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ハンセン病の家族 尊厳回復へ国は責任を果たせ

主張ハンセン病の家族尊厳回復へ国は責任を果たせ ハンセン病患者への国の誤った隔離政策によって激しい差別を受け、人生を台無しにされたとして、家族561人が国に謝罪と損害賠償を求めた集団訴訟で、熊本地裁は国の責任を認め、損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡しました。判決は、強制的隔離政策による被害は元患者本人だけにとどまらず、家族にも重大な人権侵害があったことを明確に認めました。さらに差別や偏見を除去する義務を怠った国を批判しました。画期的な判決です。国は被害に背を向ける姿勢を改め、被害者の願いにこたえるべきです。憲法に反する「人生被害」 国のハンセン病隔離政策については、元患者に賠償を命じた熊本地裁判決(2001年)が確定しています。当時国は謝罪し、09年施行のハンセン病問題基本法は元患者の名誉回復を国に義務付けましたが、家族の受けた被害は公的に認められませんでした。家族の被害について、賠償を命じた司法判断は今回が初めてです。 判決は、隔離政策が「大多数の国民らによる偏見差別を受ける一種の社会構造を形成し、差別被害を発生」させたことを指摘しました。そして、家族にもたらした被害として、▽学校からの就学拒否や村八分で、人格形成などに必要な最低限度の社会生活が失われた▽結婚差別で幸福追求の基盤を喪失した▽就労拒否による自己実現の機会喪失や経済的損失があった―ことなどを具体的に挙げました。これらは「個人の尊厳にかかわる人生被害」「生涯にわたって継続し得る不利益は重大」であると述べ、元患者の家族が、隔離政策によって、憲法13条が保障する人格権などの重大な侵害を受けたことを認定しました。一家離散や学校や地域での過酷ないじめと排除など、言葉に尽くせないような人生を強いられてきた家族の思いに寄り添った判決といえます。 注目されるのは今回の判決が、国策により生まれた差別や偏見を取り除く義務が国にはあったにもかかわらず、それを行わなかったことを断罪したことです。ハンセン病の政策は戦前の1907年制定の法律を発端に強制的隔離が本格化しました。ハンセン病は「恐ろしい伝染病」という全く誤った認識が長年、国民に植え付けられていったのです。「らい予防法」が廃止されたのは96年でした。しかし、患者・家族の置かれた過酷な状況は、その後も続きました。 判決では96年時点で、国は家族への差別被害を認識していたのに、偏見差別除去義務を負う法務省は人権啓発活動をまともに行わず、文部省・文部科学省も偏見に基づかない正確な知識による教育ができる措置を十分とらなかったことを違法としました。ハンセン病への差別を除去するための国の義務まで踏み込んだ判断は、元患者への賠償を認めた01年の熊本地裁判決でもなかったものです。全面的な解決を急ぐ時 今回の裁判で原告になった人の中でも親族への影響などを気にして実名を明かせない人が数多くいます。ハンセン病への根深い差別と偏見を解消していくための取り組みを強めることは不可欠です。国は控訴するのでなく、差別を放置してきた責任を反省し、被害者への謝罪、尊厳回復、補償をはじめ全面解決に向け、立法措置も含めて対応を急ぐべきです。
by daisukepro | 2019-06-30 17:53 | 人権

ハンセン病差別 放置認定 家族の救済 国に命令

ハンセン病差別 放置認定 家族の救済 国に命令
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2019年6月29日 07時02分  ハンセン病患者の隔離政策で本人だけでなく家族も差別を受けたとして、元患者の家族五百六十一人が国に一人当たり五百五十万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁(遠藤浩太郎裁判長)は二十八日、「違法な隔離政策で家族も差別され、生涯にわたって回復困難な被害を受けた」として、国に対し原告五百四十一人に計約三億七千万円を支払うよう命じた。元患者の家族が起こした訴訟で、賠償を命じた判決は初めて。 違法な隔離を続け、一九九六年までらい予防法を廃止しなかったことが家族の被害に直接つながったことを明確に認め、家族の被害回復に向けた取り組みを強く促す判決。菅義偉官房長官は「(控訴するかどうか)関係省庁で精査して対応する」と述べており、今後の対応が焦点となる。 判決は、隔離政策によって(1)就学拒否や「村八分」で学習機会や最低限度の社会生活を喪失(2)結婚差別による婚姻関係の喪失(3)就労拒否による経済的損失(4)家族関係の形成阻害-などの差別被害が生じたと認め「憲法が保障する人格権や婚姻の自由を侵害した」と述べた。 その上で、国が遅くとも六〇年の時点で隔離政策をやめなかったことや、その後も差別・偏見を取り除く措置を取らなかったことを違法と判断。らい予防法の隔離規定を継続したのは立法不作為と指摘した。原告の賠償請求権が時効で消滅したとする国の主張は退けた。 原告五百六十一人の所在地は北海道・東北二十二人、関東五十八人、中部三十一人、関西六十七人、中国・四国二十一人、九州百十二人、沖縄県二百五十人。 一人当たりの賠償額は三十三万~百四十三万円。身内が元患者だと知ったのがごく最近だったり、元患者が直近の親族ではなかったりした原告二十人の請求は棄却した。 元患者本人の訴訟では、二〇〇一年五月の熊本地裁判決が隔離政策を違憲とし、国に約十八億二千万円の賠償を命令。小泉純一郎首相(当時)が控訴を断念し、国は謝罪した。ただ、その後創設された補償制度の対象は本人の被害だけで、家族の被害は含まれなかった。 同様の家族訴訟では、母親が患者だった鳥取県の男性が国と県に賠償を求めたが、一、二審ともに敗訴。最高裁に上告受理を申し立てている。◆原告 実質的な全面勝訴<解説> ハンセン病元患者の家族が国の隔離政策による被害の救済を求めた集団訴訟で熊本地裁は、家族にも深刻な差別被害が生じたと認め、長年にわたる人権侵害に対する損害賠償を国に命じた。実質的に原告側の全面勝訴に近い判決だ。 らい予防法が隔離の対象としたのは患者だが、憲法違反の法に基づく不合理な差別が本人だけでなく家族にも及んでいたことを明確に認めた意義は大きい。時効による請求権の消滅など形式的な理由で賠償責任を否定し続けた国の主張を退け、司法による救済の道を示した。 二〇〇一年の熊本地裁判決後に国が謝罪し、〇九年にはハンセン病問題基本法が施行されたが、家族の被害に光を当て、政策による救済を目指す動きは生まれなかった。差別・偏見の解消を掲げる国が家族の被害から目をそらし続けたことは不作為との批判を免れない。 ハンセン病に対する社会の偏見は根強く、今回のように多くの家族が声を上げることは長らく困難だった。敗訴した国に求められるのは、控訴して賠償責任の有無を争うことではなく、「可能な限りの被害回復と差別の禁止」という基本法の理念を根拠に、原告以外も含めた家族の被害救済に乗り出すことだ。原告の高齢化を踏まえれば、これ以上の遅滞は正義に反することになる。 (共同・今里茉莉奈)
by daisukepro | 2019-06-29 19:46 | 人権

日米首脳会談 対米従属強化の危険は明らか

主張日米首脳会談対米従属強化の危険は明らか 大阪市での20カ国・地域(G20)首脳会議に先立ち28日開催された日米首脳会談では、閣僚級協議が続いている日米貿易交渉を加速させることなどで一致しました。 来年のアメリカ大統領選が近づき、“具体的な成果”を急ぐトランプ政権は、米国からの農産物の輸出拡大に道を開く合意を早く取り付け、選挙戦を有利に運ぼうとしています。トランプ大統領と安倍晋三首相の間では、“だんまり”を決め込んで参院選をやり過ごした後に、合意を発表する“密約”の存在も取りざたされます。国民に隠したままで交渉加速の確認を重ねる日米関係は危険です。交渉「加速」を改めて合意 日米首脳会談は、4月、5月に続くもので、異例の3カ月連続です。安倍首相は今回の会談の冒頭、「強固な日米同盟の証しだ」と“自慢”しました。一方、トランプ大統領は、「今回は貿易、軍事、日本による大量の軍事装備品の購入について話し合う」と表明しました。アメリカ“言いなり”に、トランプ氏の大統領選に向けた「実績づくり」に手を貸す場になった可能性をうかがわせます。 トランプ氏は最近、貿易と安全保障をからめ、「米国の負担が大きく不公平」と“同盟国批判”を繰り返しています。日本にも、日米安保条約をめぐり、「米国が攻撃されても日本は必ずしも助けてくれない」と、揺さぶりをかけています。軍事分担の強化や、輸入拡大による「貿易不均衡」の「是正」を日本にのませる狙いです。 5月の首脳会談後の記者会見でトランプ氏は、日米の貿易交渉について、「8月には良い発表ができると思う」と発言しました。その後も国内での演説で、「日本が間もなく、(アメリカの農産物を)たくさん買ってくれるようになる」と公言しています。安倍首相は“密約”の存在を否定しますが、交渉の中身は明らかにしません。今回の首脳会談で、貿易交渉の加速で合意したことは、国民を置き去りにして、日本の農畜産業などをアメリカに売り渡す危険性を浮き彫りにしています。 アメリカ国内では、トランプ政権が環太平洋連携協定(TPP)を離脱した後、日本がアメリカを除く11カ国とのTPP11や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)を発効したため、牛・豚肉や乳製品の対日輸出で、オーストラリアやニュージーランド、EUに比べ不利になったとの不満が噴き出しています。 日米の貿易交渉の対象は、農産物の輸入量だけではありません。関税についても「撤廃」を求めています。投資についても、アメリカのカジノ企業の日本進出などを求めています。トランプ氏は5月末の首脳会談後には、「米国製兵器は世界一」だと述べ、日本がさらに買うことを迫りました。交渉を続けることは“亡国の道”です。対等・平等な関係こそ 首脳会談後、両国政府は「揺るぎない日米同盟を今後とも一層強化することで一致」(外務省発表文)、「日米同盟にもとづく世界規模での協力を深化させ拡大していく意向を確認」(ホワイトハウス声明)と、口をそろえました。その実態は、日本の「対米従属」強化そのものです。 アメリカ“言いなり”の日米同盟をやめて、対等・平等の日米関係をこそ、確立すべきです。
by daisukepro | 2019-06-29 19:31 | 安倍政権批判

年金――苦し紛れの言い訳は通用しない

2019年6月28日(金)年金・9条改憲が大争点首相の言い訳と攻撃にこたえる志位委員長が会見 日本共産党の志位和夫委員長は27日、党本部で記者会見し、参院選では年金問題と安倍9条改憲が大争点になると表明したうえで、安倍晋三首相のこの間の主張に反論しました。写真
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(写真)記者会見する志位和夫委員長=27日、党本部年金――苦し紛れの言い訳は通用しない 志位氏は、19日の党首討論で年金給付を削り続ける「マクロ経済スライド」の廃止を求めると、安倍首相が「ばかげた政策だ」と拒否し、22日の民放番組でも「乱暴な議論」だとして、廃止に「7兆円必要だ」と繰り返し述べたことに言及。「『年金の給付水準を7兆円削る』ということにほかならない。『2000万円足りない』問題に加え、減り続ける年金でいいのか。『マクロ経済スライド』を続けて7兆円の年金削減か。それとも、この制度を廃止して『減らない年金』にするのか。これが選挙戦の大争点になってきた」と強調しました。 その上で、安倍首相が26日の会見などでこの問題で苦しくなり、「安倍政権の5年間で380万人の仕事が増えた。保険料収入が増える」などのごまかしを言い始めたと指摘。「『380万人』の7割は高齢者だ。その多くが貧しい年金のために働くことを余儀なくされている。恥ずかしいことであっても、自慢することではない」と批判しました。 また、首相が「『マクロ経済スライド』を発動しても今年は0・1%年金額を増やした」と繰り返していることについて、志位氏は「今年は物価が1・0%上がっている。年金が0・1%しか上がっていないというのは、0・9%年金が目減りしたことにほかならない」と指摘。「『上がった』『上がった』というのはウソの類いだ」と断じました。 さらに安倍首相が、共産党も念頭に「具体的な対案もなきままにただ不安だけをあおる無責任な議論」をしていると非難したことに対し、志位氏は「デマにもとづく中傷だ」と述べ、共産党が▽高額所得者優遇の保険料見直しで1兆円規模の保険料収入を増やす▽約200兆円の年金積立金を計画的に年金給付に活用する▽賃上げと正社員化をすすめるなど、「減らない年金」「安心の年金」の具体的提案を行っていると強調。真剣に具体的提案を行う政党に対し、事実をねじ曲げ誹謗(ひぼう)する首相を厳しく批判しました。憲法――野党攻撃にこたえる 志位氏は、安倍首相が26日の会見で、憲法について「(憲法審査会で)議論すら行わないという姿勢でよいのか」と述べたのに対して、衆参両院の憲法審査会は、憲法の一般的な議論をする場でも憲法改定の是非を議論する場でもなく、「憲法改定原案を発議する場」だと指摘。世論調査でも安倍首相のもとでの改憲に国民の「反対」が多数だとして、「そもそも憲法審査会を動かす必要はない」と強調しました。 その上で、「私たちは国会でも、さまざまな討論会でも憲法を大いに論じてきたし、今後もやっていく」と表明しました。 安倍首相が参院選を「憲法を議論する政党か、しない政党かを選ぶ選挙だ」としたことについて志位氏は、「安保法制=戦争法や秘密保護法、共謀罪など憲法違反の法律を数の暴力で押し通し、憲法をないがしろにしてきた安倍政権に憲法を論ずる資格はない」と断じました。 さらに「野党は対案を出せ」との首相発言に対し、「日本共産党の確固たる対案は日本国憲法そのものだ」として、党綱領に明記されている「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」ことが対案だと強調。「いまの中心課題は憲法を変えることではなく、憲法の素晴らしい理念、条項を生かした政治に改革をしていくことだ。変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにする安倍政治だ」と強調しました。
by daisukepro | 2019-06-28 22:22 | 年金問題

郵政「年金では不安」 政府否定の一方で…投信PR

郵政「年金では不安」 政府否定の一方で…投信PR
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2019年6月28日 07時04分  麻生太郎財務相兼金融担当相が「老後は夫婦で二千万円が必要」とする金融審議会の報告書について「著しい不安とか誤解を与える」として受け取りを拒否した一方で、民営化後も政府が六割強の株を持つ日本郵政グループは「年金といくらかの貯金による生活は不安」とする冊子を作成し、投資信託購入を勧めている。専門家からは「老後の生活費に関する政府の説明は不十分。年金を含む社会保障の課題と真剣に向きあうべきだ」との声が出ている。 (池井戸聡) 日本郵政グループでは、ゆうちょ銀行が日本郵便に委託し投資信託を販売。全国約一万八千の郵便局に「人生百年時代への資産づくり」と題する十八ページのマンガの冊子を置く。 冊子は、定年退職が近い男性と妻が年金受給の手続きで郵便局を訪れる設定で、郵便局員が老後資金の具体的計画を立てるよう進言。男性は「年金といくらかの貯金があれば何とか大丈夫でしょ」と笑うが、妻は「あなたって本当に楽観的ね」と怒り、郵便局員が「ご不安になられる気持ちもごもっとも」と同調。「夫婦でゆとりある生活に必要な費用は月三十四万九千円といわれる」と話して、投資信託の購入を勧める。 この冊子は、投資信託の商品をゆうちょ銀行に供給する企業の一つ、日興アセットマネジメントが編集。同社とゆうちょ銀、郵便局が連名で作成した。日興の商品の宣伝用でなく「資産形成の必要性に気付いてもらうためにつくった資料」(ゆうちょ銀)という。 麻生氏は金融審の報告書が「政府の政策スタンスと異なる」として受け取りを拒否した。だが多くの金融機関に加え、政府が大株主の日本郵政グループも「年金だけでは不安」との趣旨の説明をし、金融商品を販売しているのが実態だ。 さらにゆうちょ銀では、投資信託の販売時に社内ルール違反があったことが判明。かんぽ生命でも不適切な金融商品の販売があり、高齢者の不安は高まっている。第一生命経済研究所の熊野英生氏は「老後の生活設計は国民的課題。政府は真摯(しんし)に説明すべき」と話す。(東京新聞)郵便局に置かれている冊子の一コマ この記事を印刷する
by daisukepro | 2019-06-28 07:12 | 年金問題

比例投票は自民28%、立民9% 共同通信の参院選世論調査

比例投票は自民28%、立民9% 共同通信の参院選世論調査
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2019年6月27日 18時50分  共同通信社は26、27両日、来月実施される参院選の有権者動向を探るため全国電話世論調査(第1回トレンド調査)を実施した。比例代表の投票先は、自民党が28・8%で最も多く、立憲民主党の9・0%が続いた。金融庁の金融審議会報告書を巡る老後資金2千万円問題を「争点だと思う」との回答は50・1%と半数を占めた。「思わない」は43・0%だった。 安倍内閣の支持率は47・6%、不支持率は44・1%だった。安倍政権下の憲法改正の賛否を聞いたところ反対が50・1%となり、賛成は35・0%にとどまった。
by daisukepro | 2019-06-28 00:56 | 選挙

大崎事件、最高裁が再審認めず 40年前の殺人

大崎事件、最高裁が再審認めず 40年前の殺人 2019年6月26日 15時30分  鹿児島県大崎町で1979年、農業中村邦夫さん=当時(42)=の遺体が見つかった大崎事件の第3次再審請求審で最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は、殺人と死体遺棄の罪で懲役10年が確定し服役した元義姉原口アヤ子さん(92)の請求を認めない決定をした。25日付。再審を認めた鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の決定を取り消した。再審を認めない判断が確定した。5人の裁判官全員一致の意見。 第1次再審請求でも、地裁が認めたものの、高裁支部が取り消していた。最高裁が再審開始決定を取り消すのは極めて異例。(共同) 原口アヤ子さん
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by daisukepro | 2019-06-26 16:26 | 裁判

主張 年金7兆円削減 「減らない制度」への転換こそ

主張年金7兆円削減「減らない制度」への転換こそ 厚生年金だけでは老後資金が2000万円不足するなどとした金融庁の審議会報告書を契機に、年金不安が高まり、現在の年金水準引き下げの仕組み「マクロ経済スライド」の是非が議論になっています。安倍晋三首相は先週、この仕組みの廃止を拒み、その理由として「7兆円の財源が必要」と述べました。国民が受け取るはずの年金が「マクロ経済スライド」によって7兆円規模で削減されることを認めた重大な発言です。「マクロ経済スライド」を廃止し、「減らない年金」を実現することが必要です。年金制度のあり方は、7月の参院選での大争点です。大打撃もたらす現行制度 「マクロ経済スライド」は、自民・公明政権が2004年の年金法改悪で導入しました。年金額を決める時に、物価・賃金が上昇していても、その分より年金引き上げ幅を低く抑え込み、実質的に削減するものです。これらの仕組みによって安倍政権の7年間に年金は実質6・1%も減りました。この仕組みのもとでは現在41歳の人が65歳で年金を受け取れるようになるまで減らされ続けることになります。「100年安心」などという宣伝は全く成り立ちません。 しかも、安倍首相は党首討論(19日)で、日本共産党の志位和夫委員長が提起した「マクロ経済スライド」廃止と財源を示した具体的対案について「ばかげた案」と否定するとともに、「7兆円の財源が必要」と言い出しました。22日のテレビ番組でも同様の発言を繰り返しました。これは国民が受け取れるはずの年金が「マクロ経済スライド」で7兆円も削られるということの表明です。政府は従来、この仕組みでどれくらいの規模で年金削減になるかという数字を隠してきました。それが首相の口から明らかにされたのです。 党首討論後、厚生労働省が志位氏に提出した資料には、40年時点で本来25兆円になるはずの基礎年金(国民年金)の給付額が18兆円に抑え込まれることが示されていました。国民年金はいまでさえ40年間保険料を払っても月6万5000円にしかなりません。それが約4万5000円にまで減る計算です。暮らしに大打撃をもたらす「マクロ経済スライド」の深刻な実態を浮き彫りにしています。 “貧しい年金”をさらに貧弱にする仕組みをやめて、減らさず底上げする改革こそ急務です。日本共産党は、「マクロ経済スライド」廃止のため、▽高額所得者優遇の保険料・給付の見直しで年金財政の収入を1兆円規模増やす▽約200兆円にのぼる年金積立金の「温存」をやめて計画的に取り崩して活用をする▽根本的対策として、年金の支え手である現役労働者の賃上げなどで保険料収入と加入者を増やし年金財政を安定化させる―ことを提起しています。消費税増税とは別の財源を確保し、低収入の年金生活者の年金額の上乗せ給付も不可欠です。これらを第一歩に、最低保障年金制度確立など抜本的改革をすすめます。安心して頼れる仕組みに 国民の暮らしが保障できなくては、年金制度の「持続性・安定性」といっても意味がありません。安心できる年金は老後の暮らしの支えであるだけでなく、高齢者の消費増につながり、地域経済にも貢献します。頼れる年金の実現のため、力を合わせましょう。
by daisukepro | 2019-06-26 16:20 | 貧困なくすための政治

故水上勉が見た「天安門」 事件30年 長女が「記録画」公開

故水上勉が見た「天安門」 事件30年 長女が「記録画」公開
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2019年6月26日 13時50分  中国当局が学生らの民主化運動を武力弾圧した天安門事件から六月で三十年が経過した。日中文化交流協会代表団の団長として偶然、現地で事件の一端を目撃した作家の故水上勉さん(一九一九~二〇〇四年)は、「記録画」に当時の衝撃を描いていた。これまで表に出ることはあまりなかったが、事件三十年を機に、保管する長女蕗子(ふきこ)さん(73)=長野県東御市=が本紙に公開した。 (佐藤大) 水上さんらの一行は一九八九年六月一日、北京に到着した。当時、北京市中心部の天安門広場では、多数の学生や市民らが民主化を求め大規模デモを行っていた。 軍の戦車などが同三日夜に制圧を始め、多数が死傷。水上さんは、天安門にほど近い宿泊先「北京飯店」から、けがをして搬送される人々や戦車を目撃し、詳細をメモに取った。 一行は同六日、日本政府の救援機で帰国した。水上さんは家族と再会してほっとしたのもつかの間、翌七日早朝に体調が急変し、心筋梗塞で緊急入院。心臓の三分の二が壊死(えし)したが、一命を取り留めた。手術後、病室に竹紙を取り寄せ、絵筆を執った。 水上さんはこれらの体験を「心筋梗塞の前後」(一九九四年)に書き記している。 ただ、記録画についてはなじみの深い京都の画廊などで一部が展示された以外、ほとんど公開されてこなかった。蕗子さんによると、中国の関係者に配慮し、公表には積極的ではなかったという。 額装された記録画は全部で十四点。そのうちの一点では、着衣を赤く染め、輪タクに乗せられた負傷者が中央に描かれ、「(繁華街の)王府井は負傷者と死者の運ばれる道なり」「わきに学生らしき男いてこれも血みどろなり」「天安門にて銃音しきりなればその犠牲者たるは明らか」などと書かれている。 別の一点では、中国で赤十字を示す「紅十字」の旗を持った人の姿が描かれている。 水上さんを研究する山梨大の大木志門准教授(日本近代文学)は記録画について「水上勉は一方で私小説を書きながらも、現実の出来事を追い、社会派的な目を持ち続けた。見たものを残さなければならない、という思いがあったはずだ」とみる。 記録画や「心筋梗塞の前後」には、事件を論評するような記述は見当たらない。水上さんは若い頃に一時、旧満州(中国東北部)に渡った経験があり、生涯に何度も訪中している。 大木准教授は「水上勉にとって中国は大事な存在だった。(事件に対して)思うところはあったはずだが、すべてを見たわけではない出来事に対し、ひと言で言うべき問題ではない、という考えもあったのだろう」と分析する。<水上勉さん(みずかみ・つとむ)> 福井県大飯郡本郷村(現おおい町)生まれ。10歳で京都の寺に徒弟に出された。立命館大に進んだが、学費が足りず退学。戦後、初出版の「フライパンの歌」が好評を得たが、生活に追われ、一時、文学から離れた。再登場し「雁の寺」で直木賞。代表作に「飢餓海峡」「五番町夕霧楼」「越前竹人形」など。絵もたしなみ、京都を描いた画文集なども出版した。蔵書や竹人形劇場を備えた「若州一滴文庫」をおおい町につくった。(東京新聞)
by daisukepro | 2019-06-26 16:12 | 歴史

安倍内閣に国政担う資格なし 内閣不信任決議案に対する志位委員長の賛成討論

安倍内閣に国政担う資格なし内閣不信任決議案に対する志位委員長の賛成討論衆院本会議 日本共産党の志位和夫委員長が25日の衆院本会議で行った安倍晋三内閣不信任決議案に対する賛成討論は次の通りです。写真(写真)安倍内閣不信任決議案の賛成討論に立つ志位和夫委員長=25日、衆院本会議 私は、日本共産党を代表して、安倍内閣不信任決議案への賛成討論を行います。 発足から6年半を迎える安倍政権は、内政・外交のあらゆる面で行き詰まり、国民の不信と批判が広がっています。 もはやこの内閣に、わが国の国政を担う資格はありません。国民の年金不安に対して無責任きわまりない態度 不信任の第一の理由は、国民の年金不安に対して無責任きわまりない態度をとっていることであります。 公的年金だけでは「2000万円不足する」という金融庁の報告書が、老後への不安を広げています。ところが安倍政権は報告書の受け取りを「拒否」するという前代未聞の対応をとりました。自分に不都合な事実は隠ぺいする。この姿勢が年金への不安をいっそう広げているという自覚はないのでしょうか。この一点をもってしても不信任に値する暴挙といわなければなりません。 問題は、それにとどまりません。総理が、「マクロ経済スライド」という給付水準引き下げの方針にしがみついていることです。19日の党首討論で、私が「マクロ経済スライド」の廃止を求めたところ、総理は、廃止は「ばかげた案」だと拒否しつつ、同制度を廃止するには「7兆円の財源が必要」と答弁しました。この答弁はきわめて重大です。「マクロ経済スライド」で国民の年金を7兆円規模で奪うことを認めたのであります。 総理は、その後、民放番組で、わが党が「マクロ経済スライド」を廃止するための財源を「まったく出していない」と攻撃しました。総理は、党首討論でいったい何を聞いていたのでしょうか。私は、あの場で、高額所得者優遇の保険料のあり方をただすことで約1兆円の保険料収入を増やすという具体的提案をしたではありませんか。さらにわが党は、約200兆円の年金積立金を年金給付に活用すること、賃上げと正社員化を進めて保険料収入と加入者を増やすことを合わせて進めることによって、「減らない年金」にすることは可能だと具体的に提案しています。 今でさえ貧しい年金を、「マクロ経済スライド」を続けて、さらに貧しくする政策にしがみつく総理の姿勢こそ、総理失格の「ばかげた姿勢」といわなければなりません。暮らしと経済を破滅に追い込む消費税10%への増税強行をねらう 不信任の第二の理由は、暮らしと経済を破滅に追い込む消費税10%への増税を強行しようとしていることです。 2014年の消費税8%を契機に、実質家計消費は年25万円も落ち込み、労働者の実質賃金も年10万円落ち込んでいます。内閣府の景気動向指数は、6年5カ月ぶりに2カ月連続で「悪化」となりました。景気悪化の局面での増税の強行など、歴史的にも前例のない愚行というほかありません。 私が、予算委員会で、増税が日本経済にもたらす破滅的影響をただすと、総理は、「今回はいただいたものをすべてお返しする対策を行っていきたい」と答えました。しかし、すべて返すぐらいなら最初から増税などしなければいいではありませんか。 総理は、「消費税の使い道を変える」――増税分を「高等教育の無償化」「幼児教育・保育の無償化」にあてるという言い訳をしています。しかし「高等教育の無償化」と言いますが、その中身は、大学学費の値上げを容認し、学費減免の対象になるのは学生の1割にすぎず、その財源は消費税増税です。これをもって「高等教育の無償化」とは、「看板に偽りあり」とはこのことではありませんか。「幼児教育・保育の無償化」は必要ですが、財源を消費税増税に頼ったら、所得の少ない方には負担増だけにしかなりません。どれもこれも、消費税増税を押し付ける言い訳にはなりません。 総理は、大企業や富裕層への優遇税制をただすなど、「消費税に頼らない別の道」で財源をつくり、暮らしの充実にあてるというわが党の提案を、「信憑(しんぴょう)性がない」「経済がダメージを受ける」と悪罵(あくば)を放って拒否しました。しかし、富裕層優遇の証券税制を是正することは、経済同友会やOECD(経済協力開発機構)も主張していることです。総理は、これらに対しても「信憑性がない」と悪態をつくつもりか。 景気悪化のもと、庶民には大増税を押し付け、大企業と富裕層優遇の税制には指一本触れようとしない。このような首相に、日本経済の舵取(かじと)りも、国民の暮らしも、まかせるわけには断じていきません。憲法9条改定によって、「海外で戦争する国」への暴走 不信任の第三の理由は、憲法9条改定によって、「海外で戦争する国」への暴走の道を突き進もうとしていることです。 安倍総理の改憲案のどこが問題か。それを自ら明らかにしているのが、自民党が取りまとめた9条改憲の条文案です。 条文案では、9条2項の後に、「前条の規定は、……自衛の措置をとることを妨げない」として、自衛隊を明記するものとなっています。「前条の規定」は「妨げない」ということは、9条2項の制約が自衛隊に及ばなくなるということです。2項が残されていても立ち枯れとなり、死文化してしまいます。海外の武力行使への一切の制約がとりはらわれてしまいます。アジア諸国民と日本国民の甚大な犠牲のうえにつくられた日本国憲法第9条を亡き者とし、米国と肩を並べて戦争をする国をつくろうという野望を、絶対に許すわけにはいきません。 総理は、参議院選挙で、「憲法を議論しない政党か、する政党かを強く訴える」とのべています。わが党は、憲法を守り、憲法を政治に生かす議論をこれまでも大いにしてきましたし、今後も大いにしていく決意です。同時に強調したいのは、いったい総理に、憲法を議論する資格があるのかという問題であります。 安倍政権は、秘密保護法、安保法制=戦争法、共謀罪――どれもこれも憲法違反の法律を、数の暴力で強行してきました。こんなにも憲法を蔑(ないがし)ろにしてきた政権は、戦後かつてありません。憲法を蔑ろにする総理に、憲法を議論する資格はありません。沖縄県民の民意を無視した新基地建設――これで民主主義の国といえるか 不信任の第四の理由は、沖縄の民意を無視し、辺野古新基地建設にむけた埋め立てをやめようとしないことです。 県知事選挙、県民投票、衆院沖縄3区補欠選挙――この間も、沖縄県民は繰り返し繰り返し、明瞭で圧倒的な、「新基地建設ノー」の審判をくだしてきました。それを一顧だにせず、埋め立てを続ける国が、いったい民主主義の国といえるのか。 23日、沖縄全戦没者追悼式で、玉城デニー知事は、「民主主義の正当な手続きを経て導き出された民意を尊重せず、なおかつ地方自治をも蔑ろにするもの」だと、総理の姿勢をきびしく糾弾しました。当然の批判であります。 総理が、この期に及んで、「県民の負担を軽減する」だの「沖縄の心に寄り添う」だのというのは、沖縄県民を愚弄(ぐろう)するにもほどがあるといわなければなりません。 総理がいまやるべきは、内閣を総辞職し、沖縄県民の総意にこたえる新しい政権に席を譲ることであります。参院選で勝利をかちとり、安倍政権を退陣に追い込み、希望と安心の日本を 私たち5野党・会派は、きたるべき参院選にむけ、32の1人区のすべてで候補者を一本化いたしました。そして、国民の願いにこたえる13項目の共通政策を確認しております。 市民と野党で力をあわせ、この政治戦で必ず勝利をかちとり、安倍政権を退陣に追い込み、国民の誰もが希望をもち安心して暮らせる日本をつくるために全力をあげる決意を表明しまして、賛成討論といたします。
by daisukepro | 2019-06-26 11:45 | 政治