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カンヌ最高賞受賞 是枝監督作品 日本の諸矛盾あぶり出す

カンヌ最高賞受賞 是枝監督作品

日本の諸矛盾あぶり出す

 カンヌ国際映画祭は、ベネチア、ベルリンと並ぶ世界3大映画祭の一つ。これまでパルムドールに輝いた日本人監督は、「地獄門」(1954年)の衣笠貞之助、「影武者」(80年)の黒沢明、「楢山節考」(83年)と「うなぎ」(97年)の今村昌平の3人です。

 今回の受賞作「万引き家族」は、ビルの谷間に住み、万引きで生活費を得る“一家”を描きます。両親をリリー・フランキー、安藤サクラが演じ、樹木希林、松岡茉優(まゆ)の各氏らが出演。血縁のない人たちが絆をむすぶ姿を描き、貧困や日本の抱える諸矛盾をあぶり出しています。

 是枝裕和監督は、大学卒業後、テレビマンユニオンに参加し、水俣病担当官僚の自殺の真相に迫るドキュメンタリー「しかし…」(1991年)を初演出。「忘却 憲法第九条―戦争放棄」(2005年)で政権の自衛隊イラク派兵への怒りを感じさせました。

 1995年、「幻の光」で劇映画初監督。「誰も知らない」(04年)では、社会が置き去りにした子どもたちに光を当て、時代劇「花よりもなほ」(06年)には復讐の連鎖を断つ願いを込めました。「そして父になる」(13年)、「海街diary」(15年)、「海よりもまだ深く」(16年)など家族の人間模様を掘り下げる秀作を発表。昨年の「三度目の殺人」は、日本アカデミー賞最優秀作品賞など6部門で受賞。裁くという行為がはらむ怖さを描く底に今の時代への批判がありました。

 メディアの動向への真摯(しんし)な発言を続け、本紙にもたびたび登場。「時代の問題点をきちんと問題意識にすえたい」と語っています。(児玉由紀恵


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by daisukepro | 2018-05-21 14:48 | 映画

賃金が低い映画業界。20代の子がきちんと生活できる賃金を

僕たちの仕事は「無知ゆえに不幸になる人を減らす仕事」

——『三度目の殺人』は、役所広司さん演じる「三隅(みすみ)」が、殺したのか殺していないのか、最後までわからないまま終わる映画でした。言語化された結果や数値化された価値が重宝される時代のトレンドもある中で、真逆をいくような展開だと感じました。どうして、はっきり答えを見せてくれなかったんでしょうか。


その方が面白いでしょう(笑)。

僕は、曖昧さの中にむしろ本当があると思っている部分があります。そんなに全部、何から何まで答えが出るわけじゃないから、本来は。

答えが出ない曖昧さからどうしたって逃れられない人間が、ある種の絶対的な裁きを下さなければいけないから、司法というシステムがあるんです。

そして、私たちは社会の中に生きている責任として、そのシステムを受け入れているということに気付くべきだし、自覚的になるべきだと思っています。


——結論を出して前に進んでいくために私たちはシステムを受け入れている。人々がそういったことに「自覚的」になった方がいいのはなぜでしょうか。

自覚しないと成長しないからじゃないですか?

世界が完全なものではないって気付くことが、大人になることだと思うので。世界は完全ではないし、私は全能ではない。それに気付くのが大人。

今、どんどん色んなものが幼稚化しているから、そのことに気付かない方が幸せだっていうような空気もあるかもしれないけど。


——色々なことに気付いてしまうことで、生きるのが辛くなったりする人もいるかもしれません。人は、社会やシステムに自覚的であるべきか、そうでないべきか...。私たちも日々、情報発信をする中で葛藤してしまいます。

もちろん気付くことで不幸になる人もいるけれど、(映画監督をはじめとする表現の仕事は)知らせることで、不幸になる人を少なくする職業だと思いますよ。気付かない方が、自分個人は幸せかもしれないけど、自分が気付かないことによって不幸になっている人がいるってことには気付くべきだと思う。


賃金が低い映画業界。20代の子がきちんと生活できる賃金を

——監督は以前インタビューの中で「起きている時間の8割は仕事している」とおっしゃっていました。「働き方改革」が叫ばれ、「ワークライフバランス」が重要視される昨今において、是枝監督は「ワーク=ライフ」といった感じがします。

そうですね。それがあまり苦にならないので。

ただ、僕はたまたま労働に喜びを感じられるような、非常に恵まれた形で仕事をしていて、お金をもらえているけれども、全ての人がそう感じられる職業に就いている訳でもない。だから、たまたま恵まれた自分が、自分の基準で、「働くって楽しい」とか「働くことと生きることがイコールであるべきだ」っていうのは傲慢だなと思っている。

——映画監督のようなクリエイティブな仕事には、「作品を作る」楽しさがあり、ワークライフバランスのあり方が違う、という一面もあるのではと思います。

クリエイティブな仕事をしているから楽しくて、そうじゃない仕事は辛いっていうのは間違っていると思っています。必ずしも「ワーク=ライフ」になるかどうかは別の話だけど、どんな職業であれ、喜びを見出すことはできるんじゃないかな。

僕がこの仕事を始めてテレビマンユニオンという会社に入った時に、音楽プロデューサーだった萩元晴彦さんに最初に言われた言葉があって。「世の中には、クリエイティブな仕事とそうでない仕事があるわけではなく、仕事をクリエイティブにこなす人間と、こなせない人間がいるだけである。それは態度の問題だ」という言葉なんだけど、それが結構強烈に残っている。

確かに、クリエイティブな態度で仕事に向き合っている人に出会うと感動しますよね。コンビニのレジの人だってそうだし、タクシーの運転手さんだってそう。

だから、僕は、働くということに喜びを見つけていくということは、あらゆる職業で可能だろうなとは思いますよ。



——「どんな仕事か」より「どんな風に仕事に向き合っているか」が、面白さややりがいを感じながら働く上では重要なんですね。

そうですね。それから僕はね、「それでメシが食える」ってすごく大事だと思っているんですよ。

——「それでメシが食える」というのは...

「面白いんだから食えなくてもいいだろう」というのは無責任だから。この業界の現場で働いている20代の子たちって、本当に最低賃金に満たないくらい賃金が低い。それは、やっぱり何とかしないといけないなと思っているわけです。

自分がこの業界で、曲がりなりにも食ってきて50を超えた以上、少なくとも今20代の子たちが、この仕事をしてきちんと生活できる賃金を払えるような現場を提供しようと思っている。そこは、責任があると思うから。

「よかったね、仕事が楽しくて」じゃだめですよね。食えなくても才能のあるヤツはやるかっていうと、多分やらないから。僕は、食えるって大事なことだなと思っているわけです。


既成の配給会社や放送局はもっと危機感を持つべき

——若い世代の人たちがこれから映像作品を撮っていくようになった時には、Amazon PrimeNetflixといったネット配信もどんどん増えるのかなと思います。明石家さんまさんがNetflixCMに出演し「(ネット配信は)ライバルやからな」とそのジレンマを語っていました。是枝監督は、ネット配信サービスについてどう思いますか。

選択肢が増えるのは、作り手にとってはいいことだと思いますよ。

彼らの持っている予算は、桁が違う。しかも最終的に、コンテンツの権利が制作側に戻ってくるというメリットもあります。今のバブルがどこまで続くかわからないけれど、この状況に対して既成の配給会社や放送局は、もっと危機感を持った方がいいと思う。このままだと作り手はどんどんそっちに流れていくと思いますよ。




——是枝監督ご自身も、ネット配信用のコンテンツ制作には興味がありますか。

自分が本当にやりたいと思っている映像作品の内容がすごくハードなものだと、既成の放送局や大手配給会社では、保守化していて企画が通らない。そうするとNetflixAmazonに企画を持って行った方が通るんじゃないかなという状況ではあります。

劇場公開を捨ててでも、やりたい企画を映像化することを選ぶのかどうなのか...、今はそういう時期だと思います。

ただ正直なことを言うと、今のところは劇場公開が前提になっていないものはそんなに惹かれないですね。僕は、映画館っていう場所が好きなので。

——ネット配信サービスを使ってスマホで映画を見たり、通勤時間に細切れで楽しんだりするユーザーも増えている気がしますが、是枝監督は、映画館のどんなところが好きなんでしょうか。

みんなで見るのがいいんじゃないかな。出かけて、暗い空間に2時間いるということは、やっぱり日常とはだいぶ違う気がします。

だから、そういう映画館の体験がベースにある人間は、ネット配信での映画視聴にはどうしたって抵抗を感じるんじゃないかな。

ただ、そういう抵抗感を感じない人たちも映画を作り始めるだろうから、そうなった時に、劇場公開にこだわらない映像作品の作り方は出てくると思いますよ。多分その頃にはもう僕は撮っていないと思うんですけど。

僕はそういう意味でいうと、一世代前の作り手として、キャリアを終えていくんじゃないかな。

と言っておいて、すぐネット配信でつくったりするかもしれないね(笑)。


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by daisukepro | 2018-05-20 12:40 | 映画

家族の絆や幸せとは何かを問いかける。日本での公開は6月8日。

 フランス南部カンヌで開催されていた第71回カンヌ国際映画祭は19日夜(日本時間20日未明)、最高賞「パルムドール」に是枝裕和監督(55)の「万引き家族」を選出して閉幕した。配給会社が発表した。

 日本映画のパルムドール受賞は、1997年「うなぎ」(今村昌平監督)以来、21年ぶりの快挙。

 「万引き家族」は、家族ぐるみで万引きを繰り返すことで日々の生活を維持し、絆を強めていくゆがんだ一家の物語。

 日雇い労働者の治(リリー・フランキー)と、パート先をリストラされた妻の信代(安藤サクラ)、学校に通わない息子の祥太=城桧吏(じょう・かいり)、信代の妹で風俗店勤務の亜紀(松岡茉優)、家の持ち主の祖母・初枝(樹木希林)-の苦しくも楽しい日常がスリリングに描かれ、家族の絆や幸せとは何かを問いかける。日本での公開は6月8日。

 是枝監督は早稲田大学を卒業後、番組制作会社に入社。家族をテーマにした作品が多く、俳優の自然な演技を引き出す演出手法で知られ、子役の演出には定評がある。「誰も知らない」(2004年)では当時14歳の柳楽優弥さん(28)に同映画祭史上最年少の男優賞をもたらした。13年には「そして父になる」で審査員賞を手にしている。


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by daisukepro | 2018-05-20 12:00 | 映画

第71回カンヌ国際映画祭 是枝裕和監督(55)の「万引き家族」が最高賞「パルムドール」に輝いた。

日本映画の血脈、今村昌平監督に続いて ここに輝く(発見の同好会)

【カンヌ共同】フランス南部での第71回カンヌ国際映画祭の授賞式が19日開かれ、コンペティション部門でz。世界三大映画祭の中でも最高峰のカンヌで日本映画が同賞を受賞したのは、今村昌平監督の「うなぎ」(1997年)以来21年ぶりで5作目。

 カンヌで是枝作品は2004年に「誰も知らない」の柳楽優弥さんが男優賞を、13年に「そして父になる」が審査員賞を受賞。日本作品の最高賞は他に、衣笠貞之助監督の「地獄門」(54年)、黒沢明監督の「影武者」(80年)、今村監督の「楢山節考」(83年)。


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by daisukepro | 2018-05-20 10:33 | 映画

第68回ベルリン国際映画祭で23日(日本時間24日)、行定勲監督の「リバーズ・エッジ」が国際批評家連盟賞を受賞

【ベルリン共同】世界三大映画祭の一つ、ドイツで開催中の第68回ベルリン国際映画祭で23日(日本時間24日)、行定勲監督の「リバーズ・エッジ」が国際批評家連盟賞を受賞した。行定監督は2010年にも「パレード」で同賞を受賞しており、日本作品としては14年の坂本あゆみ監督の「FORMA(フォルマ)」以来4年ぶり。

 「リバーズ―」は岡崎京子さんの漫画が原作で、女優の二階堂ふみさんらが出演。高校生たちのむき出しの欲望や孤独感、寂しさなどを、セックスや暴力シーンを交えて大胆に表現した。

 行定勲監督

 行定勲監督


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by daisukepro | 2018-02-24 10:57 | 映画

大杉漣さんが急死 66歳 急性心不全 

大杉漣さんが急死 66歳 急性心不全 名バイプレーヤーとして人気

2/21(水) 20:32配信

スポニチアネックス

 「ソナチネ」や「HANA―BI」など、北野武監督(71)の映画をはじめ、数多くの作品で存在感を示した俳優の大杉漣(おおすぎ・れん、本名大杉孝=おおすぎ・たかし)さんが21日、急死した。66歳。徳島県小松島市出身。

【写真】「バイプレーヤーズ」で存在感のある演技を見せていた大杉さんだったが・・・

 所属事務所が「弊社所属の大杉漣が、2018年2月21日午前3時53分に急性心不全で急逝いたしました」と公式ホームページで発表。葬儀は本人、家族の意向により親族のみで執り行うとし、「これまでお世話になりました共演者、スタッフならびに関係者、応援してくださったファンの皆様におかれましては、生前のご厚誼を深謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます」と記した。

 明治大を中退し、1974年転形劇場入団。80年に高橋伴明監督「緊縛いけにえ」で映画デビュー。84年以降舞台活動に専念するも88年の転形劇場解散によりフリーになり、90年から再び映画、テレビで活躍。93年に北野武監督の映画「ソナチネ」に出演し、注目を浴びた。

 以来、北野作品の常連で、98年同監督の「HANA―BI」と崔洋一監督の「犬、走る DOG RACE」で映画賞の助演男優賞を総なめに。その後も映画、ドラマで活躍。昨年1月には日本テレビ系「ぐるぐるナインティナイン」の人気コーナー「グルメチキンレース・ゴチになります!18」のレギュラーとなり、同年8月24日に自身初のピタリ賞を出すと翌週9月7日放送分でもピタリ賞を出し、ゴチ史上初の2週連続ピタリ賞として話題になった。故郷をホームとするサッカーJ2リーグ・徳島ヴォルティスの熱狂的なサポーターとしても知られる。


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by daisukepro | 2018-02-21 22:56 | 映画

J・ギャビン氏死去…映画「サイコ」俳優

J・ギャビン氏死去…映画「サイコ」俳優

ジョン・ギャビン氏=1967年11月20日、ローマ(AP)

ジョン・ギャビン氏=1967年11月20日、ローマ(AP)【拡大】

 ジョン・ギャビン氏(米映画俳優、元駐メキシコ大使)AP通信などによると、9日、米カリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で死去、86歳。死因は不明。

 31年、ロサンゼルス生まれ。スタンフォード大でラテンアメリカの経済史などを学んだ後、海軍で兵役。映画界に進み、ヒチコック監督の「サイコ」やキューブリック監督の「スパルタカス」などに出演、70年代には映画・テレビ俳優らでつくる映画俳優組合の代表に。スペイン語、ポルトガル語に堪能で、レーガン政権下の80年代には駐メキシコ米大使を務めた。(共同)


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by daisukepro | 2018-02-10 20:25 | 映画

岩波ホール(東京・神田神保町)が来月九日で開館五十周年

全国のミニシアターの草分けとなった岩波ホール(東京・神田神保町)が来月九日で開館五十周年を迎える。隠れた名画を発掘してファンを魅了し、映画文化の灯を守り続けてきた。同三日からは記念上映の第一弾「花咲くころ」を公開。支配人の岩波律子さん(67)は「今年も他では見られない映画をそろえた。映画は心の栄養になるということを若い人にも伝えていきたい」と意気込む。 (猪飼なつみ)

 ホールの入り口付近には、これまで上映した二百四十五作品のチラシがすべて張り出されている。場内は二百二十の赤い座席が並び、七角形の天井が歴史を感じさせる。

 ホールは、律子さんの父親で、岩波書店元会長の雄二郎さん(一九一九~二〇〇七年)が私財を投じて、一九六八年に多目的ホールとして開館。「いいことなら何をやってもいい」という方針で、義妹の高野悦子さん(二九~二〇一三年)に総支配人を任せた。

 映画に特化するようになったのは一九七四年二月。外国映画の輸入と日本映画の海外普及に尽力した川喜多かしこさん(〇八~九三年)が、インドの名匠サタジット・レイ監督の「大樹のうた」を上映する劇場を探していて、高野さんと意気投合。二人で名画を上映する運動「エキプ・ド・シネマ」(フランス語で「映画の仲間」の意味)を立ち上げた。

 この運動は「日本では上映されることのない第三世界の名作を紹介」「欧米の映画でも大手が取り上げない名作の上映」などを目標に掲げ、数々のヒットも生み出す。テーマごとの特集上映などを除いて、これまで公開された作品は五十五カ国・地域に及ぶ。

 律子さんは「迷ったとき、いつもこの目標に照らして考える」と話す。今も、なるべく社員十人全員が作品を見て話し合い、動員を見込めるかどうかよりも「この作品が良かった」という純粋な感覚を大切にしているという。

 高野さんについては「情熱的でおしゃべりで、ほかの人がやらないような難題に獅子奮迅する人だった」と振り返る。そして、今も高野さんの存在を感じている。「女性の視点で描かれているものや、戦争や暴力に反対する作品は、高野が喜ぶだろうなと思いながら選んでいる」

 記念上映第一弾の「花咲くころ」もそうした視点で選ばれた。一九九一年にソ連から独立したジョージア(旧グルジア)の首都トビリシを舞台に、暴力の不毛さや内戦後の混沌(こんとん)、未来への希望が描かれている。

 七五年から同ホールに勤め、企画と宣伝を担当する原田健秀さん(63)は「ネットの発達やグローバル化で映画のつくりが均一になっている今、映画の世界の多様性を示したい」と話す。「単館にとって厳しい時代だが、これまで通りに続けることが時代への抗議。これからも信念を持って作品を選んでいきたい」

<花咲くころ> 監督はジモン・グロスとナナ・エクフティミシュヴィリの夫婦。ベルリン国際映画祭国際アートシアター連盟賞受賞のほか、世界の映画祭で高く評価された。1時間42分。

◆マイノリティー支える存在

 ミニシアターがブームになったのは一九八〇年代。映画産業に詳しい城西国際大の掛尾良夫教授は「岩波ホールの成功が、芸術性の高い作品の上映がビジネスになりうることを示した」と説明する。

 しかし、九〇年代になると複数のスクリーンを持つシネマコンプレックスが普及。日本映画製作者連盟によると、全国の映画館のスクリーン数は年々増加しているが、増えているのは五スクリーン以上を持つ映画館のもの。四スクリーン以下の映画館に限ると、二〇〇〇年の千四百一スクリーンから昨年は四百二十九まで減っている。

 最近ではインターネットでの動画配信も普及し、スマートフォンやタブレットで映画を見る習慣も広がりつつある。全国で歴史のあるミニシアターの閉館も相次いでいる。

 全国のミニシアターなどでつくる「コミュニティシネマセンター」代表理事で、大分市の映画館「大分シネマ5」代表の田井肇さん(62)は「多くのミニシアターが岩波ホールのようにありたいと思って始まった。今も果敢に挑戦し、孤高の存在ともいえる岩波ホールに引っ張られている映画館は多い」とたたえる。

 「商業的に成功する映画だけが残っていくのは、マイノリティーや個性のある人がどんどん居場所を失う社会と同じ。岩波ホールが在り続けることは、他の映画館にとってだけでなく、人知れず日本にとっての安心感にもつながっている」と話した。


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by daisukepro | 2018-01-31 09:55 | 映画

「ヘボやんの独り言」より転載  再開しました 18/01/01

水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)

「ヘボやんの独り言」より転載 

再開しました 18/01/01

 昨年の5月9日以来しばらくブログを休んでいました。理由は、やや、疲れたからというのが本音です。「疲れた理由は?」と問われたら、「武士の情けで回答はご容赦を」と答えさせてください。

 新しい年が始まった。きな臭さが強まる昨今、「戦争させない」ための身の処し方を改めて考えている。昨年暮れにパソコンを買い替え、セッティングをしたのだが久しぶりにやったため、かなり戸惑った。結局、年末に遊びに来た息子夫婦に手伝ってもらう羽目に。さすがに若夫婦、強い。

 昨日、部屋の片隅でほこりをかぶっていたDVDを引っ張り出し、かみさんと一緒に映画鑑賞をした。小津安二郎による1953年制作の「東京物語」だ。原節子、笠智衆、東山千栄子らが出演している。山村聰、東野英治郎、沢村貞子、大坂志郎などなつかしい顔も出てくる。行方が分からなかった原節子も含めて、これらの人々はすでに鬼籍に入っている。

 この映画のリメイク版として2013年に「東京家族」として山田洋二によって制作されている。この映画もかみさんと一緒に観に行った。こちらは蒼井優、橋爪功、吉行和子らが出演。「物語」との違いは、原節子の恋人は戦死しているが、蒼井優の恋人は現存し妻夫木聡が演じている。

 DVDを観ていると、時間のゆるやかさに驚いた。64年も前の作品でモノクロということもあるのだろうが、実にゆったりとしている。現代の世知辛い、秒単位で動いているような気分と違って、考えさせる時間をたっぷりとってある。登場人物の思いが、ひたひたと迫ってくる。その心持ちが心地よい。

 出てくる街並みも興味深い。映画が作られたころは高度成長期に入っていく過程だが、煙突から上がる煙がその後の公害を暗示している。小津はそこまでは考えていなかったのかもしれないが、何故か私はそこに惹かれた。時代を見事に切り取っている。

 熱海のシーンもいい。私が初めてそこを訪ねたのは学生服を着用していた1963年だった。そのときの風景が出てきてタイムスリップしたような気がしたものだ。「東京家族」も50年後に光を放つのかもしれないが、映画の良さはそういうところにもあることを改めて感じたものである。

 あわただしい年末のひととき、1枚のDVDが癒してくれた。

★脈絡のないきょうの一行
今年は戌年。戌は「滅びる」につながるというが、「新しいいのちを守る」という意味もあるとか。そんな年にしたいものだ。


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by daisukepro | 2018-01-13 19:47 | 映画

映画「否定と肯定」


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by daisukepro | 2018-01-02 08:24 | 映画