命運動の進路は自分の頭で考えて決める、どんな大国でも干渉や覇権は許さないという自主独立の立場を確立しました。干渉は続きましたが、全党の力でこれをしりぞけ、両大国が謝罪するという決着をみました。自主独立の立場は、米国のベトナム侵略戦争反対などでも力を発揮し、党の政治的・組織的強化と理論的発展をもたらしました。(つづく


by daisukepro | 2019-11-13 07:47 | 赤旗

主張 首相の任命責任 “口先”だけで反省が全くない

主張

首相の任命責任

“口先”だけで反省が全くない

 菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相の辞任や、英語民間試験導入をめぐる萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言などを受けた衆院予算委員会の集中審議が行われました。主要閣僚が相次いで辞任したことについて安倍晋三首相は、口先では自分の「任命責任」を認めるとはいうものの、菅原氏、河井氏を閣僚に起用した判断の誤りは認めません。両氏に国会で説明責任を果たさせようともしません。2012年末に第2次安倍政権が発足してからの閣僚の辞任が10人に上るなかで、首相がいくら口先で「任命責任」を繰り返しても、国民は全く信用しません。

内閣総辞職に値する

 9月初めの内閣改造からわずか2カ月足らずで、経済産業相と法相という2人の主要閣僚が辞任したのは、内閣総辞職に値する異常事態です。しかも菅原氏も河井氏も国会議員の資格に関わる公職選挙法違反の「政治とカネ」の疑惑をめぐる辞任です。その疑惑が報道され、その問題が取り上げられる予定だった国会の委員会の直前に辞任し、その後も説明責任を果たしていません。安倍首相が閣僚に任命した責任を認めるなら、まず菅原氏や河井氏を国会の委員会などに出席させ、疑惑について説明させるべきです。

 選挙区内の支持者に公設秘書が香典を届けたなどの疑いが指摘された菅原氏も、参院選に出馬した妻の選挙の「ウグイス嬢」(車上運動員)に規定を上回る日給を支払ったなどの疑いがある河井氏も、安倍首相や菅義偉官房長官らの側近として、今回首相が初入閣させた人物です。しかも2人は入閣前から、地元での金品提供やパワハラが問題にされてきました。両氏を閣僚に起用した安倍首相の「任命責任」は重大です。

 安倍首相は6日の衆院予算委で「任命責任」について、「おわびする」などと言うだけで、菅原氏や河井氏を起用したのはあくまで「適材適所」だと居直りました。両氏が国会で疑惑を説明していないことを追及されても、首相は説明の責任はそれぞれの政治家にあると“ひとごと”のような答弁です。いくら「責任を痛感している」と言っても説得力はありません。

 安倍政権の下で「政治とカネ」の疑惑や暴言・失言で閣僚辞任が後を絶たないのは、安倍首相が自らに親しい“お友だち”ばかり登用している政権のおごりの表れです。首相自身が、自らや妻の関与が指摘された「森友」・「加計」疑惑の真相解明に背を向け、逃げ回っていることとも、無関係ではありません。安倍政権の一連の疑惑を徹底究明しつくすべきです。

もう政治は任せられぬ

 政権に関わる疑惑解明などは、国政調査権を持つ国会の重要な役割です。なかでも国政全般を審議できる衆参の予算委での集中審議はその大切な場です。安倍政権と与党はその集中審議を逃げ続け、今回衆院で開かれたのは何と約200日ぶりです。8日には参院予算委でも集中審議が開かれます。首相の政治姿勢が問われます。

 教育の機会均等を否定する「身の丈」発言が問題になった萩生田文科相の辞任についても、首相は拒否しました。問題だらけの大学共通テストの民間事業者への丸投げについても容認する姿勢です。反省がない政権には、もはや政治は任せられません。



by daisukepro | 2019-11-08 19:43 | 赤旗

21世紀の世界、新しい社会切り開く日本共産党の任務自覚し奮闘を 日本共産党 8中総開く

21世紀の世界、新しい社会切り開く日本共産党の任務自覚し奮闘を

日本共産党 8中総開く

綱領一部改定案・大会決議案(政治任務 党建設)

第28回党大会議案を提案

綱領一部改定案 志位委員長が報告

 日本共産党は4日、党本部で第8回中央委員会総会を開きました。2日間の日程。第28回党大会(来年1月14日~18日)に提案する諸議案の審議が任務です。志位和夫委員長が、世界情勢論を中心とした党綱領の一部改定案の提案と報告を行い、「日本共産党は、21世紀の世界で新しい社会への道を切り開く特別に大きな任務を担っている」と強調しました。また、小池晃書記局長が、市民と野党の共闘を前進させながら、いかにして日本共産党の躍進を図るかの政治任務を提起した第一決議案を、山下芳生副委員長がそのための党建設、その危機と可能性、課題を明らかにした第二決議案をそれぞれ報告しました。各報告をうけた討論では21人が発言しました。三つの報告はネット中継され、全国各地で視聴が行われました。


写真

(写真)第8回中央委員会総会で報告する志位和夫委員長=4日、党本部

 志位委員長は提案報告の冒頭、2004年に改定された党綱領の生命力が、その後の内外情勢の進展のなかで鮮やかに実証されていると指摘。戦後かつてない新しい共闘の流れが始まり、「いよいよ綱領が規定した民主的改革の課題を現実のものとしていく時代がやってきた」と党綱領の今日的意義を強調しました。

 今回の綱領一部改定は、第3章・世界情勢論を中心に行い、それとの関係で第5章・未来社会論の一部を改定し、3章の改定に伴って、第4章の民主主義革命論でも必要最小限の改定を行うものです。

 志位氏は、20世紀の人類史の変化の分析にたって、21世紀の世界の発展的な展望をとらえるという、04年綱領改定での世界情勢論の根本的立場の生命力、有効性を確認しつつ、「この間の国際情勢の進展のなかで見直しが求められる問題、新しく盛り込むべき重要な動きも明瞭になった」とのべ、3点にわたってその主要な改定の内容をあげました。

改定の主要な内容

 第一に、綱領第7節で、20世紀に起こった世界の変化のなかでも、植民地体制の崩壊が「世界の構造変化」というべき最大の変化だったことを明記しました。そのうえで、新たに第9節を設け、この構造変化が「二一世紀の今日、平和と社会進歩が促進する生きた力を発揮しはじめている」ことを、核兵器廃絶にむけた新たな前進、平和の地域協力の流れの形成・発展、国際的な人権保障の新たな発展などの諸点で、具体的に明らかにしています。

 第二に、現綱領第8節の「資本主義から離脱したいくつかの国ぐにで、政治上・経済上の未解決の問題を残しながらも、『市場経済を通じて社会主義へ』という取り組みなど、社会主義をめざす新しい探究が開始され、人口が一三億を超える大きな地域での発展として、二一世紀の世界史の重要な流れの一つとなろうとしている」との規定を削除することです。04年の綱領改定時には合理的根拠のある規定でしたが、今日の中国の実態にてらして現実にあわなくなったためです。

 この改定は、この部分の削除にとどまらず、21世紀の世界をどうみるかの全体にかかわる重要な改定であり、世界情勢論の全体の組み立ての一定の見直しを求めるものとなっています。

 第三に、第二の点ともかかわって、綱領第5章・未来社会論の最後の節―社会主義への発展の時代的・国際的条件をのべた第17節(一部改定案では第18節)を見直しました。発達した資本主義国での社会変革が社会主義・共産主義への大道であること、そこには特別の困難性とともに、豊かで壮大な可能性があることをまとめて述べています。

 そのうえで志位氏は、綱領の節ごとに具体的な改定内容を報告しました。

 「二〇世紀の世界的な変化と到達点」を主題とした第7節では、(1)人権の問題を補強し、人権の擁護・発展が「国際的な課題となった」と述べたこと(2)植民地体制の崩壊を「世界の構造変化」と明記し、植民地体制の崩壊によって民主主義と人権、平和の国際秩序の発展を促進した、と全体の変化を立体的に把握できる叙述になっています。

「社会主義をめざす新しい探究が開始…」の削除を提案

 「社会主義の流れの総括と現状」を主題にした第8節では、中国、ベトナム、キューバについて「社会主義をめざす新しい探究が開始」されているとした部分を削除する提案をしています。

 志位氏は、日中両共産党の関係正常化(1998年)以降の中国指導部の対外的姿勢や、中国がイラク戦争に反対を貫いた体験などを通じ、04年の綱領改定当時に中国について「社会主義をめざす新しい探究が開始」されているという判断をしたことは合理的根拠があったと強調。同時に、この数年来、中国の国際政治における動向に、綱領の認識にかかわるような見過ごすことのできない問題点があらわれてきたとし、削除の理由を詳述しました。

 志位氏は、今日の中国に「新しい大国主義・覇権主義の誤り」があらわれていることを具体的に指摘した第27回大会決定に言及。そこでは、(1)核兵器問題での深刻な変質(2)東シナ海と南シナ海での力による現状変更をめざす動き(3)国際会議での民主的運営をふみにじる覇権主義的なふるまい(4)日中両党で確認してきた原則に相いれない態度―をあげていますが、その後3年間、「中国は残念ながら是正するどころか、いっそう深刻にする行動をとっていると判断せざるをえない」と指摘し、それぞれについて中国の対外政策の問題点を詳しく述べました。

 さらには、これらの諸問題にくわえて、香港やウイグル自治区の問題など、人権問題が深刻化していると指摘。「以上述べた中国の行動は、どれも、社会主義の原則や理念と両立しえないものといわなければなりません。中国について、わが党が、『社会主義をめざす新しい探究が開始』された国と判断する根拠は、もはやなくなりました」と強調。「社会主義をめざす新たな探究の開始」が「二一世紀の世界史の重要な流れの一つ」とはみなせなくなるもとで、「今後は、個々の国についての体制的な判断・評価はせず、事実にそくしてありのままに見ていくことにする」と述べました。

 さらに一部改定案では、「二〇世紀に起こった世界の構造変化」という土台のうえに、21世紀の世界の発展的な展望を“二つの角度”―(1)「世界の構造変化」が、平和と社会進歩を促進する生きた力を発揮しはじめているという角度(新設した第9節部分)、(2)世界資本主義の諸矛盾から世界をとらえるという角度(第10節部分)―からありのままにとらえる整理をしています。

 ここでは、「一握りの大国から、世界のすべての国ぐにと市民社会に、国際政治の主役が交代した世界史的意義」(第9節)を強調、「格差の空前の拡大、地球的規模での気候変動の是正・抑制を求めるたたかいの死活的意義について新たに特記」(第10節)し、第11節で、現綱領の記述にくわえ、「民主主義と人権を擁護し発展させる闘争」「気候変動を抑制し地球環境を守る闘争」を新たな課題として綱領上位置づけました。

発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道

 未来社会論を述べている第5章の一部改定案では、第8節の削除を受けて「発達した資本主義国での人民の運動」「資本主義を離脱して社会主義への道を探究する国ぐに」「アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカの国ぐにの人民の運動」の三つの流れから、社会主義の流れが成長・発展するという現綱領の規定づけを削除しています。

 この改定案について志位氏は、「遅れた国からの社会主義的変革の可能性を否定するものではなく、資本主義の矛盾があるかぎり、どのような発展段階であっても社会主義的変革が起こる可能性は存在する」と指摘。同時に、「ロシア革命以後の歴史的経験を概括するならば、資本主義の発展が遅れた国ぐににおける社会主義的変革にはきわめて大きな困難が伴うことは歴史が証明している」として、改定案で、「発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道である」という命題を太く打ち出した意義を強調しました。

 そのうえで、資本主義の高度な発展そのものが、その胎内に未来社会に進むさまざまな客観的・主体的条件をつくりだすこと、それらすべてが生産手段の社会化を土台に、未来社会において継承・発展され、豊かに花開くことを詳しく解き明かしました。

 志位氏は、マルクス、エンゲルスが描いた社会主義革命の世界的展望を紹介しつつ、「21世紀の世界における社会主義的変革の展望も、マルクス、エンゲルスが描いた世界史の発展の法則的展望のなかに見いだすことが重要です」と強調しました。

 そして、日本共産党が、自主独立の科学的社会主義の党として、ソ連覇権主義をはじめあらゆる覇権主義とのたたかいを通じて自らを鍛え、綱領路線の発展をかちとり、確かな政治的地歩を築いてきた歴史を概括。「私たちは、こうした先駆的歴史をもつ党として、21世紀の世界で、新しい社会への道を切り開く事業において、特別に大きな任務を担っている。そのことを深く自覚して、奮闘しようではありませんか」と呼びかけました。

綱領一部改定案についての提案報告 骨子

 一部改定案の基本的な考え方と、改定の主要な内容について

 二〇世紀の人類史の変化の分析にたって、二一世紀の世界の発展的な展望をとらえる

 主要な改定の三つの内容―世界情勢論の組み立ての一定の見直しも

 綱領第七節「二〇世紀の世界的な変化と到達点」―二つの点を補強

 人権の問題を補強―人権の擁護・発展は「国際的な課題となった」

 植民地体制の崩壊を「世界の構造変化」と明記し、変化を立体的に把握できるように

 綱領第八節――「社会主義をめざす新しい探究が開始…」の削除を提案する

 二〇〇四年の綱領改定における判断には合理的根拠があった

 中国の国際政治における問題点―前大会での批判と、この三年間の動き

 ベトナムとキューバについて

 ソ連論は、二〇世紀論を補足するものとして位置づける

 綱領第九節―「世界の構造変化」が生きた力を発揮しはじめている

 二一世紀の世界の発展的な展望を、二つの角度からとらえる

 一握りの大国から、世界のすべての国ぐにと市民社会に、国際政治の主役が交代した

 核兵器禁止条約―国際政治の主役交代を象徴的に示す歴史的出来事に

 平和の地域協力の流れ―東南アジアとラテンアメリカ

 国際的な人権保障の新たな発展、ジェンダー平等を求める国際的潮流

 綱領第一〇節―世界資本主義の諸矛盾から、二一世紀の世界をとらえる

 世界資本主義の諸矛盾―貧富の格差の拡大、地球的規模での気候変動について

 アメリカ帝国主義、いくつかの大国で強まっている大国主義・覇権主義

 綱領第一一節―国際連帯の諸課題―どんな国であれ覇権主義を許さない

 綱領第四章―第三章の改定にともなって必要最小限の改定を行う

 綱領第五章―発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道

 三つの流れから社会主義をめざす流れが成長・発展するという特徴づけを削除する

 第一八節の主題―発達した資本主義国での社会変革の意義

 前人未到の道の探求―特別の困難性とともに、豊かで壮大な可能性をもった事業

 マルクス、エンゲルスが描いた世界史の発展の法則的展望にたって

 日本共産党が果たすべき役割は、世界的にもきわめて大きい



by daisukepro | 2019-11-06 07:24 | 赤旗

主張 文化の日 力合わせ表現の自由を守る時

主張

文化の日

力合わせ表現の自由を守る時

 きょうは、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」(祝日法2条)と定めた文化の日です。1946年のこの日、日本国憲法が公布されました。いま安倍晋三政権の下で、憲法21条の「表現の自由」を脅かし、文化の日の趣旨に反する問題が相次いでいることは深刻です。

文化庁は文化を守れ

 最大の問題は、文化庁が9月、国際芸術祭・あいちトリエンナーレへの補助金の全額不交付を決めたことです。事の発端は、8月1日から公開された「表現の不自由展・その後」が、脅迫などでいったん公開中止になったことです。

 文化庁は、不交付の理由に「展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実」を認識しながら、その事実を申告しなかったことなどを挙げています。

 しかし「不自由展」は、トリエンナーレの企画の中の一つにすぎません。その「不自由展」も実行委員会が対策を講じ、10月8日から再開されました。全額不交付の理由は成り立ちません。

 重大なのは、文化庁の決定がテロ予告や脅迫の被害者に責任を押し付け、加害者の行為を追認したことです。補助金の審査委員会に諮らず、会議の議事録もないなど、決定過程も不透明です。

 文化庁の仕事は本来、「文化の振興」や「国際文化交流の振興」などを図ることです。

 国の文化政策の根幹をなす文化芸術基本法は、前文で「文化芸術の礎たる表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重すること」を旨とすると明記しています。

 文化庁には暴力から表現の自由を守る責任があります。それを放棄した今回の決定は、テロ予告や脅迫を行えば事業を中止させ、主催者に打撃を与えられるというあしき前例となります。安倍政権は不当な決定を撤回すべきです。

 作品の「政治的メッセージ」を問題視する向きもあります。しかし、ピカソの絵画「ゲルニカ」のように、政治的メッセージは表現の自由の核心部分です。文化支援に際し、専門家の判断に任せ、国や地方自治体が「金は出しても口は出さない」原則を貫いてこそ、多様な芸術表現が開花します。

 ところが、文化庁所管の日本芸術文化振興会は9月、芸術文化振興基金の「交付要綱」を「公益性の観点」から「不適当とみられる場合」は交付の内定や決定を取り消せるよう改定しました。そして、すでに交付が内定していた映画「宮本から君へ」について、麻薬取締法違反で有罪判決をうけた俳優の出演を理由に取り消しました。

 「公益性」というあいまいな理由づけは、拡大解釈の危険をはらんでいます。12年の自民党憲法改正草案が「公益及び公の秩序」を持ちだして「表現の自由」に制約を加える内容だったことを想起せざるをえません。

民主主義崩す萎縮の空気

 川崎市で開催中の映画祭では、「慰安婦」問題を扱った映画「主戦場」について市が主催者に懸念を伝え、一度は上映中止になりました。三重県伊勢市の「市展」で少女像の写真を使った作品が展示できなくなる事態も起きています。

 「表現の不自由」が広がり、社会に萎縮の空気がまん延すれば、民主主義の土台が崩れます。今こそ力を合わせ、表現の自由、芸術の自由を守り抜くときです。



by daisukepro | 2019-11-03 15:06 | 赤旗

台風19号 鉄路寸断 長野 千曲川 鉄橋崩落の上田電鉄 再開見通せず 通勤・通学に影響

台風19号 鉄路寸断

長野 千曲川 鉄橋崩落の上田電鉄

再開見通せず 通勤・通学に影響

 東日本の各地を襲った台風19号や記録的豪雨は、関東・甲信越・東北の鉄道路線に甚大な被害をもたらしました。国土交通省の発表によると、運休が続くJR東日本と私鉄の14路線のうち8路線では運転再開のめどがたっていません。通勤・通学や観光などに大きな影響を与えています。(丹田智之)


写真

(写真)台風19号による千曲川の増水で鉄橋が崩落した現場を調査する日本共産党の渡辺正博市議=24日、長野県上田市

 長野県上田市の上田電鉄別所線(上田―別所温泉間、全線11・6キロ)も、その一つです。台風19号で千曲川の鉄橋が崩落しました。現場では決壊寸前になった堤防の応急復旧工事が進められています。

 同線は被災により上田―下之郷間(6・1キロ)で運休となり、バスによる代行輸送が続いています。

 平日の朝、下之郷駅前には69人乗りのバス3台が待機していました。列車を降りた高校生やスーツ姿の会社員などが足早に乗り込み、ぎゅうぎゅう詰めの状態で出発しました。

 この日は雨で、途中で渋滞も発生。各停留所にもバスを待つ人々の列ができ、上田駅前に着く頃には30分ほどの遅れが生じました。バスを降りた高校生は「もう1時間目の授業には間に合わない」と困った様子でした。

 県立高校2年の女子生徒は「夕方の代行バスも満員の状態だったので、乗るのをやめた友人もいました。車酔いもするので、長い時間の乗車は体力的にきつい」と疲れた表情で語りました。

 会社員の男性(25)は「電車とバスの乗り継ぎ時間も含めて1時間かかります。普段の2倍の通勤時間です。電車だとほとんど遅れることはないので、早く復旧してほしい」と話しました。

 上田電鉄の矢澤勉運輸課長は「崩落しなかった部分の橋脚にも傾きが生じ、堤防の復旧も含めて全線の再開には数年かかる見通しです。自社だけでの復旧は難しいので、国や自治体の協力も求めていきたい」としています。

 同社では、被災区間を除いた城下―下之郷間の運転再開を検討しています。

 日本共産党の渡辺正博市議は「上田電鉄には市も出資しています。市民の足として引き続き路線を維持できるように、一日も早い復旧に全力を尽くしていきたい」と述べています。

箱根 観光最盛期 客足3―4割

運休でも営業 続く努力

写真

(写真)客足が減った強羅駅前の商店街

 強い勢力で伊豆半島に上陸した台風19号は、日本有数の観光地・箱根(神奈川県箱根町)を直撃。降り始めからの総雨量1000ミリを記録し、土砂災害が相次いで発生しました。毎年2千万人が訪れる同地に観光客を輸送する箱根登山鉄道も山岳区間(箱根湯本―強羅間、8・9キロ)で20カ所以上の被害が確認されています。

開店休業

 被害が大きい宮ノ下―小涌谷間では、土砂崩れにより23メートルにわたって路盤が崩壊しました。同社総務部の鎌田隆一課長は「のり面の崩壊や岩石の流入、路盤の流出などが7カ所あり、これから復旧作業に向けた地質調査を行う段階です。重機が入れない場所もあります。運転再開まで1年かかるか2年かかるか、それさえも今の段階では見通せない」と被害の深刻さを訴えます。

 運休が続く箱根湯本―強羅間では毎時2~3本、バスによる代行輸送が行われていますが、鉄道の輸送力とは大差があります。

 箱根は紅葉シーズンを迎える10~11月が観光の最盛期です。ところが、例年は大勢の観光客でにぎわう強羅の商店街はいま、人影もまばらです。

 強羅駅前で土産物店を営む女性(73)は「1日に数千円の売り上げしかなく、開店休業の状態です。登山鉄道の運休は死活問題です。店を閉めたら食べていけない」と不安げな様子で語りました。

復旧早く

写真

(写真)線路に土砂や岩石が流入した現場を調査する日本共産党の山田町議=23日、神奈川県箱根町

 箱根強羅観光協会の中村雅昭副会長(63)は「箱根山の噴火警戒レベルが引き下げられ、大涌谷周辺の立ち入り規制の解除に見通しがたった矢先でした。客足は平常時の3~4割です。登山鉄道の復旧まで1年、2年となれば従業員を雇えなくなり、廃業を考える人も出てくるかもしれない」と心配しています。

 温泉旅館を経営する男性(41)は「外国人客の大半、日本人客の半数が登山鉄道を利用します。『電車がないと行けない』と予約をキャンセルする人もいます。一日も早く復旧してほしい」といいます。

 中村さんは「鉄道の運休が続く中でも観光施設は平常通りに営業しています。安心して箱根に来てほしい」と呼びかけています。

 日本共産党の山田和江町議は「箱根町の経済は観光で成り立っています。総力をあげて登山鉄道の早期復旧に取り組むよう、国や県に要請したい」と述べています。

図


by daisukepro | 2019-10-30 17:05 | 赤旗

きょうの潮流

きょうの潮流

 世界の金融機関に「新しい規範」が生まれつつある―。各国の銀行や年金基金による核兵器製造企業への融資・投資状況を毎年公表するオランダの平和団体が今年の報告書で指摘しています▼現時点で核兵器製造企業への融資や投資を停止したり規制したりしている金融機関は77に達しました。昨年の報告書と比べて14増です。この中には来年創設150年を迎えるドイツ最大手のドイツ銀行も含まれます▼「無差別的な影響、過度の苦しみ、不釣り合いな規模の人道的影響という理由から国際社会が受け入れられない兵器に直接携わる企業との取引は避ける」。同銀行が昨年決めた新たな指針が評価されました▼こうした変化の底流に核兵器禁止条約があることは疑いありません。人類史上初めて核兵器に悪の烙印(らくいん)を押した条約が国連で採択されたのは2017年。そのころから投資の引き揚げを決める金融機関が特に増え始めていることは決して偶然ではないでしょう▼世界最大の核保有国米国でもマサチューセッツ州やニューヨーク市で年金基金の運用にあたり核関連企業からの投資引き揚げを求める法案が議論されています。国際法で核兵器が禁止されたことで金融機関の行動に対する市民の監視も一段と強まっています▼核兵器禁止条約はあと17カ国が批准すれば発効というところまで来ました。被爆者と世界の世論と運動が生み出した条約は核兵器固執勢力を着実に追い詰めています。早期発効へ日本でも世界でも運動を強めるときです。



by daisukepro | 2019-10-28 18:15 | 赤旗