人気ブログランキング |

<   2019年 10月 ( 52 )   > この月の画像一覧

主張 オスプレイ事故 容疑者不詳の異常事態ただせ

主張

オスプレイ事故

容疑者不詳の異常事態ただせ

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが沖縄県名護市安部に墜落した事故で容疑者である事故機の機長が氏名不詳のまま書類送検され、不起訴の可能性が高まっています。こうした中、沖縄県議会は日米地位協定の抜本的改定を求める意見書を全会一致で可決しました(15日)。意見書は、米軍が機長の氏名を明らかにせず、乗組員の聴取などにも応じず、捜査が不十分な状況で終結したことを「不平等な地位協定に起因する」と批判しました。米軍に治外法権的特権を与え、日本の主権を著しく侵害している異常事態を一刻も早くただすことが必要です。

日本政府の弱腰な姿勢

 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のオスプレイが名護市安部海岸の浅瀬に墜落、大破したのは2016年12月です。もし住宅地に墜落すれば大惨事につながりかねない深刻な事故でした。今年12月の時効成立を前に、管轄の中城(なかぐすく)海上保安部が先月24日、当時搭乗していた機長を氏名不詳のまま、航空危険行為処罰法違反容疑で那覇地方検察庁に書類送検していました。

 具体的には、事故機の機長が空中給油訓練に当たって、適切な速度を保持するという業務上の注意義務を怠り、自機のプロペラを空中給油機KC130の給油装置に接触させて損傷させ、その後、着水によって機体を破壊させたというものです。

 米軍は、事故原因を機長の操縦ミスとする調査報告書を提出したものの、氏名や所属は伏せられました。機長を含む乗組員への聴取の求めにも応じず、事故発生直後から現場周辺を規制し、証拠の機体も回収したため、捜査は尽くされないまま終わりました。

 同じような事態は、04年8月に普天間基地に配備されていた大型輸送ヘリCH53が沖縄国際大学(宜野湾市)に墜落した事故や、17年10月に同基地所属のCH53が沖縄県東村高江の牧草地に不時着、炎上した事故の際にも繰り返されてきました。

 在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定は、公務中の犯罪について米側に第1次裁判権があると規定するなど、さまざまな特権を保障しています。しかし、そうした地位協定であっても、必要な捜査や証拠の収集・提出については日米の当局が相互に援助しなければならないとしています。米軍が捜査に協力せず、機長の名前や所属すら明らかにしなかったのは、地位協定違反に他なりません。これに抗議しない日本政府の姿勢は重大です。

 一方で、地位協定に関する日米の了解事項を記録した「合意議事録」には、米側が同意しない限り、日本の当局は米軍財産の捜索、差し押さえ、検証ができないことを定めています。米軍機事故に関する日米両政府のガイドラインでは、事故現場周辺への立ち入りに米側の同意が必要としています。

地位協定の抜本改定を

 沖縄県は、日米地位協定を改定し、事故現場周辺の統制を日本側が行うことや、米軍財産の捜索、差し押さえ、検証ができるようにすることを求めています。県議会の意見書は、航空法など国内法を米軍に適用するよう要請しています。独立国としてあまりにも当然の要求であり、沖縄だけにとどまらない切実な全国的課題です。




by daisukepro | 2019-10-19 00:37 | 日米地位協定

論戦ハイライト 参院予算委 関電疑惑で井上議員 原発利権にメス入れよ

論戦ハイライト 参院予算委

関電疑惑で井上議員

原発利権にメス入れよ

 16日の参院予算委員会で、関西電力の「原発マネー」還流疑惑を取り上げた日本共産党の井上哲士議員。政府が「国策」として進めてきた原発推進政策と一体で、「原発マネー」が還流していた構図を浮き彫りにし、事実解明のための関電幹部の国会招致を求めました。

 2011年の東京電力福島原発事故以降、原発再稼働反対の世論が広がるなか、政府は原発再稼働に固執し続けてきました。関電は16年に高浜原発3、4号機、18年に大飯原発3、4号機を再稼働。安倍政権下での再稼働9基のうち4基が関電の原発です。

 井上氏は、原発再稼働にともなう追加的安全対策費は関電だけで1兆円を超え、関電が13年、15年度の2度にわたって電気料金を値上げしたことを指摘。一方、関電は16年以降、役員報酬を引き上げ(表)、再稼働のための安全対策工事に深くかかわった福井県高浜町の森山栄治元助役から3億2千万円の金品を受け取っていたとして、次のようにただしました。

 井上 (関電幹部の)役員報酬は増えて、森山氏からの金品と2重に受け取っている。再稼働のための電気料金の値上げを認可したことで、このような事態が起こった。国の責任をどう考えるのか。

 菅原一秀経産相 企業の報酬は一定の裁量が認められる。

 国の責任については一切答えない政府に対し、委員会室からは「まるで関電の代弁者だな」とのヤジも。井上氏は「森山氏からの関電幹部への金品の提供は『一企業の金銭不祥事』などと矮小(わいしょう)化してはならない」として、「原発マネー」還流の構図を告発しました。

還流の構図は

 井上氏は、福島原発事故を受けて、再稼働のための安全対策工事費の総額の見込みは増え続け、それにつれ、関電幹部への金品受領額も膨らんでいること(グラフ)を示し、「政府が『国策』として進めてきた原発推進政策と一体で『原発マネー』が還流した」と強調。さらに、国の電源立地地域対策交付金も、高浜町の建設会社「吉田開発」と森山氏を通じて関電幹部に還流した疑いがあることを告発しました。

 高浜町の資料によると、吉田開発は15年~17年の3年間に同交付金を活用した公共事業5件を総額約4億5253万円で受注し、このうち少なくとも3億7140万円に同交付金が充てられていました。

 井上氏は「吉田開発から森山氏へ提供されたという3億円の資金について、関電からの受注工事とともに、交付金による工事も原資になった疑いがある」として、次のようにただしました。

 井上 こうした交付金による事業は関電の第三者委員会の調査対象になるか。

 経産相 森山氏が還流したとされるお金も含め、すべて第三者委員会で調査する。

 井上 徹底して調べてもらいたい。

原発利権の闇

 さらに、井上氏は、関電の報告書には森山氏が「福井県議会、および国会議員に広い人脈を有していた」と書かれており、森山氏の関連会社が自民党の稲田朋美幹事長代行、世耕弘成参院幹事長に政治献金をしていたことを指摘。関西電力などの電力8社と関連会社、日本原子力発電、電気事業連合会は17年、稲田氏の政治資金パーティー券を計112万円分購入していたことも分かっているとして「政治家を含む原発利権の闇に徹底してメスを入れることが必要だ」と強調しました。

図

(写真)出典:有価証券報告書、経済産業省資料から井上哲士事務所作成

 

図



by daisukepro | 2019-10-18 09:16 | 赤旗

主張 首相の改憲策動 執念の根深さを世論で阻もう

主張

首相の改憲策動

執念の根深さを世論で阻もう

 自民党役員人事と内閣改造を受けた臨時国会の審議の中で、安倍晋三首相は憲法9条に自衛隊を書き込むなどの改憲実現への執念を隠しません。見過ごせないのは、首相だけでなく衆参の代表質問や予算委員会の基本的質疑に立った自民党議員が口をそろえて改憲を要求していることです。自民党の改憲推進本部も体制を強化して、活動に拍車をかけようとしています。安倍首相や自民党の改憲への動きは極めて危険です。

自民党を挙げて推進

 安倍首相は先月末の自民党人事にあたって、「憲法改正を党一丸となって力強く進めたい」と述べ、改憲への執念を示しました。再任された二階俊博幹事長や岸田文雄政調会長、総務会長に起用された鈴木俊一氏、改憲推進本部長から選対委員長に横滑りした下村博文氏も足並みをそろえます。安倍首相は臨時国会冒頭の所信表明演説の結びで、改めて改憲の議論を国会に呼びかけ、憲法尊重擁護義務も「三権分立」の原則も踏みにじる姿勢をあらわにしました。

 自民党の改憲推進本部は本部長に細田博之元幹事長、本部長代行に古屋圭司元国家公安委員長、事務総長に根本匠前厚生労働相を充てる体制を確立しました。11日の初会合では地方で改憲機運を盛り上げる「憲法改正推進遊説・組織委員会」(古屋委員長)の新設などを決め、細田本部長は「新しい体制で、精力的に活動していく必要がある」と述べました。

 国会では衆院で代表質問に立った林幹雄幹事長代理や参院で質問した世耕弘成参院幹事長(前経済産業相)、衆院予算委で基本的質疑に立った岸田政調会長らも改憲問題に時間を割き、これにこたえた形で安倍首相がとくとくと自説を展開しました。文字通り自民党を挙げて改憲を推進しています。

 答弁の中で安倍首相は、2020年に憲法9条に自衛隊を書き込んだ改定憲法を施行するというのは「あくまでも希望」と述べつつも、「中身をどうするかは(衆参両院の)憲法審査会で議論してもらう」と、国会での議論を改めて迫りました。9条に自衛隊を書き込むことを諦めたとは決して言いません。自民党の下村選対委員長も通信社のインタビューで、「野党は堂々と憲法審で発言すればいい」といって、野党を改憲の議論に誘います。こうした安倍政権の動きは、先の参院選での「改憲勢力3分の2割れ」という国民の審判に真っ向から逆らうものです。首相が言い出した改憲が思い通りいかない焦りの表れでもあります。

 首相が目指すように憲法9条に自衛隊を書き込めば、9条2項の戦力不保持・交戦権否認の規定が空文化・死文化し、海外での武力行使のために自衛隊を派兵できます。国民も自衛隊員も危険にさらす改憲は阻止しかありません。

改憲「必要ない」が6割

 臨時国会開会後、日本世論調査会が行った調査では、9条の改憲が「必要ない」との回答が56%にのぼり、17年12月の調査より、3ポイント増えました。国会での改憲議論を「急ぐ必要はない」も69%と、7割近くです(「東京」13日付)。国民が9条などの改憲を望んでいないのは明白です。

 「安倍改憲ノー」の「全国3000万人」署名の推進など、世論と運動を全国津々浦々で広げ、憲法を守り生かすことが急務です。



by daisukepro | 2019-10-17 22:11 | 憲法

論戦ハイライト 参院予算委 関電疑惑で井上議員 原発利権にメス入れよ

論戦ハイライト 参院予算委

関電疑惑で井上議員

原発利権にメス入れよ

 16日の参院予算委員会で、関西電力の「原発マネー」還流疑惑を取り上げた日本共産党の井上哲士議員。政府が「国策」として進めてきた原発推進政策と一体で、「原発マネー」が還流していた構図を浮き彫りにし、事実解明のための関電幹部の国会招致を求めました。

 2011年の東京電力福島原発事故以降、原発再稼働反対の世論が広がるなか、政府は原発再稼働に固執し続けてきました。関電は16年に高浜原発3、4号機、18年に大飯原発3、4号機を再稼働。安倍政権下での再稼働9基のうち4基が関電の原発です。

 井上氏は、原発再稼働にともなう追加的安全対策費は関電だけで1兆円を超え、関電が13年、15年度の2度にわたって電気料金を値上げしたことを指摘。一方、関電は16年以降、役員報酬を引き上げ(表)、再稼働のための安全対策工事に深くかかわった福井県高浜町の森山栄治元助役から3億2千万円の金品を受け取っていたとして、次のようにただしました。

 井上 (関電幹部の)役員報酬は増えて、森山氏からの金品と2重に受け取っている。再稼働のための電気料金の値上げを認可したことで、このような事態が起こった。国の責任をどう考えるのか。

 菅原一秀経産相 企業の報酬は一定の裁量が認められる。

 国の責任については一切答えない政府に対し、委員会室からは「まるで関電の代弁者だな」とのヤジも。井上氏は「森山氏からの関電幹部への金品の提供は『一企業の金銭不祥事』などと矮小(わいしょう)化してはならない」として、「原発マネー」還流の構図を告発しました。

還流の構図は

 井上氏は、福島原発事故を受けて、再稼働のための安全対策工事費の総額の見込みは増え続け、それにつれ、関電幹部への金品受領額も膨らんでいること(グラフ)を示し、「政府が『国策』として進めてきた原発推進政策と一体で『原発マネー』が還流した」と強調。さらに、国の電源立地地域対策交付金も、高浜町の建設会社「吉田開発」と森山氏を通じて関電幹部に還流した疑いがあることを告発しました。

 高浜町の資料によると、吉田開発は15年~17年の3年間に同交付金を活用した公共事業5件を総額約4億5253万円で受注し、このうち少なくとも3億7140万円に同交付金が充てられていました。

 井上氏は「吉田開発から森山氏へ提供されたという3億円の資金について、関電からの受注工事とともに、交付金による工事も原資になった疑いがある」として、次のようにただしました。

 井上 こうした交付金による事業は関電の第三者委員会の調査対象になるか。

 経産相 森山氏が還流したとされるお金も含め、すべて第三者委員会で調査する。

 井上 徹底して調べてもらいたい。

原発利権の闇

 さらに、井上氏は、関電の報告書には森山氏が「福井県議会、および国会議員に広い人脈を有していた」と書かれており、森山氏の関連会社が自民党の稲田朋美幹事長代行、世耕弘成参院幹事長に政治献金をしていたことを指摘。関西電力などの電力8社と関連会社、日本原子力発電、電気事業連合会は17年、稲田氏の政治資金パーティー券を計112万円分購入していたことも分かっているとして「政治家を含む原発利権の闇に徹底してメスを入れることが必要だ」と強調しました。

図

(写真)出典:有価証券報告書、経済産業省資料から井上哲士事務所作成

 

図


by daisukepro | 2019-10-17 19:04 | 赤旗

いじめ過去最多54万件、3割増 学校8割で認知、18年度調査

 全国の国公私立小中学校と高校、特別支援学校における2018年度のいじめの認知件数は54万3933件で、過去最多だったことが17日、文部科学省の問題行動・不登校調査で分かった。前年度から31・3%、12万9555件の大幅な増加。いじめが確認された学校は6・4ポイント増の80・8%に上った。心身に深刻な被害が生じるなどの「重大事態」も128件増の602件で最多だった。

 文科省の担当者は認知件数が大幅に増えた要因について「13年施行のいじめ防止対策推進法を踏まえ、積極的な認知を求めてきたことが大きい」と説明し、問題解決の第一歩として肯定的に捉えているとした。

(共同)

 文部科学省

 文部科学省



by daisukepro | 2019-10-17 18:54 | 共同

台風死者、12都県73人 52河川決壊、避難5000人

 記録的な大雨をもたらした台風19号により、東日本の広い範囲で甚大な被害が出ている。共同通信の十五日の集計で、死者は十二都県の七十三人に上った。行方不明者は十三人とみられる。国土交通省によると、決壊した堤防は七県の五十二河川七十三カ所に上り、捜索や復旧作業を急いでいる。大規模な浸水被害があった宮城県丸森町では道路陥落により一部集落が孤立、被害の全容はなお見通せない。内閣府によると、十五日午後二時半時点で十三都県の五千八人が避難生活を続けている。

 台風の影響による都県別の犠牲者数は福島県が最も多く、二十六人が死亡。うち六人が、いわき市で亡くなった。次いで神奈川県十四人、宮城県では十三人が死亡している。浸水した地域の水深は国土地理院の推計によると、水戸市の那珂川流域で最大約七・二メートルに達した。阿武隈川では福島県国見町川内付近で最大約五・二メートル。

 国交省によると土砂災害は十九都県で計百七十件。同省北陸地方整備局によると、千曲川の堤防決壊で長野市穂保地区周辺は約九百五十ヘクタールと大規模に浸水したが、うち約84%は解消された。長野市の北陸新幹線車両基地も含まれている。

 北陸新幹線の長野-飯山間で冠水による信号装置への重大な被害も十五日判明。JR東日本は、東京-金沢間の全線再開まで少なくとも一~二週間かかるとした。

 総務省消防庁によると、住宅の床上浸水が五千七百八十五棟、床下浸水は四千百七十七棟。電力各社によると、十五日午後九時現在で八県の約一万七千戸が停電。厚生労働省のまとめでは、十二都県の十二万八千戸超で断水中という。

 文部科学省のまとめでは、通学路の寸断や交通機関のまひにより、十二都県の国公私立の小中高校など計二百八十三校が十五日に休校した。都県別では福島県の百十八校が最多で、ほかに十一都県の百二十一校が短縮授業となった。

 厚労省によると、高齢者や障害者施設、保育所などで少なくとも十二都県の二百六十九施設が被災した。

 安倍晋三首相は官邸での十四日の会合で「激甚災害に指定する方向で調査を進める」と述べた。

(東京新聞)

写真

この記事を印刷する



by daisukepro | 2019-10-17 11:13 | 共同

政財界が一体となって突き進んできた原子力ムラの縮図は各地の原発立地町でみられます

きょうの潮流

 江戸時代のような風景が広がる村に別世界がやってきた―。日本で最初の原子力ムラとなった茨城・東海村。最先端の施設ができる様子を当時中学生だった村上達也さんは大きな希望と夢を抱いて眺めていたといいます▼原発の恩恵を受け続けた地でその後、村長になった村上さんは「原発は疫病神」と公言するように。多額のマネーと引き換えに魂を売って一炊の夢をみても、ひとは豊かになれないどころか故郷すら失いかねないと(『それでも日本人は原発を選んだ』)▼原発や関連施設をめぐる裏金や接待、選挙での暗躍、露骨なマスコミ対策、反対派の弾圧や住民の分断…。政財界が一体となって突き進んできた原子力ムラの縮図は各地の原発立地町でみられます▼菓子箱の下に忍ばせた金貨や小判。まるで時代劇の悪代官と悪徳商人のようなやりとりがあらわになった関西電力と福井・高浜町の元助役との闇の関係。原発マネーの利権は企業や町の有力者にとどまるものではありません▼10年以上にわたって経産省の職員が高浜町に出向し続けていることを、共産党の藤野保史議員が国会で追及しました。国策として人を送り込み、町とともに原発政策を進めてきたのではないか。さらに、関電や元助役の関連会社からの安倍首相の側近たちへの献金も明らかになっています▼長年、原発行政と向き合ってきた村上さんは断言しています。「安全神話を振りかざし、国策という言葉でひたすら推進してきたこの国に、原発を持つ資格はない」



by daisukepro | 2019-10-17 10:49 | 赤旗

英作家ジョン・ル・カレに聞く なぜ「政治家はカオスが大好き」なのか

英作家

ジェイムズ・ノーティー、BBCラジオ4「トゥデイ」

John Le CarreImage copyrightEMPICS
Image captionスパイ小説の名手、ジョン・ル・カレ氏はMI6在職中に作家デビューした

イギリスのスパイ小説の名手で、かつてはMI6(イギリス情報部)のスパイだったジョン・ル・カレ氏は、最新作の発表を前にBBCに対して、世界の要人について語り、そしてなぜ「人間のまっとうさ」が最後には勝たなくてはならないかを語った。

偶然の出会いがきっかけだ。よりによって、バドミントン・クラブで。ほんの短い会話。それでも、何かがつながった。混迷を極める今の政界に動揺するナットは、そうと気づかないうちに謀略の網を自分の手で紡ぎだしていた。いつかは捕まると知りながら。スパイ。忠誠。裏切り。これぞ、ジョン・ル・カレの世界だ。

最新作「Agent Running in the Field」(「野を走るエージェント」の意味)は、ル・カレ氏にとって25作目の小説だ。発売翌日に88歳になるル・カレ氏は、これまで長いこと「愛国心」とは何かを見つめ続けてきた。そのこだわりは年を経るごとに薄れるどころか、ますます鮮明になってきた。この小説はブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)に関する粗雑な物語ではない。しかし、全編を通じて容赦なく、この国がどういう国で、この混乱によって今後どういう国になり得るのか、さりげなく、かつ執拗(しつよう)に問い続けている。

私たちは夏に、時間をかけてじっくり話をした。「今の時点でこの国にいて、国の状態について何も言わずに何かを書くのは不可能だ。私たちはその一部なのだから。私もその一部なのだから」と、ル・カレ氏は言った。

「今の状況に私は落ち込んでいる。恥ずかしいことだと思っている。その気持ちは、本の中身からも伝わると思う」

The Night Manager castImage copyrightBBC/THE INK FACTORY
Image captionル・カレ氏の小説「ナイト・マネジャー」を原作にしたBBCドラマは、ゴールデングローブ賞3部門、英BAFTA賞3部門、米エミー賞2部門で受賞した

けれどもこの小説は、現在についてだけでなく、過去についても語っている。そして、「娯楽を提供するのが本の目的だ。それができていると思う。私は物語を語る人間、ストーリーテラーなので」と作者は言う。

MI6で働きながら出世作となる小説を書いた当時のことも、取材中の話題に上った。

「『寒い国から帰ってきたスパイ』のころと一緒だ。当時と同じように、個人としての義務を果たすという個人の目的の一方で、国家への義務、社会や社会を表す組織に対してどういう恩義があるかという、その両方の対立が今も課題になっている」

個人としての義務と社会への義務。この対立について50年以上にわたり繰り返し、あらゆる形で書き続けてきたル・カレ氏にとって、このテーマは時とともにますます不穏なものになってきた。冷戦時代はむしろ、奇妙に単純だった。冷戦では対立する双方が、相手が何者かを承知していたので。しかし、冷戦後の対立ははるかに分かりにくく、様々な忠誠心が錯綜している。ル・カレ氏のような作家にとっては、自分が書いてきた内容を現実世界が裏づけてしまったことになる。しかも、実につらい形で。

ル・カレ作品は、あえて難問を問いかける。「もしMI6が、偶然にしろ狙ったことにしろ、トランプがロシアで本当にひどいことをやらかしていたと、絶対的に否定のしようがない証拠を手にしたとする。その情報を、MI6はどうするだろう? そして、ついでに言えば、この国の首脳陣はどうするだろう?」。

最新作の構成は、これまでの数々の傑作と同じように実に緻密だ。そしてその精緻な構造の背景には、不安が潜んでいる。そういう難しい状況でMI6は、イギリス政府はどうするだろう? その問いかけへの答えが、もう以前とは違うのではないか。そういう不安だ。

ル・カレ氏は今作でも相変わらず、ページの上から飛び出すような素晴らしいフレーズをいくつも書いている。たとえば、ロシアとアメリカの大統領が会談する場面では、プーチンが「看守のような笑顔を浮かべる」のだ。

Russia President Vladimir Putin and his US counterpart Donald Trump met at the G20 Osaka Summit in June.Image copyrightGETTY IMAGES

ル・カレ氏と話をすると、いつも元気が出る。勢いよくエネルギーを振りまく人なのだ。周囲を観察し、うわさ話に耳を傾け、人間というものに果てしなく興味をもち、そして怒りを抱え続けることから、その活力を得ている。長いこと話していると毎回、爆笑もののエピソードが次々と出てくる。雄弁家よろしく、面白い話を楽しんで披露するのだが、それと同時に、その話には常に喪失と憂鬱の影が落ちる。

私たちは、ジョージ・スマイリーの話をした。ル・カレ作品の中でも特に有名な、偉大な登場人物だ。前作「スパイたちの遺産」の終盤にカメオ出演したスマイリーは、自分が守っていたはずの「欧州」という文化の分裂を憂いていた。私たちはさらに、スマイリーの同僚のピーター・グイラムの話もした。グイラムも前作で、自分の信念の一部を失ってしまう。

「2人とも、イギリスを外から眺めていた。2人とも、人生の大部分を捧げて、大義のためにスパイとして活動した。その2人が今になってあの本で、不安に思っている。そしてこの本でも登場人物たちは、同じように不安に思っている。自分が正しい大義のために人生を捧げてきたのか、そしてその大義はまだ存在するのか」

最新作に流れる、切羽詰ったエネルギーの理由がそれで分かる。作者自身が、その懊悩(おうのう)を抱いているからだ。10代でドイツとドイツ語とその文化を愛するようになった作者は、欧州について、自分も思い悩んでいて、ドイツについて考えるのを止められないのだ。

(L-R) Actors Benedict Cumberbatch, Colin Firth and writer John le Carre at the premiere of the film adaptation of Tinker Tailor Soldier Spy in 2011, LondonImage copyrightGETTY IMAGES
Image captionル・カレ氏(右)の代表作のひとつ「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」が映画化された際には、ベネディクト・カンバーバッチ氏(左)やコリン・ファース氏(中央)も出演した。写真は2011年のロンドン・プレミアで撮影

あらすじをばらしたりはしないが、この本は、人がまっとうである(decency)とはどういうことかを描いている。そう思うと、私は作者に伝えた。

「おかしなことに、その言葉は最近は、英語よりもドイツ語でよく使われるようになった」と、ル・カレ氏は答えた。

「実はそれは、ドイツ文化に深く根ざす考え方で、中世の物語にも登場する。登場人物が最後にたどりつく人生の秘密で、それまでに生きることで中庸とまっとうさを学び、まともな人間にならなくてはならない。そして面白いことに、私のどの本でも、私自身は実生活でまともでないとしても、主人公たちはまともな人間になる。それが、悲しい真実の裏にある、何かを求める気持ちなんだ」

「まっとうになろうと希求する気持ち。そこには一種のロマンチシズムがある」

ル・カレ氏は、自分がいかに国を愛しているかを語り、偏狭な国家主義だと思う風潮にいかに絶望しているかを語った。「国家主義は愛国主義とはかなり違う。国家主義には、敵が必要だ」。

John le CarreImage copyrightGETTY IMAGES
Image caption政治家は「カオス」を「直したがる」ものだとル・カレ氏は言う

「私」の忠誠に伴う責任と「公」の義務のバランスを進んで描き続けてきた作者が、今の政治の様子に苦悩しつつ注目してしまうのは、当然のことかもしれない。今の状況は、ル・カレ氏がずっと書き続けてきたテーマそのものなのだから。

「郷愁の何が本当に怖いかというと、政治の武器になってしまったところだ。政治家たちは、実際には存在したことのないイングランドへの郷愁を作り出した。そして、ありもしないそんな過去のイングランドに戻れるのだと、売り込んでいる」

ル・カレ氏は政治家を軽蔑してきたし、その思いは年々強まっている。

「政治家はカオスが大好きだ。そんなわけはないなどと、決して思ってはならない。世情の混乱は政治家に権威を与えるし、権力を与える。混沌を背景に、政治家は存在感を示すことが出来る。自分こそが国民の皆さんのために、この状態を直しますよと言えるようになる」

今の英政界では右派も左派も教条的な絶対主義に陥り、片やリバタリアン主義、片やレーニン主義を掲げていると、ル・カレ氏は絶望している。しかも、右も左も目的は一緒で、どちらもカオスのあとの仕切り直しを目指しているのだと。

私たちはやがて、再び作者の最新作の話に戻る。そのテーマは、ル・カレ作品に一貫して流れ続ける、臆することのないロマンチックなものだと。

「それはスマイリーのテーマだ。これほど混乱して、これほどのうそが飛び交い、これほどのごまかしや歴史の書き直しが横行する世の中にあって、それでも人間がまっとうであることは、生き延びなくてはならないので」

「Agent Running in the Field」は10月17日、ペンギンブックスより刊行。

(英語記事 John le Carré: 'Politicians love chaos - it gives them authority'


by daisukepro | 2019-10-16 19:56 | 文化

グーグルが新スマホ 触れず手ぶりで音楽再生

写真

 【ニューヨーク=共同】米グーグルは十五日、人工知能(AI)技術をふんだんに活用したスマートフォン「ピクセル4」シリーズ=写真、ロイター・共同=を二十四日に日本など各国で発売すると発表した。スマホの画面に触れずに、手ぶりで音楽を次の曲に進める機能を搭載。カメラの性能の高さも特長で、暗い場所でもきれいな写真を撮れるとしている。

 携帯電話大手ではソフトバンクが取り扱う。NTTドコモやKDDI(au)の回線で利用する場合は、グーグルの通販サイトで購入する必要がある。価格はストレージの大きさによって、画面サイズ五・七インチの「ピクセル4」が八万九千九百八十円から、六・三インチの「ピクセル4XL」が十一万六千六百円からとなる。色はブラック、ホワイト、オレンジの三色。グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」の最新版を搭載した。

 手ぶり機能は、スマホの前で手を動かすと、内蔵のセンサーが検知する仕組みだ。電話の呼び出し音などを消すこともできる。手ぶり機能は日本では来年春から利用できるようになる。

 スマホ搭載の録音アプリは、録音と同時に文字で書き起こす機能がある。会議などの録音内容を文字で検索できる。当初は英語のみだが、対応言語を増やす予定。

 また、グーグルはクラウド技術を活用し、専用機がなくてもテレビやパソコンなどで本格的なゲームを楽しめるサービス「スタディア」を十一月十九日に北米などで始める。

<グーグルのスマートフォン> 米IT大手グーグルは自社ブランドのスマートフォン「ピクセル」シリーズを販売。グーグルのスマホ向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」はソニーや韓国サムスン電子、中国メーカーなどが搭載し、世界シェアが高い。「iPhone(アイフォーン)」を展開するアップルとの競争上、自社で新技術を盛り込んだスマホを手掛けることで、アンドロイドの普及を図る狙いもある。 (共同)



by daisukepro | 2019-10-16 19:40 | 共同

志位委員長、中国大使と会談 尖閣・香港対応に批判表明

志位委員長、中国大使と会談

尖閣・香港対応に批判表明

写真

(写真)会談する(左から)志位和夫委員長と孔鉉佑駐日中国大使=15日、党本部

 日本共産党の志位和夫委員長は15日、着任あいさつで党本部を訪問した孔鉉佑(こう・げんゆう)駐日中国大使と会談しました。

 孔大使は、日中両国の友好のために、「新しい時代にふさわしい新しい両国関係の構築のために努力したい」と抱負を述べました。志位委員長は、「日中両国の友好関係の発展、北東アジアの平和構築の問題などでの協力を進めていきたい」と述べました。

 この機会に、志位氏は「重大な懸念をもっている問題」として、東シナ海と香港の問題を提起しました。

 東シナ海の問題では、「中国公船による尖閣諸島の領海侵入、接続水域進入が激増・常態化し、日中関係が『正常な発展の軌道に戻った』と両国首脳が述べた後も、中国公船の領海侵入、接続水域進入が継続している」と指摘。志位氏は「中国側にどんな言い分があろうと、他国が実効支配している地域に対して、力によって現状変更を迫ることは、国連憲章などが定めた紛争の平和解決の原則に反するものであり、強く抗議し、是正を求める」と述べました。

 香港問題では、「人権問題は今日の世界においては国際問題になっている」と指摘しつつ、「デモ参加者の一部による暴力は自制すべきと考えるが、民主主義を求める香港市民の運動に対する香港政府の抑圧的措置、それに支持を与えるとともに武力による威嚇を行った中国政府の立場に反対する」と表明。「『一国二制度』のもとで、事態が平和的な話し合いで解決されることを望む」と述べました。

 孔大使は、志位委員長が提起した問題について本国に伝えるとのべた上で、これらについて中国政府の立場を説明しました。東シナ海の問題について、「現状変更をしてきたのは中国側ではなく日本側だ」として、「実効支配されているからといって手をこまねいているわけにはいかない」と述べました。

 香港問題では、「人権や民主の問題ではなく、中国からの分離・独立をめざす勢力がいるということだ。中国としては香港政府を全面的に支持し対話を通じた解決を求めている」と表明しました。

 これに対し、志位氏は、東シナ海の問題について、「現状変更をしてきたのは日本側」というが、中国公船が、日本政府による尖閣国有化(2012年)以前の2008年から領海侵犯をしてきた事実を指摘。「領土にかかわる紛争問題は、国際法と歴史的事実にもとづき冷静な話し合いで解決すべきであり、力による現状変更はやるべきでないと指摘している」と強調しました。香港問題については、大規模な平和的デモが起こった当初からそれを「組織的暴動」とし、香港政府の抑圧的措置に支持を与えてきた中国政府の立場に対してかさねて批判を述べました。

 両氏は、朝鮮半島の情勢についても意見交換を行いました。今後、立場の異なる問題があっても、引き続き意見交換を続けていくことで一致しました。

 会談には、日本共産党の緒方靖夫副委員長、田川実国際委員会事務局長、小島良一国際委員らが、中国大使館から楊宇(よう・う)、倪健(げい・けん)の両公使参事官らが同席しました。




by daisukepro | 2019-10-16 19:34 | 赤旗