カテゴリ:労働運動( 44 )

年間報酬 1億円超役員 3割増 12月期決算上場企業 64社で108人に

年間報酬 1億円超役員 3割増

12月期決算上場企業 64社で108人に

 2017年12月期決算の上場企業のうち、有価証券報告書を提出した412社について本紙が集計した結果、年間報酬が1億円以上の役員は64社、108人に達していることが分かりました。前年度の51社、85人に比べて、企業数で25%、役員数では27%も増えています。

 1億円以上の役員が最も多いのはM&A(合併・買収)へのアドバイスなどを手掛けるGCAで5人。ブリヂストン、LINE、キヤノンが4人で続いています。

 個人では、ブリヂストンのエデュアルド・ミナルディ副社長(17年末で退任)が12億2400万円で第1位、LINEの慎ジュンホ取締役が8億5400万円で第2位などとなっています。

 上場企業の役員報酬の開示は、10年3月期決算から始まりました。当時から集計を続けている民間信用調査会社の東京商工リサーチによると、10年3月期の1億円以上の役員は233人でした。17年3月期は457人と、2倍近くに増加しています。今年3月期の結果は6月末ごろまでに判明しますが、さらに大幅に増えることが予想されます。法人税減税などで大企業を応援する「アベノミクス」のもとで、企業の利益が増えたことが背景にあります。

図

[PR]
by daisukepro | 2018-04-18 10:26 | 労働運動

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 戦後続いた労働体系を壊させてなるものか 18/04/09

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

戦後続いた労働体系を壊させてなるものか 18/04/09

明日へのうたより転載

 「高プロ争点に攻防へ」「働き方改革 閣議決定」(7日付『毎日』1面)「労働時間の拡大懸念」「緩和と強化抱き合わせ」「上限規制骨抜きの恐れ」「与党に会期延長論 追及覚悟で成立狙うか」(同3面「クローズアップ2018」)。「安倍晋三首相は今国会を『働き方改革国会』と位置付けており、与党は働き方改革関連法案の成立に全力を挙げる」。

 同日付の社説も「働き方改革」だ。タイトルは「残業時間の規制が原点だ」。要旨をまとめると次のようになる。「当初の予定が遅れたのは厚労省のデータに不自然な数値があったためで、結局裁量労働制の拡大は削除された。若い世代が安心して働くためには残業規制が重要。ところが法案は高プロなどの残業規制外しが組み込まれた。残業規制と規制緩和が同じ法案であることに無理がある。まず残業規制という原点に立ち返って議論すべきだ」。この主張は間違ってはいないがいかにも甘い、とおれは思う。

 今年2月、安倍首相が法案の根拠とした厚労省データがズサンな代物だったと叩かれて、裁量労働制の拡大という法案の一角が崩れた。その時一番悔しがったのが経団連(財界)だった。つまり財界にとっては裁量労働制とか高度プロフェッショナル制度とかはかねてからの宿願だったのだ。

 日本の働き方を律する労働基準法は時間管理が基本である。何時間働いて何ぼの賃金というのが原則なのだ。週40時間とか週休2日とかの労働時間規制は、財界にとっては搾取の限界が法律で決められているということであって我慢ならない。「企業利益にどれだけ貢献したから何ぼ」の賃金体系、つまり「成果」を基準にした新しい労働基準を設けたい。安倍首相の働き方改革は財界の意向そのものなのだ。

 「働くだけ働かされて、つぶされるのではないか」と40歳代のコンサルタント業務の男性は危機感を抱く(『毎日』)。「多忙な時期に睡眠が1~2時間の日が続き、過労で倒れた経験かある」。この働き方は明らかに正常ではない。問題はこんな働き方が高プロ制度によって法律のお墨付きをもらえることだ。今必要なのは労働基準法の厳守であって財界の希望する「緩和」であってはならない。

 安倍首相や財界が狙うのは、戦後続いてきた労働基準を根底からひっくり返すこと、彼らの言葉を使うなら「改革」「革命」なのだ。こちらも腰を据えて対決しようではないか。特に労働組合の奮起を促したい。


[PR]
by daisukepro | 2018-04-15 12:22 | 労働運動

主張 「働き方」一括法案 希代の悪法 撤回に追い込もう 

2018年4月8日(日)

主張

「働き方」一括法案

希代の悪法 撤回に追い込もう

 「森友」公文書改ざんに続き、イラクに派兵された自衛隊の日報の長期間隠ぺいが発覚し、国民の批判と怒りが高まるさなか、安倍晋三内閣が「働き方改革」一括法案を閣議決定しました。安倍政権は「最重要法案」と位置づけ今国会での成立を狙いますが、メディアの世論調査では同法案の反対は多数です。民意に反し強行するのでなく、法案を撤回すべきです。

ねつ造、隠ぺい、どう喝

 ウソと隠ぺいの安倍政権の姿は「働き方改革」をめぐってもあらわです。裁量労働制に関する労働時間データをねつ造し裁量労働制の方が一般労働者より労働時間が短いとウソをつく。野村不動産で起きた過労自殺を隠ぺいし、それが問題になると東京労働局長が記者をどう喝する―国民と国会を欺く安倍政権に「働き方改革」一括法案を出す資格はありません。

 一括法案は、「残業代ゼロ」法案と「残業時間の上限規制」法案を「一本化」した労働基準法改定案など8本の法律を一括で改定するものです。当初は裁量労働制の適用業務拡大を盛り込むことを狙いましたが、裁量労働制に関する労働時間データのねつ造が大問題になり、データ撤回と、裁量労働制拡大の削除に追い込まれました。

 ところが、裁量労働制以上に長時間労働と過労死の温床となる「高度プロフェッショナル制度」(「残業代ゼロ」制度)は、法案に残されたままです。「残業代ゼロ」制度は、労働時間規制を完全に取り払い、24時間労働を48日間連続させても合法となります。

 だからこそ、全ての労働団体と全国過労死を考える家族の会や弁護士団体をはじめ広範な市民団体が「長時間労働と過労死を促進する」「『過労死防止法』の流れに逆行している。容認できない」などと強く反対しているのです。

 「残業時間の上限規制」についても、特例として「月100時間未満」「2~6カ月平均で月80時間」という過労死ラインの残業を法的に容認しています。欧州連合(EU)では週の労働時間は残業を含め48時間以内に制限されていることから見ても、とんでもない大改悪です。「上限規制」にも「月100時間残業合法化は許されない」と広範な労働組合と市民団体が怒りの声を上げています。一括法案は、どの点をとっても「過労死促進法案」そのものです。労働者・市民の反対の声を無視し強行するなど断じて容認できません。

 「働き方改革」一括法案には、なんの道理もありません。日本共産党は、ナショナルセンターの違いをこえた共同と、市民と野党の共闘を前進させ、法案を撤回させるために力を尽くします。

ふつうに暮らせる社会を

 日本共産党は、本物の「働き方改革」を提案しています。残業上限規制は例外を設けず、週15時間、月45時間、年360時間とする厚生労働大臣告示を法定化するとともに、一つの勤務から次の勤務までの間に連続11時間の休息時間(勤務間インターバル規制)を設けること、労働時間管理台帳の作成など時間管理を徹底すること、長時間労働の温床の裁量労働制等への規制強化などを求めています。「8時間働けばふつうに暮らせる社会」の実現こそ必要です。

 隠ぺい・改ざんの安倍政権を追い込む世論を広げ、暴走政治に終止符を打つことが急務です。


[PR]
by daisukepro | 2018-04-08 20:33 | 労働運動

厚生労働省東京労働局の勝田智明局長が、3月30日の定例記者会見で参加した報道機関に「何なら皆さんの会社に行って、是正勧告してもいいんだけど」発言で、勝田局長は「不適切な発言で、謝罪し撤回

 厚生労働省東京労働局の勝田智明局長が、3月30日の定例記者会見で参加した報道機関に「何なら皆さんの会社に行って、是正勧告してもいいんだけど」と発言した問題で、勝田局長は2日、共同通信などの取材に「不適切な発言で、謝罪し撤回させていただく」と述べた。自身の進退は「労働局長としての職責を誠実に果たしていきたい」として辞任を否定した。

 発言を問題視した野党議員と2日、都内の労働局庁舎で面会した後に取材に応じた。勝田局長は報道機関を脅す意図があったかを問われ「全くない」とした。

(共同)

 東京労働局で記者の質問に答える勝田智明局長=2日午後、東京都千代田区

 東京労働局で記者の質問に答える勝田智明局長=2日午後、東京都千代田区


[PR]
by daisukepro | 2018-04-03 20:49 | 労働運動

東京都迷惑防止条例「改正」に抗議し、施行に反対する声明

東京都迷惑防止条例「改正」に抗議し、施行に反対する声明

 本日東京都議会本会議において、迷惑防止条例「改正」案(「公衆に著しく迷惑をかける暴力行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例案」)が日本共産党や一部会派を除く圧倒的大多数の賛成で採決された。
 同「改正」条例は旧条例の条文に「みだりにうろつくこと」「監視していると告げること」「電子メール(SNS含む)を送信すること」「名誉を害する事項を告げること」「性的羞恥心を害する事項を告げること」を付記し、これらの行為を規制対象とし、重罰を科するものであるが、憲法に違反し、憲法の保障する権利を侵害する危険性が極めて高いその内容は到底受け入れられるものではない。
 警視庁は「スマートフォン等の普及やSNSの利用者増加」を改正の理由としているが、既にストーカー規制法が改正され同様の行為の規制が可能となっている中、そもそも立法事実が極めて不明確である。
 一方、これまで「恋愛感情」を充たす行為に限定されていたストーカー行為が、「改正」条例では「ねたみうらみ悪意の感情」に対象が拡大され、しかも捜査機関の判断だけで告訴なく逮捕できることになる。
 また「みだりにうろつく」「名誉を害する事項を告げ、その知りえる状態に置くこと」の規制対象範囲についても、その判断は捜査機関に委ねられることになり、報道機関の取材行為、ビラまきやポスター張り、市民が国会前や路上で国会議員の批判をする、労働組合が会社前の集会で会社の批判をする、消費者が企業に対して不買運動をする、地域で住民がマンション建設反対運動をする、公害事件・薬害事件などで企業の批判をする、などの行為も規制対象とされかねない。
 警視庁は都議会警察・消防委員会で正当な市民活動、組合運動、取材活動については対象ではない旨答弁したが、何が「正当な行為」かを決めることも現場の警察官の判断に委ねられており、恣意的な濫用を防止することは到底不可能である。
 また、仮に逮捕することはなくとも、「条例違反」を仄めかし、振りかざすことで、国民・市民の運動が萎縮・後退させられてしまう危険性はより一層高い。
 同「改正」条例は憲法28条が保障する労働基本権、憲法21条が保障する言論表現の自由、知る権利、報道の自由を侵害する危険性を強く孕むものであり、地方自治体の条例制定を法律の範囲内と定めた憲法94条にも抵触するものである。
 私たち映演労連は東京都迷惑防止条例「改正」に強く抗議するとともに、その施行に断固反対するものである。

 2018年3月29日

映画演劇労働組合連合会(映演労連)
     中央執行委員長 金 丸 研 治

[PR]
by daisukepro | 2018-04-02 13:30 | 労働運動

これでわかる「残業代ゼロ」制度

これでわかる「残業代ゼロ」制度

 安倍内閣は、「働き方改革」一括法案に盛り込んだ裁量労働制の拡大はいったん削除するものの、「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度)はそのまま導入をねらっています。改めて仕組みや危険性をみると―。


図

Q どんな仕組み?

A 労働時間規制を撤廃

 「高度の専門的知識」を持つ労働者に対し労働基準法が定める労働時間規制などを適用除外します。対象業務は省令で定めますが、「金融商品開発」「アナリスト(分析)」などがあがっています。時間規制などの適用除外は、財界が「生産性を向上させ、国際競争力の強化につながる」として求めてきたものです。

 これが適用されると1日8時間・週40時間の上限(労基法32条)、6時間超で45分間の休憩(34条)、週1日の休日(35条)、時間外労働の「三六協定」締結(36条)、時間外・休日・深夜の割増賃金(37条)はすべて除外されてしまいます。深夜・休日の割増賃金などの規制が残る裁量労働制に比べて「異次元の危険性」があります。

 年104日かつ4週4日以上の休日を義務付けますが、24時間休憩もなく、48日間連続で働かせることも可能です。長時間労働の野放しで過労死を激増させることは必至です。

Q 健康確保措置は?

A 過労死ラインで実施

写真

(写真)国会前で「残業代ゼロ法案やめろ」と訴える人たち=2日、国会正門前

 安倍首相は「年104日」以上の休日を義務付け、「健康確保措置」を課しているので、健康を壊す心配はないと説明しています。

 しかし、「年104日」とは週休2日相当ですが、「4週4日」でよいので毎週休ませる必要はありません。4週間の最初に4日休めば次の休みまで48日間連続で働かせることも可能です。1日の規制がないので24時間ぶっ通しで働かせることができます。

 「健康確保措置」とは、(1)勤務間インターバル(次の勤務まで休息保障)導入(2)「健康管理時間」(在社時間と事業場外時間)の上限(3)2週間連続休暇(4)健康診断―のうちから、一つ選ぶものです。

 しかし、これらは守らなくても罰則はありません。健康診断を選べば、企業にとって負担はほとんどありません。その健康診断も、健康管理時間が過労死ラインと同じ「月80時間超」の場合に実施されるもので、「健康確保」とは偽りです。

Q 成果で評価する制度?

A 義務付けなし

 安倍首相は「時間ではなく成果で評価する制度だ」と強調しています。しかし、法案に成果で評価して賃金を払う制度を義務付ける規定はありません。

 成果主義賃金は現行法でいくらでも可能であり、4割の企業が導入しています(厚労省就労条件調査)。新たに法律など必要なく、この法律で行われるのは労働時間規制を外して残業代も払わずに働かせることだけです。

 むしろ成果主義賃金は、目標達成のため際限のない長時間労働を強いられる危険性を抱えています。労働時間の規制撤廃ではなく規制強化こそ必要です。

Q 高収入が対象?

A 基本給500万円でも可能

 安倍首相は、対象者は「平均賃金の3倍、1075万円以上」なので「交渉力」があり、長時間労働を押し付けられないといいます。

 しかし、基本給が500万円程度でも、残業代込みで1075万円以上を支給する場合は適用されます。

 経団連は、年収400万円を主張。榊原定征会長は労働者の10%に導入することを求めてきました。塩崎恭久厚労相(当時)も15年4月に財界人の会合で「いまは我慢」「とりあえず通すことだ」と述べていました。

 いったん導入すれば、年収が引き下げられることは必至です。

 そもそも年収と「交渉力」は関係ありません。法案では、使用者が適用労働者に指揮命令をしたり、具体的な業務指示をすることを禁じていません。業務量を決めるのも使用者であり、労働者は拒否できない仕組みです。



[PR]
by daisukepro | 2018-03-11 08:46 | 労働運動

命削る「残業代ゼロ」 国会前で緊急抗議

命削る「残業代ゼロ」

国会前で緊急抗議

写真

(写真)「過労死させるな」と声をあげる人たち=2日、国会正門前

 「残業代ゼロ法案やめろ」「月100時間も残業させるな」「過労死させるな」とコールし、安倍政権の「働き方改革関連一括法案」撤回を求める緊急抗議行動が2日夜、国会正門前で行われました。

 行動を呼びかけた日下部将之さんは、「厚労省のずさんなデータで、裁量労働制拡大は差し戻しになったが、同じデータを論拠にした高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)を撤回しないのはおかしい」と強調。「高プロは年収要件があっても、導入すれば派遣法のように拡大する。労働者を守る規制を緩和すれば、命が削られる」と訴えました。


[PR]
by daisukepro | 2018-03-03 16:46 | 労働運動

残業代ゼロ制度も撤回を 裁量制と同根 危険さらに 参院予算委 小池書記局長が追及

残業代ゼロ制度も撤回を

裁量制と同根 危険さらに

参院予算委 小池書記局長が追及

 「歯止めなき長時間労働をもたらす制度はきっぱり撤回せよ」―。日本共産党の小池晃書記局長は2日の参院予算委員会で、「専門職」を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ制度)について「裁量労働制と根っこは同じで、さらに危険が大きい」と追及。裁量労働制の拡大は先送りせず断念し、残業代ゼロ制度も撤回するよう主張しました。


写真

(写真)質問する小池晃書記局長=2日、参院予算委

 残業代ゼロ制度は、年次有給休暇以外の労働時間の規制をすべて適用除外とする制度です。小池氏は、残業代ゼロ制度では「健康確保措置」として「年104日以上」の休日が義務付けられるものの、「年間6000時間以上の労働を強制しても違法にならない」と指摘。加藤勝信厚労相も「違法という規定はない」と認めざるをえませんでした。

 小池氏は、労働基準法では「(労働条件は)人たるに値する生活を営むための必要を充(み)たすべき」としていることをあげ「年間6000時間を超える労働を労基法で認めることが許されるのか」と迫りました。安倍晋三首相は「これからつくるので、問題が起きているわけではない」とごまかしました。

 小池氏は「残業代ゼロ制度も裁量労働制も『自律的な働き方』というが、実態はどうか」として、トヨタ自動車では、裁量労働制で働く人の8割が健康状態に懸念があると報告され、過労死水準の超過勤務まで行われている実態を告発。「業務量について労働者に裁量権がないから『みなし労働時間』とかい離が起こり、健康被害が生まれる」と強調しました。

 小池氏は、データねつ造問題の根本に、実労働時間把握をしない裁量労働制の問題があると指摘。安倍政権が、労働政策審議会も無視して、トップダウンで法案策定を進めてきた経緯を浮き彫りにして、「安倍首相の責任は極めて重大だ」と批判し、管理監督者や裁量労働対象者を含め全ての労働者の実労働時間の把握義務の法定化を提案しました。

 加藤厚労相は「(厚労省調査データを)白紙のものとして、改めて実態を把握し、議論し直していく」として事実上、調査データを撤回しました。裁量労働制と残業代ゼロ制度をめぐる労政審の議論の前提が完全に崩れたことになります。

図

[PR]
by daisukepro | 2018-03-03 16:44 | 労働運動

裁量労働制ってどんな制度?

2018年2月28日(水)

知りたい聞きたい

裁量労働制ってどんな制度?

 Q いま問題になっている「裁量労働制」についての解説を、もう一度お願いしたいと思います。この問題は毎日のように報道されますが、具体的にどのような制度なのか、正確に理解できません。(新潟県の読者)

長時間労働に拍車

図

 A 労働基準法では、1日8時間、週40時間を超えて働かせてはならないとし、これを超えて働かせるときは、残業時間の協定を結んでおいて、残業代を払わなければなりません。仕事の進め方などは使用者の指揮命令に従わなければなりません。

 これに対して裁量労働制は、仕事の進め方を労働者の「裁量に委ねる」必要がある業務に限って、使用者が出退勤時間などで「具体的な指示をしない」などを要件に例外的な働き方として、1987年に導入されました。

みなし労働時間

 労働時間は、実際に働いた時間ではなく、あらかじめ労使が協定した時間を働いた時間とみなします(みなし労働時間)。労使協定で「8時間」と決めれば、実際は10時間働いても8時間とみなし、2時間分の残業代は出ません。労働組合は「定額働かせ放題」と批判してきました。

 ただし、裁量労働制でも、休憩は与えなければなりません。休日労働の規制も残りますし、深夜労働の割増賃金もなくなりません。

 安倍首相は、“効率よく働けば早い帰宅も可能”などとアピールしますが、仕事量などは使用者が定めるため長時間労働を強いられているのが実態です。

 労働政策研究・研修機構の調査(2014年)によると、1カ月の平均労働時間が、専門型203・8時間、企画業務型194・4時間に対し、一般労働者は186・7時間で裁量労働が長くなっています。

2種類のタイプ

 裁量労働制は2種類のタイプがあり、最初に導入されたのが「専門業務型」で、2000年から「企画業務型」が導入されました。

 専門業務型は、新商品の研究開発、情報システムの分析・設計、マスコミの取材・編集など19業務が省令で定められています。

 企画業務型は、企業の中枢部門で企画、立案、調査、分析の業務が対象です。不適切な運営を防ぐためとして労使委員会をつくり、対象業務などについて5分の4以上の決議が必要とされています。

 裁量労働制で働く労働者の割合は、専門業務型1・2%、企画業務型0・3%だとしています(厚生労働省調査、13年)。これは推計であり正確な実態は把握されていません。企画業務型(東京労働局管内)は、06年の493件から15年に741件に1・5倍に増加しています。

 仕事を労働者の裁量に任せるのが原則なのに、「一律の出退勤時刻がある」は、専門業務型で42・3%、企画業務型で50・9%(同機構調べ)。ほぼ半数がタイムカードなどで労働時間申告が義務付けられるなど厳しく時間管理されており、「裁量」などないのが実態です。

違法行為が横行

 裁量労働制をめぐっては、違法・脱法行為が横行しています。損保ジャパン日本興亜では、導入が認められていない支店や支社の一般営業職にまで導入。職員1万9千人のうち6374人が対象とされ、昨年4~8月の残業は、月20時間の「みなし残業時間」の2倍もありました。

 長時間労働による過労自殺も。大手機械メーカーのコマツで専門業務型の対象にされた34歳の男性社員が1日10~19時間の長時間労働でうつ病を発症し、1999年12月に自殺しています。(2002年に労災認定)

 ところが安倍政権はねつ造した労働時間データを使って「裁量労働より一般労働者のほうが労働時間が長い」とアピールし、裁量労働の拡大を押し付けようとしています。

 政府案では、企画業務型の裁量労働に「課題解決型提案営業」と「実施状況の評価を行う業務」を加えます。

 「提案営業」とは、過労自殺した電通社員の高橋まつりさんが担当していた業務です。商品などを売るだけでなく顧客の要望に沿う提案を行う業務です。営業職の多くはこうした提案営業の側面を抱えており、これが加わると裁量労働者が飛躍的に増加します。

 損保ジャパン日本興亜のような脱法的やり方を合法化するもので長時間労働に拍車をかけることは必至です。

(2018・2・28)


[PR]
by daisukepro | 2018-02-28 15:38 | 労働運動

6野党結束 「働き方」法案提出断念を 国民の命にかかわる大問

6野党結束 「働き方」法案提出断念を

国民の命にかかわる大問題

写真

(写真)野党合同院内集会でがんばろうと拳を突き上げる野党議員ら=27日、国会内

 長時間労働や過労死を促進する「働き方改革」一括法案などをめぐり、27日、与野党の攻防が続きました。データ捏造(ねつぞう)などで土台が崩れた同法案の提出を狙う政府、与党に対し、共産、立民、民進、希望、自由、社民の6野党は一致して、「国民の生活と命にかかわる」問題である裁量労働制についての再調査や法案提出見送り、「森友・加計」疑惑での証人喚問を要求。26日は深夜まで断続的に開催された与野党書記局長・幹事長会談に続き、27日も与野党の折衝が続きましたが、自民、公明両党が再度行った「回答」は野党の要求に何ら応えず、最後は与野党会談さえ拒否しました。(関連記事)

 安倍晋三首相は27日、首相官邸で自民党の二階俊博幹事長らと会い、「円満な国会運営」を指示。ところが与党は同日、野党の要求に対する書面での「回答」で、「昨日(26日)お答えしたとおり」とし、裁量労働の再調査には一切言及がなく、法案提出の見送りについては「与党として考えがまとまれば結果をお伝えする」と明確にしませんでした。

 森友・加計疑惑での佐川宣寿国税庁長官、安倍首相の妻・昭恵氏、加計孝太郎加計学園理事長の証人喚問も「引き続き現場で協議」とするだけで、全く応えませんでした。捏造や恣意(しい)的な労働時間に関する調査データについても、安倍首相は「データ自体を撤回することは適切ではない。まずはしっかりと精査する」(26日、衆院予算委員会)と居直っています。

 6野党は27日に合同院内集会を開き、各党の書記局長・幹事長が「これからも一致団結してたたかいたい」と法案提出見送りを迫る決意を表明。同日の書記局長・幹事長会談では、「さらなる調査データの不備が明らかになっており、このデータについてはもはや政府の言う精査には値しない」と断じ、データの不備や答弁の撤回・謝罪がある中で、与党が法案について姿勢を明確にしないことは国民の「著しい不信感を招くもの」と批判しました。

 日本共産党は集会後に国会議員団報告会を開き、小池晃書記局長は「この間の国会論戦で、裁量労働制の問題点が次々に明らかになってきた。国民世論でも裁量労働制について急速に反対の声が高まっている」と指摘。「何よりも野党6党が結束して固まったことが大きい」「重要な野党共闘の前進があらわれている」と強調し、最後までたたかいぬこうと呼びかけました。

 また、2018年度予算案について、与党は27日の採決を断念したものの、自民党は同日の役員連絡会で28日の衆院通過の方針を確認しました。





[PR]
by daisukepro | 2018-02-28 15:36 | 労働運動