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過労死ライン超 大半 経団連正副会長企業三六協定 「働き方」法 「残業上限」超過3割台止まり

過労死ライン超 大半

経団連正副会長企業三六協定

「働き方」法 「残業上限」超過3割台止まり

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 経団連の会長・副会長企業19社のうち、労働者に時間外労働をさせる際に結ぶ労使協定(三六協定)を調べたところ、過労死ラインを超えるのが16社(84%)にのぼることが分かりました。「働き方改革」一括法で、残業時間の上限規制である1カ月100時間未満の基準を超える企業は、7社(37%)しかなく、上限規制の実効性が問われる事態であることが分かりました。

 本紙が経団連などの役員企業の協定書について、各地の労働局に情報開示請求したものです。

 安倍政権が強行した「働き方改革」一括法は、月の残業上限として1カ月で100時間未満とし、過労死ラインの残業を容認しています。年間の残業上限は720時間ですが、休日労働を含めれば960時間までの残業を容認しています。

 各社の協定を見ると、最長が会長企業である日立製作所で、3カ月で400時間(1カ月133時間)と、深刻な長時間労働を可能にする協定です。

 年間の労使協定にかかわっては、上限規制の対象となる720時間を超えるのは8社(42%)でした。大成建設が1200時間、次いで日立、三菱重工が960時間となっています。

 1日の協定では、残業時間と所定労働時間を含めると、協定を提出した企業すべてが13時間超を可能とし、最長は日立の23時間、東京ガスで22時間45分などとなっています。一括法では終業から次の始業まで一定の休息時間を設けるインターバル規制が設けられず、これらの実態は野放しのままです。

 日月年のいずれでも「過労死」の根絶、長時間労働の是正にとって、一括法の実効性が問われています。

 三六(さぶろく)協定 労働基準法36条で定める時間外労働の労使協定。法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える残業や休日労働をさせる場合は協定を結び労働基準監督署に届け出が義務付けられています。


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by daisukepro | 2018-10-20 19:45 | 労働運動

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) この次は何かありそではしご酒 18/10/08

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

この次は何かありそではしご酒 18/10/08

明日へのうたより転載

 「はしご酒まづ一軒目秋の暮れ」(8日付『毎日俳壇』)。思わず笑っちゃった。まるで「吉田類の酒場放浪記」だ。そういえば吉田類の方も俳人だった。酒と俳句というのは相性がいいのかな。おれも昔よくはしご酒をした。20代は安保デモとはしご酒で過ぎた気がする。今考えれば幸せな時代だった。

 毎日新聞は1966年まで有楽町にあった。高卒で56年入社のおれは10年間ここに通った。有楽町はいつもはしご酒の一段目。駅前のすし屋横丁からすべては始まる。夕刊印刷が終わるのが午後4時、すぐ風呂に飛び込んでインクと油の汚れを落とす。4、5人の仲間と示し合わせて居酒屋の暖簾をくぐる。

 煮込みとイカ刺しを肴に渦巻正宗を湯呑で3杯。湯呑の底に渦巻の模様があるから渦巻正宗と呼ぶ。うまいからって4杯飲むとこちらの目ん玉が渦を巻いてぶっ倒れる。薬用アルコールが主成分の強烈合成酒だからだ。外へ出ると秋の夕暮れはまだ明るい。開通したばかりの地下鉄丸ノ内線に乗って新宿へ。

 今は丸の内線も銀座線も日比谷線もすべて銀座だが、当時は西銀座と言った。フランク永井の歌に「西銀座駅前・・・」という歌詞があるはずだ。ちなみに「有楽町で逢いましょう」は57年に駅前に開店したデパート「そごう」の宣伝のためにつくられた。「小雨に煙るデパートよ」というわけだ。

 おれたちのグループは61年までは池袋駅西口のマーケット街のトリスパーが根城だった。それが区画整理でマーケットが取り壊され、なじみの店が新宿花園に引っ越した。花園飲食街は「青線」と呼ばれていた。58年の売春禁止法で「赤線」(公認の売春街)もなくなったのだが、呼び名は残っていた。

 8人も座れば満員のカウンターだけの店でトリスのオンザロックを飲んだ。おれは酔うとまだはたちにならない店の子に人生論を吹っ掛けた。トリスバー従業員の労働条件改善のため労働組合をつくれとけしかけた。それに同調したのかみんなが狙っていた可愛い娘がおれとのデートをしてくれた。おれは夜勤、彼女の仕事が始まるまで新宿御苑の芝生に寝転んだりした。キスくらいしたのかな。

 当時おれは赤羽に住んでいた。はしご酒の最後の段はその赤羽だ。東口のすずらん通りから少し横丁へ入った小料理屋。おれより一回り年上の大柄で美人のママさんがツケで飲ませてくれた。――ママさんは肝臓を痛めて70歳を前にやせ細って死んだ。おれの人生はしご酒も最上段(その上は天国)に近づいている。
 
 


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by daisukepro | 2018-10-14 18:38 | 労働運動

2018年10月11日(木) シリーズ許すな「派遣切り」再来 直接雇用を実現 KBS京都労組

2018年10月11日(木)

シリーズ許すな「派遣切り」再来

直接雇用を実現

KBS京都労組

 多くの企業で派遣受け入れ期間の区切りとなる10月、KBS京都放送労働組合は、派遣労働者の女性組合員の直接雇用を実現しました。改悪された派遣法のもとでも、労働者と労働組合のたたかいで雇用を守る道を切り開いています。(田代正則)


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(写真)直接雇用になる平澤絵理さん

 3年前の2015年9月30日、安倍政権による改悪派遣法が施行され、派遣先企業は最長3年の派遣可能期間を職場単位で延長できるようになり、3年を超えても、派遣労働者を入れ替えれば、直接雇用を申し込まずに派遣を受け入れ続けられます。

3年で契約切り

 個々の派遣労働者にとっては、同一職場で3年までしか働けないため、改悪法施行から3年の区切りとなる10月以降、直接雇用されなければ、「派遣切り」が再来する危険があります。

 直接雇用されることになったのは、平澤絵理さん(36)。3年前の10月、KBS京都(京都市上京区、社員129人)に派遣され、働いていました。これまで事務作業など五つの職場に派遣されましたが、どの職場でも3年程度で契約打ち切りを繰り返してきました。

 平澤さんは、KBS労組から「直接雇用になった先輩がいる」と声をかけられ加入しました。

 改悪派遣法では、職場の過半数を組織する労働組合が派遣期間の延長に反対しても、会社はその意見を聴取さえすれば、延長を強行できます。

指針を最大活用

 KBS労組は、派遣労働者の行っている業務が放送局に欠かせないものであり、派遣は「臨時的・一時的業務」に限るという大原則に反すると強調。改悪派遣法のもとでも、派遣先企業に雇用の安定に配慮するよう求める指針があることを最大限活用し、組合員の直接雇用化を要求、交渉して実現しました。

 平澤さんは、「女性は年齢を重ねると、派遣の紹介先も減っていきます。職場には、直接雇用された先輩が一緒に働いているので私も働き続けたいと思っていました」と喜びます。

 リーマン・ショックに端を発した大量の「派遣切り」から10年。安倍政権の派遣法改悪から3年がたち、派遣労働者の入れ替えが再び大規模に開始される時期を迎えています。「派遣切り」の再来を許さない労働者、労働組合のたたかいをシリーズで追います。

安定雇用実現へ 労組の力

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(写真)KBS京都放送=京都市上京区

 KBS京都放送で、派遣労働者をへて10月から直接雇用になる平澤絵理さんの仕事は、放送前の映像をチェックする「プレビュー」と呼ばれる業務です。

 映像の乱れをはじめ、差別的な表現などもあれば問題提起します。「昔の映像には、今では使えない言葉が含まれていることがあります。最近も、バラエティー番組の出演者のTシャツに問題のある言葉が書いてあり、私が指摘して差し替わったことがありました」

経験と知識必要

 プレビューは、放送局の信頼にかかわる日常業務であり、派遣の原則である「臨時的・一時的業務」とはいえません。長く務めることで蓄積する経験と知識が重要です。ところが、KBSのプレビューは今年初めまで正社員2人と派遣労働者6人で行っており、経験の継承が課題になっていました。

 平澤さんは「3年で、やっと仕事が分かってきたところです。もっと長く働けばステップアップできます」と強調します。

 組合は、派遣期間の区切りとなる10月に、職場で最初に3年を迎える平澤さんを直接雇用にしようと準備を進めていました。

 8月28日、会社から組合へ派遣可能期間を延長したいと通知書が送られてきました。

 組合は意見聴取を受けるにあたって、何人の派遣労働者をどの部署のどんな業務につけているのか会社をただしました。

 放送局には23人の派遣労働者がいることが分かりました。このうち、すでに過半数の13人が組合に加入しています。

 組合は、派遣受け入れ期間の延長に反対し、直接雇用・無期雇用にすべきだと意見表明。平澤さんについても直接雇用の要求書を提出しました。

 9月18日、会社は職場での派遣受け入れ延長を表明する一方、個々の派遣労働者が働いて3年たち、労働組合から申し出があった場合は、直接雇用する方針だと答えました。

 平澤さんは「これまでの職場では労働組合の存在も知りませんでした。私たちの要望を聞いて取り組んでくれたのはKBS労組が初めてです」と話します。

派遣ゼロめざす

 KBS労組はこれまで13年に2人、14年に1人の派遣労働者を直接雇用に転換しています。

 組合は改悪派遣法に対抗して、16年春闘で、直接雇用化を継続するよう要求し、会社は「派遣社員の組合員について直接雇用の要求を出せばこたえる」と回答。直接雇用化制度ができ、今年4月に1人が直接雇用になりました。違法派遣の「偽装請負」で19年働いていた女性も、労働局に申告して是正され、今年から直接雇用になっています。

 古住公義副委員長は「派遣労働者を順次直接雇用にして『派遣ゼロ』をめざします。引き続き未加入者を組合に迎え安定した雇用を求めていきます」と話しています。

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by daisukepro | 2018-10-11 11:33 | 労働運動

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 「リーマンショック10年」に思う 18/09/15

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

「リーマンショック10年」に思う 18/09/15

明日へのうたより転載

 リーマンショックから10年になる。本15日付『毎日』は「負債64兆円世界震撼」「『最悪シナリオ』現実に」というタイトルで特集記事を組んでいる。リーマンショックの起こった2008年は本ブログの開設の年でもあった。おれは懸命に世界金融危機と日本の労働運動について綴った。

 フランスで「カジノ資本主義」を批判する10万人以上のデモ。世界中で労働者が立ち上がっているのに日本の労働組合は静か過ぎるのではないか(2008年10月1日付)。
 「トヨタでは期間労働者が世界不況を理由に情け容赦なく首を切られている」「(労働者の入っていた)寮の玄関には、仲間の布団が山積みになっている」「寮はゴーストタウンだ」。(10月24日付)

 「トヨタ3000人、ホンダ270人、日産1500人、スズキ600人、三菱自1100人、いすゞ1400人の非正規労働者が切り捨てられようとしている。労働組合は知らん顔だ」(12月1日付)。
 『赤旗』はトップ、一般紙でもかなりのスペースで「いすゞ非正規社員の労組結成」を報じた。NHKニュースでも。たった4人の組合結成がこれだけの関心を持たれたのは凄いことだ。(12月7日付)。
 「キャノンの非正規労働者でつくるキャノン非正規労働組合が22日、都労委に不当労働行為救済申立てをした」。請求内容は①6人の組合員を正社員と認める、②不誠実団交の是正。(12月23日付)

 『いすゞ、中途解雇撤回 期間社員550人 世論と運動で前進』(『赤旗』)『いすゞ途中解雇撤回 期間工の550人 契約延長はなし』(『毎日』)。今後に残された課題も大きいが、苦しいたたかいに立ち上がった労働者に確信を与える大きな前進だ。JMIUいすゞ支部の松本浩利委員長も「人員削減の姿勢は変わっていない。期間工の正社員化、派遣社員の解雇撤回などを求めて引き続きたたかう」と決意を述べている。4人で発足した同組合が25人に増えているのが頼もしい。(12月26日付)

 「今年労働組合そのものがみんなの関心事になった。いすず自動車やキャノンで新しい組合ができるとマスコミが押しかけた。派遣や期間工を組織した小さな組合の委員長がとつとつと会社への恨みを語る顔がテレビの画面に大写しになった。労働組合は労働者が生きるための『砦』であるという当たり前の真実が国民共通のものになったのだ」。激動の1年をおれは希望をもって締めくくった。(12月30日付)


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by daisukepro | 2018-09-21 07:50 | 労働運動

今回の沖縄知事選だが、13日に告示されるや翌日から期日前投票の列が投票所を取り巻くのではないだろうか。戸塚章介ブログより

沖縄知事選の告示が2日後に迫った。翁長知事の後継者玉城デニーにぜひ勝ってもらいたい。それにしても気になるのは公明党である。この党は前回翁長知事当選の14年知事選では自主投票だった。今回は自民党とがっちり組んで元宜野湾市長の佐喜眞淳を推している。その推し方が半端じゃない。

 そこで思い出すのが2006年11月19日投票の沖縄知事選である。立候補は3人だったが事実上野党統一候補の糸数慶子と自公推薦の仲井真弘多の一騎打ちだった。事前の予想では51%対47%で糸数、投票日当日の出口調査では両者の差がさらに開いて55対40で糸数有利と出た。ところが結果は30万票対34万票で糸数の負け。当事者だけでなく日本国中があっけにとられたのである。

 「公明党の力の入れようは異常でした。太田昭宏代表、北川一雄幹事長のトップ2人がそろって現地入り。太田代表は2回も入っています。自ら総決起大会を開催し、『我々軍団が立ち上がって負ける戦いはない』と支持を訴えている。恐らく全国の創価学会員が動いたはずです。(中略)仲井真と糸数の差は、34万票対30万票と、わずか4万票だった。沖縄には公明票が7万票近くある。創価学会・公明党の動きが勝敗を決したのは確かです」(選挙直後の『日刊ゲンダイ』に載った政治評論家・本澤二郎氏のコメント)。

 公明党の票固めに威力を発揮したのが03年に施行された期日前投票だと言われている。沖縄知事選では初めての適用である。この選挙では前からあった不在者投票を大きく上回り期日前投票が11万606人になった。有権者の10%、全投票者の16%を超える。これが当日投票の出口調査を覆した原因であったことは間違いない。投票当日の出口調査で仲井真票が少なかったのは、期日前投票で既に投票箱に入っていたからだった。
 
 さて今回の沖縄知事選だが、13日に告示されるや翌日から期日前投票の列が投票所を取り巻くのではないだろうか。候補者の政策も聞かず、選挙公報も見ずに黙々と誰かから指示された名前を書いて一票を投じる、そんな光景が目に浮かぶ。これでは知事選に与えられた17日間の選挙運動期間が何の意味もなくなってしまう。期日前投票を票固め、票の抱え込みに利用する公明党の動向をきっちり監視する必要を強く感じる。



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by daisukepro | 2018-09-12 21:46 | 労働運動

郵便配達、土曜日取りやめ検討 人手不足や需要縮小で

 総務省がはがきや手紙など郵便物の配達を原則、月曜日から金曜日の平日に限定し、土曜日を取りやめる方向で検討していることが11日、分かった。全国一律サービスの維持のために人手不足や需要縮小に対応し、日本郵便の負担を減らす。民営化後、収益向上を模索する日本郵便の経営改善につながりそうだ。総務省の有識者会議で日本郵便や利用者側の声を聞き、将来的な郵便法の改正を目指す。

 現状では土曜日の配達に配達員に加え内勤職員などが求められるため、人件費上昇と合わせて大きな経営負担となっていた。人手不足による採用難も、現場の負担を大きくさせていた。

(共同)

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by daisukepro | 2018-09-11 22:20 | 労働運動

「夢の国」着ぐるみの内側は?過労やパワハラ 東京ディズニーランド

「夢の国」着ぐるみの内側は?過労やパワハラ、社員訴え

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 東京ディズニーランド(千葉県浦安市)で着ぐるみに入ってショーなどに出演する女性社員2人が、運営会社の労務管理に問題があるとして裁判を起こした。テーマパークのキャラクターに扮して夢を売る働き手が、自らの労働環境について声を上げるのは異例だ。何があったのか。

 「憧れの仕事なので、ずっと我慢してきました。でも耐えきれません」。7月19日に千葉地裁に提訴した原告の契約社員の女性(38)は、そう打ち明けた。


 5年以上にわたり、上司からパワーハラスメントを受けていたと主張。安全に働ける職場環境をつくる義務を会社が果たしていないとして裁判に踏み切った。パワハラの背景に、過酷な労働環境によるゆとりの欠如があると訴えている。

 訴状などによると、きっかけは2013年1月ごろ。着ぐるみのキャラクターに扮し、客にあいさつをして回る「グリーティング」業務の最中に、男性客に右手の薬指を無理やり曲げられ、けがをしたことだった。

 労災申請をしようとすると、上司に「それくらい我慢しなきゃ」「君は心が弱い」と返された。役の変更を申し入れたが、「わがままには対応できない」と取り合ってもらえなかったという。ぜんそくの症状が出るとして楽屋の環境改善を相談したときにも、「病気なのか、それなら死んじまえ」「30歳以上のババァはいらねーんだよ」と突き放されたとしている。

 女性は1回約30分のショーに1日5回ほど出演し、半屋外のステージから楽屋に帰ってくるたびに水を飲む手が震えるほどの疲労を感じたという。夏は酸素不足のサウナで踊り続けるような息苦しさだと訴える。

 人員が少ないため、けがをしたり、体調を崩したりしても、容易に休みにくい雰囲気があると女性は思っている。「無理なく働ける環境がパワハラを無くすためにも必要だと思います」

 もう一人の原告である契約社員の女性(29)の訴えは、着ぐるみでの過重労働を続けた結果、日常生活に支障をきたす疾患になったのに、会社が責任を認めず、業務を改善していないというものだ。

 訴状などによると、女性は15年2月に入社後、総重量10~30キロの着ぐるみを身につけ、屋外のパレードやショーに出演。16年11月ごろから左腕が重く感じ、手の震えが止まらなくなったが、休みを取りにくく、16年11~12月のパレードの出演回数は計50回に上った。

 17年1月に症状が悪化し、腕をあげると激痛が走り、手の感覚がなくなったという。病院で診察を受け、神経や血流の障害で痛みが出る「胸郭出口症候群」と診断された。17年8月には労災認定を受けた。

 女性は今、休職中で復職を希望し、「会社側には業務の質や量を見直してもらいたい。このままでは同じような症状に苦しむ人が出るかもしれない」と話す。

(朝日新聞デジタル 20180901 1704分)



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by daisukepro | 2018-09-01 20:55 | 労働運動

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) イタリアは10時間以上の運転禁止だよ  18/08/27

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

イタリアは10時間以上の運転禁止だよ  18/08/27

明日へのうたより転載

 「ハンドルクライシス 倒れる運転手たち」のタイトル。『赤旗』の連載企画。26日の第一回は「12日間連続勤務繰り返し」「宮城交通バス事故」「運転手不足 無理なやりくり」の見出しで、「4週間で281時間超という過酷な勤務の末、運転中に意識を失い死亡した宮城交通の運転手=当時(37)=」の事例を取り上げている。この事故は14年3月3日午前5時に起きた。

 「仙台市から石川県の加賀温泉に向かう26人乗りの宮城交通(仙台市)の夜行バス。北陸自動車道の蓮台寺サービスエリアで運転手が交代して100キロになるころからバスはガードレールに衝突を繰り返しました。そしてバスは小矢部川サービスエリア(富山県)に進入。休憩のため駐車していたトラック2台に衝突して止まりました」。運転手と乗客1人が死亡、24人が重傷、2人が軽傷を負った。

 『赤旗』に運転手Aさんの2月1日から3月3日までの勤務表が載っている。それによると、拘束10時間以上が18日で休みは3日しかない。ドライブレコーダーには「うなだれたように頭を下げた状態で座る」Aさんが写っていたというが、過労による心神喪失であることは明らかだ。

 この勤務表を見ていて思い出したのは3年前に行ったイタリアのナポリからシチリア島への旅行だ。シチリアに入って5日目、あちこち見学して午後7時にシチリア最大の都市シラクーサに着いた。部屋に荷物を置いただけで7時20分ロビー集合。海岸べりのレストランで夕食だ。レストランまではバスで行った。

 おいしい海鮮料理と白ワインで宴席は盛り上がった。さて帰ろうとしたらホテルまでの1.5キロは歩くしかないという。運転手さんもレストランで食事しており、同じホテルに泊まる感じなのに何故バスは駄目なのか。女性ガイドの説明によると「イタリアの運転手は労働時間が1日10時間までと決められている。今朝10時に出発したから8時までしか運転できない」ということなのだ。

 道案内は当の運転手さん。彼もワインを飲んだらしく陽気に鼻歌などうたう。初夏のシチリア・シラクーサの海岸、海から届く夜風に頬をなでられながら気分満点だ。20分ほどでホテルに着いて運転手さんに握手で感謝。「明日も安全運転でよろしくお願いします」。その後おれの部屋に集まって「反省会」と称してワインをがぶがぶ飲んだのは言うまでもない。労働者が大切にされている国ってやはりいいよな。
 


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by daisukepro | 2018-09-01 00:50 | 労働運動

「派遣切り」の危険 3年期限来月30日 直接雇用・正社員化が焦点に

「派遣切り」の危険 3年期限来月30日

直接雇用・正社員化が焦点に

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 改定労働者派遣法の施行から3年となる9月30日を機に、派遣労働者が「雇い止め」される危険が浮上しています。派遣受け入れの3年の期間制限が来るからです。「派遣切り」を許さず、直接雇用・正社員化のたたかいが焦点となっています。

 労働者派遣とは、ある使用者が雇用する労働者を、第三者の指揮命令下で働かせることです。

 労働者を送り込んで働かせることは戦前、「口入れ」と呼ばれた「人貸し業」にあたるため戦後、職業安定法で禁止されました。

 そのため、1986年に労働者派遣として合法化されるにあたっては、対象者が広がらないことや、正社員の代替にならないようにするため、対象業務を限定していました。

 しかし、財界の要求を受けて1999年と2003年に派遣法が大改悪され、製造業にまで解禁されるなど派遣労働者は大きく増加しました。08年には、リーマン・ショックを理由に大量の「派遣切り」が行われ、救援の「年越し派遣村」が設置されるなど大きな社会問題になりました。

 これを受けて民主党政権下の12年に一定の改定が行われました。ところが、自民党政権になると15年に大改悪を行い、9月30日から施行されました。

 この改悪では、さまざまな「抜け穴」がありながらも派遣期間は業種を問わず3年に制限されました。9月末で施行から3年を迎えることから、派遣先に直接雇用されるか、雇い止めされるかの岐路に立つ労働者が多数います。「派遣切り」が多発する可能性もあり、労組や弁護士、学者らは「2018年問題」と呼んで、たたかいを呼びかけています。

安易な延長認めず

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(写真)派遣法改悪案に反対してシュプレヒコールをあげる雇用共同アクションの人たち=2015年9月3日、参院議員会館前

 15年改定では、それまでの「業務単位の派遣期間の制限」は廃止され、(1)事業所単位(2)個人単位での二つの制限に変わりました。

 派遣先が同一事業所で派遣労働者を継続して受け入れることができる期間は原則3年となりました。ただし、派遣満了の1カ月前までに過半数労組などの意見を聴取すれば期間を延長できます。異議が出されても、検討し説明すればよいとされています。しかし、意見は十分尊重するよう努めなければならないと指針で定めており、「労働者の意見を無視して延長するな」と迫ることが重要です。

 また、「個人単位の期間制限」により、3年を超えて派遣を受け入れる場合、派遣労働者を入れ替えるか、所属組織(「課」など)を変えれば、永続して派遣を利用できるようになりました。

 しかし、派遣は臨時的・一時的なもので、常用雇用に代わるものではないことが原則です(派遣法25条)。派遣期間が来てもなお派遣労働が必要な場合、派遣期間を延長するのではなく、その派遣労働者を直接雇用することが求められます。

 15年改定では、派遣元が派遣労働者に対し「雇用の安定措置」を取ることが義務付けられました。(1)派遣先に対し直接雇用を求める(2)新たな派遣先の提供(3)派遣元で派遣以外での無期雇用(4)有給での教育訓練など―です。直接雇用は派遣先の努力義務にとどまるなど不十分ですが、活用することができます。

 また派遣元には、「段階的かつ体系的な教育訓練」、正社員化や能力向上に関する相談を行う「キャリアコンサルティング」などが義務付けられました。派遣先には正社員募集の際、派遣労働者に周知することも義務付けられました。これらも活用しながら、直接雇用・正社員化を実現させることが必要です。

違法なら直接雇用

 また、12年改定では一定の場合に派遣先への直接雇用を義務付ける規定(労働契約申し込みみなし制度)が設けられ、15年10月から施行されています。

 派遣先が、(1)派遣禁止業務(港湾運送など)に従事させる(2)無許可の事業主から派遣を受け入れる(3)事業所単位の期間制限に違反(4)個人単位の期間制限に違反(5)偽装請負(派遣の規制を逃れるために請負を装う)―の場合に適用され、派遣先が派遣労働者に直接雇用を申し込んだものとみなされます。労働者がこの申し込みを承諾すれば、労働契約が成立し直接雇用されます。

 ただし、直接雇用の労働条件は、「派遣元と同一」とされており、有期契約の場合は、直接雇用されても有期契約のままであり、期限が来れば雇い止めされる危険があります。労働契約を無期契約にするなど派遣先の正社員と同一の労働条件にさせることが重要となっています。





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by daisukepro | 2018-08-25 23:04 | 労働運動

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員) 「生産性」をテコにした労働者弾圧の歴史 18/08/06

戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

「生産性」をテコにした労働者弾圧の歴史 18/08/06

明日へのうたより転載

 自民党の杉田水脈(みお)衆議院議員が同性愛のカップルを「生産性がない」と決めつけて大問題になっている。昨夜も渋谷で抗議集会が行われ、若者をはじめ大勢が参加した。同性愛を認めないのも酷い話だが、おれは政治家が人間の多様な生き方を否定することが根本の問題でと思っている。

 それはそれとしておれがここで取り上げたいのは彼女が使った「生産性」という言葉についてだ。最近、「働き方改革法案」と絡んで「生産性」という言葉がよく出てくる。日本の生産性が低いのは年功序列のせいだから成果型に制度を変えなければならない、というわけだ。

 財界から生産性と働き方の関係が最初に提起されたのは1950年代だからもう60年も昔になる。当時の日経連の肝いりで1955年に「日本生産性本部」が設立された。この生産性本部がまずやり玉に挙げたのが年功序列賃金である。大して仕事をしてなくても勤続年数で賃金が上がるのは不合理だという理屈で、職務・職能給の導入を促した。これをいち早く取り入れたのが独占大手の鉄鋼と電機産業である。

 ときあたかも60年安保闘争を挟んだ労働運動高揚期。日本経済は高度経済成長の真っただ中。元気のいい労働運動か経済成長の恩恵で脇の甘くなっている経営者を圧倒した。これではいけない、日経連は必死に対抗策を考えた。それが生産性向上運動である。職務・職能給のほかに提案制度とかHR(ヒューマンリレーションズ)運動とかが職場で実施された。生産性の物差しで労働者の選別差別が厳しく行われた。

 生産性が上がれば賃金も上がるという理屈はそれなりに説得力があった。ストを打って賃金を上げるより生産性を挙げた方が賃上げへの近道ではないか。「豚は肥らせて食え」というわけである。こうして労使協調の労働組合が、鉄鋼、造船、自動車、電機などの基幹産業に生まれていった。
 
 そしてついにたたかう労働組合を潰すことが生産性向上の早道だということになる。それが職場で顕著に表れたのが国鉄のマル性運動である。1970年、国鉄当局は職員管理室と能力開発課を設置し管理職が中心になって、それまでの労働慣行の破棄、職場団交権権の否定に狂奔した。国労はこの時の反マル生闘争では勝利したが、15年後の国鉄・民営分割で組織攻撃を受け少数組合に突き落とされる。痛恨の歴史だ。

 「生産性」という言葉を使った資本・国家権力の攻撃は今も昔も変わらない。問題は労働者・国民がそれにとう立ち向かうか、ということだとおれは思う。
 
 

 


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by daisukepro | 2018-08-18 11:42 | 労働運動