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戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 「働き方改革」連合は政権の共犯者 18/02/23

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

「働き方改革」連合は政権の共犯者 18/02/23

明日へのうたより転載

 国会退出が予定されている「働き方改革」関連法案についての報道が花盛りだ。「『データ―1万件再精査』」「裁量労働制 首相が答弁 衆院予算委」「野党追及に政府強弁」「『抱き合わせ』法案 楯に反論」「データ問題 与党に危機感」「法案提出遅れ必至」(23日付『毎日』)。

 「裁量労働制問題 虚偽データ新たに117件 厚労相認める さらに増加も」「調査・真相究明は急務」「『働き方改革』法案は提出断念を 首相自身の責任も重大 志位委員長が会見」「裁量労働データ捏造」「居直り、無反省、首相答弁」「撤回したのに法案固執」「都合悪いデータ触れず」「〝役所〟に責任転嫁」「労政審に戻し議論せよ」(23日付『赤旗』)。

 データが捏造でも法案は撤回しない、という安倍晋三首相の信念を支えているのが労働政策審議会である。「労政審でご議論いただき、労働時間等の資料も含めて審議をしたと了解している」。この問題について『赤旗』は「裁量労働 虚偽データで労政審は議論」「肝心の実態調査結果示さず」と指摘して「審議やり直しを」と主張している。労政審の場で実態調査の説明がなされていないという指摘である。

 『赤旗』によれば「事態をゆがめる調査手法で集めたデータであることを説明しないまま審議会に報告されていました」ということだが、今回問題になった2013年10作成の「労働時間等実態調査」そのものは労政審に提出されているのだ。提出した厚労省側から「事態をゆがめる調査手法で集めたデータ」ですと説明するわけがない。労政審の委員にいんちきデータを見抜く能力がなかったということだ。

 労政審には労働者側委員として連合代表が出ている。いったい何をやっていたのだ。審議会に出て日当もらうだけが仕事しゃないだろう。資料として出されたデータをきちんと読めばすぐにずさんさが分かったはずだ。そもそも労働者代表に連合しか認めない審議会のあり方が大問題なのだ。最低賃金審議会をはじめ国の審議会はほぼ全部連合独占だ。それで労働者代表と言えるのか。

 そもそも裁量労働制は連合がその気になれば明日からでもストップできる制度なのだ。裁量労働制を実施するためにはその事業所の従業員の過半数を組織する労働組合(それがなければ過半数から信任された代表)の同意がなければならない。節穴の目しかない労政審委員も大問題だが、裁量労働の同意権、チェック機能を投げ捨てた連合も、問題だらけの「働き方改革」をゴリ押しする安倍首相の共犯者なのではないか、とおれは思う。

 


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by daisukepro | 2018-02-24 20:26 | 労働運動

2018年2月24日(土) 主張 裁量労働偽データ 法案提出への固執は通用せぬ(赤旗より)

主張

裁量労働偽データ

法案提出への固執は通用せぬ

 裁量労働制の拡大をめぐる安倍晋三政権の労働時間データの捏造(ねつぞう)問題は深刻な広がりをみせています。安倍首相が撤回した「裁量労働制の方が労働時間は短い」という答弁の根拠になったデータが偽りだっただけでなく、200件を超える規模のデータの誤りが次々発覚するなど、政権ぐるみのデータ偽装・隠ぺい疑惑の様相を呈しています。裁量労働制の拡大を柱の一つとする「働き方改革」一括法案の前提がいよいよ成り立たないのに、安倍政権は施行日を遅らせるなどして、あくまで法案の国会提出に固執しています。こんな姿勢はとても通用しません。

調べれば調べるほど

 ないといっていた資料が倉庫から見つかる。調べれば調べるほどおかしな数値のデータが存在する―。安倍政権と厚生労働省のずさん極まる姿勢と対応に国民の怒りと不信は高まる一方です。

 撤回した首相答弁のもとになった2013年度「労働時間等総合実態調査」のデータでは、一般労働者の労働時間が裁量制の労働者より長くなるよう加工されていたことなどが明らかになっただけでなく、調査の元資料でも考えられないでたらめな数字が続々と判明していることは重大です。

 ある人の残業時間が1週間分で「35時間」だったのに対し、1カ月分では「2時間30分」と逆に短くなるなど、とてもありえません。そのような異常値が少なくとも一般労働者で117件、裁量労働の人で120件あったことなどを厚労省も認めました。

 なぜこんなずさんなデータなのか、だれがどういう意図でデータを捏造したのか。洗いざらい明らかにすることが求められます。

 法案の根拠が揺らいでいるのに、安倍首相は労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論して了承されていると法案提出の姿勢を崩しません。しかし、労政審に報告されていたデータは、偽りを含んだうえ、実態をゆがめる調査に基づいたものだったのに、そうとはわからないまま示されていたのです。裁量労働の方が長い実態を示す労働政策研究・研修機構の調査結果は報告されませんでした。

 「働き方」法案のもとになった労政審「建議」(2015年2月)には「長時間労働を抑制し、仕事と生活の調和のとれた働き方」を広げることを「喫緊の課題」としていました。議論のベースとなるまともなデータが政府側から一切示されなかったことは明らかです。

 だいたい「働き方」法案については官邸直結の財界主導の会議で大枠を決め、労政審に押し付け、労働者代表の反対を抑えて決めたものです。労政審を持ちだして法案を正当化することはできません。きちんとした実態をもとに議論のやり直しこそ必要です。

世論の力で提出断念を

 首相は“詳細に把握していない”“答弁は厚労省から上がってくる”と人ごとのような答弁を続けていました。最重要法案といっておきながら極めて無責任です。

 マスメディアの世論調査では裁量労働制拡大に「賛成」17%に対し、「反対」58%にのぼります(「朝日」20日付)。日本共産党など野党6党は「働き方改革」一括法案の国会提出に一致して反対しています。世論と運動の力で安倍政権を追い込み法案の国会提出を断念させることがいよいよ急務です。


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by daisukepro | 2018-02-24 10:49 | 労働運動

出た 厚労省地下 32箱 6野党調査 裁量労働制 捏造データ原票

出た 厚労省地下 32箱

6野党調査 裁量労働制 捏造データ原票

写真

(写真)1万人の調査データが入った段ボール箱を調べる野党議員。左端は辰巳孝太郎参院議員=23日、厚労省内

 裁量労働制に関する労働時間データの捏造(ねつぞう)問題で、日本共産党など6野党の有志議員は23日、厚生労働省に調査に入り、データの基となった約1万の調査原票が入った段ボール32箱をマスコミに公開しました。加藤勝信厚労相が「なくなっていた」と答弁した後に、厚労省の地下倉庫から発見されたもの。日本共産党からは辰巳孝太郎、山添拓両参院議員が参加しました。

 調査した議員によると、段ボールには調査原票が黒塗りなしで入っていました。厚労省はこの資料を操作し、裁量制の方が一般労働より残業が少ないとするデータを作成したと認めています。希望の党の山井和則衆院議員は「裁量労働制を拡大したら死者が出る。国民が死ぬかどうかの根拠となった32箱だ。働く人の命を軽んじる裁量制の拡大は撤回し、実態調査をやり直すべきだ」と強調しました。

 日本共産党の辰巳氏は「労働者側から裁量制の拡大をという意見は出ていない。都合のいいデータをつぎはぎにして出した安倍首相の規制緩和路線が問題だ」と指摘しました。


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by daisukepro | 2018-02-24 10:45 | 労働運動

労働時間データねつ造 政府の言い分次々崩壊 裁量労働拡大ありき

労働時間データねつ造 政府の言い分次々崩壊

裁量労働拡大ありき

 裁量労働制に関する労働時間データのねつ造問題で、安倍晋三首相の言い分が次々破たんしています。その背景には、国民の批判に目を向けず裁量労働制の対象拡大ありきで突き進む安倍政権の戦略があります。


発端は安倍首相自身

図

 「法案の準備をしっかり進めていきたい」。安倍首相は、データねつ造が明らかになった後も裁量労働制の対象拡大などを盛り込んだ「働き方改革」一括法案の今国会提出に固執しています。

 そもそも今回のデータねつ造問題の発端は安倍首相自身でした。1月29日の衆院予算委員会で、厚生労働省が2013年に行った労働時間調査を基に「一般労働者より裁量労働制で働く人の労働時間が短い」と答弁しましたが、その後野党側が次々と厚労省調査の根拠データへの疑義を国会で追及。2月14日に答弁を撤回し、謝罪する事態に追い込まれました。野党側が指摘した根拠データの疑義について加藤勝信厚労相は7日に把握していながら、安倍首相も加藤厚労相も14日の答弁撤回まで「精査している最中」と責任回避に躍起になりました。

 19日には厚労省が、首相答弁の根拠となった同省の調査データを公表し、一般の労働者の労働時間が長くなるように「最長の残業時間」を使うなど“ねつ造”されていたことが判明。ところが安倍首相は「データを撤回すると申し上げたのではなく、精査が必要なデータに基づいて行った答弁を撤回した」と“珍”答弁(20日)。算定方法が異なるデータを比較したのは「不適切」かもしれないが、データの中身そのものは問題ないと強弁し始めたのです。

 しかし、これも崩れました。日本共産党など野党6党が行っている厚労省に対する合同ヒアリングで、一般労働者の残業時間データで新たに117件にのぼる誤りが発覚。その後もデータの誤りは増え、237件以上になっています。さらに加藤厚労相が「なくなっている」と国会答弁していたデータの基となる調査原票も厚労省本庁の地下倉庫から見つかりました。22日の衆院予算委では、裁量労働制の労働時間データは平均的な数字でなく、「企業の方で選んだもの」(加藤厚労相)と極めて恣意(しい)的なものであることも明らかになりました。

 国会答弁の根拠となったデータのねつ造問題が深刻化するなか、データの再調査を一貫して拒んできた安倍首相は、1万件以上にのぼる調査原票を「精査する」と言いだし、あげくに1年施行延期まで検討する事態に追い込まれています。

レール敷いた安倍政権

 今回の労働時間データねつ造問題の背景には、裁量労働制の対象拡大ありきというべき安倍政権の姿勢があります。

 裁量労働の対象拡大を含む労働基準法の見直しは、厚生労働省の労働政策審議会(労政審)で2013年9月から議論が始まりました。

 しかし、議論のベースとなる労働時間の実態については、裁量労働のほうが一般労働者より労働時間が長くなっていた、労働政策研究・研修機構の労働時間に関する実態調査結果は審議会に報告されませんでした。逆に一般労働者のほうが長くなるようにねつ造された厚労省の「2013年度労働時間等総合実態調査」が報告され、議論がすすめられていきました。

 なぜ、裁量労働拡大の危険性を示すデータが審議会の委員に報告されなかったのか。

 その背景には、審議会が始まる直前の同年6月、安倍内閣が、経済財政諮問会議や産業競争力会議での議論をへて閣議決定した日本再興戦略(骨太方針)がありました。同戦略で、「企画業務型裁量労働制を始め、労働時間法制について、早急に実態把握調査・分析を実施し、本年秋から労働政策審議会で検討を開始する」と定めたのです。

 同じく6月に閣議決定された規制改革会議の規制改革実施計画でも「企画業務型裁量労働制やフレックスタイム制等労働時間法制の見直し」と明記しました。経済財政諮問会議も産業競争力会議も規制改革会議も労働者代表は一人もおらず、財界が求める労働法制の規制緩和がそのまま盛り込まれたのです。

 この閣議決定を受けて始まった労働政策審議会で、厚労省の村山誠労働条件政策課長は「閣議決定に即しまして、労働政策審議会の中で、労働時間法制を所掌していただいている労働条件分科会にご審議をお願いしたい」と発言しました。

 審議会では、実態データは厚労省が提出し、論点やとりまとめ案なども、すべて厚労省が原案を作成。最終報告では、労働者代表の反対を押し切って財界の要求通りの規制緩和が盛り込まれました。

 安倍首相は、裁量労働拡大のために都合のいいデータをつくらせたのではないかと国会で質問され、「私や私のスタッフから指示を行ったことはない」と関与を否定しました。

 しかし、日本再興戦略などで規制緩和のレールを敷いて異論を許さない態勢をつくりあげたのは、安倍内閣です。都合の悪いデータは隠ぺいし、都合のいいデータだけを垂れ流す事態は、こうした安倍内閣のもとでつくられたものであり、安倍首相の責任が厳しく問われます。

■労働法制改悪のレールを敷いた安倍政権

2013年6月 日本再興戦略を閣議決定

「企画業務型裁量労働制はじめ労働時間法制について検討開始」

    同 規制改革実施計画を閣議決定

「企画業務型裁量労働等労働時間法制の見直し」

   9月 労働政策審議会労働条件分科会で議論開始

  10月 労政審で厚労省「労働時間等総合実態調査」を報告

14年1月 労政審で労働政策研究・研修機構調査の労働時間分を報告せず

   5月 労働政策研究・研修機構調査を報道発表

15年2月 労政審が建議。労働者委員が反対意見

    同 労基法改定案の法案要綱を答申。労働者委員が反対意見



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by daisukepro | 2018-02-24 10:42 | 労働運動

裁量労働制で働く人の一日の労働時間が「四時間以下」というデータが百二十件

裁量労働制を巡る不適切なデータ処理問題で、厚生労働省は二十二日、不適切なデータの件数が今後増える可能性を認めた。立憲民主など野党六党は同日、国会内で開いた合同の会合で、裁量労働制で働く人の一日の労働時間が「四時間以下」というデータが百二十件あるなど、不自然なデータが新たに見つかったと指摘。厚労省は精査する考えを示したが、データの信ぴょう性がさらに疑われる事態となった。(我那覇圭)

 問題となっているのは厚労省の「二〇一三年度労働時間等総合実態調査」。野党が二十二日明らかにした集計によると、裁量労働制で働く人の一日の労働時間が「四時間以下」としたのは百二十件。このうち「一時間以下」は二十五件あった。希望の党の山井和則氏は「極端に短く、不自然だ」と追及。厚労省幹部は「にわかには答えられない」と回答を持ち帰った。

 これに先立つ衆院予算委員会で、立憲民主党の岡本章子氏が、厚労省が二十一日に認めた百十七件以外に不適切なデータがあるのかをただすと、加藤勝信厚労相は、さらに増える可能性を否定しなかった。

 続いて安倍晋三首相が掲げる「働き方改革」をテーマに実施された集中審議では、同党の逢坂誠二氏が裁量労働制の対象拡大を審議した労働政策審議会(厚労相の諮問機関)について「議論の材料が適切ではなかった」と指摘。裁量労働制に関するデータの内容次第では「(対象拡大を容認した)労政審の結果が変わる可能性は否定できない」と主張した。

 加藤氏は「(現状の)裁量労働制に問題があることは共通の認識。それも含めて(対象拡大は)『おおむね妥当』という答申をもらった」として、労政審での再検討を否定した。

 逢坂氏は「これ以上の不備が出れば、厚労相の進退に関わる」と迫ったが、首相は「(法案の)準備を進めてほしい」として、加藤氏の更迭を拒否した。

 公明党は二十二日、国会内で会合を開催。出席者からは不適切なデータに関し「これだけで済むのか。もっとぼろぼろ出るのではないか」と懸念する声が出た。

 与野党は二十三日、幹事長・書記局長会談で、今後の審議について協議する。

(東京新聞)

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by daisukepro | 2018-02-23 21:19 | 労働運動

「働き方改革」 法案は提出断念を 首相自身の責任も重大 志位委員長が会見

「働き方改革」 法案は提出断念を 首相自身の責任も重大

志位委員長が会見

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(写真)記者会見する志位和夫委員長=22日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は22日、国会内で記者会見し、政府の「働き方改革」関連法案の裁量労働制の拡大をめぐり、厚生労働省が“裁量労働制では一般労働者より労働時間が短い”とのデータを捏造(ねつぞう)した問題について問われ、「政府の責任は非常に重い。法案の提出は断念すること、政府の責任で裁量労働制が労働時間にどういう影響を与えるかについてきちんと調査し、それを国民に明らかにすることを強く求めていきたい」と表明しました。

 志位氏は、「問題の根本」として、「働き方改革」関連法案のもととなった2015年2月13日の同省労働政策審議会の「建議」が「喫緊の課題」として「長時間労働を抑制し、仕事と生活の調和のとれた働き方を拡(ひろ)げていく」ことを掲げていることに言及。「『長時間労働の抑制』『仕事と生活の調和』という角度で労働法制を見直すことが大前提とされているが、労政審の審議過程でも、建議後の国会でも、裁量労働制の拡大が長時間労働にどういう影響を及ぼすのかについて、政府からまともなデータは一切示されてこなかった。出されたデータは捏造だった。ここに非常に重大な問題がある」と強調しました。

 志位氏は「比較してはならないものを『比較』して、“裁量労働制では一般労働者より労働時間が短い”とのデータを偽造した。誰が、どういう意図で捏造データをつくったのか、洗いざらい明らかにする必要がある」と述べました。

 さらに、「厚労省の責任はもとより重大だ」と述べると同時に、安倍晋三首相が捏造データを示して“裁量労働制の方が短い”との答弁を行い、答弁撤回後も「厚労省から上がってくる答弁を紹介した」「すべて詳細を把握しているわけではない」と人ごとのような言い訳に終始していることを批判。「内閣総理大臣というのは、役所から上がってきた答弁書を読むだけの存在ではない。自分の答弁として『捏造データ』を紹介しておきながら、『細かいところは知りません』『役所の紙を読んだだけです』では国会審議は成り立たない。総理自身も重い責任が問われている。国民に謝罪した以上、法案提出を断念し、調査することが総理としての責任の取り方だ」と強調しました。



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by daisukepro | 2018-02-23 12:24 | 労働運動

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 芸能人の不利益契約に思う 18/02/18

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

芸能人の不利益契約に思う 18/02/18

明日へのうたより転載

 「移籍制限 法違反の恐れ 公取委」「芸能人の契約慣行」(17日付『赤旗』)。「公正取引委員会の有識者会議は15日、芸能人やスポーツ選手らの契約で、事務所が移籍制限など不利な条件を一方的に設けることは独禁法違反の疑いがあるとの報告書をまとめました」。

 芸能人やスポーツ選手などいわゆるフリーランサ―の地位が不安定であることは昔から指摘されてきた。何故か。いろんな原因があるかと思うが、一番にはその人たちが労働者として扱われているかどうかが問題なのだとおれは思う。芸能人らと出演契約(おれは雇用契約だと思うが)を結んでいる芸能事務所などに労働者を雇用しているという意識がないのは分かる気がするが、当の芸能人本人にもその自覚がない場合が多い。

 そのことをきちんと指摘して労働者としての自立、権利の主張、組織化の方向を先駆的に打ち出したのが佐藤一晴さんだった。佐藤さんは東大仏文学学部の卒業。広告代理店に勤めたが会社倒産に直面し、潰した毎日新聞を相手取って労働争議を始める。争議解決後、音楽家の労働運動に身を投じ、例の日本フィル争議を勝利に導いた。おれは一晴さんが争議を始めた時からの付き合いだ。

 一晴さんにはいろんなことを教えられた。それまでおれは企業内労働運動しか知らなかった。それが個人加盟の産業別組合の世界に目を開かされた。当時喧嘩するのは職制かせいぜい会社の労務、狭い範囲の労働運動だった。おれの場合はそれで結構労働運動として通じたが、音楽家ともなるとそうはいかない。

 おれが都労委の労働者委員になりたての頃、一晴さんが持ちこんだ事件に「モンテ企画」があった。日唱という合唱団の契約にかかわる事件で、普通の労使紛争と性格を異にしていた。まず使用者であるモンテ企画が頼りない。都労委には弁護士に連れられて社長が来ていたがまるで話にならない。佐藤一晴さんのほうがどう見ても人物が上だ。和解を勧告しておどしたりすかしたりしながらなんとか解決させた。

 和解協定書に、経営者と労働組合が対等に協議して合唱団を経営して行くことが明記された。それだけ一晴さんたちの方に経営の責任がかぶさるのだが、音楽業界とはそういうところだということが分かった。争議解決後渋谷のスナックで開かれた解決パーティに招かれた。合掌団員の女性たちに感謝されていい気持になったことを思い出す。一晴さんはいい仕事をしているなと羨ましかった。

 確かにフリーランサ―の雇用安定は大切だが。まず芸能人たち自身が自らを労働者として自覚することが大切だと思う。それが古希を前に胃がんが亡くなった一晴さんの願いでもあったはずだ。


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by daisukepro | 2018-02-22 20:59 | 労働運動

主張 首相の答弁撤回 「働き方」法案の前提が崩れた

主張

首相の答弁撤回

「働き方」法案の前提が崩れた

 安倍晋三首相が「働き方改革」一括法案に盛り込む「裁量労働制」の拡大をめぐる自らの国会答弁を撤回して謝罪に追い込まれ、大問題になっています。撤回した首相の答弁は「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」という、法案の根幹にかかわるものです。答弁の根拠となったデータそのものが大うそだったのです。長時間労働を野放しにする裁量労働制の拡大などを盛り込んだ法案に道理がないことはいよいよ明白です。国会提出はきっぱり断念すべきです。

ずさんなデータを根拠に

 裁量労働制は、いくら長時間働いても、労使で事前に合意した分だけを働いたとみなす制度です。今でも裁量労働制は長時間労働の温床の一つとされており、それを拡大する法案には労働者、過労死遺族の人たちなどから厳しい批判の声が上がっていました。

 首相は先月29日の国会答弁で、裁量労働制の方が一般労働者より労働時間が短いと述べたのは、国民の批判をかわし、裁量労働制の拡大を合理化しようとしたものでした。それを撤回したとなれば法案の前提は成り立ちません。

 この答弁の基礎になったとされるデータは、厚生労働省の「2013年労働時間等総合実態調査」です。これをもとに首相は、企画業務型裁量制の労働者は1日9時間16分、一般の労働者は同9時間37分の平均労働時間になり、裁量労働制の方が一般の労働者よりも短いと主張しました。しかしこのデータは、本来なら比較できない数値を都合よく加工したものです。

 裁量制の労働者については、事業所が「労働時間の状況」として把握した時間です。これに対し一般労働者は、実際に働く「所定労働時間」より長い「法定労働時間」(8時間)に、時間外労働を足していました。一般労働者の労働時間を長く見せるために手を加えていたのです。しかも調査は労働者全体の平均値ではなく、抽出した「平均的な者」の労働時間であり、実態を正確に反映していません。

 裁量労働制の労働時間が長いことは多くのデータから明らかになっています。労働政策研究・研修機構が労働者から聞いた調査では、企画業務型裁量制の労働者の1カ月の平均労働時間は194・4時間に対し、一般労働者は186・7時間です。厚労省の労働基準局長は他に裁量労働制の方が短いというデータがあるのかと聞かれ「持ち合わせていない」と国会で答弁しています。根拠のなさは動かしようがありません。実態をねじ曲げたデータを使い、悪法を国民に押し付けようとする安倍政権の姿勢は到底許されません。

法案提出断念へ世論広げ

 安倍政権が今月末にも国会提出を狙う「働き方改革」一括法案は、裁量労働制の拡大だけでなく、「残業代ゼロ制度」の導入、過労死水準の残業の容認―など財界の要求に沿った「働かせ方大改悪」というのが実態です。首相はあくまで「働き方改革」一括法案を国会に提出しようとしていますが、あまりにも無反省です。

 しかし、追い詰められているのは安倍政権です。虚偽データをつくった安倍政権の責任を徹底追及するとともに、法案提出の断念を迫る世論と運動を国会内外で大きく広げる時です。



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by daisukepro | 2018-02-20 07:56 | 労働運動

労働調査、厚労相7日に不備把握 裁量制で野党「隠蔽」と批判

裁量労働制に関する厚生労働省の労働時間調査を巡り、加藤勝信厚労相は19日午後の衆院予算委員会で、集計方法に不備があることを7日に把握していたと明らかにした。調査方法などを精査した結果が公表された19日まで約2週間かかったことに対し、野党は「隠蔽だ」と批判を強めた。

 野党6党は国対委員長らの会談で働き方改革関連法案の提出は認められないとの認識で一致。菅義偉官房長官は記者会見で法案について「方針は変わらない」と述べたが、法案提出前から対立が深まった。

 厚労省は、2015年3月からこの調査結果を裁量制の時短効果を示す資料として使用していた。

(共同)


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by daisukepro | 2018-02-20 07:23 | 労働運動

時短の根拠は厚労省調査のみ 裁量制拡大は裏付けなく

 働き方改革関連法案に盛り込まれる裁量労働制を巡り、厚生労働省の調査結果に疑義が生じている問題で、同省がこの調査結果以外に、働く時間の縮減効果を示すデータを持っていないことが16日、分かった。政府はこれまで「裁量制の方が働く時間は短いというデータもある」と主張してきたが、客観的な裏付けが失われたことになり、野党の追及は必至だ。

 一方、自民党内でも中小企業の支援策について法案に注文が相次いでいる。厚労省は与野党双方への釈明に追われており、当初2月下旬を予定していた国会提出が、3月にずれ込む見通しだ。

(共同)

 14日の衆院予算委で裁量労働制をめぐる過去の発言について陳謝する安倍首相

 14日の衆院予算委で裁量労働制をめぐる過去の発言について陳謝する安倍首相


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by daisukepro | 2018-02-16 23:10 | 労働運動