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カテゴリ:人権( 97 )

独居高齢者 10年で生活保護1.7倍 年金水準の底上げ急務


 生活保護を利用する1人暮らしの高齢者世帯が増え続け、10年間で1・7倍、全利用世帯の半数に達しました。1人暮らしの高齢者世帯には、無年金や低年金の世帯が多い現状があります。安倍政権が進める年金水準の削減や医療・介護の自己負担増をこのまま許せば、1人暮らしの高齢者世帯を中心に生活保護利用世帯の増加に拍車がかかることになりかねません。

全世帯の半数

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 厚生労働省の調査によると、今年7月に生活保護を利用した世帯は約162万9千世帯で、約89万7千世帯が高齢者世帯でした。その9割にあたる約82万世帯が1人暮らしの高齢者世帯で、全利用世帯の半数を占めました。

 生活保護を利用する1人暮らしの高齢者世帯は年々増加。2018年度は月平均80万4873世帯で、10年前(08年度・46万8390世帯)の1・7倍となりました。同じ期間の他の利用世帯は1・3倍増ですから、1人暮らしの高齢者世帯での増加はきわだっています。(グラフ)

 1人暮らしの高齢者世帯で生活保護利用が増え続けている背景には、同世帯に無年金と低年金の世帯が多いことがあります。

目立つ無年金

 18年国民生活基礎調査で、「65歳以上の者のいる世帯」で、世帯類型別に「公的年金・恩給受給者のいない世帯」の割合をみると、夫婦のみ世帯では1・6%(12万5千世帯)でした。ところが、男性の1人暮らし世帯では8・7%(19万4千世帯)、女性の1人暮らし世帯では3・6%(16万5千世帯)でした。このなかには、働くなどして収入を得ている世帯も含まれていますが、1人暮らしの高齢者世帯で無年金の世帯が多いことがわかります。

 また、17年老齢年金受給者実態調査をもとに、老齢年金を受給する1人暮らし世帯の家計の状況をみると、平均年収は約204万円で公的年金(年平均約145万円)が7割を占めています。また、4割近い世帯が年収150万円未満という状況です。

 現在、1人暮らしの高齢者世帯は683万世帯(18年)ですが、国立社会保障・人口問題研究所は、40年には896万3千世帯に達すると推計しています。生活保護を利用する1人暮らしの高齢者世帯の増加に歯止めをかけるためにも、無年金の解消と年金水準の底上げなど“減らない年金”“暮らせる年金”の実現が急務となっています。

背景に現役時代の不安定な働き方

 生活保護の利用が急増する1人暮らしの高齢者世帯で、無年金や低年金の世帯が多いのは、現役時代に、低賃金や低収入で不安定な働き方を強いられた人たちが多いためです。

 たとえば、自営業やパート勤務などで働き、厚生年金保険に加入できず、国民年金(満額でも年金額は月6万5千円)にしか加入できなかった人たちや、厚生年金保険に加入できたものの、低賃金や短い雇用期間だったために年金額が低額になっている人たちなどです。

 1人暮らしの高齢者世帯の割合(独居率)について、国立社会保障・人口問題研究所は、今後も増加すると推計しています。さらに、65歳以上の結婚していない人の割合(未婚率)も男性を中心に急増するとしています。(グラフ)

最賃上げこそ

 最低賃金の大幅引き上げや正社員化などで現役時代の賃金や収入を増やすことは、無年金や低年金の世帯の拡大に歯止めをかけるうえで重要です。

 安倍政権は「全世代型社会保障改革を進める」として、▽国民(基礎)年金部分の給付水準3割削減▽介護保険サービス利用時の2~3割自己負担(原則1割)の対象拡大▽75歳以上の医療費窓口負担(原則1割)の原則2割への引き上げ―など年金給付を切り下げ、医療・介護の自己負担をいっそう重くする「改革」を推し進めています。

 「全世代型社会保障改革」が、1人暮らし高齢者世帯の生活困窮化をさらにすすめることは明らかです。

 消費税10%の増税は、全世代に重い負担を強いるもので、暮らしのゆとりを奪うものです。

世論と運動を

 いま求められているのは、国に対して、▽消費税を5%に引き下げて長期にわたる経済低迷を打開すること▽年金水準の削減を中止して、無年金者をなくし、年金水準を底上げする公的年金の改革を進めること▽現役時代の賃金や収入など国民の所得を増やす経済政策に転換すること▽大企業と富裕層に応分の負担を求めることを中心にすえた税財政改革を進め、それを消費税減税と年金など社会保障充実の財源に充てること―を迫る世論と運動です。(村崎直人)

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by daisukepro | 2019-10-08 12:17 | 人権

「嫌韓」の空気によみがえる「徴用工」の記憶 水戸の91歳高鍋さん「差別と加害の歴史に向き合って」

 「韓国なんて要らない」とうたう週刊誌やテレビの報道、慰安婦をモチーフとした少女像を巡る展示の中止…。はびこる「嫌韓」の空気に眉をひそめる人がいる。水戸市の高鍋あいさん(91)。太平洋戦争末期、陸軍の工場に動員され、朝鮮人徴用工と共に働いた。「あの頃に引き戻されるよう」と薄気味悪さを感じている。(安藤恭子)

「朝鮮人徴用工は虐げられ、かわいそうだった」と振り返る高鍋あいさん=水戸市で

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◆怒鳴られ、殴られ、見下され…

 高鍋さんは新潟県の高等女学校を卒業した一九四四年春、戦時下の労働力不足を補うために創設された「女子挺身隊」に入隊。十七歳で旧日本陸軍の工場「相模陸軍造兵廠」(相模原市)に動員され、戦車の計器組み立てなどを担った。

 その年の冬、数十人の朝鮮人徴用工がやってきた。別棟で働き、監督役の軍人から怒鳴られ、日常的に殴られていた。話す機会はなかったが、夜中まで黙々と働く姿が印象に残った。

 他の男性工員らも「朝鮮野郎」と見下していた。ある日、一人の工員が高鍋さんに「やつら日本語しゃべれないべ。でもな、かまうとこう言うべよ」と話しかけてきた。「チョセンチョセン(朝鮮)とパアカ(ばか)にするな。シャケ(酒)も飲む。ピール(ビール)も飲む。テンノヘイカ(天皇陛下)ヒトツタ、とな」と続けた。

 けらけらと笑って話し方をまねる工員。高鍋さんが「かわいそうよ。はるばる連れてこられた朝鮮人をいじめるなんて。朝鮮人も天皇陛下の赤子だと言ってるのにさ」と返すと、「生意気だあ。女のくせして」とたたかれた。

◆軍事施設、炭坑、造船・鉄鋼で70万人が強制労働

 造兵廠内では徴用工が歌う朝鮮民謡の「アリラン」が広まった。哀調漂うメロディーを高鍋さんも気に入り、朝鮮語で口ずさんだ。「遠い古里を思い心を慰めるのは、歌しかないのだと想像した」

 当時の日本では、軍事施設のほか炭鉱の現場や造船、鉄鋼などの企業に多くの朝鮮人が連行された。敗戦までに強制労働をさせられた人数は約七十万人に上るとされる。

 高鍋さんは四五年二月、母の危篤を理由に造兵廠を脱し、新潟に戻った。残った同郷の人によると、八月の敗戦後、将校の一人が「朝鮮人が暴動を起こし、襲われるかもしれない」と不安がったという。

 実際には何も起きなかった。高鍋さんは「朝鮮の人たちに差別や虐待をして恨まれていると認識があったから出た言葉。関東大震災の後に起きた朝鮮人虐殺を思い起こす」と憤る。

◆「今の政権は過去の加害から目を背けている」

 慰安婦問題を巡り、韓国国会の文喜相議長が二月、天皇陛下の謝罪が望ましいとの見解を示した。当時の河野太郎外相は「極めて無礼な発言だ」と国会で非難した。

 この問題に高鍋さんは「植民地支配を受けた立場から歴史を見れば、議長の発言がおかしいとは思わない。私たちも朝鮮人も、皇民化教育を受け、天皇の名の下に徴用されたのは確か。徴用工も労働者と言い換えられるなど、今の政権は過去の加害から目を背けているのではないか」と語る。

 高鍋さんは戦後、「教え子を戦場へ送らない」と小学校の教員を経て、子育てや文筆活動に力を注いだ。 「太平洋戦争の開戦を『万歳』と喜び、アジアへの侵略を大東亜共栄圏づくりと信じた軍国少女だった。国家に思想を支配される恐ろしさを知っている。加害の歴史と真摯に向き合い、隣国と対話する努力をするべきだ。忌まわしい過去を繰り返さないために」と願う。

(2019年9月15日朝刊「特報面」に掲載)



by daisukepro | 2019-09-20 09:55 | 人権

シリーズ 日韓関係を考える 被害者の傷深めた首相 弁護士 大森典子さん

シリーズ 日韓関係を考える

被害者の傷深めた首相

弁護士 大森典子さん

 安倍晋三首相は対韓国輸出規制の強化の動機について、「韓国は国と国との約束を守らない」などと述べ、その一つに日本軍「慰安婦」問題での日韓合意(2015年12月28日)に対する韓国政府の対応を挙げました。しかし安倍首相の発言は道理があるのか。日本軍「慰安婦」訴訟に長年取り組む大森典子弁護士に話を聞きました。(日隈広志)


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 安倍首相が韓国政府の対応を批判したことはお門違いです。

 「慰安婦」問題の日韓合意は、被害にあった女性たちの名誉と尊厳の回復のためのものであるはずです。しかしこの合意は日韓の外交問題処理のためのもので被害者の要求に寄り添ったものではありませんでした。

 合意文書では、安倍首相が被害者に「心からのお詫(わ)びと反省の気持ちを表明する」とされていますが、安倍首相は合意後の16年の国会で何度促されても被害者に向けて直接謝罪の言葉を述べることを拒否しました。さらに謝罪の手紙を送ることについても「毛頭考えていない」(同年10月3日、衆院予算委)と強く否定しました。

 つまりこの合意は、本来の目的である被害者の要求(被害者は日本が加害の事実を認めて心からの謝罪をすることこそ求めていました)を国家間の取り決めで実現しようとするものではなかったわけです。被害者がこの合意では自分たちの要求は満たされないとして、日本からの10億円を原資としたお金を受け取らない、といって拒否している以上、韓国政府としてこの合意を進めることができないのは当然のことです。

 合意の根本が間違っており、日本政府にも責任があるわけで、韓国政府が約束を守らない、というのは筋違いだと思います。

 日本政府は「河野官房長官談話」(1993年)を継承しているのですから、日韓合意をもとに改めて安倍首相が被害事実を明確に認め、被害者に向けて誠実な謝罪の言葉を国会などで表明し、その後もこの態度を一貫させていれば、合意成立の時点で不十分な合意も本来の被害者の名誉と尊厳の回復につながるものになったかもしれません。しかし安倍首相や岸田文雄外相(当時)の態度はまさに被害者の傷を深めるものでした。

ゆがんだ歴史認識で外交

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(写真)ソウルの日本大使館前での水曜デモで、「慰安婦」問題をめぐる日韓合意に抗議する市民=2015年12月30日(遠藤誠二撮影)

 さらに日本政府は合意後、「日本政府が発見した資料の中では軍や官憲による強制連行を確認できるものはなかった」、「性奴隷という表現は事実に反する」(2016年2月、国連女性差別撤廃委員会)などと世界に向けても「加害の事実の否定」を発信しています。

 韓国では合意を結んだ朴槿恵(パク・クネ)政権から交代した文在寅(ムン・ジェイン)政権下で、外務省の作業部会が日韓合意の交渉過程について検証を行いました。17年12月発表の検証結果の報告書には、合意に非公開部分があり、日本側が「性奴隷」という言葉を使わないよう求め、韓国側が事実上受け入れた経過が見てとれます。この報告書は日本語にも訳され韓国外務省のホームページで閲覧可能です。

 文大統領は検証結果の発表翌日の声明で日韓合意について「手続き上も内容上も重大な欠陥があった」とし、「両首脳の追認を経た政府間の公式的な約束で重みはあるが、この合意では問題は解決しない」と表明しました。その上で市民の要求に応じる形で日本政府拠出の10億円を棚上げにして「和解・癒やし財団」を解散しました。

 合意の交渉過程を見るなら、日韓合意には、安倍政権の主張に対して韓国政府・市民を黙らせる目的があったと言っても過言ではありません。韓国市民の中で怒りがわきおこったことは当然です。

 いま「慰安婦」問題で求められているのは、日韓合意のスタートラインに立ち戻り、真の謝罪を行い、和解に向けて対話を始めることです。

 日本政府はこれまでも、「河野談話」ですべての被害女性に対し加害の事実を認めて謝罪し、記憶を伝えると表明し、1995年の「村山富市首相談話」、1998年の小渕恵三首相と金大中(キム・デジュン)大統領の「日韓パートナーシップ宣言」で「植民地支配の反省」を明記しました。

 安倍政権のゆがんだ歴史認識とそれに基づく外交こそ異常です。2015年8月15日の戦後70年の「安倍談話」で、韓国の植民地化を進めた日露戦争を美化し、「子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と述べたことは象徴的です。

 私たち日本側の市民は現在の日韓の深刻な関係悪化に対し、日韓両政府に冷静な対話を求めることが重要です。同時に、植民地支配の不法性をあくまで認めず、加害の事実すら否定する安倍政権の存続を許していいのかが問われています。



by daisukepro | 2019-09-18 14:49 | 人権

「嫌韓」の空気によみがえる「徴用工」の記憶 水戸の91歳高鍋さん「差別と加害の歴史に向き合って」

 「韓国なんて要らない」とうたう週刊誌やテレビの報道、慰安婦をモチーフとした少女像を巡る展示の中止…。はびこる「嫌韓」の空気に眉をひそめる人がいる。水戸市の高鍋あいさん(91)。太平洋戦争末期、陸軍の工場に動員され、朝鮮人徴用工と共に働いた。「あの頃に引き戻されるよう」と薄気味悪さを感じている。(安藤恭子)

◆怒鳴られ、殴られ、見下され…

 高鍋さんは新潟県の高等女学校を卒業した一九四四年春、戦時下の労働力不足を補うために創設された「女子挺身隊」に入隊。十七歳で旧日本陸軍の工場「相模陸軍造兵廠」(相模原市)に動員され、戦車の計器組み立てなどを担った。

 その年の冬、数十人の朝鮮人徴用工がやってきた。別棟で働き、監督役の軍人から怒鳴られ、日常的に殴られていた。話す機会はなかったが、夜中まで黙々と働く姿が印象に残った。

 他の男性工員らも「朝鮮野郎」と見下していた。ある日、一人の工員が高鍋さんに「やつら日本語しゃべれないべ。でもな、かまうとこう言うべよ」と話しかけてきた。「チョセンチョセン(朝鮮)とパアカ(ばか)にするな。シャケ(酒)も飲む。ピール(ビール)も飲む。テンノヘイカ(天皇陛下)ヒトツタ、とな」と続けた。

 けらけらと笑って話し方をまねる工員。高鍋さんが「かわいそうよ。はるばる連れてこられた朝鮮人をいじめるなんて。朝鮮人も天皇陛下の赤子だと言ってるのにさ」と返すと、「生意気だあ。女のくせして」とたたかれた。

◆軍事施設、炭坑、造船・鉄鋼で70万人が強制労働

 造兵廠内では徴用工が歌う朝鮮民謡の「アリラン」が広まった。哀調漂うメロディーを高鍋さんも気に入り、朝鮮語で口ずさんだ。「遠い古里を思い心を慰めるのは、歌しかないのだと想像した」

 当時の日本では、軍事施設のほか炭鉱の現場や造船、鉄鋼などの企業に多くの朝鮮人が連行された。敗戦までに強制労働をさせられた人数は約七十万人に上るとされる。

 高鍋さんは四五年二月、母の危篤を理由に造兵廠を脱し、新潟に戻った。残った同郷の人によると、八月の敗戦後、将校の一人が「朝鮮人が暴動を起こし、襲われるかもしれない」と不安がったという。

 実際には何も起きなかった。高鍋さんは「朝鮮の人たちに差別や虐待をして恨まれていると認識があったから出た言葉。関東大震災の後に起きた朝鮮人虐殺を思い起こす」と憤る。

◆「今の政権は過去の加害から目を背けている」

 慰安婦問題を巡り、韓国国会の文喜相議長が二月、天皇陛下の謝罪が望ましいとの見解を示した。当時の河野太郎外相は「極めて無礼な発言だ」と国会で非難した。

 この問題に高鍋さんは「植民地支配を受けた立場から歴史を見れば、議長の発言がおかしいとは思わない。私たちも朝鮮人も、皇民化教育を受け、天皇の名の下に徴用されたのは確か。徴用工も労働者と言い換えられるなど、今の政権は過去の加害から目を背けているのではないか」と語る。

 高鍋さんは戦後、「教え子を戦場へ送らない」と小学校の教員を経て、子育てや文筆活動に力を注いだ。「太平洋戦争の開戦を『万歳』と喜び、アジアへの侵略を大東亜共栄圏づくりと信じた軍国少女だった。国家に思想を支配される恐ろしさを知っている。加害の歴史と真摯に向き合い、隣国と対話する努力をするべきだ。忌まわしい過去を繰り返さないために」と願う。

(9月15日朝刊『特報面』に掲載)



by daisukepro | 2019-09-18 09:38 | 人権

暴徒、土民、不逞(ふてい)鮮人

きょうの潮流

 暴徒、土民、不逞(ふてい)鮮人。「あらゆる戦慄(せんりつ)すべき文字を羅列して」伝えてきたことが、潜在意識となって関東大震災における朝鮮人虐殺を招いた―。当時のプロレタリア作家が記しています▼帝国日本に抵抗する野蛮でけしからん奴(やつ)らとあおりたてる新聞。「朝鮮人は、何らの考慮のないジャーナリズムの犠牲となって、日本人の日常の意識の中に、黒き恐怖の幻影となって刻みつけられている」(『婦人公論』1923年11・12月合併号)▼戦前の朝鮮人蔑視や偏見報道は、侵略と植民地支配をひろげる国家権力と一体でした。いま、それをほうふつさせる事態が起きています。「韓国なんて要らない」などと題する特集を組んだ週刊誌のように「嫌韓」が垂れ流されています▼作家の柳美里さんは「欲情というのは下に下に流れるものだけれど、今の『週刊ポスト』の誌面は人の劣情のみを相手にしている。あふれたトイレの臭いがする」と批判。TBS報道特集の金平茂紀キャスターも、憎しみをあおって売り上げや視聴率を上げるのは恥ずべき行為と断じました▼過熱するヘイト発言にあらがう人びとの目は、あくまで強硬で見下した態度をとりつづける安倍政権にも向けられています。菅官房長官はテレビで「すべて韓国に責任がある」と▼本紙は日本が軍靴で踏みこんだ歴史と実態を振り返るシリーズを始めました。アジアと手を携えていくうえで最も肝心な問題。被害の痛みと反省が抜け落ちたメディアの姿勢もまた、政権に通じています。


by daisukepro | 2019-09-10 09:50 | 人権

これでいいのか 韓国報道 嫌韓一色のワイドショー


2019年9月8日(日)

これでいいのか 韓国報道

嫌韓一色のワイドショー

 テレビの番組欄をみると、朝から夕方までワイドショー、情報番組は韓国報道一色の感です。まぢかに控えた消費税増税、対米追随の貿易交渉、森友・加計疑惑、厚生労働政務官の口利き疑惑など、もっと報道すべきことはあるのではないのか、といいたくなります。

 (藤沢忠明)


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(写真)「ゴゴスマ!」の報道に抗議の声をあげる集会参加者=8月31日、名古屋市中区のCBC本社前

 韓国報道は、韓国が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を決定した8月22日ごろから劇的に増え始め、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の側近、曺国(チョ・グク)氏の不正疑惑が明らかになると「疑惑の“タマネギ男”」などと、一気に過熱しています。

視聴率取れれば

 問題は、異常な嫌韓報道になっていること。

 3日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(朝日系)で、ジャーナリストの青木理さんは、「韓国をたたいておけばウケるでしょっていう風潮がものすごい強まって…」と視聴率が取れればいいというメディアの姿勢に苦言を呈し、「揚げ句の果てには、ヘイトクライムを誘発するような発言をする人たちが出てくる」と警鐘を鳴らしました。

 青木氏の念頭にあるのは、8月27日のTBS系「ゴゴスマ」(CBC制作)での火曜日レギュラーのコメンテーター、武田邦彦・中部大学教授のコメント。韓国を訪れた日本人女性が韓国人男性に暴行を受けた事件を扱った際、武田氏は「日本男子も韓国女性が入ってきたら暴行しにゃいかないからね」という発言をしたのです。

 さすがに30日、同番組の冒頭、アナウンサーが「今週火曜日に放送した日韓問題のコーナーについては、ゴゴスマとしてはヘイトスピーチをしてはいけないこと、ましてや犯罪を助長する発言は、人としては許せないことと考えています」と“謝罪”しました。

 武田氏は、沖縄や在日の人たちへのヘイトや安倍政権擁護・支援の立場でニュースを流すDHCテレビのネット番組「真相深入り! 虎ノ門ニュース」の常連メンバーです。安倍首相が主催した4月の「桜を見る会」には、作家の百田尚樹氏、ケント・ギルバート氏らとともに参加しています。いわば、安倍首相の「私設応援団」の一員を、レギュラーコメンテーターとして起用する放送局の見識が問われます。

ヘイト本著者が

 「元駐韓国日本大使」という肩書で、引っ張りだこになっているのは、外交評論家の武藤正敏氏です。ところが、同氏は、『韓国人に生まれなくてよかった』(悟空出版)などというヘイト本の著者です。

 8月22日の「ひるおび!」(TBS系)では、「文大統領の支持層はみんな過激派なんですよね」「韓国は裁判官でも相当左がかった人が多い」と語りました。

 曺国氏の聴聞会を翌日に控えた5日の「大下容子ワイド!スクランブル」(朝日系)でも、武藤氏が登場。番組側が「国と国の約束をしっかり守ってもらいたい」という安倍首相の主張を紹介したのを受け、同氏は「韓国側がこちらに歩み寄ってくるしかない。まず、日韓請求権協定を認めて、その原則を認めたうえで、どういう話し合いができるかだ」と政権べったりの見解を示しました。

 「元駐韓大使」とあたかも“中立”の立場のようですが、武藤氏は外務省を退職した後の2013~17年、「徴用工」裁判の被告企業である三菱重工業の顧問を務めています。テレビでは、この重要な情報は触れられていません。

 「歴史修正」にこだわる安倍政権の対韓強硬姿勢が、国民に“嫌韓感情”のお墨付きを与えている状況のもとで、メディアには、日韓の対立をあおるのではなく、冷静な視点から正確で偏らない報道が求められています。



by daisukepro | 2019-09-09 18:21 | 人権

「嫌韓」あおり報道と決別を “過ち繰り返さぬ” 新聞労連が声明

「嫌韓」あおり報道と決別を

“過ち繰り返さぬ” 新聞労連が声明

 日本新聞労働組合連合(新聞労連)は6日、「今こそ、『嫌韓』あおり報道と決別しよう」と呼びかける南彰委員長の声明を発表しました。「他国への憎悪や差別をあおる報道をやめよう」「国籍や民族などの属性を一括(ひとくく)りにして、『病気』や『犯罪者』といったレッテルを貼る差別主義者に手を貸すのはもうやめよう」と訴えています。

 テレビの情報番組でコメンテーターの大学教授が韓国への憎悪や犯罪を助長する発言を行ったことや、大手週刊誌が「怒りを抑えられない韓国人という病理」という特集を組んで批判を浴びたことをあげ、この週刊誌の広告が新聞各紙に掲載されるなど、新聞も記事や広告、読者投稿のあり方が問われていると指摘しています。

 「日韓対立の背景には、過去の過ちや複雑な歴史的経緯がある」とのべ、「『国益』や『ナショナリズム』が幅をきかせ、真実を伝える報道が封じられた末に、悲惨な結果を招いた戦前の過ちを繰り返してはならない」「時流に抗(あらが)うどころか、商業主義でナショナリズムをあおり立てていった報道の罪を忘れてはならない」としています。

 「排外的な言説や偏狭なナショナリズムは、私たちの社会の可能性を確実に奪うものであり、それを食い止めることが報道機関の責任だ」と強調。時流に抗い、倫理観や責任感を持って報道しようと努力している仲間を全力で応援する、と表明しています。




by daisukepro | 2019-09-07 15:13 | 人権

市民約700人、追悼碑に献花  「同じ過ちは繰り返してはならない」

小池知事、3年連続で追悼文の送付を見送る 
市民約700人、追悼碑に献花 
「同じ過ちは繰り返してはならない」 
右翼は30メートル前で妨害集会
今月1日、東京墨田区横網町公園で開かれた関東大震災96周年朝鮮人犠牲者追悼式典で、市民らが追悼碑の前で献花し、黙祷を捧げている=チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社

 「韓日関係の最大の問題は、韓国が嘘をついていることだ」

 1日、東京墨田区横網町公園で開かれた関東大震災96周年朝鮮人犠牲者追悼式典で、無形文化財保有者の金順子(キム・スンジャ)氏が白装束姿で関東大震災で虐殺された朝鮮人の魂を慰める踊りを踊っている時、朝鮮人虐殺を否定する日本の右翼たちがマイクを持って叫ぶ声が聞こえてきた。右翼たちは日本人犠牲者を追悼するとして、朝鮮人虐殺否定論を叫ぶ行事を3年前から朝鮮人犠牲者追悼式典の会場から30メートルしか離れていない場所で開いている。葛飾区議会議員の鈴木信行氏は右翼たちの行事で「偽りの歴史を後世に残すわけにはいかない。断ち切らなければならない」と述べた。彼は2012年、駐韓日本大使館前の「平和の少女像」に「竹島(独島)は日本の領土」と書かれた杭を縛り付けた、いわゆる「杭テロ」を行った人物だ。

 1973年から開かれている朝鮮人犠牲者追悼式典の横で、右翼たちが妨害する行事を開き始めたのは3年前からだった。2017年、小池百合子東京都知事は「都の大法要で、すべての方々への哀悼の意を表している」として、歴代東京都知事らの大半が送ってきた追悼文を今年まで3年連続で送らなかった。小池知事は朝鮮人虐殺についても「様々な見方がある」として、虐殺に対する責任を回避している。

今月1日、東京墨田区横網町公園で開かれた関東大震災96周年朝鮮人犠牲者追悼式典で、無形文化財保有者キム・スンジャ氏が白装束姿で関東大震災当時虐殺された朝鮮人の魂を慰める踊りを踊っている=チョ・ギウォン記者//ハンギョレ新聞社

 右翼たちが最近、攻撃を集中している部分は追悼関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑に書かれている「6000人に達する朝鮮人が尊い生命を奪われた」という文言だ。1923年9月1日、関東大震災後、日本では「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマが流れ、自警団と軍が朝鮮人を東京と横浜、千葉など関東各地で朝鮮人を虐殺した。当時、日本政府は事件を隠蔽しようとしており、真相調査を行わなかった。上海臨時政府の機関紙だった「独立新聞」が発表した6000人以上犠牲の推定は、数少ない推定であり、横網町公園に書かれた追悼碑もこの推定値を引用したものとみられる。右翼は、この推定値が正確でないと主張し、虐殺全体を否定しようとしている。関東大震災当時、日本人社会主義者たちが自警団に虐殺された亀戸事件追悼会副実行委員長の榎本喜久治氏は同日の追悼式典で、「日本政府は真相を調査中と言い続けてきた。そして96年が過ぎた」と述べた。

 この行事を主導した市民団体である日朝協会東京都連合会の宮川泰彦会長はこの日の追悼式典で、「私たちは(追悼文を送らない小池知事の)このような態度に対して強く抗議すると共に、多くの声に小池知事が耳を傾け、再考することを求める」と述べた。日朝協会は今年114団体と個人557人の署名を受け、小池知事に追悼文の送付を求めたが、小池知事は応じなかった。宮川会長は「(朝鮮人虐殺という)同じ過ちを繰り返してはならない。この行事を何年が経っても開き続けるのもそのためだ」と述べた。同日、日本の市民約700人が並んで追悼碑に献花した。

今月1日、東京墨田区横網町公園で開かれた関東大震災の朝鮮人虐殺犠牲者96周忌追悼祭会場前で、日本の右翼が行事を開いている。「六千人虐殺の濡れ衣」と書かれた垂れ幕がかかっている=チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社

 日本政府は「防災の日」の同日、東京を震源地としたマグニチュード7.3の「首都圏直下型」地震の発生状況を想定した訓練を行った。安倍首相と閣僚が訓練に参加するなど、日本政府は防災の重要性を強調したが、朝鮮人虐殺追悼に対する言及はなかった。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

by daisukepro | 2019-09-02 14:46 | 人権

朝鮮人虐殺忘れない 関東大震災96年 都内で追悼集会 追悼文出さぬ都知事批判

朝鮮人虐殺忘れない

関東大震災96年 都内で追悼集会

追悼文出さぬ都知事批判

 関東大震災から96年の1日、朝鮮人犠牲者の追悼碑がある東京都墨田区の横網町公園で朝鮮人犠牲者の追悼式典が行われました。主催は同実行委員会。約700人にのぼる参加者が黙とうし、献花しました。


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(写真)追悼碑の前で献花し、手を合わせる追悼式典の参列者=1日、東京都墨田区

 震災直後の混乱の中、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマが政府・軍によって流され、警察や軍隊、市民でつくる自警団によって朝鮮人数千人以上、中国人700人以上が虐殺されました。式典は、犠牲者の追悼と、アジアの平和と安定に寄与することを願い、毎年9月1日に開催されています。

 日朝協会東京都連合会の宮川泰彦会長は、虐殺の背景に当時の日本社会の中に朝鮮人や中国人に対しての差別があったと指摘。小池百合子都知事に追悼文の送付などを求める5022人分の署名を提出したことを紹介し、都知事が送付しなかったことについて「追悼式典の意義を理解しようとしていない」と批判。「同じ過ちを繰り返してはならない。虐殺があった事実を忘れさせてはならない」と訴えました。

 朝鮮総連東京都本部の李明宏(リ・ミョングァン)副委員長は「悲惨な虐殺の真相解明とともに歴史を丁重にさかのぼり教訓を未来に継承することで、両国の関係が清算され真の友好関係を築くことができる」と強調しました。

 日本共産党の、あぜ上三和子東京都議が参加し「小池都知事は“歴史家がひもとくべきだ”と虐殺の史実そのものを認めない異常な姿勢を取り続けている」と批判しました。

 韓国無形文化財の舞踏家、金順子(キム・スンジャ)さんが「鎮魂の舞」を演じました。

 式典に参加した東京都足立区の会社員の男性(34)は「植民地支配や戦後も続く在日朝鮮人への差別的な待遇など、日本は過ちをきちんと勉強し融和的な方向に進んでほしい」と話しました。



by daisukepro | 2019-09-02 14:32 | 人権

外国人技能実習生 7割の職場 違反 違法残業・未払い・労災隠

外国人技能実習生

7割の職場 違反

違法残業・未払い・労災隠し

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 全国の労働基準監督署が2018年度に監督指導した外国人技能実習生の働く事業場7334カ所のうち、70・4%が労働基準関係法令に違反していたことが分かりました。違反事業場数は5160カ所で、5年連続増加しました。厚労省が10日までに発表しました。

 技能実習生自身の申告で是正されたのは、103件で前年89件から増加したものの、08年の331件から大きく減少しています。

 重大・悪質な事案として送検したのは19件で、15年の46件から3年連続減少しました。

 主な違反事項は、労働時間が1711件(23・3%)、使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準1670件(22・8%)、割増賃金の支払い1083件(14・8%)の順でした。

 もっとも多く監督指導に入った機械・金属業では、2830カ所中1937カ所(68・4%)の違反があり、労働時間707件(25%)、安全基準692件(24・5%)でした。

 違反率が高かったのは、食料品製造業73・6%(936件)、建設業71・9%(474件)でした。

 次のような具体例が紹介されました。

 ▽食料品加工業で、実習生12人に月100時間超(最長198時間)の違法残業をさせていた。

 ▽縫製工場で、実習生6人に10カ月平均178時間の違法残業をさせ、半年以上総額約1000万円の賃金を支払っていなかった。

 ▽きのこ栽培場で、無資格でフォークリフトを運転させ、右足負傷の労災を隠した。


by daisukepro | 2019-08-11 16:14 | 人権