さらば愛しのエアコンよ -これでいいのか標準工事込み -

さらば愛しのエアコンよ
これでいいのか標準工事込み

書斎のエアコンが動かなくなってから1年以上は放置したままであったろうか。
パソコンはノート型を使用していたので仕事をリビングに持ち込んでやるようになった。仕事といってもマスコミ関連のホームページ運営管理(NGO)なので送られてきた記事を更新するだけの単調なものだ。けれども細かい操作に目と神経をやられる。帯状疱疹に2回かかったのが証拠だ。近ごろ映像編集が増量になったため、大型PCのデスクトップ型に切り替えた。それからというものリビングの卓上を大型画面のパソコンと外付けハードデスクが占拠することになった。リビングには大型テレビも設置されているので、数ヶ月すると家族の不評は極限に達した。
けれども書斎は古書店の倉庫というより物置となっていたので、仕事ができる状態にするのは大変である。机といすが置ける場所を確保するのに10日かかった。2月に入ってから冬型の気圧配置の日が続き、霜柱が立ち、バケツの水が凍り、雨が雪となり、おまけに早朝目覚めると一面の銀世界になっていた。エアコンがなければ一時間で映画「吸血鬼」のポランスキーのようになる。予算委員会を開いたが、物置からハロゲンヒーターを取り出してきてしばらくこれで耐えろという結論が出た。コートとマフラーを巻き、ヒーターを頼りに作業をすること3日、足の指先が痛い。見ると赤くなっている。もしや、これ、シモヤケ?懐かしいサウンド。ひび、あかぎれ、シモヤケ、インキン、タムシこれらはすべて栄養失調による貧困の象徴だった。バイキンマンの親族にあたる。事態は急変、10万円ほどの臨時予算が発動された。量販店の戦場、池袋に出向いた。ずらりと並んだエアコン売り場で10万円以下の商品を探すには時間はいらない。メーカーも 流行も 効能書きもいらない。特価商品の中でも最低値段の商品が6万円だった。
「もっと安くならない」
「これは特価なので無理です。お買い得ですよ、自動掃除が付いたタイプでは8万円はしますよ」
「ポイントは」
「5%」
「エコとかってないの」
「対象商品ではありません」
「じゃ、いいよ、これで」
「工事は木曜になりますが」
「いいですよ。午前中が・・・・」
「時間指定はできません」
「そう」
契約書に記入をはじめた店員の肩越しにたずねた。
「工事費込みと書いてあるがこれ何だい」
「標準工事費は含まれているということです」
「タダということですか」
「この価格に含まれているのでこれ以上かからないということです」
「通常はこの価格以外に工事費がかかるがそれを無料にするということではないのですか」
「標準工事費込みということです」
「この表示だと工事費が無料になると錯覚する人はいませんかね。」
「........」
「標準の基準は何ですか」
「お宅はマンションですか」
「いえ、普通の建て売り住宅です」
「設置する場所は高いところですか」
「いや、現在あるエアコンの設置箇所は一階の窓辺に室外機が置かれてあるタイプです」
「じゃ、標準ですね」
「配管にカバーがしてありますか」
「部屋が表通りに面しているので多分してあると思いますが」
「アイボリーですか」
「だと思います」
「再利用ご希望ですか」
「新しくする必要がなければそれでいいよ」
「じゃ、カウンターの方でお支払いをお願いします」
「銀行カードでいいですか」
「デビットカードですか、ポイントは3%になります」
「あ、お客さま。話している間に工事日が塞がりました。翌日以降になりますがいいですか」「・・・・・・!」

カウンターに案内された。そこでも契約内容の確認が行われたので工事費について訪ねた。係員はプリントされたエアコン工事メニューを取り出した。なるほど顧客の多くが私のような疑問を持つのだろうか。メニューには標準取り付け工事の説明が出ている。驚いたことに標準取り付け工事にも標準以外の工事があり、工事内容と料金表が載っている。さらに取り外し工事の料金表がある。つまり工事には取り付け工事と取り外し工事があり、さらに電気工事その他の工事があったのだ。標準取り付け工事費とは商品を取り付けるための費用のことであり。しかも、取り付け工事には一定の条件があり、それ以外の取り付け工事の費用は別途加算される仕組みになっている。勿論、取り外し工事、電気工事等は別料金なのである。

結論から言うと工事費は表示価格に含まれている、いないに関わらず工事費は消費者が払うのである。では、標準工事込みという表示は何のためにあるのか。
別途、工事費必要(設置条件によって費用に差があります)という表示が相当と思うのだが、内閣府特命大臣(消費者)みずほちゃんのお考えが聞きたい。おおげさに言うと量販店の経営理念の病根が標準工事費含むに象徴されているような気がする。領収書は正直だ。表示価格6万円に対してエアコン本体5万円、標準工事費1万円、取り外し工事費5000円、リサイクル費500円、その他3000円で合計約7万円。

さて、約束の日に商品が届いた。コンセント交換、化粧カバー取り付け工事で合計4000円を請求された。
「カバーは再利用だよ」最後の抵抗である。
「だから、2000円、新しくすると8000円かかりますよ」
「取り付け直すだけで2000円?」
「はい、決まりです」
結局、合計で8万円近くかかった。エアコンを購入するときには表示価格より1〜2万円かかる覚悟が求められる。最低価格の家電商品しか買い求めることが出来ないクラスの皆さん、参考になりましたでしょうか。昔はエアコンなんかなかったなあ・・・・・・。

泉政務官とともに消費者団体からの意見等を聞く福島大臣 常に前向きな姿勢で立っているのだが・・・・・c0013092_16491168.jpg
平成22年2月3日、福島内閣府特命担当大臣は、消費者庁において消費者団体が一堂に会する初の意見交換会に出席しました。 
 当該意見交換会では、11の消費者団体それぞれから様々な意見・要望等がありました。 
 そのなかで、大臣は「今後も色々な形で工夫しながら意見交換をしていきたい」と述べるとともに、団体からの意見・要望について、「消費者庁としてしっかりと受け止め、対応していきたい」と述べました。 また最後に、消費者団体に対して、「ノウハウを活かした様々な角度からのご意見やアドバイスをいただくことができ大変ありがたかった。これからも連携していきたい」と前向きな姿勢を示しました。
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# by daisukepro | 2010-02-17 16:54 | 文化

いたちごっこ、不毛なe-TAX確定申告のてんまつ

いたちごっこ、不毛なe-TAX確定申告のてんまつ

土日は関東平野に北西の風が吹き、寒さが身にしみた。
梅のつぼみがふくらみ今にもはち切れそうだ。けれども確定申告の季節も同時に訪れる。去年まではほとんど地方税、消費税などを除いて無税か、若干の還付金がもらえることもあった。扶養家族が多い割には年収が少ないのである。ところが、自公政権によって配偶者控除、扶養控除、高齢者控除などが削減されて今年はなけなしの年収から税金を払うことになることが予測される。民主党は生活第一をスローガンに権力を奪取した。政党は望みを叶えただろうが民衆の生活は改善のきざしは感じられない。高齢者、身障者、失業者、母子家庭など低所得者層の生活苦はますばかりである。
去年、確定申告にe-TAXを利用しようと思いたった。そのためには写真入り住基ネットが必要ということで不本意だったが申請することにした。手続きを進めるためにはこれをWEB上で確認せよという。そのために住基ネットを読み取るリーダーの購入が必要だ、量販店で売っているという。ところが店にはマックに適応したリーダーを置いてない。そこで始めてOSのバージョンに制限があることが分かった。当時は我が家ではOSをタイガーにバージョンアップしたばかりだった。確かに国税庁のホームページを開くと推奨環境としてマックは10.3、つまり10.4のタイガーでe-TAXは利用できないということがわかった。税務署に問い合わせてみると従来通り手書きで申請する他ないと至極もっともな返答だった。しかし、最も基本的な利用条件について応対した職員で誰一人説明する者はいなかった。医療費の大量な領収書を添付して確定申告書を郵送することになった。いまいましい住基ネットのカードをじっと見る毎日がしばらく続いた。
そしてまた確定申告の季節がやってきた。まず、国税庁のホームページを開く。推奨10.4、10.5と表示してある。性懲りもなく、今年はe-TAXが使えるかと思った。だが、待てよ、映像編集の効率を上げるため、我がパソコンは10.6にアップしたばかりである。電子証明書が必要だが、また使えないとなると証明書発行の手数料と往復の電車賃が無駄になる。そうだ、まずは区役所に問い合わせてみよう。交換手が取次いでくれたのは

総務課、「バージョンのことは分からないので他の担当に変わります」しばらくして税務課が出る

税務課「電子証明書ですか。それなら戸籍課に回します」

戸籍課「マックですか。複雑で」
「だれかイータックスについてまとめて分かる人は役所にいないんですか」
「国税に問い合わせたらどうですか。調べてみますが時間がかかります」しかし、電話を切って待てども、暮らせども、返事はない。このお役所ことばを標準語に通訳すると「忙しいのでそんなことにはかかわっていられない」となる。結局、直接税務署に電話をかける。いくらか問題を理解している様子の職員が電話口に出る。

税務署「それなら、詳しいことが分かる職員に変わります」。別の職員に変わる。何故かすべて声は女性の職員である。「推奨は10.5です」
「10.6では使えないということですか。去年も同じことがあったのですが」「手書きで出されたのですか」
「そうです」事情を説明すると
「いたちごっこですね。(笑い)10.6は使えませんね。10.5だってリーダーがまだ対応していないんじゃない」大切なことは見えないところにあるとよく言われる。電話口からは声だけしか聞こえてこないが、表情まで見える気がする。裸で電話にでているかどうか、それは見えないが、心の中は透けて見える。これ以上、話していても進展しないので
「まあ、バージョンが不具合かどうかはマックの技術者に確認をとれば時間と費用さえかければ分かることなので、来年また同じことが起こったら政府に意見書を出そうかな」というと
「貴重なご意見ありがとうございます」とおしとやかに答えた。
このお役人言葉を翻訳すると
「ゴチャモンに貴重な時間を無駄にした。意見は聞くだけよ」となるか。
このような問い合わせに応対しなければならない職員も煩わしいことだとは思うがーーーー。

いたちごっこのあげくの果て、書類の整理に一日が費やすことになった。
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# by daisukepro | 2010-02-09 18:51 | 文化

愛しの洗濯機インハンガリー

愛しの洗濯機インハンガリー
友人がハンガリーでペンションを営む娘さん一家の便りを送ってくれましたので紹介します。読むと懐かしい気分になれます。日本でもこんな光景があったなあーーーー。(発見の同好会)


「新しい洗濯機の幸せな光景」(ハンガリー2008)
登場人物 チャバ:美奈の亭主、風太:長男13歳、洪太:次男11歳、舟太:三男4歳
で、洗濯機ですが、お母さんがきている時もがたがたと相当うるさかったと思いますが、開けてみたら、いろいろと部品が壊れているから代えなければならないと言われ、それを変えるのに6万フォリントかかるというので、それなら10万フォリント(約5万円)の新しいのを買ったほうがいいということになり、お客さんが帰ったらすぐにお店にいきました。洗濯機は10年以上経っているものなので、きっと他の部品も次々と壊れると思うのです。
そんなわけで、お店で、洗濯機をローンで買いました。一ヶ月8000ftの12回払いです。
いずれにしても、いつも脱水の時に押さえていなければならなくて大変だったので(洗濯している時は、目をはなせない)、その心配がなくなりました。それに、水の消費も新しいほうが経済的らしいし。
昨日、洗濯機を買ってきましたが、いつもの通りでうちの水道せんと洗濯機の接続の種類がちがく、「どうして、こう、何もスムーズに行かないんだー!!」といつもの通りにチャバさんが怒り、風太と二人であれこれしていましたが、結局、今朝接続の部分を買いにいきました。
何もスムーズに行かないのは、古い機種がまだまだあるところに新しい機種が入ってきて、家の建て方などは古い機種対応になっているので、まあ、いちいちトラブルが起こるわけです。いい加減、それに慣れて、いちいち怒らなくてもいいと思うんだけど。
今朝は、洗濯機が無事繋がったので、家族みんなで、洗濯機のスイッチを入れてみていたら、ものすごく静かで、「おー!!」と、30分も洗濯機をみんなで眺めていました。その後も、洪太とチャバさんは洗濯機の前にしゃがみこんで眺めています。一体、洗濯機をテーマに、何をそんなに話すことがあるのだろうかと不思議になるくらい、ずっと「洗濯機について」はなしています。脱水の回転数についてや、モーターについてや、洗濯できる重量が、綿だと多くて、化繊だと少ないのはなぜか・・・などなど、洗濯に関するQ&Aという感じで、チャバさんが回答者になっています。
「脱水をするぞ!」というので、見に行って、しずかーーな脱水情況をみんなして眺めてうっとりしてしまいました。いかに、今までの洗濯機がうるさかったかということなのですが。
で、一回終わったら、チャバさんはもう一回洗濯機に洗濯を入れて、また前に座って眺めはじめるので、笑ってしまいました。どういう仕組みなのか興味があるそうです。こうなると、ずーっと見ながら考えています。こういうところは、風太と似ているのかもしれません。まあ、テレビを見ているよりは、洗濯機を眺めているほうがいいのかもしれませんが、それにしても、人それぞれ興味の対象がちがくて、面白いですね。
舟太が退屈していたら「舟太、僕と一緒に洗濯機を見よう。とてもきれいに回っているよ。」だって。これにも笑ってしまいました。でも、舟太は喜んでチャバさんの膝に座って、洗濯機を眺めておしゃべりしています。現在、二回目の洗濯が40分たったところですが、チャバさんはコニャックに氷を入れて持って行って、洗濯機を眺めています。洪太も、相変わらず隣に座って眺めています。END
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# by daisukepro | 2010-01-27 21:23 | 文化

続報、風雲ラピュタ城、労組委員長解雇事件

続報、風雲ラピュタ城、労組委員長解雇事件

解雇予告で指定された1月16日は仕事のシフトがなかったので、委員長は1月18日朝10時、支援団体と弁護士が付き添って出勤した。
c0013092_22534619.jpg(写真は最近のラピュタ)同月20日、ラピュタ労組と支援団体は阿佐ヶ谷駅前で抗議のためのビラ配布を行って解雇撤回を訴えた。昼休み時間であったため、足を止めて、訴えをきく市民がいた。また事情説明を求める市民の姿もあった。「いまどき、こんなひどい社長がいるなんて信じられない」「山猫軒(ラピュタの中に付属しているフランスレストラン)で友達と食事をする約束をしたけれど行くのをやめようかしら」「社長の顔が見たい」など反響があったという。
労組員の話によると18日朝、委員長が劇場に入ろうとすると中から川辺社長が出てきて「ここはウチの敷地だ。あんたは社員じゃないんだから出てけ!」支援者に向かって「あんたらのような薄汚いウジ虫とは話をしない」と入り口の柵を閉め「出て行かないなら営業妨害で警察をよぶぞ」と口汚くののしった。労組員が法によって定められた「離職票」の発行を求めると「出さない」と拒絶、その後、弁護士とだけなら話すというので弁護士が柵の中に入って話し合ったが離職票の発行は認めなかった。
そのため、委員長は失業保険の給付が受けられず、路頭に放り出された状態になった。
解雇を撤回させるまで断固たたかうが、このような無法ものは許せない。是非支援して欲しいと組合員らは訴えた。
抗議先FAXは03−5327−7655 ラピュタ代表取締役川辺龍雄

激励先はラピュタ支部を支える会 電話03−5689−3970
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# by daisukepro | 2010-01-22 22:56 | 映画

風雲ラピュタ城 労組委員長に解雇通告!

風雲ラピュタ城 労組委員長に解雇通告!

またまた、ラピュタ城で異変が発生した。
ラピュタ労組委員長は映写の仕事をしているが、突然解雇が通告されたのだ。
昨年の暮れ、退社の際、いつものようにタイムカードを打刻しようとすると裏に紙片が貼付けられていた。「勤務態度不良なので年明け1月16日付けで解雇する」と書いてあった。その日が明日1月16日である。
解雇理由は勤務態度不良としてあるが、誰の目にも労使紛争の仕返しであることは明白だ。解雇権の乱用、労働組合敵視の無法行為としか言いようがない。
労働委員会で不当労働行為が審議中であり、まもなく命令が下ることになっているのだからなおさら不法性が明らかだ。
で明日、労働組合と支援団体は解雇無効を求めて就労闘争に立ち上がることになった。負けてたまるか。続報を期待されたし。
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# by daisukepro | 2010-01-15 13:52 | 映画

さらば愛しの冷蔵庫よ

さらば愛しの冷蔵庫よ

 昨年、暮れも押し迫って、量販店に冷蔵庫を買いに出かけた。池袋東口地帯は販売合戦が熾烈を極めている。かつてはビックカメラが制覇していたが、ヤマダ電機が三越デパートを居抜きで買った。総本店という名前で出店してからはビッグカメラも押され気味だ。
家電製品の寿命は10年が相場らしい。ご他聞にもれず、我が家の冷蔵庫は10年きっかりで壊れた。水もれがはじまり、中の照明が点灯しなくなり、引き出しのトレイがかけたり、外れたりした。空いたところに何でもつめてやろうで、冷蔵庫の用途別収納は死語となった。てっぺんには空き箱がのり、壁にはメモや領収書が場所せましとばかり貼られた。かくも残酷に扱われたにも関わらず、10年とはよくぞ持ったものだ。
 我が家の被害は冷蔵庫だけではない、洗濯機が激しい振動と騒音を出すようになって久しい。エアコンは時々金属がこすれてブレーキが利かなくなった自転車が坂を下るときに出すような不快音を発する。とても部屋にいられたものではない。現在の財政状況ではすべてまとめて買うほどゆとりはない。我が家の民主的合議の結果、優先順位の第一位は冷蔵庫になったという訳である。
 さて、ずらりとフロアーに陳列された冷蔵庫をみて途方にくれる。新製品はほとんど両開きのドアである。昔は観音開きと呼んだ。これが流行らしい。20万円を越えるいい値段である。片開きのドア仕様はそれなりに値段も安いが旧式に見える。
 そこでまず値段を選択の基準にしてみる。特別割引や、エコポイント、ポイント、キャッシュ還元、タイムサービスなど間接的値引きが付属しているため、いったいどのくらい得なのか暗算では無理だ。販売員を呼ぶと電卓を取り出し、いろいろ値引いて実質価格を表示してみせてくれる。表示価格より2割程安くなる寸法だ。販売戦術と分かっちゃいるけど、購買欲の中からじわりと肉汁のごとき割安感がにじり出てくる。
すかさず、販売員は矢継ぎ早に比較効能書き的レクチャーをはじめる。こちらの脳が追いつかないほどの情報が矢継ぎ早にくりだされる。「これはお買い得ですよ。もし他店より1円でも高ければその分値引きします」とささやく。これが決まり文句らしい。さらに迷っていると、販売員は再び電卓を出し「何とか決めていいただけませんかね。内緒ですが、決めていただければ特別にこれだけにします。申し合わせ違反ですが、、、、」で締めくくる。まあ、こんなところが落としどころだろうとばかり2、3千円を値引いた額が示される。一時間ほどはかかったろうか。結局、商品の善し悪しではなくセールスマンの人柄で購入を決めた格好になった。
説明員の話は必ず、商品の平均寿命から始まる。「近ごろの家電商品はデジタル化したので性能は似たり寄ったりだ、しかし寿命は5年から10年もっていいとこだ」、デジタルカメラ、PC、エアコンを買った時も同じ対応だった。
客の購買欲を心理学的研究したマニュアルでもあるのかと思いたくなった。
エアコンのコーナーの話だが「これはクリーンといっていますが空気まで清浄するとは思わないでください。フィルターの汚れをふくだけですからね」と散々商品をけなしたあげく、「こんな商品知識もなくよく買いにきたものだ」とでも言いたげな顔で、「まあどれも大差なくお決めになるのはお客様の好みですかね。」とそっぽを向く。
あまり否定の度が過ぎるので「もしかするとあなたはこの商品が売りたくないのかい」とたずねると、怪訝な顔で「いや、私どもはお客様が商品をお選びになるための情報を提供しているのです。お決めになるのはお客様の自由です」と素っ気ない。「けんか売ってんのかお前」とでも言いたくなる。この種類の販売員の前からはささと立ち去るに限る。しかし、たまさかこのような立ち居振る舞いをする販売員がいてもその店全体を悪印象でとらえてはことを為損じる。その売り場でさえ人によって接客の仕方はそれぞれ違うのである。まあ、二人選んで同じような態度だったらひとまず他店の様子を見てからにした方がいいかもしれない。
購入カウンターに座って手続きが済むのを待っていると、小型ビデオカメラを手にした青年が近づいてきて「何を買いましたか」と聞いてきた。「冷蔵庫だよ」と答えるとカメラを回し始めた。番組名、取材目的も告げずいきなり「取材してもいいですか」ときた。某テレビ局の腕章を腕に巻いているのが目に入ったので「ことわる。僕も○○局だからね」というと「本当ですか」とも聞き返すこともせずに、かなり驚いた様子でさっと姿を消した。その早さは世界一流のマジシャンがやる瞬間移動のように素早かった。
 さて、新しい冷蔵庫はすこぶる快適に作動している。使ってみると利用者の動作を良く考えて工夫されていることが分かる。来日したマイケルムアー監督が「日本のトイレは人間に優しすぎる」と言っていたが、トイレだけではない、冷蔵庫もいたれりつくせりでやさしい。もっとも、公共トイレと違って、金があればの話だが。
 我が家の生活環境の改善は依然としてきびしい。書斎のエアコンの電源は抜かれて垂れ下がったままだし、リビングは甲高い悲鳴を上げ、洗濯機はときどき後期高齢者のように「早くなんとかしてくれ」とばかり激しくむせかえっている。

追記 写真は使用済みになった冷蔵庫、c0013092_23404318.jpgこれから処理場に送られて、もしフロンが使われていればガスを抜かれて解体される。やすらかに眠るな。さらば、愛しの冷蔵庫よ。葬儀費用は約5000円だった。
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# by daisukepro | 2010-01-09 23:41 | 文化

あけましておめでとう

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今年はネコでもトラになるニャン!!
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# by daisukepro | 2009-12-31 23:45 | 未設定

普天間は飛行場なのか、基地なのか

普天間は飛行場なのか、基地なのか

毎朝、新聞のテレビ欄を見てチェックを入れる。それからヘッドラインだけは必ず目を通す。NHKの日曜討論はテーマと顔ぶれで視聴するかどうかを決める。テレビ欄には普天間基地結論先送りとでている。あれほど年内に結論を出さないと日米関係が破綻すると岡田外務大臣を筆頭に囀っていた方々の虚言妄想はどこ終え消えてしまったのか不思議だ。常識的に見て、ベルリンの壁崩壊後、東西冷戦構造の枠組みがなくなり、アメリカ大統領がチェンジすればアメリカの世界戦略が転換することは軍事専門家でなくても分かる。c0013092_23543591.jpg(写真は普天間米軍基地嘉数高台から撮影)
それでなくても財政危機が深まるアメリカが世界中に点在している米軍基地を再編するためには膨大な経費がかかる。当たり前のことである。アメリカの価値観で世界を統一しよなどという考えは妄想でしかない。そうした角度でみると元高官の発言のお里が知れようと言うものだ。アメリカの政府高官すじがしばしばマスメディアに登場して普天間基地の移設が失敗するとアメリカの戦略が頓挫するかのようにインタビューに答えている。その人物にはきまって元が付いている。つまり、ブッシュ政権で高官だった人ばかりである。インタビューの人選はマスコミの主観で行われるとは知っていても、これほど露骨とは思わなかった。往生際が悪い。
読売新聞は12月20日の一面で日米亀裂という特集を組んでいるが、解説しているのはケントカルダー特別補佐官、彼も元が付いている。正式には元駐日大使特別補佐官だ。連載4回目の記事は「鳩山政権による米軍普天間飛行場移設問題の決着先送りは、ワシントンに不安と失望を読んでいる」から始まっている。
頭に米軍とついているから米軍の施設とは分かるが、略して表記すれば普天間飛行場となる。基地と飛行場の移設では終戦と敗戦程の違いがある。問題の核心は米軍再編成にともなう米軍基地再編成なのだがこれを米軍飛行場再編成と表現すれば問題の核心がぼんやりとかすむことになる。世界中で見れば米軍基地は再編成によって半減しているが、増加しているのは日本だけなのである。
米軍戦略上、必要がなくなった基地は即時無条件に撤退すべきものだ。経済的な理由で基地存続をのぞむ人でも、感情では他国の基地の共存をのぞむ人はいるだろうか。核の抑止力などという幻想でいつまでも米軍基地を置いておくことこそ不自然なのである。
日本の米軍基地は朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争の出撃基地として活用されてきたが、日本防衛に使われたことは60年の長きわたって一度もないのである。
普天間基地からの米軍撤退はその第一歩になるのだ。普天間飛行場の移設問題などではない。すべての新聞がNHKのように普天間基地と記述する日がくれば、間違いなく米軍から接収された基地が沖縄の人々にもどってくる日になると思う。哀しいことに新聞記事で普天間基地という記述を見つけるのは砂地でダイヤモンドを発見するようなものだ。嘘だと思ったら近く図書館に行って探してみよう。
普天間基地が返還された日、嘉数高地の展望台に立って米軍ヘリコプターのいない元米軍飛行場をながめながら泡盛で祝杯をあげる日が来ることを楽しみにしている。そうなれば10年後に沖縄の米軍基地をすべてなくすことだって不可能ではない。
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# by daisukepro | 2009-12-20 23:57 | 憲法

「沖縄密約」吉野文六氏(元外務省アメリカ局長)の証人決まる!



 8月25日16時、東京地裁103号法廷で沖縄返還密約文書の開示請求を求める第2回公判が開かれた。103法廷は東京地裁で最も大きい。100人を収容できる傍聴席は超満員だった。

 沖縄返還の交渉で何が密約されたかといえば、米軍基地にかかわる全費用を日本政府が負担するという密約だ。近ごろ思いやり予算とかいわれているが、日本政府は密約を忠実に履行しているってわけだ。国民はその事実を知らされていなかったのだ。自民党政権が対米従属といわれる非民主的な性格を現している。

 原告団(団長桂敬一)は密約の交渉当事者であった元外務省アメリカ局長吉野文六氏の証人を申請していた。既に吉野氏は密約があったことを当事者としてマスコミに告白している。それでも日本政府は秘密公文書の存在を認めなかった。公文書は廃棄されたのだから確認しようがないというのが政府の苦しい弁明だった。そのため、被告政府側代理人は吉野証人阻止に必死なった。
広い法廷の後部座席からは政府側代理人の声はほとんど聞き取れなかったが、裁判長の声は澄み渡り後ろまでよく届いた。

 杉原裁判長は「公務員の証人は外務大臣の認可がいる。正式には外務大臣の認可が下って決まるが、裁判所から大臣に正式に認可を求めるので裁判所としては審問日程を入れます」と毅然として訴訟指揮を下した。これで、次回10月27日原告被告が裁判長の宿題に答えを持参して審問準備、12月1日に吉野文六氏らの証人審問が決まった。

「宿題をだいぶ出したので、よろしいですか」と裁判長
原告団の女性弁護士が「大丈夫ですが、メモが取りきれなくて」というと裁判長「それではメモをあとで双方にお渡ししましょう」
その笑顔に人柄が伝わってくる気がした。この人物なら真相を追及してくれるに違いない。

 政府があがけばあがく程、合理的な追及に追いつめられて行く。
アメリカ側の密約文書が公開されたにもかかわらず、政府側代理人は「文書は廃棄したので文書があったかどうか確認が出来ない」と主張してきたが、裁判長は「外務省に306の関連文書が残されており、発信先の米側公文書が残されていて公開されたが、なぜ日本側は受信した公文書を破棄したか。また306の関連公文書がなぜ残されたのか明らかにすること」などを次回公判までの被告側の宿題とした。(宿題の詳細は別の機会でお伝えします)

12月1日の公判で交渉当事者の吉野証言が採用されると、密約文書が存在したことを裏付けることになり、これまでの政府側の主張が崩れる。日本政府側はその公文書破棄の理由を問われ、説明が求められる。存在していたはずの公文書破棄は「誰が、いつ、どこで、なぜ」行ったかが問われることになる。
 歴史的重い扉が徐々に開かれ、日米沖縄密約の情報公開が目前に迫っている。国民の知る権利を守る民主主義の第一歩が踏み出されることになる。どうなるか。
 官僚政治打破を旗印にしている新政権の姿勢も問われることになる。新政権の外務大臣は誰れがなるか。テレビ番組としては「清純派女優ノリピーの麻薬事件」よりよりこちらの方がもよっぽど面白いと思うのだが。
非核密約問題も交渉当事者が証言し始めたが、これもメモを破棄したとかで核密約はないというのが政府見解だ。
 沖縄核密約の情報公開をせまるこの裁判の決着が待ち遠しいと皆さん思いませんか。
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# by daisukepro | 2009-08-26 00:21 | 裁判

沖縄密約情報公開訴訟 第2回期日のご案内

沖縄密約情報公開訴訟 第2回期日のご案内
吉野文六氏(沖縄返還交渉の当事者)の法廷証言が実現するか?
裁判長は、国側に、今度はどんな注文をつけるのか? 乞ご期待!

沖縄密約情報公開訴訟
第2回期日のご案内

日時:8月25日(火)午後4時から 
 場所:東京地方裁判所103号法廷

地裁で最大の法廷に変更されました!多くの皆さんの傍聴をお願いします!

当日、原告側は、吉野文六氏(元外務省アメリカ局長)の証人申請と、我部政明氏(琉球大学教授)の原告本人尋問の申請をします。吉野氏が証人として採用されれば、公開の法廷で初めて、元外務官僚が「沖縄密約」について証言することになります。

記者会見:午後4時30分~ 司法クラブ(裁判所合同庁舎2階)報告集会:午後5時00分~ 弁護士会館1003号室
※報告集会はどなたでも参加できます(無料)。弁護団と原告が出席します。

問い合わせ:東京共同法律事務所
 〒160-0022 東京都新宿区新宿1丁目15番9号 さわだビル5F
電話 03-3341-3133  担当弁護士:日隅 一雄
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# by daisukepro | 2009-08-22 19:14 | 裁判

風雲ラピュタ城異変  その後

風雲ラピュタ城異変  その後

「天空の城ラピュタ」は宮崎アニメの代表作である。その名ラピュタを借用して阿佐ヶ谷で映画館(ラピュタ阿佐ヶ谷)を経営している男がいる。名前は才谷遼、本名川邊龍雄(57歳、大分県)、三里塚闘争を題材にした漫画を書いたこともあるらしい。映画館の他にフランス料理のレストラン(山猫軒)、アニメ出版社(フユージョンプロダクト)、アニメ学校、地下小劇場(ザムザ阿佐ヶ谷)などを経営している。若松孝二監督の映画「飛ぶは天国もぐるは地獄」のスタッフ(製作)に参加、配給がフユージョンプロダクトとなっているが、仕事ぶりは分からない。c0013092_22434819.jpg自称新左翼、父親がシベリヤ抑留者とかで左翼思想の影響を受けたという。昔は共産党に一票を入れてきたが、いまは支持していないそうだ。ジブリの高畑勳、映画評論家の山田和夫氏にアニメ学校の講師を依頼していることや共産党関係者を知っていることを自慢げに話す。
もっとも、山田和夫氏を共産党文化部長などと呼んでいるところから見るとかなりずさんな知合いかもしれない。自称が多いので正体はつかめない。(写真はラピュタ阿佐ヶ谷、風雪を感じる)

しかし、この男の行くところなぜか紛争が絶えない。労働審判、東京都労働委員会、東京地裁民事裁判など、まるで裁判のコンビニストアーである。なぜこの人物は人から訴訟を受けるのだろうか。

2007年の12月に次のような新聞記事が掲載された。「長時間労働と社長の叱責で出版社アルバイトの女性従業員が鬱病になり、自殺するという事件があったが、家族からの訴えで労働基準局は一審を逆転、過労死と認定した」この会社は才谷が経営するフユージョンプロダクトなのだ。
しかし、過労死と認定されても、この社長は反省するどころか、「本人と職場同僚がわるい」と遺族には素知らぬ態度を取り続けた。怒り心頭に達した遺族から損害賠償を訴えられ、現在、係争中である。2009年、つまり、明々後日の8月24日午後一時半、東京地裁で第2回目の審問が開かれる予定だ。才谷社長が出廷すればこの奇怪なる人物を生で見ることが出来るかもしれない。遺族支援のための傍聴歓迎。

労働災害が認定されたその年、ラピュタ従業員から才谷社長の女性従業員に対する暴言暴力行為が目に余るので暴力差し止め訴訟が起こされた。翌年2008年1月22日、裁判長から従業員に対して暴力、暴言を禁じる完璧な判決が下った。さすがにその時は謝罪したが、組合員や従業員に対する暴言はやまず、今度はラピュタ労働組合から不当労働行為で東京都労働委員会に提訴された。申立人らの審問が終わり、才谷社長の審問の番がやってきたが、経営困難を口実に出廷を拒んできた。しかし、ついに、7月13日、第2回の審問が開かれる運びとなった。
都庁舎34階にある審問室の傍聴席には10名程、支援者らしい人々が開廷を待っていたが、突然、20代の若い女性が15名ほど入ってきて後部席に陣取った。司法研修生ではなさそうだ。社長の噂がひろがっているのか、か弱い女性に暴力を振るう「女性の敵」だけのことがある。それとも近ごろ若い女性のブログで裁判傍聴記がはやっているが、その軍団かなと思った。
冒頭、弁護士の主尋問により才谷社長の陳述が始まった。
そのほとんどが、政治団体と労働組合の区別がつかず、共産党攻撃に終止する奇怪なものだった。そのはず、組合への組織介入は申立人らの陳述で立証済みであるばかりか、事実関係はご本人も認めているからだ。反対尋問に移る前に裁判長は休憩を宣言した。
傍聴人もほとんど退席したが、若き女性軍団の一人が私の肩を叩いた。
「おじさん、さっきからこの裁判を聞いているのですけど、何を争っているのかさっぱり分からないのですが教えて」と笑顔でいう。
話を聞くと女性たちは某有名私立大学生であり、法律の勉強をしているゼミの生徒で労働委員会の実習にきたのだ。申立人らが事件の争点とあらましの説明を終えた頃、委員会が再開された。申立人側弁護人の反対尋問だ。一問一答は長くなるので省略するが、背後の女子大生たちは事件のあらましを理解したらしく、社長が弁護士に追及されて答えに窮するとくすくす笑いが聞こえてきた。
弁護士は組合員に対するボーナスの支給差別、賃金カットの事実関係にしぼって追及する方針のようだった。社長は組合員だからではなく、アルバイトだから支給しなかったと弁明したが、組合結成以前に支給していたことは認めた。また、組合に対する暴力行為に話が及ぶと、「組合委員長が暴力をふるったことを前提なら認める」と声を荒げる始末で女子大生たちの失笑をかった。多くの陳述は弁護人がたずねてもいない支離滅裂な罵詈雑言、共産党攻撃に終始した。間もなく、こそ泥まがいの犯罪にに等しい時間外賃金不払いの地裁判決も下る。見学した女子大生は間違いなくラピュタやフユージョンを就職先に選ぶことはないだろう。
工場の門前から憲法は消え、職場で闘わない限り憲法がよみがえることはない。
「損害賠償請求裁判東京地裁526号法廷、8月24日13時半」はお忘れなく。次回都労委は9月10日14時が予定されています。
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# by daisukepro | 2009-08-21 22:48 | 映画

オールドブラックジョー(サヨナラ!カメラマン堀美臣)

オールドブラックジョー(サヨナラ!カメラマン堀美臣)


8月9日、堀美臣カメラマンのお別れ会に出席した。c0013092_0111570.jpg渋谷は雨だった。会場は東急本店の裏にある小さな映画館であった。表階段を上がるとレストランがあり、そこで待たされた。20人はいたろうか、知った顔もちらほら見えた。しばらくして奥の部屋に案内された。映画館というより映写設備のある部屋である。にわか造りの椅子席を含めて約50席、満席になった。スクリーンには堀カメラマンのスナッップ写真が映し出されていた。その前で生前ゆかりの人々が次々と立った。
新体連、労働組合、仕事、そして交遊、自由人として生きた在りし日の姿が断片的に語られた。おぼろげに堀カメラマンの全体像が浮かび上がってきた。誰かが、「堀さんといえばこれとこれですね」と手振りを見せた。左手の指先でおちょこの形を、右手でタバコを挟む仕草をこしらえて2本指を口まで上げた。
お別れのスピーチが終わった。場内が暗転してCRTプロジェクターから映像が映し出された。タイトルは「記憶と記録の間で」、それは奇妙な短編映画だった。撮影スタッフらしき一行が会津若松を訪れるところから始まる。男がフレームインしてくる。無造作にフレームの手前から、しかも後ろ姿だ。振り向くとまぎれもなく掘カメラマンその人だ。小さなスーパーの店先のベンチに腰を下ろした。すっかりやせ細って痛々しい。メガネをかけ、コンチネンタル風の髭には白髪がめだった。
「さあ、いこか」
堀カメラマンは命令口調で言葉を発して立ち上がった。ロケ場所の案内をたのまれたのか、いかにも地元風の男性が付き添っていた。ジャガイモのしなびたような面立ちに濃いまつげ、その顔に見覚えがある。けれど、誰だったか思い出せない。
堀カメラマンが蛍を撮影したいというので、ジャガイモ男が案内した。その場所に沼はなく、蛍はいない。道路になっていた。結局、「望みの蛍が撮れないので、星空を撮った」というスーパーが入ると満天の星空が撮影されていた。星空を撮るのは結構難しい。場所や天気もあるし、技術も必要だ。このカメラマンかなり拘っている。驚いたことに生きた源氏蛍を撮影していた。昆虫図鑑のようだ。この記録映画に必要なカットとは思えないが、これも撮影に成功するためには特別な機材とカメラ技術が求められるのだ。何よりも時間がかかる。それで合成や写真で処理するのが普通だ。まだある、雨蛙が産卵?する瞬間、軒下で嘴を開いて餌をねだる子ツバメ。画面の外から堀カメラマンの声が聞こえる。「強いよ、強いよ。そうそれでいい」ツバメの巣に光があたったり、外れたりした。照明機材のレフを使っているのだろう。カメラマンが「それでいい」というとツバメの巣はコントラストがとれてバランスよく映るのだ。画面に映し出されているのはツバメの巣だけだが、声はフレームの外から聞こえてくる。「よーし、とれた、カット!」このやり取りを聞いているうちに、急に記憶がよみがえった。もしかするとこのレフを操作しているのは昔、撮影所にいた照明部のNちゃんではないか。
つぎのシーンでそのジャガイモ男はインタビューをうけていた。鈴木清順の「けんかエレジー」について「あれは会津文化そのもの」などと映画談義が果てしない。まぎれもなくNだった。30年以上も会っていなかったが記憶というものは不思議なものだ。
何故か中学生の頃、訳もわからずに読んだプルーストの長編小説「失われた時を求めて」の水中花の一節を思い出し、プルースト風の気分になった。
映画には会津弁で語るひょっとこ伝説や雪の農村を徘徊するひょっとこのイメージ映像が出てくるがいろいろな記憶に気を取られて消化不良をおこした。ひょっとこはどこか麻生に似てるなと思ったりした。c0013092_0114080.jpg「儲からない映画でも、映画人は映画を撮りたいものですかね」と短編映画が上映される前にプロデューサーが挨拶していたが、資金繰りに苦労している人らしい。
堀カメラマンには長年培った技術があった。それを発揮する機会がなかった。たとえワンカットの情景であっても堀カメラマンの気持ちが伝わってくる気がする。どんなに映画が撮りたかっただろうか。思う存分大作のカメラを回して欲しかった。
映画が終わるとスクリーンに静止画像が浮かんだ。病床の堀カメラマンだ。ベットで上半身をおこし何か書いているところだ。メッセージが読み上げられた。「僕は先に行っているが、急がなくていい。いつでも待っているから・・・・・・・・」
池袋で途中下車した。雨はいつの間にか上がり、白いビニール傘を杖にして家路に着いた。先月の終わりにシナリオライター「パウロ高久進」の葬儀に出たばかりだ。教会がある百合ケ丘の駅に降りると急に土砂降りの雨になった。仕方なく駅の売店で買ったものだ。
うろ覚えのオールドブラックジョーを鼻歌で歌いながら夜道を急いだ。

「 I'm coming, I'm coming, for my head is bending low,
I hear those gentle voices calling "Old Black Joe"」

「きっこのブログ」にひょっとこのポスターがのっていた。よく出来ているので無断で転載させてもらう。町中に張り出したいくらいだ。
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# by daisukepro | 2009-08-14 00:14 | サヨナラ

「日本政府は米核政策の転換に反対だ」

「日本政府は米核政策の転換に反対だ」

固い話ばかりで、申し訳ない。今日は長崎に原爆が投下された日なのでお許しください。

一昨日(8月7日)、読売新聞朝刊の一面の左隅の記事に目が止まった。
一面トップは「裁判員裁判初の判決」、黒地に白抜きの四段抜きの大見出し、その記事は2段抜きで「米大統領広島・長崎訪問困難に」と目立たないように掲載されていた。しかし、読んでみるとすこぶる面白い。
オバマ大統領が年内に来日するという噂が流れていたが、知っての通り、今年11月初来日することが決まった。オバマ大統領が核廃絶の決意表明をしたプラハ演説に感動して「できたら被爆地を訪問して欲しい」というのが日本人の気持ちだろう。デザイナーの三宅一生氏もオバマ大統領のプラハ演説に感動して自らの原爆体験に触れながら大統領が広島を訪問するよう訴えたメッセージを送った。チェ・ゲバラも広島を訪れて涙を流したではないか。普通の日本人はオバマ大統領の広島・長崎訪問を歓迎する。勿論、どこの国にもいるように、歓迎しない人もいる。いまだ原爆症で苦しむ人々をみると、日本人の心情は原爆投下の責任を追及するより、原爆で苦しむ人々を二度と再びみたくない、人間を原爆で苦しませてはいけない、そのためには原爆を投下させてはならない、持たせたてはいけない、つくらせてはいけない、地球上から核兵器を廃絶したいと望んでいると思う。だから、オバマ大統領にも原爆の悲劇を直視して欲しいと切望しているのだ。

ところが、読売新聞の記事は以下のようになっている。
複数の日本政府関係者が6日、「オバマ大統領の被爆地訪問は困難であることを明らかにした。理由は原爆投下の意義をめぐる議論に発展しかねず米国内で反発を招く恐れがあるとの判断が強まった」のだという。滞在時間が1日程度となるから国内移動が難しくなったという事情もあるのだとか、日米関係筋は「初来日の際に歴史認識にかかわる問題を扱うのは難しい」とか、オバマ大統領の被爆地訪問を阻みたい思惑が見え見えではないか。

読売記事に出てくるこの複数の日本政府関係者、日米関係筋とは誰なのか。顔のないゴースト、その正体が見たい。「歴史認識にかかわる問題を扱うのは難しい」どころか大統領の歴史認識はプラハ演説ではっきりしている。オバマ大統領はプラハで下記のように演説している。

「私たちは、20世紀に自由のために戦ったように、21世紀には、世界中の人々が恐怖のない生活を送る権利を求めて共に戦わなければなりません。そして、核保有国として、核兵器を使用したことがある唯一の核保有国として、米国には行動する道義的責任があります。米国だけではこの活動で成功を収めることはできませんが、その先頭に立つことはできます。その活動を始めることはできます。従って本日、私は、米国が核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意であることを、信念を持って明言いたします。」
オバマ大統領は解決しなければならない課題を挙げた後
「いずれの課題も、すぐに、あるいは容易に解決できるものではありません。いずれも、解決するには、私たちが相互の意見に耳を傾けて協力すること、時に生じる意見の相違ではなく、共通の利害に重点を置くこと、そして私たちを分裂させ得るいかなる力よりも強い、共通の価値観を再確認することが必要な課題ばかりです。これこそ、私たちが続けていかなければならない取り組みです。私がヨーロッパへ来たのは、その取り組みを始めるためです。」と述べている。

オバマ大統領は日本に何のために来るのだろうか。毎年8月6日、広島の式典に来て核廃絶の決意をのべながら、核の傘強化を平然とのべる日本の首相とは違う。

ゴーストたちの話に戻ろう。

憂慮する科学者会議のカラキ−氏から3分間の緊急メッセージが日本に送られてきた。ユーチューブから静かな声が流れてくる。

「日本の皆さんが知らなければならない重要なことがあります。それは、日本の外務省や防衛省で、外交安保にかかわる官僚たちが、米国のカウンターパートに対し、「日本政府は米核政策の転換に反対だ」と訴えているという事実です。
米政府内ではオバマの核政策転換に反対を唱える人々がいます。とりわけ国務省や国防総省、そして国家安全保障会議のアジア専門家から反対の声が上がっています。これらの人々が、米核態勢に求められている転換に反対する最大の理由が、日本政府が表明する「懸念」なのです。
米国の新しい核兵器政策が決定するのは、今年9月あるいは10月です。残された時間はあとわずかです。米核政策の転換は、プラハ演説でオバマ大統領が述べたビジョンの実現に不可欠です。
もし、オバマ大統領がプラハで訴えた米核政策の転換というビジョンが、人類の歴史上で唯一、核攻撃の犠牲となった国の政府の反対で、打ち砕かれるとしたら、それはまさに皮肉であり悲劇にほかなりません。日本の皆さん、今こそ日本政府、そして米政府に向けて、「私たちはオバマ大統領がプラハで示した米核政策の転換を力強く支持します」と声を上げていくことが重要です。

読売新聞の記事に出てくる日米関係筋とか、政府関係者は日本の外務省や防衛省、外交安保にかかわる官僚たちであり、アメリカのロビーにも出没していることが明白ではないか。彼らはオバマ大統領の被爆地訪問に最大の懸念を持ち、阻みたいのです。

これまでのアメリカの世論によれば、60%が原爆投下は戦争を終わらせるために意義があったと考えているようだ。
しかし、事実が明らかになるにつれて、アメリカの世論は変わりつつある。
写真家中村悟郎さんが5月にアメリカで写真展を開きロサンゼルスの大学で講演を依頼された。中村さんはベトナム戦争で使われた枯れ葉剤の被害を追及している写真家として著名です。

以下、中村さんのエッセイからの引用をしておきます。オバマ大統領になってからアメリカでも変化が起こっていることが分かります。

私は思い切って私の考えかたを枯葉剤会議の聴衆に伝えた。 「被害はベトナムのほうが何百倍も深刻である。 それに対する補償を米連邦最高裁が今年2月に最終的に拒んだのは客観的に見て不当である」 「アメリカがベトナムで行なった枯葉作戦は明らかに戦争犯罪といえる」。

 そして私はオバマ演説を引用しながらこうしめくくった。 第2次大戦後の歴代米大統領は 「ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下は正しかった。 それによって何万という米兵の命が失われずに済んだのだから」 といい続けてきた。 だがオバマ新大統領は違った。 「最初に核を使用した国の道義的責任として、 核廃絶を目指す」 とプラハで述べている。 すばらしい演説である。

 ところが、 フロリダのエグリン米空軍基地には現在も、 ベトナムで枯葉作戦を行ったC-123散布機が展示されていて、 その脇にはブロンズ製の顕彰碑がある。 そこには 「枯葉作戦は崇高な作戦であった。 それによって何万というアメリカ兵の命が失われずにすんだのだから」 という文字が刻み込まれている。 いかなる残虐兵器を使おうと 「正しかった」 としてしまうこのような思想とは決別すべき時がきたのではないか、 と。

 そのとたんに劇的な事態が起きた。 会場の人々が立ち上がりスタンディング・オベイションとなったのである。

会場にはいろんな立場いろんな考え方の人が居たはずである。 その人々がこうした反応を見せた。 言うべきことを言って良かったと思った。 アメリカは変化しているとも感じた。 この国の懐の深さに触れるとともに、 写真や言葉や、 さまざまな手段で臆せず働きかけることに充分意味があることを知ったのであった。

読売新聞の懸念はもはや幻想でしかない。世界は少しずつ変わろうとしているのだ。私たち日本人がオバマ大統領の広島・長崎訪問を切望していると声を上げよう。
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# by daisukepro | 2009-08-09 13:43 | 憲法

横須賀、海賊、核の傘

横須賀、海賊、核の傘

日曜日の午後、横須賀軍港ツアーに参加した。一行は約30名、映画関連労働組合平和推進委員会の皆さんです。遊覧船は港内を45分で一周、停泊中の船舶をガイドしてくれる。1200円では安い。都心から参加すると交通費が往復2000円ほど加算される。帰りにはドブ板小路を抜けて三笠公園まで歩く。そこには戦艦三笠が保存されていて500円払うと艦内の見学ができる。ドブ板通りは観光地化して昔の面影はないが、それなりに終戦直後の占領ムードを漂わせている。c0013092_19504362.jpg日本人はとても買う気が起こらないような土産物を売っている店が並ぶ。私服の黒人兵や連れ立って歩く白い水兵服の海上自衛隊員とすれちがうこともある。
軍港は日米共同で使用している。一隻300億円もする自衛隊の潜水艦が係留されている。その奥にはアメリカ軍のイージス艦数隻が待機している。しかし、楽しみにしてきた原子力空母ジョージワシントンの姿はなかった。
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「核密約があった」という元外務次官の村田良平氏の証言を西日本新聞がスクープしたのは6月28日の朝刊。
日本政府はこれまで核密約はなかったと答弁してきた。麻生首相も「なかったというので調べるつもりはない」と記者会見で答えていた。もし、スクープが真実だとすれば、私たちが乗船した遊覧船がジョージワシントンの近くを通過すれば核兵器に最も接近した瞬間ということになる。サイトシーングも忘れがたいものに変貌するはずであった。

翌日のしんぶん赤旗をみると、不破哲三氏の談話が載っていた。大見出しでタイトル「これが核密約だ」、当時、共産党委員長だった不破氏は2000年の党首討論で密約全文を示し政府を追及した。不破さんが暴露した密約文書の表題は「相互協力及び安全保障条約討論記録」となっている。この奇妙な呼び名の条約表題がなぜ名付けられたか、米国の報告書には以下のように書かれている。「いかなる秘密取り決めの存在を否定するために日本政府の注文で討論記録と呼ぶことになった」と

今度のスクープ以後、新聞各社が歴代の外務次官を取材して証言を取っている。いずれも、密約を認め、歴代の外務大臣に手書きメモをわたして引き継ぎをしていたことが明らかになった。かくも長きにわたって政府は国民を欺いていたのである。これって、まさに二枚舌その一。
2000年に不破氏が密約を暴露した後、その翌年、田中眞紀子氏が外務大臣になったが、なぜか、この密約は報告されていない。メモが破棄されたともいわれている。

密約の仕組みと主な内容は2つある。岸首相とハーター国務長官が公式に取り交わした交換公文では「核兵器の持ち込みなど米軍の装備の重要な変更」「日本の基地を戦闘作戦行動への出撃に使うとき」(要約)は日本政府と事前協議する。となっているが密約では「核を積んだ軍艦や軍用機の立寄り、通過は、事前協議はいらない。米軍が日本から移動する場合は移動先が戦場であっても事前協議はいらない。米軍の自由である。」となっているのである。(全文参照)密約条文はマッカーサー駐日大使と藤山愛一郎外相が署名している。核の持ち込みとは「核兵器、中長距離ミサイル(短距離ミサイルは除く)のための基地の建設」と規定している。だから、米原子力空母は横須賀港に核兵器を搭載して自由に寄港していたのである。

しかし、今なぜ外務省高官が一斉に密約を認めた発言を始めたのかという素朴な疑問が浮かんでくる。元毎日新聞の池田龍夫氏によれば村田良平元外務次官は武器輸出三原則、非核三原則を批判、憲法を改正して集団的自衛権を鮮明にすることを切望している人物であるとマスコミ関連のホームページで解説している。あのテレビに出てきて「アメリカのいう通りにしていれば日本は安全です」という変なおじさん岡崎元駐米大使と同期の外務省エリートらしい。

すると、どうだろう4日提出された「安保防衛懇」の報告書を読むと北朝鮮の核開発と弾道ミサイルが脅威だとして、「専守防衛」「非核三原則」「PKO参加5原則」を見直してミサイル迎撃、敵基地攻撃の方策も必要だとして日本を「海外で戦争をする国に変える」提言を列挙しているではないか。

海上自衛隊の護衛艦2隻がソマリア沖に派遣されたのは3月、大量の武器弾薬を積載して佐世保港を出航して行った。この段階での武器使用は自衛隊法の枠内という制約があって自由に発砲することは出来ない。4月23日、海賊対処法案が可決、防衛省が必要と判断すれば恒久的に海外派兵が可能になり、武器の使用が認められる。そして、7月、恒久派兵法成立後、始めての第二次護衛艦が派遣されて行った。海外派兵は危険水域に入ったのだ。戦場はぐっと身近になった。歴史的な転換点といえる。

自衛隊の海外派兵は1991年のPKO派遣に始まり、9・11以後、派兵先と期限を限定した特別措置法で実施されてきた。アフガンへ「テロ特措法」、インド洋へ「給油法」、イラクへ「イラク特措法」
そして、今回の「海賊対処法」。海賊退治とは見せかけの衣で、この法案の中身はいつでも、どこでも自衛隊の海外派兵ができ、紛争解決の手段として武力行使ができるようにするための「海外派兵恒久法」なのだ。そして、最後の障害物である海外派兵を禁じた憲法九条第二項の改正を切望しているのだ。二枚舌のその二

デッキの上で潮風に吹かれながら考えた。
「戦争ができる社会体制が着々と構築されている。
戦争は急には起こらない。なし崩し的に戦時体制へ転換がすすんでいる。なんか変だなと気付いたときにはどうにも止まらない。アメリカ軍の指揮命令のもとに海外派兵が常識となる日が接近していることを忘れないぞ」
内閣の調査で自衛隊の海賊対策について問うと肯定的に考える人が63%なのだ。人を見かけで判断するのは用心しないとね。

二枚舌その三は麻生発言だ。8月6日、麻生首相は広島の式典で「私は改めて日本が今後も非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立っていくことをお誓い申し上げます」と事務方の用意した原稿を棒読みした。これは麻生首相に限らず、歴代首相が必ず読み上げるものだ。歴代にはない麻生首相の優れた才能は、その舌のねも乾かないうちに式典直後の記者会見で「日本はアメリカの核の傘が必要だ」と持論を展開できるこことだろう。まさに、二枚舌の朝青龍。

ガイドの声が聞こえてくる。「船の上からのカメラ、ビデオなどの撮影は・・・・・・・・自由です」
私は辺野古ではこうは行かないと思いながら、ビデオカメラを回した。

追記
ここまでの記事を投稿しようとして読売新聞の夕刊(8月7日)が置いてあったので、ちらっと見ると、核密約「確認は不能」と三段抜き記事が目に止まった。外務省はアメリカでは公開済みの文書が日本では1981年の調査で文書本体が確認できなかったので密約を否定する方針だという。引き継ぎメモは消去されたと村田氏は言っているが・・・・・・。この国の外務省はどうなっているのだろう。




相互協力及び安全保障条約討論記録
東京 1959年6月
 1、(日米安保)条約第6条の実施に関する交換公文案に言及された。その実効的内容は、次の通りである。
 「合衆国軍隊の日本国への配置における重要な変更、同軍隊の装備における重要な変更並びに日本国からおこなわれる戦闘作戦行動(前記の条約第5条の規定にもとづいておこなわれるものを除く。)のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用は、日本国政府との事前の協議の主題とする。」
 2、同交換公文は、以下の諸点を考慮に入れ、かつ了解して作成された。
 A 「装備における重要な変更」は、核兵器及び中・長距離ミサイルの日本への持ち込み(イントロダクション)並びにそれらの兵器のための基地の建設を意味するものと解釈されるが、たとえば、核物質部分をつけていない短距離ミサイルを含む非核兵器(ノン・ニュクリア・ウェポンズ)の持ち込みは、それに当たらない。
 B 「条約第5条の規定にもとづいておこなわれるものを除く戦闘作戦行動」は、日本国以外の地域にたいして日本国から起こされる戦闘作戦行動を意味するものと解される。
 C 「事前協議」は、合衆国軍隊とその装備の日本への配置、合衆国軍用機の飛来(エントリー)、合衆国艦船の日本領海や港湾への立ち入り(エントリー)に関する現行の手続きに影響を与えるものとは解されない。合衆国軍隊の日本への配置における重要な変更の場合を除く。
 D 交換公文のいかなる内容も、合衆国軍隊の部隊とその装備の日本からの移動(トランスファー)に関し、「事前協議」を必要とするとは解釈されない。
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# by daisukepro | 2009-08-07 20:08 | 憲法

緊急メッセージ「米国の核政策見直を阻む日本の防衛省、外務省官僚


「オバマ大統領のめざす核政策の転換を阻もうとしているのは日本政府」――2009年7月、来日した米シンクタンク「憂慮する科 学者同盟」(UCS)のグレゴリー・カラキー氏が、日本の市民に強く警鐘を鳴らした。今秋にむけ、米国は新核戦略文書の策定をす すめている。残された時間はあとわずかだ。被爆国・日本の市民がとりくむべき課題とはなんだろうか。
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# by daisukepro | 2009-07-29 15:14 | 核廃絶

公開討論会のお知らせ

【緊急ライブ配信】マスコミ九条の会 公開討論会「国民は、どのような新政権を求めているか」
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◆ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【緊急ライブ配信】7月30日(木)18時_マスコミ九条の会 公開討論会「国民は、どのような新政権を求めているか」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
野党四党と辻井喬(詩人 作家) 前田哲男(評論家)桂敬一(ジャーナリスト会議)の公開討論会を急遽ライブ配信。18:00~20:00まで、スティッカムトップページでライブ配信を致します。
プログラムは以下のとおりです。
● 名称:「マスコミ九条の会 公開討論会「国民は、どのような新政権を求めているか」
● 開催場所:日本記者クラブ 10階ホール
● 日程:7月30日(木)18:00~20:00(17:45開場)
● 取材・配信:マスコミ九条の会
● 配信サイト:http://www.stickam.jp
● 討論参加者:民主党・社民・共産党・国民新党各党国会議員 桂敬一(元東大教授)、辻井喬(詩人・作家)、前田哲男(軍事問題評論家)
●内容
第1部 各党発言「総選挙にのぞむ抱負と重点政策」
第2部 討論 主なテーマ「(1)これからの日米関係、(2)経済再建のポイント、(3)政権樹立と政策協力」
「司会」 桂敬一(元東大教授)
「討論者」 前田哲男(軍事問題評論家)辻井喬(詩人・作家)と各党代表

開催場所:日本記者クラブ 10階ホール(千代田区内幸町2-2-1内・  電話03-3503-2721)
会費:1000円 学生800円
主催:マスコミ九条の会
連絡先:090-3499-5448(仲築間)
    090-8580―6307(三枝) 
メールアドレス:postmaster@masrescue9.jp
FAX 03-3291-6478(FAXはJCJの番号です)

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# by daisukepro | 2009-07-18 19:35 | マスコミ

講演会のお知らせ


海上自衛隊は護衛艦の第2次派遣を実行しています。
ソマリア沖で自衛隊は何をしているか、護衛艦に同乗取材した東京新聞の半田滋さんから直接お話が聞けるまたとない機会です。

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# by daisukepro | 2009-07-17 22:09 | マスコミ

イラン映画「少女の髪どめ」の靴とブルカ


イラン映画「少女の髪どめ」の靴とブルカ


近ごろ、映画館へ出かけることがめっきり減った。都心までの交通費は馬鹿にならない。映画の上映時間が2時間強、往復の時間を加算すると3時間はかかる。気づいてみれば映画をテレビで鑑賞する機会が増えることになった。

 北京オリンピックを契機にテレビを買い替えた。サッカーの試合やスポーツ中継を大きな画面で観戦することが目的だった。しかし、いまではテレビは映画鑑賞に利用している。劇場と比べようもないが、ブラウン管テレビ時代より受像機の機能は改良された。特にハイビジョンは優れている。映画鑑賞するのに問題はない。

 ケーブルテレビ局から月末、翌月の番組表が送られてくる。事前にこの番組表をみて映画の放送時間をチェックしておく習慣ができた。見損じた映画を発見することが多くなった。
 映画の後半を過ぎた頃、昔見たことに気がつくこともしばしばある。けれども、結末を思い出すことができない。そのため、いついかなる映画も新鮮に鑑賞することができる。年のせいだろう。

 BSでは一般的評価の定まった旧作が放送になるが、CSは編成担当者がマニアックなのか、買い付けの予算が不足なのか「何でも鑑定団」的掘り出し物が多い。有料のチャンネルは除くとして、「ムービープラス」、「ララテレビ」などはよく利用する。
 我が家には韓国ドラマバフが一人いるので、その時間帯は避けなければならないが、さすがに深夜2時から朝の4時までとなるとチャンネルは独占できる。また、放送は1回限りということがなくおおむね3回は再放送するから録画しないで済む。
 批評を書くためには録画が必要だが、録画を頻繁にしすぎたために1年足らずでハードデスクがパンクした。修復の費用は2万円かかるという。新しく買い直す資金が捻出できない状態が続いている。 年金生活の悲しさ、レコーダーはまだない。c0013092_22203255.jpg
 朝食後、なにげなくCSの番組表を眺めていると「少女の髪どめ」というタイトルが目に止まった。 放送時間が若干過ぎている。TVをつけると中東あたりの建築現場が映った。しばらく見ているとロケ場所がテヘラン郊外であり、イラン映画であることが分かってきた。しかも、建築現場はアフガン人難民労働者が無許可で働かされている。季節は厳冬、建築労働者に暖かいお茶を配る仕事をしている青年が主人公らしい。

 いま、テヘランは大統領選挙をめぐり混乱が続いている。衝撃映像がYOUTUBEで世界中に発信された。横たわって動かない少女の体から血が流れる。抗議デモに参加した少女は民兵に狙撃されたのだ。隣国のイラクでは駐留している米軍が都市部から撤退を開始、バクダッド市民は歓喜の声を上げた。アフガン北部ではアメリカ軍が再びタリバン掃討作戦を展開している。中東地帯の受難は続く。映画はイランの労働現場を映し出している。ヒロインの少女はアフガン難民の娘だ。私はいつの間にか物語の中に引き込まれた。

 映画は3つの小道具を扱っている。ひとつはアフガニスタンの少女が落とした髪どめ、もうひとつは水たまりに足を取られて脱げた少女の靴、足跡、そして最後に少女はベールで顔をつつみ、アフガンに帰って行く。ベールはブルカと呼ばれている。台詞がなく、表情と行為だけで心の奥の闇や複雑な立場を表現できるのは映画や演劇の醍醐味である。この監督は詩人だなと思った。

 検索してみるとイラン映画の巨匠マジッド マシディ監督だった。2001年度製作、2003年日本ヘラルド映画が輸入配給した。2001年といえばあの9、11の同時多発テロが発生した年であり、10月にはアメリカ軍のアフガン空爆、11月には侵攻が始まった年である。おそらく911以前に映画は製作されたものだろう。

 実はマジッド マジディ監督には袖ふれあうていどの縁があった。「運動靴と赤い金魚」(1997年)という作品がある。
ある日、友人のシナリオ作家から手紙が届いた。「いや、おどろいた、世界には同じようなことを考える人がいるもんだ」とかかれてあり、
「運動靴と赤い金魚」で少年が透明なポリ袋に買った金魚をいれて家に走って帰てくるシーンが出てくるが、自作のテレビ番組のシナリオにそっくりだというのだ。20年も前の話だがその番組の題名は「殺人金魚」という。少年は祭りで買った金魚をぶら下げて家に走って帰る。家に戻った少年は親の目から金魚を隠すために水洗便器の中に入れておくが、親に見つかり金魚は下水管に流されてしまう。やがて、その金魚は下水道で巨大な殺人金魚に成長して、人を食い殺すという現代寓話だ。その導入部で使われたのが赤い金魚である。友人のシナリオ作家が詩人であることは言うまでもない。
イラン映画「少女の髪どめ」の原題は「バラン」、「雨」の意味です
。原題から推測すると監督が印象的に使った小物は「靴とブルカ」ではないだろうか。それは別離のシーンに使われている。「靴とブルカ」は心の奥にいつまでも残り、少年は生涯忘れないだろう。また逢う日はこないけれども、少年の「草原の輝き」となるだろう。

7月28日の「ララテレビ」で深夜1時30分から再放送されます。ケーブルテレビやスカパーなどに加入していることが条件というのが残念ですが、オススメ映画です。
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# by daisukepro | 2009-07-06 22:22 | 映画

ドキュメンタリー映画「昭和八十四年」を見に映画館へ行こう


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8月下旬渋谷UPLINKでロードショーされます。
「発見の同好会」のオススメです。今年の夏はこれだね。監督も30代です。
c0013092_21125226.gifこの本は主人公の飯田さんの著作です。映画を見る前か、後で必ず読むと映画が倍楽しめる。話し言葉なので活字嫌いのあなたでも読みやすいよ。(岩波現代文庫)



制作の背景
内容 | 01:03

 飯田さんを撮りはじめたきっかけは、

正直あまりにもアホな(?)モノです。

企画を担当したスタッフ(撮影:若尾です!)が、

都内の心霊スポットを紹介した雑誌を見ている際に“スガモプリズン”の存在に

興味を持ったのが、そもそものはじまり。

スガモについて書かれた飯田さんの著作に感銘を受け、

東条元首相らスガモで処刑された戦犯たちや、

後に政財界のトップに君臨し、歴史に名を残した人々

とは異なる、一人の元BC級戦犯に、我々は出会いました。


 飯田さんの半生は、およそ半世紀後に生まれた我々には想像をつかぬ程、

波瀾万丈で重厚な“物語”に満ちていました。

そして、いわゆる“イデオロギー”に絡めとられない意志の力、

タフでチャーミングな人間性を前に、

アウトプットの形も見えぬまま撮影は始まりました

(主なスタッフは皆、フリーランスとして映像制作に関わっていますが、

ジャーナリストでも映画製作者でもありません)。

振り返ると、要するに飯田さんの“生き様”に惹かれたのかなと。


 “戦争”“薬害”“昭和という時代”“個と公”“家族”…。

当ドキュメンタリーには様々なテーマが内包されていますが、

まずは、長きに渡って昭和の闇と戦い続け、

86歳となった現在も懸命に模索を続ける『飯田進という物語』

を知ってもらいたいと考えています。 


(文:ディレクター 伊藤)
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# by daisukepro | 2009-06-20 21:25 | 映画

海賊退治に飛び立ったオライオン

平成21年度補正予算が衆議院を通過、参議院で否決されたが60日ルールが適用されて予算案は成立することになった。
一般会計の中にはソマリア海賊対策費、182億3800万円が計上されている。5月15日、浜田防衛大臣はロキード社製哨戒機P3C、2機のソマリア派遣を命じた。
6月中旬から4ヶ月間、飛行隊はソマリア海域で哨戒の任務に就く。派遣航空部隊の編成は海自隊員100名(飛行隊40、整備補給隊30。基地業務隊40、警衛隊30)、陸自隊員50名、約150名っである。最高司令官は自衛艦隊司令官である。旧海軍の軍令部に相当するのだろうか、山本五十六連合艦隊司令長官の名が思い浮かぶ。
ソマリア対策費のうち自衛隊海賊対策費は145億500万円(含む 艦艇の諸経費45億円、P3C派遣の諸経費95億円)であるという。もちろん、兵士が使用するであろう武器弾薬の経費はこの中に含まれている。
P3C、その名をオライオンという。
c0013092_23593872.jpgギリシャ神話の神の名をつけた、2機の「オライオン」はジブチをめざして5月28日、雨降る厚木基地から飛び立った。そこで米軍と合流して、ソマリア沖で米第7艦隊との共同作戦に組み込まれる。何が起こるか。政府にとって都合の悪い事件は軍事機密としてベールに包まれることになる。武器密輸、麻薬ルートのソマリア近海における取材は命がけにならざるを得ないだろう。現在参議院で審議中の海賊対処法案は参議院で廃案にならない限り成立する見込みだ。海賊退治は警察行動だから憲法が禁止している軍隊の武力行使ではないという乱暴な解釈で武力行使が可能になる。すでに補正予算が成立する数ヶ月前から自衛隊は準備と訓練を実施して、国会審議を横目で見ながら、艦隊はソマリア沖で活動している。大量の武器弾薬を搭載していることは言うまでもない。この法案成立と同時に、いつでも現地実行部隊が海賊退治と判断すれば交戦することができる。兵士は遭遇した相手が、難民か、漁民か。それとも海賊か、敵かそうでないか、瞬時に決断しなければならない。世界中いたるところで闘うアメリカ特殊部隊の活動を描いた米国テレビ番組(「ザ ユニット米国特殊部隊」「24」など)が若者たちに人気だ。21世紀は国家と国家間の戦争はなくなったが地域紛争は激増し、超大国の目線で見た山賊、海賊、テロリストはいたるところに潜在している。テレビ番組の素材に事欠くことはない。アメリカ軍は世界中に基地を置き、軍事力でこの国境なき敵に対処しようとしてる。日本は国際紛争の解決に集団的自衛権と武力を行使しないという誇り高き憲法をもつ。「戦争をしない国」日本を「戦争をする国」、「終わりなき戦争をする醜い国」にしてはならないと思う。戦争は始めたら歯止めが利かない。日本が「戦争する国」になりたいなら、闘う価値のある敵はいたるところにある。海賊退治、テロ退治を選ぶ必要はない。ガン細胞退治、疫病退治、貧困退治、温暖化退治戦争に挑戦したらどうだろう。
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# by daisukepro | 2009-06-04 00:03 | 憲法

お知らせ「米国はチェンジ、日本は9条」

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# by daisukepro | 2009-05-10 08:31 | マスコミ

ランキングがお好き 議員特約「海外視察旅行保険」のおすすめ

ランキングがお好き 議員特約「海外視察旅行保険」のおすすめ

ゴールデンウイークをどうするか。海外旅行に行きたくても金がない。そうだ、まだ通知が来ていないが麻生がくれた贈り物、給付金1万2000円がある。納税者には還付金なのだが、なぜか給付金といわれると施しを受けたような気になる。「しょうがない、量販店にでかけて1TBのハードデスクでも奮発するか」最近、池袋三越が山田電機に居抜きで買われたとかで閉店セールをやっているそうだが、高級品志向の三越には縁がない。ビッグカメラはゴールデンウイークスペシャルセールとかをやっている。
「やっぱり、ビッグカメラの餌食になるか」
店内エスカレーターに乗りながら考えた。
「電気製品量販店の名前にはなぜカメラと付くのか」
「館内音楽のボリュームがやたら騒々しいのはなぜか」
「いつの頃からかな、主な商品には売れ筋ベストテンを掲示するようになったのは」
「欲しい家電製品が3位だと、1位を見たくなる。これって消費者心理というものなのか」
「売れ筋といっても週間か、月間か、それとも年間か、適当に操作もできる数字なので信用できない。けれども、どの製品もスッペクに大差がないときに、君は思わず1位を選んでしまわないか」
結局、何も購入せず、ラーメンを食ってデパートの美しいトイレで糞(失礼)して帰った。量販店のトイレは狭くてお粗末だ。

さて、本題に入る。これから紹介するベストテンはあまりありがたくない事柄である。税金の無駄使いランキング、商品は都議会議員の「海外視察旅行」である。c0013092_22312210.jpg

まず、銅メダル。第3位は2006年の「民主党議員団ブラジル旅行」。サンパウロ、イグアス、クリチバ、現地滞在7日間、ブラジルの環境、エネルギー政策を視察してきたという。立派なレポートを渡航前に作成しておいたので、イグアスの滝など世界的に署名な観光コースをゆっくりと観光することができた。使われた税金の総額756万円、民主党4議員で一人当たり191万円、副賞はゴージャスな旅行を楽しんだで賞 

第2位、銀メダルは2007年に実施された「自民党議員団のエジプト・フランス・スペイン旅行」。
自民党5議員で1人当たり約228万円。わざわざ、車をチャーターしてあの有名な修道院モンサンミッシェル観光を追加した。副賞さぞ見たかったで賞。

金メダルの栄誉は2007年10月「民主党議員団の北欧5カ国訪問」。議員4名で一人当たり270万円を使った。金額がずば抜けている。そのはず、8日間で5カ国を回るというかけ歩きツアー、移動に専用車を使い、その費用だけでも総額199万円。豪華大名旅行、ご立派というほかない。

ご存知のように東京都議会は自公民が圧倒的多数の議席を占め、石原都政を支えてきた。都は年6200億円の財源不足を理由に138事業の削減を打ち出した。これを自公民の都議団は英断と評価、削減計画を推進してきた。特養ホーム補助の廃止、シルバーパスの削減、「障害者」福祉手当の削減など高齢者、障害者の福祉を冷酷に切り捨てた。弱者に痛みを強いる一方、自分たちだけは一人270万円もする豪華な海外旅行を楽しんで税金を浪費した。普通の海外ツアーは30万がいいとこだ。人間として許されない行為だと思うが、7月の都議会選挙の投票行為によって懲らしめるしかない。議員の名は武士の情け、聡明な皆さんは選挙前にその名を確かめることでしょう。

「発見の同好会」に使いたくない言葉を上げよと問えば「受益者負担」と「自己責任」と答える。しかし、この海外視察旅行の受益者たちは受益者負担が相当だ。全額返還を求めたい。それが無理なら、7割自己負担を提案したい。それでも7掛けで世界旅行ができるではないか。さらに、都議会議員限定の海外視察旅行保険を条例で決めて、議員報酬から毎月30万円を強制徴収、健康保険と同じように3割を自己負担する、旅行しなかった議員には全額還付金で戻すことでどうだろう。保険料を払っているのにさらに3割自己負担するなんて国は世界中で日本の国民健康保険だけだそうだ。全額自己負担、7割負担、保険をかけて3割自己負担、三つの案のどれを選びますか。「新銀行東京」で商品化して売りに出したらいかがかと。
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# by daisukepro | 2009-04-30 22:20 | 政治

海賊対処は名ばかり、闇の奥の奥ーアメリカの軍事的な枠組みに組み込まれる危険

「海賊対処」法案は4月23日午前中に総括質疑を終えて、委員会で採決した後、急遽本会議を開き自民党、公明党が採決を強行、賛成多数で可決した。わずか6日間の審議で質疑を打ち切り、自衛隊の恒久的海外派兵と武力行使に道を開いた。明らかに憲法九条2項に反する。私たちの理想、日本国憲法をいとも簡単に放り投げていいものだろうか。法案に賛成した国会議員たちを許すことはできない。

スマップの草薙事件報道がメディアの時間と空間をハイジャックしている間に、「海賊対処法案」はあっという間に衆院を通過して参議院に送られた。参議院の審議は「外交防衛員会」で行われる。現在、審議中の「グアム協定」が成立すれば、5月11日頃から「海賊対処法」の審議が開始される。もしここで徹底審議をすれば、会期延長が必要になる。世論の動向によっては廃案の可能性が出てくる。「海賊対処法」が解釈改憲であり、自衛隊が米国軍再編に組み込まれるようとしていることを明らかにすることがメディアの責任ではないか。責任は重大です。現在の世論調査では「海賊を退治するのがなぜ悪い」が過半数です。マスコミの報道姿勢に影響されたこれらの声が改憲したい勢力の背中を押している。

ソマリア沖に出没する海賊はマラッカ沖の海賊とは質が違う。マラッカ沖の海賊は船舶を襲って金品や積み荷を強奪するのが目的だが、ソマリア沖の海賊は金品には目もくれないで乗組員を人質に取り身代金を要求する。被害総額は約110億円に達していると国連が発表している。GPSと衛星電話を装備している大型母船を使い、自動小銃などで武装した海賊がいくつかの小型漁船に乗り込み船舶を襲う。身代金の受け取り方もヘリコプターを使用するなどきわめて組織的に行われていることが特徴と言われている。

獨協大学の竹田いさみ教授の論文(世界3月号、ソマリア海賊の真相に迫る)によれば、「2008年10月に海賊保険がイギリスで誕生した。海賊対策と海賊被害補償をパッケージにした商品を売る英国の民間安全保障コンサルタント会社のハートセキュリティとスウイングルハースト(1999年設立)である。ハートセキュリティを育てた人物はイギリス陸軍特殊空挺部隊出身のリチャードウエストベリー卿、フォークランド、北アイルランド、ソマリアなどの紛争地での経験が豊富であり、世界13カ国に事務所を構えている。9、11以後海洋テロ対策で業績を伸ばした。内戦下のソマリアでプントランド地方の有力者が一方的にプントランド自治政府を樹立したが、この自治政府のコーストガードの創設をハートセキュリティ社が請け負った。(写真はプントランドコーストガード)c0013092_22561239.jpg同社は沿岸警備のノウハウをソマリア人に教えた。しかし、契約金の支払いを巡り自治政府と対立して、2002年ハート社はプントランド自治政府から完全に撤退した。この頃から、ソマリア海賊が出没するようになった、プントランドのコーストガード出身者が変身したのがソマリア海賊の正体ではないか」という。また、「ソマリアの無政府状態を悪用してアフガニスタン、パキスタン、ソマリアを結ぶ国際犯罪シンジケートが結成され武器や麻薬の密輸ルートを形成している」と竹田教授は指摘する。

アジア、中東、アフリカを繋ぐ要にあるのがアデン湾なのである。ソマリアはこの地帯と東南アジアと日本、韓国、台湾を結ぶラインとアフガン、パキスタンのライン、そして紛争が頻発しているアフリカ諸国への軍事作戦などを展開するためのアメリカ世界戦略の要衝なのだ。

まだ、法案が審議中にも関わらず、自衛隊はP3Cの派遣を決めた。なぜ急ぐのか。ソマリアの隣国ジブチの国際空港を利用してP3Cを配置、既にジブチにある米軍基地と共同作戦が展開できる。さらに防衛のため特殊部隊を含む陸上自衛隊を約1000名派遣するという。これらの事実を報道するだけでも視聴者は今回の海賊対処法が単に海賊退治のための法案ではないことが推測できる。海賊対処とは名ばかりのこの法案でアメリカの軍事共同作戦へ参加の法的根拠が出来る。アメリカは特別にアフリカ総司令部を新設している。この司令部はアフリカ資源争奪戦をコントロールする軍事組織である。しかも、日本は海賊対処法によって国会の審議なしに、内閣の決定があれば自衛隊の参戦を決めることができる。アメリカの軍事行動に巻き込まれかねない危険な法案なのである。テロ対処や内紛対処の軍事行動は憲法に規定している国家間の戦争でないから憲法9条に違反しないとする、こんな詭弁的解釈が通るなら、日本国憲法は圧殺される。そして、いつでも、世界中どこでもアメリカの戦争に自衛隊は駆り出されることになる。現憲法がある限り許してはならない。私たち同好会員がこの海賊対処法案に反対する理由である。
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# by daisukepro | 2009-04-26 23:04 | 憲法

「海賊対処法案」は自衛隊の武器使用が狙い。「さみだれ」改憲

ソマリア沖に海賊が出没している。海賊といってもここは南米のカリブ海ではない。ハリウッド映画「カリブの海賊」のようにドクロマークの旗を掲げた海賊船や格好いいジョニーディップなどは登場しない。夜陰に小船にのり石油タンカーに接近、乗組員などを誘拐拉致して身代金を要求する。漁師にも、難民にも変装する。金目当ての犯罪である。海賊が現れるアデン湾は地中海からスエズ運河を渡り、紅海を抜け、インド洋に至る海運航路の要衝である。各国の船舶は絶えずここを往来している。海賊の根拠地はソマリアにあるとされているが、ご存知のようにソマリアは長期にわたる内紛で無政府状態が続いている。
映画「ブラックホークダウン」(予告編参照)をご覧になった方は思い出してください。市街地に墜落した軍用ヘリ「ブラックホーク」を救出に行く米軍の活躍をアメリカ軍の視点で描いた戦争アクション映画だが、ソマリア内紛の実態が分かる。ソマリア内紛はアメリカをはじめとする超大国の内政介入によって拡大、長期化したものだ。そして、国連の軍事介入が失敗して、統治能力が失われた。軍事介入が事態解決するどころか、いまや、「干ばつ」、「飢餓」、「疫病」など混乱と貧困と恐怖がソマリア全土を覆ている。ソマリアの娘さんは結婚するならかっこいい海賊の花嫁になりたいという話もあるそうだ。ソマリヤの現状が国際紛争の結果として起こっていることはまぎれもない事実だろう。そこへ、日本の海上自衛隊がでかけて、アメリカ軍と情報を共有しながら海賊退治を任務に武力を行使しょうと言うのだ。

日本のメディアは北朝鮮のミサイル発射やWBC報道でにぎわっている。その裏側でソマリア沖のアデン湾では重大な事態が進行中である。
3月13日、呉港から出撃した海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」「さみだれ」はアデン湾の海上で船団護衛の任務に就いている。報道によれば、4月3日夜間(現地時間)、海上自衛隊はシンガポール船籍のタンカーから要請を受け、接近してきた小型船にサーチライトを照射、音響装置から大音響を発して、敵を排除したという。新たに装備した新型機関砲など武器使用はされなかったが、軍事用語ではこれを会敵というらしい。小型船が停船せず、発砲するなど抵抗を見せれば交戦が始まり、戦死者がでないとも限らない。しかも、そのような行為が適法かどうか、法律の国会審議はこれからなのである。幸い、敵(小型船)が逃走したため、そのような危険な事態は起こらなかった。大音響の発生装置もこの任務のため装備したものという。そのほか、護衛艦には戦死者の遺体を保存できる死体安置所が船内に置かれているそうだ。
政府は「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律」(海賊対処法案)を国会に提出、4月14日に「海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止および我が国の協力支援活動に関する特別委員会」(深谷隆司委員長)というながーい名の委員会を開き、4月中に衆議院を通過させたい考えである。この法案は上記のような事態が発生した場合、武器使用を可能にするための法案である。今回はソマリア沖だが、法案に海域限定はなく、期間も定めがない。海賊行為があれば世界の海のどこでも、いつでも出撃して、武器が使用できる。これはどこから見ても憲法違反ではないか。ところが、法案の説明では日本国憲法が規定する武力行使、交戦権の行使とは国家間の戦争のことであり、海賊行為はこれに相当しない。憲法が規定する戦争はこの戦争(テロ行為)を対称としていない、非対称の戦争だから武力行使をしても憲法違反にあたらないという旧日本軍的解釈によって自衛隊の武力行使を認めようとするものだ。
しかし、戦争の世紀と呼ばれた20世紀が終わり、21世紀は国家間の戦争がなくなった。その代わりに、9・11以後、世界中にテロや地域紛争、民族紛争が多発するようになった。それは皆さんがよく知っている通りです。
この情勢の中で自衛隊の武力行使を野放しにしたら、国際紛争が発生して自衛隊が出動すれば世界中の国際紛争や内紛で自衛隊の武力行使ができることになる。しかも、海賊対処法案には「日米軍事約束の遵守」が明記されている。現在、世界中で軍事行動を展開しているアメリカ軍と共同軍事行動ができる。繰り返しになるが、日本国憲法九条があっても、理論上、いつでも、アメリカ軍の要請があれば世界中どこでも自衛隊が出動して武力行使が出来ることになる。地域紛争やテロが多発する現代だからこそ、憲法九条は厳格に守らなければならない。
海賊退治と言うけれど、アデン湾の銃声一発がナショナリズムを煽り、憲法九条改正の呼び水になりかねない。こんな危険な恐ろしい法案を成立させてはならないと思う。特別委員会審議内容に注目したい
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# by daisukepro | 2009-04-11 19:14 | マスコミ

観客とは椅子である。オリヴェイラ監督の情熱

WOWOWがクエスト〜探求者たち〜という番組をシリーズ放送している。ものづくりに人生をかけて探求し続ける人々を記録したドキュメンタリー番組である。分かりやすくまとめられているので、気軽に楽しめる。3月29日、日曜日朝9時、タイトル「100歳の映画監督、オリヴェイラの情熱」が放送された。100歳の高齢にも関わらず映画を撮り続けるマノエル・ド・オリヴェイラ監督の情熱はどこにあるのかというのが、このドキュメンタリー作品の最初のモチーフであるらしい。
c0013092_2091195.jpgこれまで、監督作品を見る機会がなかったが、番組放送後、作品を見たいという衝動にかられた。杖に頼ることもなく歩く監督の後ろ姿もチャーミングだった。監督がベルリン映画祭で特別功労賞を受賞したこともあって記者会見場には世界中の記者が集まっていた。(日本からはこのドキュメント取材チームのみ)ある女性記者の質問にオリヴェイラ監督がみせた厳しい表情が印象に残った。女性記者は次のように質問した。
「この作品で監督が観客に見せたいことは何ですか」、
監督の答えは要約、次のようなものだったと思う。
「私は観客という言葉は嫌いです。わたしには観客とは椅子という意味です。私は人々と共に映画を作っています。人々は個性がありそれぞれ違い、また、同じです。それぞれの嗜好や感性が違うように、私にも好みがあります。それに答えるのは難しいこことです」
壁に背を凭れかけながら、腕組みした記者が弁解した。
「私は観客を人々という意味で使ったのです」
それを聞いて、監督は耐えきれなくなったのか
「今日はこのへんにしときましょう」と記者会見を打ち切って立ち上がった。この気まずいやり取りを聞きながら、私は昔の日本映画業界で使われていたある言葉を思い出した。それは観客動員という単語である。日本映画産業は毎年産業統計を発表してきた。全盛期の頃、観客数を観客動員数と記述していたことがあった。統計用の業務用語だから、観客の個性を軽視しているわけではないと言われればそれまでだが、嫌いなことばであった。軍隊用語では学徒動員などと使用されて、印象が悪い。現在ではさすがに観客動員数は入場者数に改まっているが、作品の価値観を興行収入で計っていることは今も昔も代わりない。つまり日本映画産業は観客を椅子と考えているのだ。作品をつくる立場の監督として、観客という言葉
c0013092_2012388.jpgを忌み嫌うのが何となく分かる気がした。
もう一つ印象に残ったことばがある。
それは録画できなかったので不正確だが「河の流れは昔の水ではない」である。監督の最初の作品はポルト市を流れるドウロ河岸で過酷な荷揚げ労働を強いられていた人々の姿を撮影した短編ドキュメント映画である。当時はドン・ルイス鉄橋の上を汽車が渡っていたが今は自動車が走っている。奴隷のように働いていた人々の姿はすでになく、高架橋の下を滔々とドウロ河は流れている。風景としてのドウロ河は昔と同じだが、流れ行く水は同じではない。私はこれが監督の反体制、反権力的歴史観ではないか、作品の底辺を流れる骨ではないかと思った。この言葉から受けた直感です。これが監督作品を見たい私の理由である。さて、次週の土曜日、これも早朝に再放送があるというので、親しい人々に鑑賞をすすめたのだが、WOWOWに登録している人が意外に少ない。20人目にやっとサッカー好きの友人を発見。地獄で仏にあったようだ。早速録画を頼んだ。その後、幸いなことに同じチャンネルでオリヴェイラ監督特集が放送される。ポルトガル映画史に残る監督が作った作品、どんな映画だろう。見るのが楽しみだ。
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# by daisukepro | 2009-04-08 20:11 | 映画

見えない飛翔体、飛んだのは防衛システムとメジャーリーグ中継



午前10時頃、NHKBSでヤンキースのオープン戦を見ていると突然放送が打ち切られた。「飛翔物体の打ち上げが確認されました」というテロップが流れ、アナウンスが繰り返えされた。「政府は万全の対策をしているので、慌てないで平常の行動をとってください」と重大な緊急発表のような口調。こちらは慌てるどころか野球中継が中断されてイライラしている。「慌てているのはお前だろう」とテレビに向かって思わず叫んでしまった。c0013092_20251277.jpg続いて職員らしい男性が登場してこの情報システムの解説を始めた。それによると早期探知するのはアメリカの衛星→(アメリカ軍)→防衛省→総理官邸→emNET→各地行政とNHK(マスコミ)に通達する仕組みだそうです。「なんだ、アメリカ軍からの情報の垂れ流しか」としらける。何故か説明図にはアメリカ軍はなく、いきなり衛星から防衛省に伝達されるかのようになっている。そんな訳はないだろう。ところがびっくり、5分もたたないうちにこれが誤報だとNHKは伝えたのだ。「え、え、え」。誤報がどこで発生したか分からないという。散々同じ説明を繰り返した最後に、探知した衛星の誤作動ではないかと推測した。これだって疑わしい。誤認は米軍ということもある。これだけでも噴飯ものだが、12時16分、今度は防衛庁情報局の発表で再び「ミサイル発射」という報道が流れた。「ミサイル?」 これは千葉県にある「かめのこレーダー」が探知したとうい。ところが、この情報も5分後、レーダーの誤探知とわかり再び取り消された。4時過ぎ、川村官房長官が「今日の発射はないだろう」と発言ドタバタ自作自演のドラマに終止符を打った。
この一連の報道で隣国の脅威と緊張を煽る勢力の恥さらしな正体がみえてくる。NHKもまた大本営発表をする放送局であることを市民は目撃することになった。オオカミ少年ではないが、政府の言葉を信じるものは誰もいなくなるだろう。最初の探知情報を間違えればミサイル防衛システムは機能するはずがない。税金ばかり使って、役に立たないミサイル防衛システム計画は見直すべきだ。マスコミは意味のないPAC3の解説をやめて欲しい。アメリカ軍は情報を操作できる、防衛省の探知システムは機能しない。アメリカのゲイツ国務長官でさえミサイル迎撃は出来ないと言っているではないか。しかも事前に北朝鮮が何をするか分かっていながら騒ぎ立てた結末がこの有様だ。おかげで松井のホームランを見損なった。サクラは満開だが不快な一日だった。
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# by daisukepro | 2009-04-04 21:20 | マスコミ

安心安全まちずくり条例がスピード可決

安心安全まちずくり条例改正がスピード可決 繁華街は安全になるか?

 3月27日、2009年度予算と関連法案が自民党、公明党の賛成で成立しました。過去最大、88兆5480億円です。西松建設の違法献金疑惑はのこされたままです。2大政党論のまやかしを明らかにする絶好のチャンスなのに、マスコミの追求はなぜか緩やかです。同じ日に東京都議会本会議は予算案を多数決で可決しました。福祉切り捨て王石原都知事が提出した都立の小児科病院を廃止する条例、安全安心まちづくり条例の改正などが含まれています。共産党は質疑答弁でこの条例改正が「都民の権利を制限し規制を課すものではない」ことが確認されたと述べています。けれども、この条例改正で治安の確保を目的とする推進協議会の設置が定められたことで、対象となる繁華街の範囲や啓発の指針などがすべてこの推進協議会で決めることができます。推進協議会は正式に行政や公安員を含めて構成され、従来からある警察協議会とは違った性格を持ちます。任意の市民団体から予算がともなう官許の協議会になることは間違いありません。この協議会が治安維持にどんな役割を果たすのか不明ですが、不気味な感じがしないでしょうか。この条例改正理由として秋葉原などの無差別殺傷事件をあげて説明していますが、これからますます閉塞感が充満する中で、弱者や異端者を排除する治安維持の論理がエスカレートするのではという危惧を持ちます。
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# by daisukepro | 2009-03-29 23:29 | 政治

安全安心まちづくり都条例改悪で繁華街は不安で夜も眠れない!

安全安心まちづくり都条例改悪で繁華街は不安で夜も眠れない!


明日、3月17日、東京都議会で総務委員会がひらかれる。そこで、安全安心まちずくり条令の改正案が審議され、翌日、18日には委員会を多数決で通過する見込みである。c0013092_13203424.jpg27日の都議会で採決される。たった3日のスピード審議である。なぜ急ぐのか。この条例は2003年春に制定されたものだ。今回の改正にあたって東京都は有識者会議を開いた。そこで審議された内容が報告書にまとめられ告知されたのは2月10日、18日の第1回都議会定例会議で改正案が提案された。改正のポイントは繁華街の安全安心の確保を規定した第6章18条の2項、3項、4項である。
警察関係者によれば、「今後、失業者の増加が予想される。(条例改正は)治安の確保のために急ぐ必要がある」という。c0013092_13211693.jpg閉塞感を爆発させる秋葉事件のようなケースを未然に防ぐための措置だという話もある。
では、条例の改正案を見てみよう。その第6章18条は下記のように書かれている。


第6章 繁華街等における安全・安心の確保等

第18条の2(繁華街等における安全・安心の確保)
繁華街その他の店舗が集積し、多数の来訪者を抱える地域において、店舗、駐車場その他の施設若しくは土地を所有し、若しくは管理する者又は事業を営む者、地域住民、ボランティア及び来訪者(以下「事業者等」という。)は、次条に規定する繁華街等に関する指針に基づき、当該繁華街等の安全・安心を確保するために必要な措置を講ずるように努めるものとする。(アンダーラインは同好会)

要約すると「繁華街にかかわるすべての者は繁華街の安全を確保するために必要な措置を講ぜよ」ということである。この条令では繁華街は繁華街関係者と来訪者で構成される。安心安全を乱す可能性のあるのは主として来訪者という想定である。文脈から治安を任務とする行政官の作文であることがすぐにわかる。けれども条例の主語は繁華街関係者である。行政官が市民の自発性を利用して治安の目的を達しようとする条例の狙いが見えてくる。さて、繁華街関係者が来訪者に対して講ずる必要な措置とはどのような措置なのか。その指針は次条に規定してあると書いてあるので3項を読んでみよう。

第18条の3(繁華街等に関する指針の策定)
知事及び公安委員会は、共同して、繁華街等における安全・安心の確保に関する指針を定めるものとする。
指針は都知事と公安委員会が(勝手に)決めることを規定している。

不思議なことに条例が出来上がる前からすでに指針は出来上がっている。この規定では公安委員会がいつでも指針を変更も追加も出来ることになる。そのような恐ろしい指針は以下のように定めている。繁華街関係者が講ずる措置はこの指針に基づかなければならない。世間で言えばこの指針の指揮命令に従う措置であり、知事と公安員会の指揮命令に従う措置を講じることが規定されているのだ。

2 基本的な考え方

第1 通則
1 目的
この考え方は、昼夜を問わず安全・安心な繁華街等を形成するために必要な方策を示すことにより、繁華街等における安全・安心を確保することを目的とする

(1)繁華街等における安全・安心の確保は、行政・警察の基本的責務であるが、繁華街等において、店舗、駐車場その他の施設若しくは土地を所有し、若しくは管理する者又は事業を営む者(以下単に「事業者」という。)、地域住民及びボランティアが自主的な取組を推進することで、より安全・安心な繁華街等を形成するとともに、街の活性化にも資する。
(2)繁華街等において店舗、駐車場その他の施設又は土地を所有しているが、繁華街における地域の取組に直接関与していない者も、この考え方の対象となる。
(3)来訪者もこの考え方に基づいて、繁華街等の安全・安心の確保に寄与するように努めるものとする。
(4)この考え方に基づく対策は、防災対策、福祉のまちづくり、活性化対策等まちづくり全般を視野に入れて行うものとする。
(5)この考え方は、関係法令等を踏まえ、繁華街等における犯罪発生状況等、繁華街等の実状に応じて運用するものとする。
(6)この考え方は、社会状況の変化、技術の進展等を踏まえ、必要に応じて見直すものとする。

指針の目的は繁華街の安全安心の確保であることを規定している。しかし、治安確保は警察、行政の責務であることを前提に繁華街関係者は自主的に治安維持に取り組めと規定している。矛盾している主張だが、警察の治安維持に繁華街関係者や(善良な)訪問者(市民)は協力せよということを持って回ってこの条令の心は主張しているのだ。だから、この条令はどこか日本語として変なのである。一般人は確保という言葉を使うことはあまりない。
元は軍隊用語で「陣地を確保」などとして使われるが、警察用語では「犯人確保」などとよく使われる。安全確保とは言うが、安心を確保したとは言わない。安全と安心を一緒にすると治安という。治安確保と表現すればいいのに、なぜ持って回って安全安心などというのだろう。この条例の本質が治安維持を目的としていることをオブラートに包むから奇妙な言い回しになるのだ。もうお分かりのことと思うがこの条令は治安維持条令なのである。
しかし、この条例はさらに一歩踏み込んでいる。戦前基本的人権を蹂躙した治安維持法はお互いに隣を監視し合う隣組組織を基礎にして威力を発揮した。この条例は治安確保のための組織の設置を提起している。それが推進協議会である。しかも官民一体の組織なのだ。以下を読んでみてください。




第2 推進協議会
1 推進協議会の設置
繁華街等の安全・安心を確保する対策を推進するため、事業者、地域住民、ボランティア、区市町村、管轄警察署その他の関係行政機関などにより構成される協議会(以下、「推進協議会」という。)を設置するものとする。
なお、同趣旨の協議会等が既に存在する場合は、これを活用することができるものとする。

まず、条例はこの組織が警察と行政機関と繁華街関係者で構成される官民一体の組織であることを規定している。繁華街関係者の自発的組織ではないのである。しかも、知事と公安委員会の指揮命令に基ずく組織なのだ。もちろん不特定多数の訪問者は含まれない。取り締まり対象者なのだから当然のことだ。
では、この組織が何をやるのか、役割は何か。先に進もう。

2 推進協議会の役割
(1) 本考え方に基づく対策の対象とする繁華街等の区域を定めるとともに、安全・安心な繁華街等の形成に向けた行動目標及び具体的な活動計画を策定の上、各種活動を推進するものとする。

まず、組織の縄張りを決めようと言うのだ。構成メンバーを見れば所轄警察署の区域に準ずることは明らかだ、そう書いてないだけである。そして、組織(推進協議会)は指針(公安委員会の指揮命令)に基ずく行動、活動計画を策定して各種活動(治安維持活動)を推進するのだ。各種活動とは何か、次のように具体的に規定されている。



(2)活動計画には、繁華街等の地域特性に応じて、次のような事項を規定するものとする。

ア 自主防犯パトロールの実施及び必要な資器材の整備に関すること。

イ 安全・安心な繁華街等の形成に資する研修会その他のイベントの企画及び開催に関すること。

ウ 犯罪の防止に配慮した環境整備に関すること

エ ゴミ・タバコのポイ捨て、歩行喫煙の禁止等ルールやマナーの遵守に係わる啓発活動に関すること。

オ 放置自転車・自動二輪車や違法看板の撤去、路上清掃、落書き消去等の環境美化活動に関すること。

カ 街頭や歩行者天国において大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、街の秩序を乱す行為の防止に係わる啓発活動に関すること。

キ 外国人の不法就労防止に係わる啓発活動に関すること。

ク 人に不安感や嫌悪感を抱かせるような客引き行為や客待ち行為等の自粛に係わる啓発活動に関すること。

ケ みかじめ料の不払い運動、暴力団追放キャンペーン等環境浄化に係わる啓発活動に関すること。

コ 事件・事故発生時における対応マニュアルの作成及び訓練並びに必要な装置、器具に関すること。

ここに規定されている事項が示すイメージを想像していただくとして、啓発活動とはどんな活動か考えてみよう。辞書を引くと啓発=「人が気づかずにいるところを教え示して、より高い認識・理解に導くこと」とでている。
タバコのポイ捨てする人(訪問者)に推進協議会員がポイ捨てはマナーに反する行為であり、自ら認識を深め以後ポイ捨てはやらないように啓発する活動ということになるが、実際はどうか。条例の指針に「反する行為だからやめろ」と注意するだけである。啓発は実際には警告になり、警告に従わなかったり、反抗的態度や言辞を弄すれば警察に連絡、駆けつけた警官が再び警告、従わなければ条例違反として公務執行妨害で拘束する根拠があることになる。
パフォーマンス等はいかなる行為を規定しているか曖昧だが、それが大衆に多大な迷惑をかけていると誰が判断するのか、街頭署名活動や労働組合の社前抗議行動、市民運動の宣伝活動など取り締まりの根拠が指針(公安委員会が決める)となれば無限に広がりかねない。憲法の基本的人権、表現の自由に関わる問題でもあるので慎重に議論する必要があるのではないか。条令という名目で知事や公安委員会に白紙で判断をゆだねていい問題であるかどうか深い疑念がある。法律家はどう考えているのだろうか。
最後の4項は行政(公安員会)や警察署長が繁華街関係者(推進協議会)に情報提供することを定めたものだ。以下を見てみよう。


第18条の4(事業者等に対する情報の提供等)
① 都は、繁華街等における事業者等に対し、繁華街等の安全・安心を確保するために必要な情報の提供、技術的助言その他必要な措置を講ずるものとする。
警察署長は、その管轄区域内において、事業者等に対し、繁華街等の安全・安心を確保するために必要な当該繁華街等における犯罪の発生状況等の情報の提供、技術的助言その他必要な措置を講ずるものとする。
同時に繁華街関係者が警察への情報提供を言外に求めていることは協議会の構成、あり方から推測できる。実際の協議会活動は条例違反者の摘発、情報提供という名の密告が組織的に行われることになりかねない。
むしろ、条例の文章からそのような組織を作ること目的としている、推進協議会が出来てしまえば運営上恐ろしい組織に化けるという疑念を消すことはできない。このような条例は民主主義を圧殺して、本来は警察の責務である治安維持に市民を巻き込み、地域ぐるみで密告社会の温床を形成するものであり危険きわまりない。議席の多数派によって決めてはならない憲法違反の治安維持条令ではないかと思うのです。議決を急ぐ理由はどこにもない。形式民主主義にならないように都議会議員は党派を超えてしっかりと議論してもらいたい。なし崩し的に条例改正を繰り返し、いつのまにか人権をおびやかす法律を作ったと同じ結果になる。ぼくの邪推であることを期待したいが、このままでは世の中が嫌な感じの坂道を転げ落ちそうに思える。警察機構が治安維持を責務にするこを否定しないが、警察の価値観に基づいた警察協力市民団体を東京につくり、この条例が望んでいる全国ネットワーク化の企てにはとてもじゃないが賛成しかねる。議員のみなさん、市民の皆さんはどう思いますか。
(写真;東京都公式ホームページより転載)
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# by daisukepro | 2009-03-16 01:13 | 憲法

アブグレイブ刑務所が再開されたがーーーー

アブグレイブ刑務所再開 2009.2.22 00:53

あのいまわしい旧アブグレイブ刑務所はイラクに返還されたが、21日バクダット中央刑務所と名をかえて再開された。(ロイター共同)c0013092_16241351.jpgイラク政府は「内部と外観を大幅に改装して医療設備やモスク、面会者のための設備を備えた」と発表した。収容人員は1万5000人、刑務所がイラクに返還されたといってもイラクは米軍占領下にあることは変わらない。アフガンやイラクの刑務所の統合管理責任者は誰か、そこが問題だ。詳細はロイター報道だけではさだかではない。刑務所の名を変え、装いを改めても残酷な管理者がかわらなければ過ちは繰りかえされる。人権侵害があるかどうかは闇の奥の奥になる。しばらくは、バクダット中央刑務関連情報を監視するとしよう。
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# by daisukepro | 2009-02-23 16:27 | イラク戦争

200億ドルの微笑、「在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する協定」の調印

ヒラリークリントン訪日の最大目的は「在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する協定」の調印である。c0013092_23295048.jpgしかも、その内容は日米安保条約を日米軍事同盟にチェンジするものだ。報道編成としてはトップに取り上げるニュースであるはずだ。アメリカはクリントン訪日の日程を日本のマスコミを研究して組み立てている。まず、ヒラリークリントン国務長官の最初の訪問国に選んだ。そして、中曽根外務大臣との会談後の記者会見で、日米首脳会談を発表した。さらに明治神宮参拝、皇后訪問、拉致家族との面談、東京大学での学生との対話、小沢民主党代表との会談など分刻みのスケジュールを編成、協定書の調印はその構成の一部に組み込まれた。まるでワイドーショーの番組構成台本のようだ。皆さん知っての通り、日本のニュース報道番組はワイドショー化している。分刻みに細分化された情報を流し、その間に感想とも解説とも分からないコメンテーターの対話が入る。そしてまた情報を流す。視聴者は論理的に考える余裕もなく、分かったような気分になっていく。しかもニュースに音楽や効果音が入り、至れり尽くせりである。外国人記者から見ると不思議な感じがするらしい。こうした特性を持っている日本のニュース番組では素材が断片化すればするほど編集しやすい。クリントン訪日を演出したスタッフはこのことをよく知っている。行動を断片化すればするほど、訪日の目的から国民の目をそらすことが不自然でなくできるからだ。
性格のねじれたぼくにはクリントン長官の微笑を素直に見ることができない。悪魔の微笑みに見える。
思い返せば、2006年から日米外務、防衛閣僚が協議を重ね、日米軍再編成のロードマップを策定した。ほとんど米軍の意向通りのものである。これをクリントン国務長官が慌ただしく来日して条約に署名して仕上げたのである。これでロードマップの推進は法的効力を持つことになる。オバマ大統領のアジア外交の初仕事をクリントン長官は無事つとめた。
これほど歴史的な大転換を日本のメディアは長官の訪日日程の一つとする報道として扱った。それに中川財務大臣の泥酔記者会見の付録がついたので、ますますベタ記事のようになった。アメリカは米軍基地建設費を日本の税金からわしづかみにすることができる。何万人の労働者が失職して路頭に迷い、高齢者が見殺しにされているにも関わらず、アメリカの軍事費に税金をばらまく。これほどお人好しの国は世界にたったひとつ、日本しかないだろう。クリントンは200億ドルの微笑を残して、あっという間に春一番のように去っていった。けれども春は来ず、春は遠のき、人心が枯れた荒野が続くだろう。顔は笑って、目は笑わず、「日本の歴史と文化を尊敬します」には恐れ入った。数年後、僕ら有権者が気づいた頃には5000億ドルの税金がアメリカ軍事戦略のために使われることになるだろう。確かにアメリカ海兵隊が沖縄からグアムに移転して、沖縄県民の負担軽減が目的のように記載されているが、完全撤退ではない。しかも、都市の中心地にある普天間基地を移転するために、同じ沖縄の辺野古沖に基地を移転することが条件になっている。わずかばかりの海兵隊を沖縄の大地の中で、たらい回しするために高価な立退料を払わされているのと同じことではないか。しかも、アジア諸国にいつでも先制攻撃可能な戦略拠点を2014年までに沖縄とグアムに建設することができる。これにプラス、厚木基地に日米共同の戦略司令部が機能すれば日本全土が米軍の前線基地となるではないか。国民は協定の全文を知らず、有権者が欺かれたと分かったときは手遅れなのである。協定の全文を紹介したのはたぶん「しんぶん赤旗」だけだ。2月17日は日米安保条約がチェンジ、日米軍事同盟になった歴史的記念日になるだろう。署名した日本側代表の外務大臣は日本を不沈空母にすると言い放ったあの中曽根ジュニアである。ヒラリー長官の不吉な微笑とともに決して忘れない。日本の外務省は地獄に堕ちた。
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# by daisukepro | 2009-02-18 23:32 | 政治